2016年6月10日金曜日

理由を尋ねる

6月9日(木)は、リード2回目。
女性NMさん、女性MMさん。
私は、本当にしつこいくらいに理由を尋ねます。
「なぜ、そうしたんですか?」

こちらは、
「たぶん、こう考えたんじゃないかなー。」
と予想した上で聞いているので、9割方は当たります。

それでも、そういう時間をとった方が覚えが良いなと感じて、そうしています。
もともと、そういう性分なんだと思いますが、この仕事を始めてから、さらに理由を聞くようになりました。
ちなみに、副次効果として、私にとっても発見が多いです。
講習生のつまづきポイントが分かったり、私自身が「なるほど」と思わされる回答がときどきあったり。

本日は、逆クリップ、Zクリップなどが何故危ないのか、などを考え続けた結果、MMさんは知恵熱っぽい雰囲気でした。
でも、今まで本を読んでも理解できなかった内容だったそうですから、収穫で何よりです。

2016年6月9日木曜日

ルール化できない心意気

6月8日(水)は、小川山。
ジムでは少々登っていましたが、一ヶ月ぶりの自分のクライミング。
N田くん、K田さんと3人で。
<アップで、ジャックと豆の木を7年ぶりに登る>

オンサイト、というのは記録として分かりやすいです。
対して、フラッシュはそうでもないと思います。

ルール上は、他人の登りを見たり、ホールドやプロテクションなどの事前情報をもらったりしての完登です。
<さすが人気ルートは、快適です>

さて、20代前半の私は、こんなことをしました。

「どうせフラッシュなんだから、どんだけ情報聞いてもルール上はアリなんだよね!?」
と情報収集しまくり。

懲り症な私は、相当頑張って情報収集したことが何回かあります。
<オーバーヒート(5.11c)に、メタメタにやられるの巻>

ただ、感覚的にはオンサイトトライの方が楽しいことを知っていたので、徐々にしなくなりました。
たぶん、当時は一撃という記録が欲しかったんだと思います。

名誉欲という気もしますが、たかだか5.11でクライミング界には何の影響もない、個人的な話です。
純粋に、自分の中で分かりやすい成果が欲しかったんでしょうね。
<ムズイっす>

例えば、パートナーのビレイをしていると、かならずオンサイト権を逃す、というパターンがあります。

ここで、どうせなら情報収集しまくるか、
「記録はフラッシュだけど、なるべくオンサイトっぽく情報聞かないで頑張った方が楽しいかも。」
と考えるか、という話。
<梅雨の割に、岩はパリパリ>

今回も、似たようなことがありました。
が、講習生向けとしては、だいぶマニアックな話題になります。

ハングドッグ中に、カムセット態勢が作れないことを理由に、テンション状態で次のカムセット。
すると、常にランナウトしない状態でムーヴをトライ出来てしまうんですよ(笑)。

「あんまりやると、結局トップロープリハーサルと同じだよねー。」
とか言いつつ、ゼロには出来ません。
<少しランナウトして、どうにかカムセット態勢を作る。ハングドッグにしても、できればこうありたいと願うのだが。>

挙句の果てに、エイドで数本上までカムを決めておき、1mほどロワーダウンしてもらって、核心部をムーヴ探りなんていう技まであります。
親しいクライマーなら、「そりゃ、どうなの?」という野次っちゃうこともあります(笑)。

こうなってくると、カムに自信が付いてきた中級者であれば、トップロープとの差はゼロに近いです(笑)。
感覚的には、プリクリ棒を腰に下げてハングドッグしている人に近い・・・。
<こういうの、やっちゃいますよねー。>

これでも、記録上は1トライ目からリードトライした、ということになります。

「トップロープさえしなけりゃ良いのか?」
という御指摘は、我々も受け入れざるを得ず。
でも、トップアウトしてカム回収するとか、テンション中に危なっかしいカムは修正すべきとか、仕方ない理由も色々あります。

つまり、自分ルールを作るのも難しいので、あとは心意気次第?
<テラス>

N田くんとは、割と感覚が合うので、

「えー、そこまでやっちゃうの?それ、どうなの?」
と軽口を叩きながらトライすることが出来ました。
<卒業試験(5.10a?)>

他にも、2撃っていうと聞こえは良いけど、1トライ目が1時間半のハングドッグでムーヴ探った場合。
これって、3~4トライでのR.P.と同じくらい意義に感じますが、いかがでしょう?

バリエーションルートで、トポ無視で登るつもりが、先行パーティーが居て、ルートファインディングを助けられちゃうとか。
そういう、仕方ない場面もあります。
<弓形クラック(5.10b)>

大事なのは、分かりやすい記録よりも、心意気なのかもしれません。

クライミングも登山も、やればやるほど分かりやすい成果から遠ざかって行くような気がします。
まぁ、トップレベルでもない限り、雑誌に成果を発表することもないから、自己満足で良いんですけどね。
<明るいうちに降りました>

このブログを書いてて、本当に誰がターゲットなのか分からなくなりますね。

初心者さん相手に、レストやらビレイやらルールやらの話をすることもあれば。
今回みたいにマニアックなネタは、楽しむ顔が極一部しか思い浮かばなかったり。

具体的に登ったルート
・ジャックと豆の木(5.10b/c) アップ
・オーバーヒート(5.11c)
1トライ目:出だし敗退。カムセット態勢が作れず。
2トライ目:ハングドッグして、トップアウト。ムーヴ自体は解決。カムセット態勢が1か所未解決。
3トライ目:カムセット態勢が、1か所未解決のまま。ただ、ムーヴ自体の精度は上がって来た。

面白いルートなんだけど、プロテクション態勢が出来ないってのが、チャレンジ欲をそがれますねー。
無理して手繰り落ちとか、甘いカムセットで突っ込んじゃうとか、そういう事故を考えちゃいます。

2016年6月8日水曜日

草餅の整備2回目

6月7日(火)は、一人で湯川。
草餅(5.8)の整備の続き。
<終了直下>

傾斜の寝た岩は、落ち葉やら土の影響があり過ぎて、なかなか難しいものですね。

小川山やミズガキは、岩塔だから傾斜の緩い面も、わりと綺麗なんでしょうねー。
自然に還ることを考えると、早めに登らないと消滅するルートかも。
<ユマグリ>

言い出したらキリがないんですが、とりあえず終了としました。

・終了点は、下まで伸ばし過ぎという指摘を受けて、ちょっと上にしました。
・終了用のテラスの土は、だいぶマシになったかと。(もっとも、悪評価でした)
・核心部の苔、岩茸落としは、軽め。(核心部だけは垂直なので、掃除が楽)
・中間テラスは、あまりに土が多いので、掃除は途中で諦めました。
<私を泣かせる中間の大テラス>

ところで、前回まではユマグリ用に、エーデルリットのエディーを使っていました。
単に、譲ってもらったもので、最低限は使えたのと、普段はグリグリの類を使わないので。

ただ、ジムのルート作りでは、ジムのグリグリを借りていて、そちらの方が作業的には使いやすいのは知っていました。
まだ、使った種類が2つだけなので、ポイント整理して語るほどの経験はありませんが。

で、ついに今回グリグリ2を購入。
やっぱり、作業は楽に感じますねー。

ちなみに、シャントは使ったことがありませぬ。
あくまで、掃除経験10日未満の初級者の感想なので、悪しからず。
<出だしは傾斜の寝たオフィズスで、ここに中間テラスからの土が・・・また汚れそう>

湯川には、まだ1~数日の掃除で登れそうな5.9以下のラインがいっぱいありますよ。奥さん。

2016年6月6日月曜日

腰引けについて考える

6月5日(日)は、ムーヴLv.0の6時間コース。
全員新規で、男性TUさん、女性OHさん、男性OMさんの3人組と、男性KBさん。
<本日の写真①>
上の写真は、もうちょっと腰を入れたら楽そうに見えます。

腰を壁に近づける、なんて言いますね。
ただ、もしかしたら彼女はスタンスをオブザベするために、わざと腰を壁から離しているのかもしれません。

もし、そういう意図なら、それはそれで正解でしょう。

<過去の写真①、ジム>
次の写真は、腰が入って楽そうです。
スタンスが大きいので、それを活かしてほとんどの体重を腰に乗せているイメージ。

いつかブログのネタにしたいと思っていた、腰引け写真館。
この機会に行ってみましょう。

<本日の写真②>
また、この写真は腰を離していますが、これはこれで良さそう。
足の踏み替えをしているので、スタンスがよく見えます。

<過去の写真②、クラック>
これも良さそうです。
足の移動をしている点では、1つ前と同じ。
また、スタンスがスメアっぽいので、腰を入れたら足が滑ってしまいそうです。

<過去の写真③、板クラック>
これも腰が離れていますが、良さそうです。
足を移動させる場面、という風に見えます。

<過去の写真④、スラブ>
これも良さそうです。
足がスメアで、手はまずまず良さそうなので、わざと離して足を壁の内部方向に押しつけているようです。 

<過去の写真⑤、凹角のクライムダウン>
これは、下をオブザベしてますね。
腰を離すのも止む無しでしょうか。

<過去の写真⑥、クラック>
これは、腰を壁から離したまま、一手出すというパターン。
保持している側の手に掛かる負担が大きいので、できれば避けたいんですが、足がスメアだから仕方ないのでしょうか?

ちなみに、このルートは5.8だから、もうちょっと楽なムーヴもありそうです。

<過去の写真⑦、ジム>
これは、腰が入ってますね。
ちょっと小さい足ですが、スメアじゃないので自信持って体重乗せてます。

<過去の写真⑧、アイス>
いよいよ、腰が入りました!

<過去の写真⑨、クラック>
腰を入れて、長時間作業に向いた態勢作り。
オンサイトでは、特に大事。
慣れてくると、このくらい細かい足でも出来ます。


さてさて、腰を入れたり離したり。
骨盤を立てたり、懐を開いたり、なんてイメージすることもありますね。
何かヒントになれば幸いです。

2016年6月4日土曜日

一から出直し

6月3日(金)は、ムーヴLv.0。
女性MKさん、男性KDさん、新規男性HWさん、新規男性TBさん。
<ボルダラーな2人>

講習直前、
「最近ジムに行けてなくって、また最初からやり直しです。」
とおっしゃった方がおりました。

人間、最初にテクニックを覚えるときより、思い出す方が短時間で出来ます。

3時間講習を受けて何となく分かったことが、今度は1時間で思い出せるので、残りの2時間は別のテクニックを考える余裕が出るとか、そのくらいのレベルです。
また、もし3時間講習で、ようやく前回のことを思い出すだけだとしても、“進歩あり”と私は見なすようになりました。

それは、たぶん1回目の理解が不十分だったからです。
つまり、思い出したように見えるだけで、本当に理解したのは今回が初めてだという意味です。

で、経験上も次は同じことにはなりません。
<垂壁の新作>

当塾は、8割以上の講習生が登山を少しはやります。
山をやればクライミングから一時的に遠ざかることなど、日常茶飯事でしょう。

それでも、一から出直しにはならないんですよ。
何かしら、記憶が残っているので。

ただ、「一から出直そう。」という気持ちは、とても有効です。
以前できたはずのことが出来なくてイチイチ落ち込んでいたのでは、久々の練習が楽しめませんからね。

今回は、真意を確認しなかったので、分からないまま書いているのですが。
結果的には、前回より楽に登る技術に収穫があったようでした。

<オートビレイの新作>

講習で覚えたことを自主練習で花開かせて、また次の講習、というのは誰もが夢見るでしょう。

ただ、毎回のように劇的な変化はなくても良いと思うんです。
教え方云々だけじゃなく、下積み期間が長い人もいるのだと思っています。

さて、本日で男性HWさんはジムリード講習に進んでO.K.としました。
どうぞ、よろしくお願いします。

2016年6月3日金曜日

自己流ってなんだろう

6月2日(木)は、リード1回目。
女性MMさん、女性SMさん。
「自己流で、不安です。」
とおっしゃる方が、ちょくちょく居ます。
クライミングに限らず、雪山でも。

とても謙虚で良いんですが、正しい方法とか、全クライマーの共通見解とかは、あんまり無いと思います。
クライミングギアの取り扱い説明書とかは、9割方は遵守するものと思います。
でも、違う方法を採用すること、ありますよね。

エイトノットの末端処理1つとっても、ガイドによって言うことは違います。
・十分に締めていれば、末端処理不要
・二重(ダブルフィッシャーマンの片方)じゃないと駄目
・一重でもオーケー
ただ、一定のレベルに達すると、それぞれが重視しているポイントが見えてくると思います。

「そのうえで、自分はこうしようかな。」
と選ぶようになります。

これが、ビレイ方法、から始まって、クライミングのフォーム、岩場での安全管理に至るまで、万事に渡ります。
僕も、自分流にルール化したものがあるので、それをひたすら真似すれば石田流ということになるでしょう。

ただ、それを良いと思うクライマーも、イマイチだと感じるクライマーも居るのです。
まぁ、自分ルールに自負がある人なら、相手が重視しているポイントまで見抜かねばならないとは思いますが・・・。
という訳で、講習生であっても、比較検討した上で選べるのが理想です。

その成長過程は、どうなんでしょうね。
最初から考えて選ぶべきか、職人修行よろしく“型に入って型を破る”べきか。

私としては、
「前者が理想なんだけど、教えるのが高度になる。今の私には難しいので、後者も割合として多い。」
ってイメージですね。

ただ、“型に入って型を破る”方式は、クライミング界で異端過ぎるとか、時代遅れすぎる人を師匠に持ってしまった場合に、巻き込まれちゃいます。
初心者は、苦しい立場。
誰の言うことを信じるか、みたいな極論ですね。

2016年6月2日木曜日

ギブアップ

6月1日(水)は、リード3回目。
女性ADさん。
ロープクライミングで、ギブアップするときは「テンション」といってロープを張ってもらうのが通例です。

このとき、テンションの代わりに
・他のホールドを使う
・ヌンチャクを掴む(少し、リスクもある)

といった方法もあります。
本日のADさんは、足の移動でバランスが難しかったときに、一回だけガバホールドを掴んで足位置を修正し、それからまた復帰しようとしました。

はて?
これって、本人的に難しい部分をワープしてますよね。
これだと、次のトライでも全く同じ過ちを繰り返す可能性大です。

そもそも、落ちても安全なら、ギブアップしない方が理想です。
が、せめてギブアップするなら、自分が行き詰った個所をワープしない方が良いですよ。



具体的な講習内容
・逆クリップしやすいパターン
・ロープの反対側末端を結ぶ方法
・リードで落ちる練習と墜落距離の計算
・常に、ランナウトの距離に気を配ること
・レストして作戦を立てる時間を取る
・5.9くらいの足自由ルートで、実際のクリップのタイミングを試す

今回は、マンツーマンだったので、完全にADさんのペースに合わせました。
結果的に、リードの考え方だけに焦点を当て、ビレイは全く扱いませんでした。
また、リード3回目という枠で申し込んでいただければ、続きをやらせていただきます。