2019年9月3日火曜日

安全を求めたら楽になった

8月31日(土)は、ムーヴLv.1にて、女性ISさん。
9月1日(日)は、ムーヴLv.0にて、女性NSさん、男性KBさん、新規女性SYさん、新規男性IDさん。
NSさん、KBさんは、ジムリード講習に進んでO.K.といたしました。
前回の岩場リードへの復習参加で、安全なムーヴ、ロープを足を絡ませないことについて、無知の知を感じたISさん。
「このまま不安なモヤモヤを抱えたままでは、登れない!」
という熱い思いで、ムーヴ講習への申し込み。

さて、そんな中、ムーヴへの疑問が解決を見た段階で
「(この5.7のルートに関しては)今までの半分の労力で登れているような感じです。」
と驚いていました。

安全なムーヴについての研究だったはずなのに、省エネムーヴについての研究にもなっていたということでしょうか。
安全と省エネは、完全には一致しません。
典型例は、完全スタよりも軽いデッドの方が楽なことがある、など。

とはいえ、かなり重複したスキルではある、ということをISさんが再認識する良い機会になったと思います。
これで、ジムでも少し伸びるかもしれませんね。

2019年8月31日土曜日

10月の予約受付

皆さま、こんにちは。
ようやく、町も涼しくなって来ました。

さて、9月3日(火)の夜22時から、10月分の予約受付を開始いたします。

小川山のスラブで講習できるのも、10月までを予定しています。
11月からは、奥多摩の天王岩、湯河原幕岩になって来ます。
小川山を苦手とする人も多いので、ムーヴ講習としても是非とも。

追記。
9月14日(土)、15日(日)にエイド講習を依頼されました。
単純なカムエイドの復習から、アブミを使用したものまで。
残置(ボルトラダー?)のエイドのみならず、1m以上カムが効かないセクションがあるようなクラックの回収作業にも使えます。
原則、クラックリード講習を卒業した方を対象にします。ただ、クラックリード講習ですでにカムエイドを少し体験した方なら、対応できるかと思います。
興味がある方は、お問い合わせください。

2019年8月30日金曜日

スタティックとダイナミックの境界

8月25日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性STさん、復習参加の女性Mさんと女性ISさん。
スタティックムーヴとダイナミックムーヴ。
一般的には、デッドポイントとランジが、ダイナミックムーヴの代表例です。

下の写真、スラブをトラバースしているところです。
ここで、片足バランスを作ることが出来ず、
「パッ!」と片足を移動させたとします。

これは、ダイナミックムーヴと呼ぶには派手さが足りませんが、スタティックとも言えないと思います。
この場面で、なるべくスタティックとダイナミックが分かりやすい例を挙げてみます。

この場面で、もし右足を遠くのガバ足に出すときに、片足バランスが出来ないのは承知で、「せーのっ!」で右足を広げたとします。
これは、ダイナミックですよね。

同じくこの場面で、完全な片足バランス(両手のプッシュでバランスは取るのはアリ)で、浮かせた片足をどこに置くか考えるような仕草をしたら、これはスタティックでしょう。
さて、最初に上げた足移動は、スタティックかダイナミックか?

①スタティックは、移動させる1点以外の3点での完全静止を含まねばならない。
と考えれば、ダイナミックかと思います。

②ダイナミックは、顕著な振り子運動などの運動エネルギーを利用したものでなければならない。
と考えれば、スタティックかと思います。

完全スタ、ちょいデッド気味、顕著な振り子運動などのダイナミックムーヴ、という3つ。
「ちょいデッド気味」を、どちらに含めるか、という話。
私としては、①の分類を推奨です。

ダイナミックムーヴには、安全管理上のデメリットが幾つかあり、あくまでも
「これはダイナミックムーヴなんだ!」と自覚した上で使うべきだと思います。
「ちょいデッドであれ、デッドではある。」という認識です。
<かわいい女(5.8)のリベンジ完了>

いわゆる怖がりで、一手出せずに終わる初級者を見ていると、
「顕著な振り子運動を使ったダイナミックは苦手だけど、案外ちょいデッドは出来るんですね。」
と思うことが多いです。

おそらく、ちょいデッドは運動エネルギーのコントロールに失敗しても、次のホールドをミートできることが多いため、指の強い女性などにとっては「あんまり怖くない。」と言うことだそうです。
(コントロールの成否が、指の消耗を左右はしますし、難しければ止まらないはずですが。)

こういう経験から、②としてダイナミックムーヴを分類して考える人がいるのも、理解できます。また、それを前提とした会話もよく聞きます。
<Song of Pine(5.8)をO.S.するSTさん>

言葉ばかりで、分かっていただけたでしょうか・・・。

これは、図というよりも動画とか実演が必要ですね。
まぁ、スタティックとダイナミックの境界をどこにするかは、案外大事だと思いますよ、という私の見解です。
<無事に再登するも、無知の知を感じるISさん>

2019年8月28日水曜日

クラックの副次効果

8月24日(土)は、クラックリード講習にて、湯川。
男性NMさん。
クラックをやることで、フェースひいてはジムでのクライミングにもプラスになることは、あります。
単純にジャミングが使えて有利、といったことを除いても、色々あると思います。

本日、NMさんがクラック初体験で感想に上げていたのは、
「圧倒的な滞在時間。これでまた、レストが上手くなりそうです。」
とのこと。

ジャミングを決めるだけでなく、カムセットに要する時間、ランナウト具合を考える時間など、色々と時間が欲しいですよね。
長時間滞在の手助けとなるのは、足置きかもしれません。
足がスリップすることが多い人は、疲れちゃいますしね。

あるいは、他に手助けになるのは、クライムダウンに適したスタティックムーヴかもしれません。
不必要なダイナミックムーヴで、進退窮まることは慎みたいですからね。

他にも、先が読めないと怖いので、次にカムが効きそうなポイントまで、オブザベを真剣にやるようになるかもしれません。

総じて、丁寧に、ゆっくり登ることの重要性を、再認識させられるかと思います。
<ツムツム(5.9)>

また、そこから再び、安全な環境でダイナミックムーヴをやることの爽快感を味わうにしても、何かしらのプラスを感じずにはいられません。

個人的には、完全なスタティックを強く意識することによって、ダイナミックムーヴの振り子運動の意味を再認識出来るようになる、という感覚です。
<長期滞在の必要性を知る>

まぁ、単純にクラックは面白いので、それだけでやる価値はあると思います。

「色々と手を出すと、上達しない。」
と考える人も多いので、
「確かにそういう部分もあるけれど、プラスになる部分も多いので、無駄にはならないですよ。」
と思います。

他にも、リード中の様々なリスク認知とか、ホールディングとかにもプラスはあると思います。
何事も、深いところでは繋がっていますしね。

2019年8月26日月曜日

高校生

8月21日(水)は、ご縁があって高校生2人にリード講習。
NJ君、UD君。
高校山岳部での冬山登山は、原則的に行われておらず、春山での残雪登山があります。
可能性を狭める「~~禁止」というのは好きではありませんが、①高校生の雰囲気、②山岳部の顧問やコーチの登山技術、③自己責任論の難しさ、などの実態をイメージすると、禁止も理解はできます。
自分が顧問の立場だったらと思うと、さらに色々考えちゃいますが。

一方、リードクライミングは特に禁止されていないようです。
ジムでのキッズクライマーの活躍、ユース選手の活躍は周知のこととして、小川山などでも高校山岳部がトップロープやら疑似リードやらをやっている姿を見かけることはあります。

禁止されていなくても、結局は同じ構図だと思っていますが。

ただ、どうせロープクライミングをやるなら、若いうちからリードして欲しいと思います。
それに伴ってリスク管理とか、自己責任について学んで行ってほしいと思っています。
案の定、雰囲気は大人の講習とは違います。
そして、理解が進むごとに態度(目の色)が分かりやすく変わってくるのが、この年代を
教える面白さかもしれません。

リードが面白いと思ったら、続けて欲しいものです。
きっと、すぐに上達するでしょう。

2019年8月23日金曜日

煩悩との戦い

8月17日(土)、18日(日)は、クラックリード講習にて、湯川。
初日が、女性Sさん、女性FIさん、男性FMさん、男性KTさん。
2日目が、女性FIさん、女性YDさん。
<アイドルの撮影会みたい>

講習とは直接関係がないのですが、行き帰りで少し盛り上がった話。

リードって、10年続けていても初心者レベルということは、よくある話だけど、ボルダーだと少ない気がしますよね。
リードのコンスタント5.10aの人口比率、ボルダーのコンスタント7級人口比率とで比べても、リードの5.11a、ボルダーの甘めの5級で比べても何でも構いません。

なぜ、ボルダラーは伸びるのか?
といった、切り口で僕も含めて皆さん好き勝手なことを言う、という雑談。
<カムセット練習>

①ボルダリングジムは“頑張って一撃~30分ぐらいで完登”ぐらいの、いわゆる丁度いい課題が、すぐに枯渇してしまうので、ちょっと難しい課題と向き合わざるを得ない。(FIさん)

②ボルダリングは、そういうメンタルコントロールできる人以外は、辞めちゃうんじゃないか?(KTさん)

③リードは、クリップが気持ちいいから、何か凄いことをしているような気分になりがち。やっぱ、紐が諸悪の根源なんじゃないか?(Sさん)
そう言えば、沢でも岩稜でも、「ロープ出す。」っていうと何か凄いことしたような達成感があった。内容的に、それが歩きに近いリードであれ、間違いだらけのダメロープワークであれ。(FIさん)
個人的には、教え好きのオジサンが初心者の女の子に講釈を垂れる、という場面もリードでは多いと思います。
しかも、同一の組み合わせで岩場も連れまわしていたりします。

もちろん、ボルダーでもあるんでしょうけど、リードほどは根深さを感じません(笑)。
思えば、リードは常々煩悩と戦っております。

オンサイトが難しそうなら、ついつい他人のを見たくなったり。
繋げ核心のR.P.は、そのルートを放棄したくなったり。
落ちるのが怖くて、ギブアップのテンションコールしたくなったり、ルート外のガバを掴んでトップロープ状態にしたくなったり。
(しかも、それぞれに妥協が賢明な判断という場合もあり、葛藤は尽きない。)

これらを乗り越えて、ジムのリードをスポーツとして取り組めるようになるまでに、一体どれだけの年月が必要なんでしょうか?
私自身、カチカチとクリップ音を鳴らしながらアップルートを登るぐらいでも十分に楽しいと感じる日もあります。

一方で、ボルダーはバラシを積極的にしたとしても、それ以上の逃げ道は断たれています。
登れない言い訳をしようが、それを我慢しようが、苦しくなるのは自分自身。
いつも、ボルダーで行き詰るたびに、淘汰されそうになる自分を感じます。
<フラッシュトライ>

ボルダラーの講習生に対して、省エネ技術、リスクコントロールの重要性を説いておりますが、基本的な心構えはジムボルダラーの平均値にも及ばない気がします。

だからと言って、ボルダーだけやっていれば、リードのリスクコントロールが出来るという風にも行きませんので、単純なボルダラー讃美という訳にもいかず。

色々な畑の人が交わって、考え方を交流させるところも、クライミングの魅力なんですかねー。
<本日、初クラックのFMさん>

<エイド練習>


2019年8月20日火曜日

隣の芝は青い

8月14日、16日で、リード1回目~3回目を全部まとめて受講した、男性NSさん。
これにて、ジムリードは卒業といたしました。
・ジムボルダー主体で、甘めのジムで3級(辛めのジムで4級)ぐらいをトライしている。
・岩場ボルダーは数えるほど。そして、エリアは御岳。
・登山は、無雪期登山道までで、これ以上はロープを使えないと危ないと思って、ステップアップは中断中。今でも、ときどき無雪期登山道は行く。
・ロープクライミングは、ジムも外も連れて行ってもらったことが、数えるほど。
・穂高の屏風岩にも興味津々で、一方でリードコンペ動画も見たり、トップクライマーのビッグウォールフリーの記事を読んでみたり。

そんな方って、結構いるもんなんですね。

トップロープにも不慣れかと思いきや、リードの落ちる練習で、すぐに受け身姿勢にも適応していきます。
省エネ技術の話をすると、なんとなくイメージはビッグウォールフリーにだったり。(5.13のピッチでは確実に消耗するから、5.11のピッチは省エネで登らないとダメだ、みたいなイメージ。)
<本日、5.10dをオンサイト、5.11aをハングドッグしてトップアウト>

登山とトップロープ主体だった人が、「どうにかリードしなきゃ、ロープワークもカムもいい加減覚えなきゃ。」という義務感で、リードを始めることを多く目撃する私。
そして、あるときようやくクライミングそのものが好きになって来て、ようやくバリエーションのためのクライミングとしても成長曲線が順調になってくる感じです。(そこまでは、実に伸びないことも多い。)

いつもながら、対極で面白いです。
個人的には、ボルダラーさんの練習意識・研究意識には感心させられっぱなしで、耳が痛くなりつつも「流石ですね~!」を連発してしまいます。
一方で、なかなかクライミングが伸びない山屋さんの話、あるいは山岳会のモヤモヤ話は、「めっちゃ分かります!」を連発してしまいます。
もちろん、中間ぐらいの人もいますけどね。

隣の芝を眺めつつ、自分の人生を生きる感じですかねー。