2011年12月28日水曜日

お知らせ

12月28日(水)の今夜出発で、年越し山行に行ってきます。
最終下山日は、1月3日(火)です。
どこへ行ったかは、降りてからブログにて。

それまで、連絡が取れない可能性が高いです。

大変ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします。

無料体験講習会(12月)

12月27日(火)の夜は、無料体験講習会。
とはいえ、実は本日の申し込みは、男性OSさん1名。

夜の部で、こんなことは初です。

OSさんは、半年前くらいにクライミングを始め、リード講習、岩場リード講習を終え、先月マルチピッチ体験講習も受講したところです。
ムーブは才能を感じたので、僕の方から「ムーブ講習は不要だと思いますよ」と言ってあったのです。

そして、しばらくぶりにジムでの登りを見ました。
案の定、上手い!

脱力、レスト、腰を壁に近づける、反動、フリ、正対・・・。
荒削りながら、何でも一通りこなします。
しかも、ある程度それを意識して練習していると言うから恐れ入ります。

そして、リードでも5.10bを1撃、5.10cを2撃。
もちろん、まだまだ教えることはあるんですが、凄い吸収率。
単なる才能ではなく、相当クライミングにのめり込んでいることは確かです。

年が明けたらクラック講習と参りましょう。

具体的な講習内容
・スタンスを上げすぎない方が、腰は壁に近づく
・アウトサイドフラッギング
・反動を付けたムーブ
・リード練習(5.10bを1撃、そして講習時間後に5.10cを2撃)
・ビレイ練習(これに関しては、少し直した方が良い点もあった)

“さあてこれから”な2人

12月27日(火)の昼は、ランナウトにてムーブ講習。
本日は、常連女性KKさんと、西国分寺女性KDさん。
お二人は、当塾を通して知り合ったのですが、かなり気が合う様子です。
年代も近く、怪我や体力、生活環境、モチベーションなどを語り合うには本当に良さそうです。

しかも、どうやら良い影響を与えあっているようで、最近モチベーションも向上したように思います!

ちなみに、お二人はバリエーションへのこれまでの取り組み方が違います。
KKさんはガイド登山中心、KDさんはも自立した登山グループ出身!

そうなると、得意不得意は真逆。

KKさんは、リラックスした脱力が大得意!(落ちても安全だったから)
KDさんは、丁寧な足置き、スタティックな動きが大得意!(落ちたら危険だったから)
ってな訳です。

両方できればそれに越したことは無いので、本日はそのことについて講習しました。
お互いの動きが見本になるようで、僕はアドバイスするだけで見本は見せずじまい。。

そんな日もアリですね。

具体的な講習内容
・指の脱力、肩の脱力(KDさん)
・不意落ちを減らす練習(足を置く際に注意すべき点)(KKさん)
・リード講習の前半内容
 リードでやってはいけない事例集、ビレイヤーのロープの繰り出し、ビレイヤーの立ち位置

ちなみに、本日は無料体験の昼の部参加者0人に付き、お2人の講習は無料体験の時間にかぶせるようにして、少し割り引きにて行いました。

2011年12月27日火曜日

アイスクライミングエリアの減少?

12月25日(日)は、牛社長の付き人という変わった仕事で、奥秩父の清兵衛沢。

この企画、全くのミステリーツアーで、僕も集合するまで行き先は知れされません。
装備も、おおよそのメールやり取りから、見当を付けて持参します。

ガイドとしても、インストラクターとしても、あるまじき行動なのは重々承知です。
ただただ、牛社長の後ろを付いて歩くのみ。
時としてリードやラッセルは命じられますが、それにも長い付き合いで少しは慣れました。

ちなみに本日も、多くの昔話と訓辞を頂きました。
その中で、毎回のように聞くことですが、昔はもっと寒かったそうです。

今は、アイスクライミングと言えば八ヶ岳や大谷不動のように、日本屈指の寒い場所がメッカ。
それ以外は、山の中、標高が高いところでのアルパイン的なルートとなります。

そして、東京近郊の奥秩父、西上州、丹沢などが凍るのは1月2月の厳冬期のみ。
しかし、昔は12月のクリスマス寒波が来れば、東京近郊のアイスエリアもバッチリだったとのこと。

個人的には、低山のアイスクライミングの雰囲気がそれほど好きにはなれません。
ただ、アイスクライミング好きの方々にとっては、残念なことですね。

特に、牛社長は最近行動範囲が狭くなって来ているので、とても残念そうです。

この日は、やっぱり氷が無く、ちょっと危険な散歩に終わりました。
(アプローチの巻き道、徒渉など)

2011年12月26日月曜日

クラックのグレードごとに行ける入門マルチルート

12月23日(金)、24日(土)は、城ヶ崎にてクラック講習。
今回は、常連女性TZさんと、当塾が設立当初に雪山講習を受けた男性AIさん。
クラックは、それ自体魅力があり、しかも1ピッチのアルパインクライミングとして必須科目なことは何度か話して来ました。

そして、今回ついに2人は5.8までのリードに成功したのです!
TZさんは、三ッ峠も含めて10日くらいの経験値。
AIさんは、3日くらいの経験値。

一方は苦労人、一方は天才クライマー?
5.8ならば、三ッ峠の易しいクラックが大概足下に出来ます。
そして、憧れの小川山で“セレクション”(上部は逃げるとして)、あるいは“南陵神奈川”も5.8とされています。

5.9ならば、“注文の多い料理店”という超有名クラシックが目指せます。
最近では、“太刀岡山左岩稜”なんて人気ルートも登場しました。

さらに、5.10aにもなれば、“スーパーレイン”、“調和の幻想”などとルートはよりどりみどり。
ただし、今回はあくまでトップロープリハーサルの後のR.P.。
しかも、講師があれやこれやのアドバイスを行ってのものです。

そして、マルチピッチで求められるのはO.S.能力。
まだ、もう少し時間は掛かりそうです。
とはいえ、実際に5.8というグレードが登れたことの自信は、計り知れません。
TZさんなど、昨日まで一生無理と思っていた“セレクション”が、一日にして身近に感じられたようですね(笑)。
2人とも、アルパインに行きたくて行きたくて、うずうずしている盛り!
今シーズンは、雪山とクラックに勤しみ、来シーズンから本番と参りましょう!
具体的な講習内容
両日ともにフナムシロックにて

初日:Ⅲ級ルート、Ⅳ級ルート、樹氷(5.8)、純(5.8)、鬼ころし(5.7)
・テーピングの仕方(AIさんのみ)
・基本的なジャミング(ハンド、フィスト、フィンガー、フットジャム)(AIさんのみ)
・カムの効かせ方(パラレルな面で効かす、ダメな例を各種)(AIさんのみ)
・ナッツの効かせ方
・疑似リードにて、カムセットをチェック(AIさんのみ)
・実践リード5本(TZさんのみ)
  この日は、Ⅲ級ルート、Ⅳ級ルートの完登、5.8のトップアウトを3回

2日目:パープルシャドウ(5.8)、ネッシー(5.8)、鬼ころし(5.7)、オバステ正宗(5.8)

・トップロープにて、ムーブ練習(特に、ニーロックなどのワイドムーブに関して)
・疑似リードにて、カムセットをチェック(AIさんのみ)
・実践リード
 TZさんは、パープルとネッシーをR.P.。さらに、鬼ころしを実質的にはO.S.。
 AIさんも、パープルとネッシーをR.P.。さらに、オバステ正宗を完全O.S.

それにしてもAIさん。
あっという間に登れるようになりそうですね。
カムなどの作業に慣れれば、すぐにでも実践に活かせそうです。

オバステ正宗は、プロテクションも難しいので、良い卒業課題だったと思います。
そして、苦節10日のTZさん!
最近、1つずつ成果が現れて来ましたね。

パープルとネッシーは、かなりの成果と言えますよ。
やる気3人組もビックリです。

ちなみに、クラックはマルチピッチでも1ピッチのゲレンデでも、登れるグレードに大差はありません!
逆に、ボルトルートで5.8が登れても、谷川のⅤ級は全く登れません。

理由は御想像の通り、プロテクションです。

というわけで、安心して目標ルートを選んでくださいね。

谷川岳天神尾根で雪上訓練

12月21日(水)、22日(木)は、谷川岳にて雪上訓練。
今回は、クライミング講習でお馴染みの常連女性KKさん、男女ペアで講習参加の男性IGさん、女性ARさん。
“雪上訓練”と一言に言いますが、内容はレベルによってまちまちです。
第一段階は、歩行技術。
目標は、自分たちで八ヶ岳の赤岳、編笠山、谷川岳天神尾根、鳳凰三山!

アイゼン、ピッケルの使い方。
先日、ブログでも紹介しましたが、滑落停止、耐風姿勢、アイゼン歩行、なんかが代表例。
可能なら、ラッセルも体験しておきたいところ!

第二段階は、ロープワーク。
目標は、谷川岳西黒尾根、足拍子岳、八ヶ岳権現岳!

例えば、スノーバーの使い方です。
スタンディングアックス、肩絡みなんかも覚えておきたいところ。

これとは
別に、雪崩に関しても勉強をすると良さそうですね。
僕自身、まだ自信が無い分野につき、あまり詳しくは語れません。

ただ、ビーコン捜索、雪崩のリスクが高い斜面を知ること、簡易の弱層テストくらいまでは、もはや常識と言って良い時代なんだろうと思います。
さて、この訓練。
普段から実践を積んでいる人には、大変に勉強になります。

「いやあ、こんなことを知らないでアイゼン・ピッケル使ってたなんて、我ながら危なっかしかった!」
という声を聞ければ、講習の甲斐もあるというもの。
まあ、褒められた行動かは別として、現実的にはよくある山屋の姿でしょうか。

しかし、安全意識の高い人は最初に訓練をするので、 逆に実感が湧きにくいもの。
そういう意味では、ガイド山行や良い先輩に連れられての雪山体験は、まさに理想的。
そこで、2日間で講習を行う場合、初日を雪上訓練、2日目を雪山体験、という形が理想的かと思っております。
登頂できれば、お客様も嬉しいですしね。
今回は、第一段階の歩行技術。
初日にミッチリ訓練し、ついでに腰までのラッセルも体験!

翌日は、天神尾根で登頂を目指します!
幸い、前日のトレースと終日の晴天に恵まれ、なんとか登頂を果たすことが出来ました。

前日のトレースと言っても、足跡程度。
先頭を歩いた僕自身も、腿上げ運動しながら歩いたお客様も、かなりの労力です。
おかげで、谷川岳山頂は我々だけで独占!
ロープウェイで入下山すると、行動時間は8時間だけですが、本当に充実しました。
ちなみに、ラッセルというのは苦しくも楽しい作業です。

・自分たちのトレースが道になるという快感
・自力で登ってる感、山を独り占め感が満載(これぞ雪山!!)
・ラッセル作業自体が、なんだか動きに夢中になるものがある(ついつい頑張りすぎてバテそうになるほど)
しかし、初心者がその楽しみを100パーセント堪能することは難しい。

なんせ、先輩やガイドのラッセル跡を歩くのですら、不慣れで足を取られるのですから。
あらゆる意味で、雪山体験が出来たのではないかと思います。

そして、その労力に見合った御褒美は、谷川岳山頂の独占!
最高でしたね。
具体的な講習内容
初日:
・ラッセルの方法(腰までのラッセルで、ピッケルと膝を使う、膝程度のラッセルならストックが有効
・キックステップ
・耐風姿勢
・滑落停止
・グリセード
・アイゼン歩行(直登、直下降、斜登高、斜下降)
・交代ラッセルの練習(1時間半ほど)

2日目:
・谷川岳天神尾根の登頂
8:35 天神平ロープウェイ出発
13:30 谷川岳トマノ耳に登頂
16:30 天神平ロープウェイ帰着
本当は、谷川岳ではトマノ耳よりもオキノ耳の方が高いんですよ。
日帰りじゃあ厳しいですが。

あれ?
こんな話、富士山でも吉田口登頂の際にしているような・・・。
次回は、オキノ耳を目指す山行も考えて欲しいですね。

今回は今回で、やっぱりおめでとうございます!

2011年12月23日金曜日

次回の無料体験講習

無料体験講習のリマインドです。

12月27日(火)。
昼の部、15時から16時30分まで
夜の部、20時から21時30分まで

詳しくは、ホームページ参照で。

最近、初めての方が中心です。それはそれでありがたいのです。

が、何度でも御参加頂いて構いません。せっかくの機会なので講習生の方々の交流の機会になればと思っています。

参加希望の方は、メール連絡をお願いいたします。

特に、初めての方は、事前の情報交換のために必ず。
講習生や2回目以降の方も、人数把握のために(直前でも構いませんので)なるべく。

では、連絡お待ちしております。

2011年12月21日水曜日

オーバーハングの登り方(苦手克服を目指して)

12月20日(火)の夜は、ランナウトにてムーブ講習。
本日は、常連女性のTZさん。
クライミングをしばらくやって行くと、垂直の傾斜(垂壁)が得意な人、垂直以下(スラブ)が得意な人、垂直以上(ハング)が得意な人、というのが出てきます。

バランス、指の力、全身の筋力、などが必要ですが、傾斜ごとにその重要度が違うのもの。

例えば、スラブで腹筋背筋はほとんど役に立たず、垂壁でも一瞬力を込める程度。
しかし、ハングでは全身の筋力で腕の力をカバーすることこそ重要、など。

それならば、得意不得意は当然のことです。

しかしながら、ほとんど食わず嫌いのレベルで苦手意識を持つ人もおります。
その気持ち、分からないでは無いのです。
が、クライマーたるもの、やっぱり苦手は少ない方が良いですよね。

特に、アルパインクライマーは総合力命ですので、60度~110度くらいまでで苦手は無しにしておきたい所。
さて、今回はハング克服がテーマ。

講習では、初心者は垂壁がメインです。
したがって、お客様は最初は垂壁が得意になります。

「じゃあ、次はハング!」
となったとき、90度と110度で足の置く場所は大差ないはずなのに、なぜか上手く行きません。

今回は、そのあたりのテクニックでした。

ここからは、さすがに長くなるので要点だけ。
気になる人は、ジムにいる上手い人に聞いてみてください。

・引きつけよりも捻りを優先する意識
・レストするときは、腰を壁に近づける意識(手長猿のスタイルは、あまり良くない)
・肩の脱力、指の脱力(オープンハンドっぽく)
・スタティックよりも、反動を利用したムーブを優先(これは、基本フォームが身についてから教えたい所です。実際、ジムでほとんどの場合は、軽いダイナミックムーブが一番楽)
・スピードも大事

本日は100度壁で、このあたりの意識を持ってもらうようにしました。
特に、反動を付ける際に、反対側に一回体を揺らす、というのはTZさんは抜群の出来でした!

具体的な講習内容
・上記の5項目のうち、前から4項目。
(半分程度は、復習の内容ですが。今日で、また完璧に近づいたということです。)

今日の登りなら、ハングでも5.10cくらい行けちゃいそうですね。
良い調子です。

2011年12月20日火曜日

黄蓮谷右俣(冬山は条件次第?)

12月17日(土)、18日(日)は、自分の登山で南アルプス甲斐駒ヶ岳へ。
今回は、K島嬢と。

黄蓮谷右俣、というバリエーションルートに行ってきました。
見ての通り、谷の中を氷が張っており、それをクライミング(アイスクライミング)混じりに越えていくというルートです。
このルート、冬期のバリエーションですから入門アルパインと言って良いと思います。
ですが、この日はちょっと拍子抜けに終わりました。 
結論からすると、先人のトレースがバッチリ過ぎて、ラッセル(雪をかき分けたりして道を切り拓くこと)は皆無。
どころか、登山道並の歩きやすさ!

しかも、そのトレースがどこを歩くと楽か導いてくれて、ルートファインディング(登りやすいラインを考えながら進むこと)も皆無。

さらに、クライミングが易しかったので、ロープは1回も出さず。
って訳で、プロテクションを自分で設置することも皆無。
(中上級者は、黄蓮右俣でこういう状況はよくあるらしい。)
ラッセル無し、ルートファインディング無し、ロープやプロテクション作業なし。
アルパインクライミングの主な楽しみを、全て奪われてしまった感じです。

人気ルートは、たまにこういう結果に終わるのも、仕方ないかもしれません。
先週が、胸までのラッセルだと聞いて、覚悟して行ってみたんですがねえ。
とはいえ、夜間下山必須のこのルートで、トレースのお陰で楽ちんに下山できたのも事実!
先週の巻機山が、翌日廃人のようだったことを思えば、平和に終わって助かりました。

そして、アイスクライミングのシーズン初めと、本格的な冬前の歩行訓練には良かったと思います。
あとは、冬山ならではの細かいミスをちょいちょいやったので、良い勉強になりました。

もちろん、人気ルートだけあって綺麗だったことは付記せねば!
具体的な行程
初日:
 9:00 竹宇駒ヶ岳神社の駐車場
13:55 五丈小屋跡(幕営)
      本日は、黄蓮谷目当てのパーティーで大賑わいのテント場でした。

2日目:
 4:00 起床
 5:35 出発
      六丈沢を下降(先週、敗退したK島嬢にアプローチ案内してもらう)
 7:30 坊主の滝の上にて遡行開始
11:55 遡行終了(登山道到着)
12:00 甲斐駒ヶ岳山頂
14:00 五丈小屋跡(幕営地)
14:30 出発
18:20 竹宇駒ヶ岳神社駐車場
甲斐駒山頂には珍しい、無風快晴。

改めて、冬山は条件次第でどうにでもなりますね。
不思議なことに、先週の巻機山の方が、ラッセルとルートファインディングに充実してたくらい。

2011年12月17日土曜日

レストのタイミング(中期レスト)

12月16日(金)の昼は、ランナウトにてムーブ講習。
今回は、常連女性KKさんと、西国分寺女性KDさん。

今回のメインテーマの1つは、レストのタイミング!

レストにも、長さによって種類があります。
とりあえず、今回はチョークアップやクリップ出来るくらいのもの(中期レスト)について。

このレスト、実はタイミングがなかなか難しい。
まず、ホールドが悪いときにやったら疲れるのは当然ながら、スタンスか悪いときにやっても、疲れてしまいます。
むしろ、「スタンスさえ良ければ、ホールドが多少悪くても、案外休める!」というのが一般論です。
(例外あり)

それと1つ。
次のホールドを取る際(保持している側を引き付けた状態)では、レストはあまりオススメではありません。

それは、まさしく!
引き付けている最中だからです。
むしろ、引き付ける前のタイミング。つまり、そのホールドを保持した直後の方が、腕を伸ばしやすいのです。
(これまた、例外もあるのが厄介だが!)

そして、「引き付けは疲れるので一瞬で!」が基本です。

考えてみれば当たり前。
しかし、考えながらやってるうちはまだまだです!

クライミング中は次のムーブやら、全体的な作戦やら、考えることが課題山積。
本気トライ中は、本当に習慣付いたテクニックしか役には立たないんです。

さあ、本日も目一杯登りまくりましょう。
見本、アドバイス、そして反復練習が基本の習得だと信じて。

具体的な講習内容
・脱力(肩、指)
・中期レストのタイミング
・KKさんは、5.9以下のリード練習5本

年代、環境の近いお二人は、やっぱり良い仲間になりそうですね。

2011年12月16日金曜日

初心者は何故ホールドを握りしめる?


12月15日(木)の夜は、ランナウトにてムーブ講習。
今回は、女性Mさんと男性NKさんの山岳会ペア。

前回は足の置き方を中心に講習し、これが第2回です。
クライミングの手掛かりを、ホールドと呼びます。
このホールド、初心者の半数以上が力一杯握りしめます。
そして、本当は力を抜いてぶら下がるのが理想的なのです。
じゃあ、なんで握りしめちゃうのか?

1つは、もちろん怖さです。
岩場や登山から始めた方が、この傾向が強いのも頷けます。
(もちろん、自然から始める良さも大きい)

そして、厄介なことに、握りしめた方が良いこともあるのです!

それが、もう1つの理由。
握りしめた方が、「方向の融通がきく」ことです。
ちょっと分かりにくいので、例を挙げます。

A.(中級クライマー向け)
同じホールドでも、オープンハンドよりも、カチ持ちやピンチ持ちの方が方向に融通がきくため、足位置が悪いムーブで動きやすい。

B.(一般向け)
2人が手を繋いでいるとする。
お互いが都合の良い方向に引けば、最小限の力しか要らない。
が、お互いが手の甲に向かって引き合えば、握らないと離れてしまう。

つまり、握るのもそれなりに意味はあると。
しかし、「これじゃあ脱力できないんで、リラックスしましょう!」ってのが本日のお題でした。
一朝一夕には身に付きませんが、慣れると本当に楽ですよ。

具体的な講習内容
・ネコ足の復習
・肩の脱力
・ホールディングの脱力(オープンハンド)
・エイトノットの結び方(主に、注意点)
・トップロープのビレイ練習
次回までに、少し自主練習すると尚良いですね。

2011年12月14日水曜日

オールフォロー&オールフリー

12月13日(火)は、越沢バットレスにてマルチピッチ体験講習。
今回は、常連男性のKBさん。
KBさん、今回が本格的なマルチピッチは始めてです。
そして、結構恐がりな彼は、一度はクライミングを辞めようと思ったこともあります。

その後、講習を受け始め、少し上手くなった頃に肘を痛め、クライミング中断・・・。
最近になって再開して、ようやく登る喜びを実感し始めたそうです。

実は、僕も高いところが苦手なので、学生時代のクライミングは義務感以外の何ものでも無かったような・・・。
そして、70mの岩壁もあと10mというところ、最後の難しいセクション登場!
「えーっ!これ、登るんですか!?」(KBさん、明らかに高さにビビり気味)
「~~すると登りやすいですよ。」(私)

「ちなみに、今まで一度もロープ掴んだりしてませんよね?」(私)
「はい。とりあえず。」(KBさん)
「じゃあ、最後までオールフリーで行きましょう!」(私)
「厳しいーー。」(KBさん)

まさに、下の写真がその核心部分!
根性根性、ド根性!
最後まで登りきったKBさん。

ラスト数mは易しいため、もはや感無量で登って来たそうです。
クライミングを辞めようと思ったこと、続けようと講習に参加したこと、初めての岩場、自主練習で痛めた肘、その後の病院探し、そして再開。

まるで、9回裏2アウトの甲子園児のようです。

そして、トップアウトしたところでは、ゆっくりと休憩。
リードではありませんから、一般的には成果とは呼べないかもしれません。

ただ、彼にとってはロープを掴まず、ぶら下がらずに来ることだけで、最高の自力達成感を得たのです。
怖さと戦ったのは彼自身ですからね。

“自力で登った感”というのは、最終的には自己満足です。

オールフォロー&オールフリー。
今のKBさんにとって、これが最高にエキサイティングなスタイルだったんでしょうね。 
一般的かどうかなんて、本当はどうでも良いことです。

単なる講習ではなく、最高のクライミングでしたね。
具体的な講習内容

右端の3級を3回登って基礎練習後、ど真ん中の3級クラックから一般ルート(3ピッチ)をクライミング!

・アルパインクイックドローの作り方
・ギアラックの整理方法
・カムの回収方法
・コールの流れ、コール無しの流れ
・クローブヒッチ(インクノット)の片手での作り方
・カウテールの作り方
・常に何かでビレイされているべき、という感覚(セルフビレイ、フォローのビレイ、懸垂下降の自分の利き手、などをスイッチしていく)
・フォローはリードの補助をする、という感覚

良い一日でした。

巻機山で同窓会登山

12月10日(土)、11日(日)は、自分の山行で上越の巻機山。
今回は、高校時代の友人たち4人と同窓会登山です!
僕が山を始めたのは高校2年の頃。
奥多摩の雲取山で、友人たちと年越し登山を計画したのが切っ掛けです。

その時のメンバーは7人。
ヘッドライト無しで懐中電灯の者あり、はぐれて遭難しかけた者あり、軽アイゼンを持たない者あり、ガスコンロが無いからと自宅の七輪を共同装備に持参したり。
当然、寝袋は親戚から借りてきたキャンプ用、ザックも有り合わせという始末。

山の装備常識は本で読んで知ってはいても、お金節約の誘惑に勝てなかった若気の至り山行です。
でもまあ、死なない程度の痛い目は、今の肥やしです(笑)。
そこから大学で本格的に山を続けた人、それが最初で最後の登山だった人、その後これに感化されて山を始めたクラスメイト、様々です。
 「高校同窓会で、いきなり本格的な冬山?」と思うでしょうね。
このグループ、単なる同窓会ではありません。

大学時代は、年間数回のペースで集まり、沢登り、雪山、などと遊んで来ました。
もちろん、僕を含めた4名くらいが大学のワンゲルなどで培った技術を活かして、です。

とはいえ、私やワンゲル出身者が、初心者をガイドするような企画は面白くありません。
初心者を含みながらも、チームプレーで本気になるような登山こそ、このグループに相応しいと思います。
ちょっと危ないんですけどね(笑)。
しかしながら、このチームの登山は実に8年ぶり。

僕も、最近までは自分の登山の難易度追求やら、石田登山塾を軌道に乗せるのに土日は優先。
正直、高校時代の友人は後回し気味。

そして、友人達も大学院生やら新入社員だったりで、本気で遊ぶなんてちょっと無理って状況でした。
そんな中、高校時代の登山で1番痛い目に会ったOG君からの突然の連絡!
しかも、12年ぶりに山に行きたいという奇特な話!
10万円の冬山準備金の話をしても、やる気は削がれず。

こりゃあ、皆に声かけしますか!?
という訳で、ラッセルとホワイトアウトを堪能してきました。

初日は天気が良かったものの、避難小屋に着いたのは真っ暗。
2日目はホワイトアウトの中、根性で登頂。
しかし、下山で8年間の運動不足が祟った30歳2名が、足を痛めたりして結局下山も真っ暗。

レンタカーだったのに返却時間に間に合わず、それどころか自宅に帰るのも午前様。
僕自身が補助やら荷物持ちなども行い、年間数回というレベルの疲労困憊を味わう始末!
しかし、このメンバーは懲りない。
「また年間数回ペースで復活しようぜ!」という声まで出てくる。

頻度はさておき、再開しても面白いですね。
なんせ、僕にとっても山登りの原点。
このチームがが面白くて、山を始めたようなところはありますねえ。
具体的な行程
初日:
  8:30 山の宿「雲天」の駐車場出発
  17:20 ニセ巻機山山頂
  17:50 避難小屋着
  21:30 就寝

2日目:
    4:00 起床
    6:00 出発
  7:20 巻機山山頂
    8:00 牛ヶ岳山頂
   10:20 割引岳山頂
   12:00 避難小屋に帰着
   12:40 出発
   13:10 ニセ巻機山
このあと、膝痛などのトラブルが本格化!
長い長い下山路に・・・。
   21:15 「雲天」駐車場に帰着
本当に疲れましたが、良い経験でした。

宝剣岳で雪上訓練

12月8日(木)は、宝剣岳にて雪上訓練の講習。
今回は、最近はクラックの虜になってきた女性TMさん。

ガイド登山などで雪山経験は豊富ですが、再度1からスタートするための講習です。
雪上訓練と言えば、滑落停止技術が目に付きます。
しかし、実際に訓練してみると、色々なことが分かります。

① 滑落停止は、雪質によって全く確実ではない。
(訓練意味なし説の人もいるくらい!)
まず、落ちないこと。次に、転び始めの制動こそが重要!

ただし、滑落停止訓練自体は、雪質ごと、斜面の角度ごとの感覚を身につける上で有効だと思います。
初心者の場合、転んでも止まる斜面の下りでビビり過ぎたり、逆に本当に危険なのに思い切り良すぎたりします。

滑落停止訓練1つで、手っ取り早くこの感覚が身につくなら、ありがたいことです。
しかも、滑落停止で止まって助かった例もあります。

やっぱり、やっておきたいですね。

②アイゼン歩行は、コツが教えられなければ意味が半減
フラットフィッティング、フロントポインティング、という言葉の意味は、本ですぐ分かります。
どの本にも、「フロントポインティングばかりだと疲れるので、フラットフィッティングを多用しましょう」と書いてあります。

が、歩きが元来苦手な私。
ビビりの私は、「前向きで下る」という芸当が全く出来るようにならず、常にクライムダウンの日々10年。

この意味が理解できたのは、つい3年くらい前です。
特に、下りのフラットフィッティングは、ムーブにもコツがあります。

このコツは、スクワットっぽいムーブで、これが文章で伝えるのが困難です。
これが少しでも分かると、歩行が随分楽になるので、絶対に教えたいところです。

③ 耐風姿勢は、正三角形でなくても良い
これもまた、踏ん張れる態勢という意識でやれば大丈夫です。
変に固定観念を持つよりも、瞬時に突風に備える練習を数こなせば十分でしょう。

その他、一般的な本に書いてあることだけでも、上記内容と同じくらいはあります。
さらに、実体験のようなことも、教えたいことは沢山あります。

ただまあ、この日は軽い吹雪・・・。
しかも、滑落停止をやるには地面の露出が多くて痛い・・・。(滑落停止は諦め)

訓練半分、ホワイトアウトの中での実践登山半分、といった内容でしたね。

具体的な講習内容
・キックステップ(下りのスクワットっぽいムーブも練習)
・アイゼン歩行(直登、直下降、斜登行、斜下降。ターンの際のピッケル持ち替え)
・ピッケルの持ち方(ピックが前?後?)
・耐風姿勢の反復練習
・手の指の暖め方
・ピッケルの収納方法
・ピッケルの落とし止めの自作方法
・千畳敷~宝剣山荘~伊那前岳手前まで縦走し、千畳敷に下山。
(歩行中は、ルートファインディング練習)

ワイドクラックまでリードするTMさんも、吹雪の稜線はまた別の恐さ!
一瞬は完全に心折れながら、頑張りました!

僕としても、クライミングだけじゃなく、山の講習も増やして行きたいですね。