2015年12月28日月曜日

攻めの安全管理

12月27日(日)は、マルチピッチリード講習にて、越沢バットレス。
女性STさん、男性ITさん。
<久々のオブザベタイム>

ロープの流れをよくするため、ヌンチャクでプロテクションを延長する方法があります。

カム用のカラビナに直接クリップする場合に比べて、ヌンチャクを掛けることで20cmくらい、アルパインクイックドローを伸ばせば60cmスリング分だけは、自由度が増えます。
<さすがに寒い>

一方で、それをやると墜落距離は伸びます。

「胸のあたりでカムを決めたのに、スリング伸ばしたら、すでに膝下じゃん!」
なんて思うことも。

だから、核心部っぽいところでは、なるべく延長したくないという事情もあります。
<9時半ごろに、ようやく岩が触れる気温に>

2P目のリード中、STさんは全てのプロテクションを60cmスリング(アルパインクイックドローを全開)で延長しました。

「落ちることは、ほとんど無いでしょ!」
というピッチの再登なので、ロープの流れを最優先した判断です。
<昼間は、爽快な冬晴れ>

一方で、ITさんは1P目はヌンチャクの存在をすっかり忘れておりました。

で、3P目に修正を掛けて、
①そのままクリップ
②ヌンチャクで延長
③アルパインクイックドローを全開にして延長

の3パターンを、上手く使い分けて行きました。
<攻めるべきか、攻めざるべきか>

越沢の場合、落ちるまで突っ込むようなクライミングは、ほとんど出来ません。

ただ、
「このカムで、ランナウトしてないし、万が一落ちても大丈夫だとは思う。」
と思うか

「いや、落ちたら大怪我は間違いない。死ぬかもな。」
と思うかで、こなせるムーヴも違ってきます。

前者の場合:
5.10bくらいがコンスタントにオンサイトできる人なら、5.8~5.9くらいまでのムーヴが越沢でも繰り出せるというイメージ。

後者の場合:
5.10bくらいがコンスタントにオンサイトできる人でも、5.6ぐらいが限界に感じるイメージ。
<フォローのビレイ>

なるべく核心部では、前者のようになりたい訳です。

5.8に感じたら、すぐに敗退。
場合によっては、テンションorA0というのが、守りの安全管理。
たしかに、登山においては辞める勇気は称賛されるものですね。

でも、せっかくクライミングしているんだから、攻めの安全管理も出来た方が楽しいですよ。
<かなり強固なビレイ点>

そこまでやっても、越沢では「2割3割、落ちるかも」というムーヴは繰り出せず、テンションしてしまうものですけどねー。

先日書いたアイスクライミングと、小川山・ミズガキのクラックの中間くらいでしょうか。

“最大限の攻めの安全管理はしつつ、実際は小川山・ミズガキほどは突っ込まない”
という感じ。
<体感5.8くらいのピッチをオンサイトする、ITさん>

とても微妙なニュアンスですね。

本日は・・・、

ITさんが、1P目に攻めすぎて恐怖敗退を繰り返すという失態。
STさんが、2P目を守り気味に堅実に突破。
再びITさんが、3P目を程よく攻めて、ピリリと痺れるオンサイトクライミング。

という流れでした。
<「よく、こんなとこリードしたねー!」>

スポーツクライミングと、絶対落ちちゃいけないクライミングの中間。
そこを目指すと、越沢のほうな本チャン向けの岩場が見えてくるように思います。
<核心を抜けて、ホッと一息>

<ヘッデン間近で、トップアウト!>

2015年12月27日日曜日

岩場リード講習の1日

12月26日(土)は、岩場リード講習にて、湯河原。
NSさん夫妻、女性ABさん、女性MMさん。
<ムーヴ練習>

岩場リード講習では、かなりの時間をムーヴ講習に充てています。

朝、到着したら2時間くらいは、岩場の下部にてトラバース練習。
ここで、足置き、ホールディング、片手バランス、などなどを確認してもらいます。
<下部1mくらいで、ボルダー的に>

それから、本日のお題として、何か1つ理論的な内容。

終了点作業の日もあれば、ボルトの種類の日もあり、ヌンチャクの向きの話もあり。
<ボルト見学ツアー>

あとは、リードで落ちる練習&ビレイで止める練習です。

コツコツと落ちた時のことを学びつつ、恐怖心を軽減していきます。
<ボルト見学ツアーの続き>

で、最後に本気トライ。

オンサイトトライ、フラッシュトライを中心に、5.8~5.10bくらいを実力に合わせて。
<講習初日の2人は、トップロープ練習も>

本気トライは、朝のムーヴ講習、昼の落ちる練習の総決算でもあります。
さらに、実際には実践ならではの失敗経験が積めます。

・不用意にランナウトしてしまう人
・トップロープ状態なのに怖がりすぎてしまう人
・ロープに足を絡ませてしまう人
・焦り過ぎてしまう人

毎回のように、色々起こります。
<リードで落ちる練習>

「あのとき、なんでそういう失敗に至っちゃったんですかね。」
という問いで、講習生の心理分析。

本人なりに色々と喋ってもらえば、大体以下のパターンに分類されます。

①「全く、そういうことを考えてませんでした。」
②「ちょっと、目の前のこと集中し過ぎました。」
③「なんだが、パニック状態になっちゃいました。」
<徐々に、安定感が出て来ます>

「なるほど。じゃぁ、次回はそれに気を付ければ良さそうですね。」
という話まで行き着けば、最上の反省。

そこまで反省点が絞れず、モヤモヤする日もあると思います。
私の教え方失敗でもありますが、全体的にイッパイイッパイな最初のうちは仕方ない部分も・・・。
なるべく、皆で上手く話し合えればと思います。
<フック船長(5.10a)>

具体的な講習内容
・ムーヴ練習
・ボルトの種類
・トップロープ練習(ABさん、MMさん)
・リードで落ちる練習&止める練習
・終了点作業の練習(掛け替え、結び替え)
・実践本気トライ
NS奥さま:フック船長(5.10a) オンサイト
NS旦那さま:フック船長(5.10a) 2テンでトップアウト

2015年12月26日土曜日

山の知り合いを増やす会

もうすぐ年の瀬ですね。
といっても、私の場合は年末年始に締切という業務は無いのですが。

さて、恒例の山の知り合いを増やす会は、明後日の12月28日(月)に設定しております。
http://ishidajuku.web.fc2.com/gathering.html
今のところ、新しい方2名も含めて、最低4名(+私)は集まりそうです。

お時間が作れそうな方、是非とも御参加下さい。
その際は、メールお願いします。

あまり忙しい方は、無理せず。
忘年会や年末の激務で体調の悪い方を、ときどき見かけますので。

2015年12月25日金曜日

ちょっと優等生に

12月25日(金)は、ムーヴLv.1。
女性OGさん、女性ABさん。
ABさん、なんだか前回までよりも教えやすく感じました。

「なんだか、変わりましたよ。すごく、教えやすいです。」
と話すと、本人なりの分析2つ。

①練習してます
週3日くらいクライミングしてます。

②フリークライマーになれてきました
以前は、何か指摘されるごとに
「アルパインでは、どうだろう?」
と考えて、混乱していました。

※当然ながら、アルパインというほどの実力ではありません。
つまりは、過去に山岳会の先輩に言われたことと、私からの指摘との相違に、苦しんでいただけかもしれません。
たとえば、これまで何度か繰り返された会話に、こんなのがあります。

私)
「もっとゆっくり登った方が、バランスが良く分かりますよ。」

講習生)
「えー、でも後ろに順番待ちしている人がいたり、山では天気が悪くなるかもしれないし。」

私)
「いや、ここはジムですよ。それに、将来的にアルパインの練習という意味で考えても、雑なムーヴは駄目だし。」

講習生)
「えー、でも早く登れって言われたし。」

私)
「雑に何回登っても、上手くならないですよ。」

講習生)
「えー、うー。じゃぁ、はい。」

※この微妙に腑に落ちていない感じが、前回までを象徴的に表していたと思います。
最近は、講習生が何か出来るようになることよりも、考え方がちょっと変わることに喜びを覚えます。
個別技術より練習意識の方が、将来に影響しますしね。

具体的な講習内容
・足を押す意識
・居心地が良いポジションになるまで、少し待つこと
・リードのビレイで、クリップ直前の体勢作りを見抜こうとすること
・落ちる練習&止める練習
・実践本気トライ
2人とも、垂壁の5.10aをR.P.!

日々これ実験

12月24日(木)は、リード3回目。
女性SMさん、復習の女性KIさん。
落ちる練習の際に、
私)「じゃぁ、そこでもう1回落ちてください。今度は、ビレイヤーは壁からチョットだけ離れて。」
講習生)「えー、まだやるんですか・・・。分かりました。」

というのは、よくある光景。

一方で、本日は、
講習生)「今のところ、今度は~~のパターンで、もう1回落ちてみて良いですか?」
私)「もちろん!色々、試してみましょう。」

という、良い流れです。
よくある光景は、講習生がチョット嫌々で“やらされてる感”が出ちゃう状態。
練習意図を伝えられなかった、という意味では、私の指導失敗とも言えます。

ただ、
「意図を汲んで、色々試してみよう!単なる、度胸試しだけに終わっちゃうのは、勿体ない!」
という気持ちがあると、すごく助かります。

講師の指導失敗を補うほどのモチベーション、とでも言いましょうか(笑)。

・落ちる姿勢
・墜落距離
・ビレイヤーの立ち位置
・弛ませ具合
・振られ落ち
・若干ランナウトした状態でのフォール
試したいことは、本当は一杯あるはずでしょう!

これって、岩場の講習でも、ムーヴ講習でも、ロープワーク講習でも、何でも同じです。
試して、質問。試して、質問。
これが、上達も早いですよ。

具体的な講習内容
・ビレイヤーの立ち位置
・しゃがみビレイ&離れビレイ
・落ちる練習&止める練習

SMさんは、これにてジムリード講習を卒業といたしました。
次は、岩場リード講習か、ムーヴ講習で、またお会いしましょう。

2015年12月24日木曜日

確定要素を増やしたい

12月23日(水)は、アイスクライミング講習にて、八ヶ岳。
男性HYさん、女性ARさん。
<久々に、この2人の講習>

アイスクライミングのリードでは、原則落ちることはありません。

スクリューの効きが怪しいこともあるし、ビレイヤーが落氷を避けて遠くでビレイしていることも多いです。
(プアプロ&だらりんビレイ、という合わせ技)

だから、クラックのように思い切ってムーヴを試みるという場面は、ほとんど無いと思います。
<見た目にも、スイングが違う>

「じゃぁ、リードは簡単な氷だけにするべきだろう。」
と、思うでしょうね。

実際、私もそうだと思います。

アイスクライミングは、パンプとの戦いです。
が、パンプしてフォールするかの瀬戸際まで頑張るなんて滅多にないでしょう。
<アイスボルダー>

とはいえ、アイスは岩と違って壊れることが多いです。

ピック周りの氷が欠けてすっぽ抜ける、アックスを刺している氷ごと壊れる、など。
アイゼンも同様です。

ですから、
「ムーヴ的には簡単。パンプ具合も、許せる範囲内。」
と本人が思っていても、不意落ちしちゃう可能性は否めません。
<南沢大滝を2ピッチに分割>

困りましたね。
不意落ちがありうるのに、落ちちゃダメ、なんて。

あんまり怖いと、楽しくないです。
<気分は、アルパイン>

ただ、落ちる確率を下げることは、出来そうです。

実際、ARさんは昨年はアックスが上手く刺さりませんでした。

そのせいか、トップロープでも
「怖い!怖い!」
と言っていました。

が、今年は刺さるので、
「去年より、(トップロープなら)楽しいです。」
と嬉しそう。

これは、不意落ち確率が下がったことにより、恐怖心が軽減された好例だと思いました。
<スクリュー回収>

トップクライマーの方々の話を聞いても、アイスのリードで落ちた経験は0回~数回だったり。
ものすごい量のリードを、こなしているハズなんですが。

皆さん、不意落ち確率を下げるようにしていますね!
<上段のリード>

アックスを深めに刺す、氷を壊さないようにする、表面のひび割れた氷は念のために落とす、などなど。

考えうる限りの策を講じて、それでも確率はゼロにならないから傾斜の強いセクションではスクリューを!
もちろん、スクリューも硬そうな氷に!
<落氷リスクが低いため、割と良い位置でビレイ出来た>

講習では、99%ノーテンションで登れそうな氷だけをリードして、ダメだった1%はテンションする、というくらいをオススメしています。

そのくらいのリードなら、なかなかパンプしないので、氷が欠けないように気を使う余裕もあるように思います。
<初級者らしい、こまめなスクリューセットで安心感あり>

怖すぎないように、リードを楽しんでもらいたいと考えております。

本日も、2人と話したのは半分以上は怖さについての話し合いだったと思います。
ちょっと、同じ話を繰り返し過ぎて、お互い疲れた感はありましたが(笑)。

経験とともに、確定要素を増やして行きましょう。
<ARさんも、ノーテンションでフォロー出来ました!>

具体的な講習内容
①アイスボルダーにて、ムーヴ講習
・アックスを振りやすいバランス
・レストのタイミングいろいろ
・フルスイングするか、軽めに振るか
・アイゼンの前から2本目の歯を意識する
・マントルっぽい場面で、どういうムーヴを選ぶか
・アックスの抜き方
など

②ルートで実践
・南沢大滝の左端弱点ラインを、2ピッチに分けてリード&フォロー。
HYさんがリード。
無事に、ノーテンションにて完登!
<雪は、少ない>

<楽しめました>

2015年12月22日火曜日

冬の低山をどうオススメするか

12月20日(日)は、雪上訓練Lv1-Aにて、天神平。
全員新規で、男性NMさん、男性KHさん、YTさん夫妻。

今回は、インストラクター研修として、KMさんが参加して。
<ようやく、雪山シーズンイン>

今回、いわゆる冬靴ではなく、トレッキングシューズで参加された方がいらっしゃいました。

ハイカットで、アイゼンも付けやすいくらいのソールの固さはあります。
ちょっとしたキックステップくらいは、十分対応できるものです。

ただ、保温材が無いので、足が冷え、凍傷のリスクは倍増します。
<キックステップ>

この靴、3シーズン靴などと呼ぶ人もいて、

・残雪期の暖かい日
・関東の冬の低山(積雪10cm~30cmくらいを想定)
・夏の雪渓

といった場面に履く人も多いです。
<歩行訓練>

で、今回の方は、行きつけの山道具屋さんでこの靴をオススメされたそうです。

「本格的な冬靴を売ってしまうと、危ないところに行ってしまうだろうから。」
という配慮だと、講習生本人から伺いました。
<快晴>

実は、私も大学1年生のとき、同じ山道具屋さんで初めての冬靴を購入しようとしたところ、同じタイプの靴をオススメされた記憶があります。
ただ、当時お金も無かったので、私も喜んでそのオススメに乗ったような気もしますが・・・。

実際、その後の2年くらいは八ヶ岳などのメジャー山域には行く機会は少なく、半分以上を雲取、大菩薩、甲武信、金峰、ミズガキ、といった中級山岳に行くことになりました。

この方向付けは、やっぱり有難い話だったなと思っております。
ただし、その靴で攻めすぎた結果、軽い凍傷にもなりました。
ちなみに、今回の雪上訓練Lv.1-Aの参加条件も、
“アイゼンを使った登山を行ったことがある(軽アイゼンでも可)”
としています。

この成果として、夏山しか歩いたことのない講習生達が、ギリギリになって1度だけでも冬の低山を歩いてくるという実績(笑)もあります。
<滑落停止>

なぜ、我々がそこまでして冬の低山をオススメするのでしょうか?

役に立った。
当時なりに、楽しかった。
そういう発想が無い人に、知らせたい。

といった心境です。
<でんぐり返し>

夏山から冬山へは、ハードルがとても高いものです。

講習会、ガイド登山、山岳会、・・・。
いろいろありますし、どれも実態を知ってはいるつもりです。

結局、一番効くのは冬の低山経験の量かな、という印象です。
奥多摩、奥秩父も楽しいですよ。

その上で、何回か講習に足を運んでいただければ、嬉しい限りです。
<最後に、スキー場トップへ>

<谷川岳をバックに>

<お疲れ様でした>

2015年12月21日月曜日

全ホールドでレスト?

12月19日(土)は、ムーヴLv.0の6時間コース。
新規男性KHさん、女性TOさん。
一手一手レストする練習をやると、
「どのルートも、こうやって登るものなんですか?」
という質問を、頻繁にいただきます。

もちろん、答えはノー。

そもそも、難しいルートではレスト出来る箇所は限られています。
ただ、レストポイントが無いと、回復できないばかりか、考える暇すらありません。

そこで、ジムの5.8レベルなら全ホールドがガバなので、自然なレストが出来ることがリードを覚える上での大切なステップだと思います。
実際、ジムの5.9になっても半分くらいのホールドは、同じくらいガバだったりします。
だから、そのガバで考えれば良いのです。

ちなみに、5.10cくらいをオンサイトトライするなら、5.9の全ホールドでレスト出来るくらいの技術が欲しいですね。
そうすれば、3手~5手に1回くらいは、レストしたくなるホールドが現れることでしょう。

また、この練習は、初心者にとってはバランスを覚える意図も大きいです。
これは、文章だけでは書ききれないように思うので、パスしておきます。

具体的な講習内容
・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・トップロープのビレイを洗練
・ロワーダウン中の姿勢
・片手主体のバランスを作ってから、もう片手を離す方法
・ネコ足
など

2015年12月19日土曜日

岩場での1日

12月18日(金)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性OGさん、男性SGさん、女性SMさん、女性NBさん。
<湯河原、シーズン初め>

講習では、1日のほとんどを基礎練習に費やします。

ロープを付けずに、ルート下部でムーヴ練習。
リードで落ちる練習。
ボルトの種類を見学。
終了点の仕組み。
終了点作業のロープワーク練習。

で、ある程度は基本が分かってきたら、夕方に1本だけ本気トライをしてみましょう、という流れです。

講習生の経験だと、メンタル的にも疲れる本気トライは、1日に1回か2回が限界という人も多いので。
<さすが、暖かい!>

一方で、通常のクライマーは、ある程度パターン化されたリズムで動いています。

以下に、御紹介。

①ウォームアップで、1~数本、長めで持久系のルートを登る

②本気トライを数回(短いルートだと、ボルダー感覚なので、トライ数が増える)

③クールダウンやトレーニングで、少しグレードを下げたルートを1~数本登ることもある。
(夕方に本気トライをするなどの事情で、やらないことも多い)
<すあまを知らないSGさん>

意外と思うかもしれませんが、これだけで終わりです。

ジムで同じメニューをこなすなら、3時間でもお釣りが来そうです。
岩場だと、準備やらハングドッグやらで、意外と6~7時間は経ってしまうものですが。
<すあまを試食>

とはいえ、本気トライのあと、次の本気トライまでの間は、1時間くらいの長時間レストになります。
パートナーが30分くらいの本気トライをするにしても、30分くらいは休憩できます。

僕の場合、登山から入ったので、この時間が手持無沙汰に感じました。
エンジョイクライミングを演出するなら、お茶会でも出来そうです。
<事情により、午前中は3人で>

ただ、現在は結構充実しています。

まず、自分のトライについて、感じたことや反省点をパートナーに喋ります。
それから、次のトライに向けて、改良することをイメージトレーニングします。
(完登した場合は、次のルートのオブザベに入る。)

もちろん、パートナーと下らない雑談もしますが。
<落ちる練習>

さらに、寒い時期ならトライ5分前は、急坂を速足で登るなどして、腕を使わずにウォームアップをします。

いよいよ自分のトライ前には、イメージトレーニングの成果として、再びお腹を下します。
仕上げに、1分くらい瞑想っぽいことをすることもあります。
<紅葉>

そんな感じで、アッという間に時間が過ぎます。
昼寝時間があるときは、滅多に無いという印象です。

これで、さらにパートナーがトライするルートが、自分のルートと10分くらい離れていたりすると、 実に忙しい(笑)。
<フック船長(5.10a)をオンサイトするSMさん>

と、こんな感じで2~4トライもすれば、1日で色々な経験値が積めたと感じます。

本気トライだけしていても、結構良いトレーニングなのかもしれません。
※そもそも、ルートクライミングが中上級者のフィジカルトレーニングに向いていないという話は、置いておいて
<同じく、フラッシュするSGさん>

付け加えますと、この「1日に本気トライ数本」というリズムが、絶対ではありません。

易しいのを沢山登って、身体を慣らすこともあります。
ちょっと苦労するくらいのオンサイトトライや、再登を何本も頑張って、持久力トレーニングに充てることもあります。

逆に、「1日に、1本のオンサイトトライに賭ける!」という日があっても良いでしょう。

講習ではなくても、何かの基礎練習に半日充てるのも、アリだと思います。
(卒業生で、岩が濡れていたからロープワーク練習をして遊んだ、なんて話もあります。)

どんな過ごし方にせよ、楽しく学ぶことさえ続けていれば、少しずつ上達すると思います。
決まりはないので、色々試してみてください。
<同じく、ムーヴ解決してトップアウトしたOGさん>

具体的な講習内容
・ムーヴ練習(片手主体のバランス、ネコ足、手をホールドに馴染ませる)
・落ちる練習
・終了点作業の練習&実践(SMさん、SGさん、OGさん)
・疑似リード(NBさん)
・実践本気トライ
3人とも、フック船長(5.10a)。
SMさん:オンサイト
SGさん:フラッシュ
OGさん:ムーヴ解決してトップアウト