2015年6月19日金曜日

フリークライミングのルール説明

6月19日(金)は、岩場リードが雨中止にて、ムーヴ講習。
奈良の男性TDHさん、女性Hさん。
フリークライミングのルールの意味を説明するとき、2つの方向性があると思います。

①もともとフリーソロで登りたかったんだけど、あまりにも危ないからロープを付けてます。
「ロープが無くても死ななかった!」=「完登!」

※ヨセミテ的な流れ

②もともとエイドでも岩は登っていたんだけど、「ムーヴに関しては、“ありのままの岩”を登ろう。」って発想。

※マルチピッチなどの岩壁の流れ

どっちかって言うと、イメージしやすい①を使うことが多いです。
次に、ジムのルールについて。

「この壁に、そのホールドしか無い」という想定で登っています。

これも、本当にそういう例を見ると、理解できると思います。
分かりやすいのがコンペ(試合)。

そのルートに必要なホールド以外は、全て外して、
「このホールドを、自由に使って、上を目指せ。」というシンプルなルールです。

だから、ホールドが付いていない壁を押したり、背中を押しつけたりするのは、ルール上もO.K.。
ホールドを、手足以外の身体で押さえても、ルール上はO.K.。

どっちも、工夫の1つです。

でも、本当は無いはずのホールドにバランス補助されたりすると、反則という訳です。
どっちも、中上級者には当然過ぎる話でしょうが。

大前提となる知識も、はっきりとイメージしておいた方が、あとあと分かりやすいですよね。
具体的な講習内容
・足をスタンスに馴染ませる
・足を移動させるときに、反動を使う方法
・リードのビレイ練習
・落ちる練習&止める練習
・実践本気トライ
TDHさん:5.10dをオンサイト
Hさん:5.10aを再登

1つ1つの動作を確実に

6月18日(木)は、雨にてロープワーク講習。
女性HMさん、男性ONさん、久々に復帰の女性HSさん。
<渋々ロープを畳みながらも、明らかに上達したONさん>

よく講習で、言うこと。
「その動作、速すぎますよ。」

例えば、ムーヴLv.0で、ジム常設のトップロープを使う場面。
ATCも、すでに安全環付きカラビナに掛かって、さらにロープも通った状態で設置されています。

だから、その安全環付きカラビナを、ビレイループに掛ければセット完了という場面。

すると、半数以上の初心者が、何回かに1回の割合で、上下逆さまにセットします。

興味深いことに、
「逆向きだと、ビレイしづらいですね。」
という例を、1度見た後ですら、何人も何度も起こります。
<セッション効果も出る>

そのうち、
「あー、カラビナを持つときに、方向考えて持たないとダメかな?」

とか、原因分析が始まるので、8割の人は治ります。
(たまには失敗するけど)

ただ、この動作を手早くやろうとする人は、頻繁に失敗し続けます。

経験上、2割くらいはいるので、
「おっ、またいらっしゃいましたね。」

と心の中で思いつつ
「速すぎると、なぜ失敗するか分からなくなって、練習にならないですよ。」

と説明。
<ジャミングに対する興味が強いONさん>

でも、これって結構本質的で、

・クリップ練習だと、半分近くの人が速すぎるために失敗しやすい
・ムーヴだと、半分近くの人が、急ぎ過ぎて安定しないうちにムーヴを起こそうとする

などと、各場面で起こります。

他にも
・スリング収納
・ギアのラッキング
・オブザベーション
なんでも早いのに、やり直しも多い人っていますよね。

本日も、ロープ畳みで、ゆっくり1つ1つの動作を確実に行うようにアドバイスしたところ、だいぶロープが軽く感じるということがありました。
なぜか、ササっとこなしたくなる、人間心理ですね。

具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
・手畳み(ONさん、HSさん)
・ロープ背負い、手コイル、肩コイル(HSさん)
・懸垂下降の仮固定(HSさん)
・ボルトルートの終了点作業(結び替え)(ONさん、HMさん)

・フィンガークラック練習
なんと、全員が手足クラック限定で完登!
皆さん、ジャミング上手いじゃないっすか?

活気づく昼の部

6月17日(水)は、1コマ目がムーヴLv.0。
女性THさん、女性KDさん、女性NZさん、女性MMさんの4名。

2コマ目が、リード3回目。
NS夫妻、男性WNさんの3名。
<だいぶ決まって来たレスト態勢>

にわかに人数が増えてきた、昼の部。
めずらしく、定員いっぱいです
半年前は、開催しても1~2名が普通だったのに(笑)。

一般的に、夜の部は会社帰りの方が多い傾向です。
昼の部は、主婦層、リタイヤ組が多く、ややゆったりとした空気感です。
<肩の脱力が分かってきました>

必然的に・・・

昼の部はムーヴLv.0が多くなり、
夜の部は「早くリードを覚えたい。」という人が多くなります。
<夜の部は、落ちる練習>

以前にも、何人もの方が昼の部の常連にいらっしゃったのですが、3~4年前の方となると誰もおりません。

夜の部の方は、大体数ヶ月~1年では岩場の方へ移行することもあってか、今でも何人か息の長い常連さんがいるのですが。
夜の方が、受講希望者の絶対的な母数があるので、仲間が出来やすいというのもあるかと思います。

ただ、最近の昼の部は、人数も多いんで、ちょっと仲間意識が芽生えないかと期待しております。
そういう意味では、昔より環境は良くなったんじゃないでしょうか。
<5.10aのオンサイト成功>

具体的な講習内容
昼の部:
・肩の脱力(NZさん、MMさん)
・足指をスタンスに馴染ませる(NZさん、MMさん)
・最初からアウトエッジで置かなくても、後から回転させられる(THさん、KDさん)
・体幹に力を入れて安定させる(THさん、KDさん)
・指の脱力(THさん、KDさん)

夜の部
・ロープを置く位置
・ビレイの繰り出し
・しゃがみビレイ、立ちビレイ
・落ちる練習&止める練習
・振られ落ち
・実践本気トライ
NS奥様のみ:5.10aをオンサイト

今週末の日曜

急な空きが出ました。
今週の日曜、6月21日(日)が空きになりました。

とはいえ、予報も微妙なのですが。
ジム講習をお望みの方、予報好転を狙って外の講習を御希望の方、もしいらっしゃればメールお待ちしております。

誰もいらっしゃらなければ、休業にするか、ロープワークで公募するか考えます。

2015年6月16日火曜日

弱気と慎重

6月13日(土)、14日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
男性SRさん、前回で卒業したARさん、の組み合わせ。
<いざ、お殿様岩>

クライミングは、リスク判断を伴います。
その判断を惑わす要素が、いっぱいあります。

今回、起こった例を挙げて行きましょう。
①1ピッチ目が、前回の記憶より難しく感じて、右往左往してしまった。(ARさん)

「前回、登れたんだから、簡単だったはず。」
「ここで時間を掛けずに進まないと、トップアウト出来ないから、急ぎたい。」

という心理が、邪魔をしたようです。

登れたんで、結果オーライではありました。

どうすれば、良かったんでしょう?
②前回敗退したピッチ

懸案の2P目は、SRさんが突破!

前回ここで敗退した記憶を振りかえると

ARさんには
「ここがルートじゃないと思う。」
という意識が強すぎて、スタートから1メートルくらいで敗退したように見えました。

SRさんには
「ARさんが敗退したところだから、自分には無理無理。」
という意識が強すぎて、選手交代も拒んでおりました。
<「余裕じゃーん」>

今回は、
「まぁ、危なくない範囲では、やってみましょう!」

という腹を括ったように見えて、2人とも余裕の突破(笑)。

下山後も、ARさんは
「なんで、前回は絶対ダメだと思ったんだろー?」

と延々とボヤいておりました。
③先の見通しが悪いピッチ

SRさんが、リード順のときです。

ARさんが
「怖そうですよ。止めても良いんですよ。SRさんが怖いなら、止めましょうね。」
「私は、ここが頂上ってことで満足です。」

と、何度も何度も引きとめる発言をしていました。
<「よく行きましたねー!」>

が、男気溢れるSRさん。
「様子見に行きますから。」

と、リードで出発。

何度も何度も引き返して来て
「こんな様子ですけど、大丈夫ですか?」

と確認しに来てくださいます。

ただ、ARさんは言葉で聞いても結局は分からず。
SRさんの判断に従うしかありませんでしたとさ。
<落ちたら、かなり振られそう>

で、実際フォローを開始したARさん。

「なんだ!これは、私絶対落ちません!」
と、楽しげに登って来ました。

さてさて、どうしたら良かったんでしょう?
ただ、最後のオマケピッチを止めた判断は、2人とも良かったと思います。

・ムーヴの落ちる可能性
・敗退できない乗りこみムーヴ

を冷静に判断して、2人とも敗退を決めました。
<「あちらが、セレクションです」>

ともあれ、数々のドラマを越えて、お殿様岩の頂上へ!
<ビレイ点作りは、性格がプラスに現れている様子>

<名物ピッチ>

<トップアウト!>

<地上に降りた神>

<早めに降りたので、ミズガキに移動>

さて、2日目です。

今度は、真逆のパターンが起こりました。
<結局、早朝の小雨が気になって、小川山に戻る>

④一見、易しそうなピッチ

SRさんのリードで、5.8ほどのクラックを登りました。
実際、SRさんのオンサイトトライの様子を見ても、かなりギリギリだったと思います。

ただ、SRさんはそのラインを、「ほとんど階段状かな。」という風にオブザベーションしておりました。
で、核心手前でロープが大屈曲しているにも関わらず、「簡単そうだった。」という記憶のまま突っ込んでしまいました。
<見た目よりガバガバ>

ロープが大屈曲しているということは、

・ロープが重くて登りづらい
・止むを得ず、ビレイヤーは緩めにビレイすることになる

という状況になって、リスクがあります。
で、もちろん模範解答としては、

「核心手前で、ピッチを切るべきだった。」
というだけの話。

でも、この話には、
「あー、自分もやっちゃうかもなー。」
と思わされる何かがあります。
<スラブ状岩壁の一角へトップアウト!>

特に、2人は前日から
「怖い。と思っても、ニセ危険であることが多い。」

という体験が続いていたのもあるでしょう。
<そこから、1P懸垂下降して、SRさんのトライ>
本来なら核心で
「怖いな。」
と思ったときに、

「いや、これはニセ危険じゃないっぽい。」
といった判断をして欲しかった訳で。
<下の木で、ピッチ切って欲しかったなー。>
「怖い。」
と思う気持ちは、1つのセンサーです。

だから、山では結構大事です。

ただ、心理状態に大きく左右されるので、時間を掛けた訓練が必要みたいです。
<最後の岩塔は、縦走を断念>

クラックリード講習までと違って、マルチピッチリード講習は山ですねー。

反省点は多いですが、それだけ毎回成長しているということです。
まずは、大貧民のリベンジ、おめでとうございます!
<ルーファイミスなどあって、ヤブ漕ぎ下山>

2015年6月13日土曜日

メリットの焦点化

6月12日(金)は、ムーヴLv.0。
男性OMさん、新規女性IMさん、新規女性2人組のTNさんとMDさん。
毎回とは言いませんが、講師側にも説明文句の発見があります。

下の写真は、レスト体勢の代表的なものです。

・肩は脱力し、ホールドに寄りかかっています。
・下半身は、足の上に腰が乗っていて、腕や指の負担を軽減しています。
・体幹にも、ほどほど力が入っており、身体がグラつかないようになっています。
<だいぶサマになっているMDさん>

このときに、「上半身は、壁から離した方が楽なことが多い」っていうのを、いつも説明しにくいと感じておりました。
なんでか、全身で壁にピッタリ張り付くのが好きな人が多いからです。

いつも
「せっかくガバなんだから、外向きに引いても大丈夫ですよ。そして、その方がバランス取りやすいことが多いです。」

「上半身が壁にピッタリ付くと、かえってホールドに力が入れにくいですよ。」
(ホールドだけでなく、クリップ、ジャミング、アックスの振り、など全てに共通)

という理屈で説明していました。

ただ、初心者クラスだと、ちょっと難しい理屈だと感じています。



そこでフッと、前日の講習でISさんが、
「上のホールドが探しやすい。」
と言っていたのを思い出して、

「壁にピッタリくっつきすぎると、その先のオブザベーションしにくいですよ。」
と言ってみました。

すると、今までの表現よりも、MDさんの動きガラッと変わりました。

なるほどねー、ソレが一番分かりやすい訳か。勉強になります。
説明文句ってのは、メリットをどれだけ焦点化できるかに掛かっていますね。

「レスト中にオブザベして!」とは常々言っているんですが、「オブザベしやすい位置に顔を持って来て!」なんて、言ったことなかったですねー。
いや、クラックでは時々話しているかな。

具体的な講習内容
・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・一手一手レストする練習
・肩の脱力
・足をスタンスに馴染ませる
・腰を入れる
・右手主体のバランスが出来あがる直前まで、左手を離さない方法
・上体を離す方法

女性TNさん、女性MDさんの2人は、ジムリード講習を受けてもO.K.としました。
ではでは、頑張って行きましょう。

2015年6月12日金曜日

ムーヴの善し悪しを体感で比較

6月11日(木)は、昼にムーヴLv.0。
女性THさん、女性TMさん、復習の女性KIさん、そして新規女性NZさん。

夜もムーヴLv.0。
男性2人組のOHさん、ISさん。復習の女性KIさん、新規女性SMさん。
易しい5.6くらいのルートを何度も登ってもらうと、皆さん色々なことを試そうとします。

・よりスピーディに登ろうとする人
・全部フリで登ろうとする人
・全部2点支持で登ろうとする人(ダイアゴナル)
・全ムーヴで腕を伸ばそうとする人

これ自体は、実験意識として良いことです。
ただ、これをどうやって評価するかは問題です。

「全部フリで登ったけど、全部正対で登るのと、どっちが楽か分からなかったな。」
という感想だけだと、成長に繋がりません。

そこから
「全部正対、全部フリっていう練習方法だと、使い分けを覚えるのに効率が悪いんじゃなかろうか?」
「一方で、フリを徹底的に洗練させるだけなら、全部フリって練習方法もアリのように感じた。」

とまで考えられたら、実験として大成功です。

そうしたら、次はどうやって使い分けを覚えるか、というステップに進めます。
次なる実験を考えるか、ひたすら登り込んで身体で感じるかをチョイス!
色々と試すのは良いことです。

でも、その結果を体感しない人って意外と多いんだなぁ、と思います。
実験意識が無いと、先輩から言われた通りに身体を動かして、それが変でも気づきません。

特に、山の先輩はクライミングが上手いとは限らないので、話半分に聞いて、自分で実験しなければ。

これって、万年素人レベルに留まるか、初級者~中級者への道が拓かれるかの、大きな分かれ道かもしれませんね。



具体的な講習内容
・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・一手一手レストする練習
・トップロープのビレイを洗練
・足をスタンスに馴染ませる
・右手主体のバランス、左手主体のバランス
・ロワーダウン中の姿勢
・上体を起こすレスト、ぶら下がるレスト(OHさん、ISさん)
など


SMさんは、ジムリード講習に進んでO.K.です。
ただ、ムーヴ講習を交えながら受講するのも、アリですね。