2019年10月30日水曜日

ちょっとした覚醒

10月27日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
復習参加の男性ITさん。
<色々と腑に落ちながら、楽しんでもらえた>

本日のITさんは、本当に真面目なクライマーだと思いました。

①ムーヴ練習でも、スタティックとダイナミックの差などを細かく考え、自然と反復練習になってしまうぐらいのモチベーション。
どちらかと言えば、こういう微細な差に拘る練習は、億劫がる傾向だった記憶が・・・。

②その際、シューズに土が付かないように、慎重に立ち回ります。
<オブザベ中>

③本気トライで、水曜日のシンデレラ(5.10d)を私が指定。

過去に、トップロープで触ってしまっているそうですが、オブザベも入念です。
「カムもあると、ランナウトがマシになるかも」という類のルートなので、ギア選定もオブザベで入念にして、何個か持参。
以前は、こういうとき丸々1セット持って行く印象でした。
④リード中も、レストが良い感じです。
今までは、ほとんどノーハンドレスト出来る傾斜でのみ、レストしたりチョークを付けている印象でした。
普段ジムで登っていないから、垂壁などに不慣れというのもあるので、私もこれまで強くは指摘しなかったのですが。
それが、今回は垂壁でも普通にチョークアップしています!

⑤判断も普通。
易しいランナウトセクションは、しっかり行きつ戻りつ。
ボルト間隔が近い核心部では、膝下ぐらいまでフォールしながらムーヴ探り。足元になるときは、ちゃんと怖がってくれるので、ビレイしていても安心感があります。

易しいと甘く見てポンポン登り、核心部ではテンションコール、という悪癖は本日は感じさせません。
<1トライ目で、再現性が低いながらも一応ムーヴが出来た>

⑥ムーヴの検討。
力の方向を意識して、なるべく理にかなった動きを探します。
トップロープ登りで強引に行くと、再現性が無い上に、不意落ち確率が上がるから嫌なんだそうで。
<2トライ目で、本人的にもムーヴ解決して、嬉しそう>

一体、なんで覚醒したんでしょうか?

本人に聞くと、「やっぱり、クラックでの落ちる練習が急速にリスク管理能力を上げますよ。」とのこと。
それによって、ボルトルートが大分楽になったし、意識の持ちようも変わったそうで。
「きっと、他の人もクラックやったら安全管理能力が劇的に変わりますよ。」とのこと。

私の分析は、もともと能力は結構あったので、全体的にちょっとずつ丁寧にやったら劇的に変わったという印象です。
是非とも、この感じを続けて欲しいと思います。
これを数ヶ月継続すれば、クライミングの世界が今までとはガラッと違うものに見えて来るんじゃないかと思います。もちろん、今日明日にグレードが上がるとか、そういう話ではありません。
楽しみにしております。

モチベーション低下の前に

10月24日(木)は、ムーヴLv.0。
男性MBさん、復習参加の女性KIさん。
モチベーション低下のパターンにも、色々あります。

①仕事などが忙しく、時間が取れないうちに、なんだか盛り下がってしまった。
②体調が悪くもないが良くもなく、なんとなく気持ちが上がってこない。
③故障個所が痛く、頑張ると再発しそう。
④貧乏性によるオーバーワークで、心身ともに疲労した。(例えば、レスト日なしで登る。)
⑤本気トライで「会心のトライだった!」という成功体験が、最近少ない。
⑥ここ最近の練習で、成長を感じない。
⑦ヒヤリハットにあったが、「次回は、その目に遭わない!」という方策がイマイチ分からない。
⑧人間関係に疲れた。

この中で、
・仕方ないもの。
・自己管理によって、コントロールしたいもの。
・友人に話してスッキリしたいもの。
・講習などに参加して、活路を見出したいもの。
といった色分けをしています。

復習受講される方は、⑥とか⑦を目的とされる方が多い印象です。
ただ、本日は③について少し講習しました。私から見ても、肩を痛めやすそうなフォームだったので。
少しは発見があったようで、何よりです。

本当にモチベーションが下がると、どんどんとクライミングから遠ざかってしまいますので、その前に是非ご相談ください。

2019年10月28日月曜日

「気を付けてね。」では不十分

10月22日(火、祝)は、雨天にてロープワーク講習。
女性YIさん、男性NSさん、男性KTさん、女性KDさん。
終了点作業は、死亡事故も多いです。
結び替えでの事故は、ちょくちょく起こります。

トップロープ回収時に、残置ビナがあるようなパターン(掛け替え、と呼ぶこともある)でさえ、過去に何回かは死亡事故の話を聞くものです。
実際、終了点のテラスは、油断しやすく、

・テンション移行の省略
・セルフのうっかり外し
・ヌンチャク1本のセルフでテンション緩め

などのリスクを発生しやすくなっております。
もちろん、注意力も大事なのですが、取り付く前に「気を付けてね。」と言うだけで本質的なリスク回避になっているかは怪しいものがあります。

時々で良いので、こういう話と向き合ってみる時間が必要です。
・本質的なリスク回避として、何が有効なのか?
・過去に、どんな死亡事故例があるのか?

マルチピッチやバリエーションをやるにしても、登る練習が8割だとは思います。
実際、ムーヴやリード時の判断に大部分の時間が割かれると思います。
でも、たまには地味な座学も良いですよ。

「結び替えの作業手順を知っている。」だけでは、出来るうちには入らないと思った方が良いと思いますよ。

2019年10月25日金曜日

近くて遠いクライミングジム

10月20日(日)は、林智加子ガイド企画の岩場基礎トレ。
夏前にも一度雨天でジムで行ったものがあるので、これで3回目。
今回の参加者も、とても真面目に話を聞いて下さり、講習中の練習にも熱心です


帰りに話を伺うと
・他のガイド講習で、登山靴での岩場講習に複数回参加したことがある人もチラホラ
・クライミングジムは、そのような講習で雨転戦で行ったことがあるのみ
・クライミングシューズは、履いたことが無い人がほとんど
さらに話を伺うと
・クライミングなんて、とても出来ないと思っている人も多い
・「ジムに私なんかが行って変じゃないかしら?」、「若い人ばかりじゃないか?」と思っている人も多い
実際、スポーツってなかなか厳しい部分もあって、なかなか上達しなかったり、ついつい他人と比べて落ち込んだり、色々あるものなので、そういう不安が完全に的外れとも言えないのですが(笑)。
一方で、今回のような岩場を登山靴で登るよりも、ジムの入門ルートをクライミングシューズとチョークを身に付けて登った方が易しいです。

ジムの入門ルートは、手掛かりがすごくハッキリしている上に、クライミングシューズは登り易いものです。
都内に、ボルダリングジムは沢山あります。
もちろん、リードジムも。
できれば、時々ジムに行って、登るという行為自体を身近に感じて欲しいものです。

クライミングって、安全管理が関わるのでスポーツの中では割と初級者にも厳しい部類なんじゃないかと思う一方、ジムで入門する分には大変気軽なスポーツだと思うんですよね。
もし良かったら是非、ということで。

2019年10月21日月曜日

オブザベ千里の道

10月17日(木)は、マルチピッチ体験の予定が湯河原での岩場リードになり、そこで雨が降ってジムでのムーヴ講習に。
女性FSさん、男性MKさん。

10月19日(土)は、雨中止でムーヴ講習。
女性IUさん、男性KTさん、男性Nさん。
手順のオブザベに関しては、入門レベルは体系的に講習することが出来ます。

まず、ジムの入門ルート(8級とか5.8とか)は右手→左手→右手→左手→・・・、となっているものが大多数です。
ただ、1ルート毎に、0箇所~数箇所ほど、それでは対応しにくい場所が出てきます。

具体的には、「右手→右手」と連続して同じ手を動かすことが有効だったり、マッチや持ち替えなどが有効だったりします。
なので、オブザベの段階では、
「あそこだけは右左の順序通りにならないから、マッチかな?それとも飛ばしかな?」などと予想を立ててトライすることになります。
極端に言えば、「そこだけ間違わないように。」と思ってスタートすれば、最低ラインをクリアしています。

これでも、ジムの7級とか、5.10aぐらいまでは、オブザベレベルとしては十分かもしれません。
さて、次に「足のオブザベが出来ません。」という声がよくあります。

これに関しては、「コレ!」といった脱入門の決定版練習方法が無いように思います。
なぜなら、大抵の場合、同じ一手に対しても正解の足位置は複数あるものです。

一定レベルの人なら、「こういう型か、こういう型のどっちかで、次のホールドを取ることになりそう。」
という雰囲気で、想像していくことになります。
つまり、足位置のオブザベというのは、ムーヴの型の予測とセットなのです。
なので、一朝一夕には出来ないというのも分かります。
そして、「どうせ見ても分かんない。」と諦める人が出るのも、よく分かります。

とりあえず
①自分のリーチの長さを大体把握する (単に縦だけでなく、横リーチ、開脚リーチ、などなど)。とんでもなく狭い足位置を想像している人も多いので。
②この辺に足があると、このムーヴの型に入りやすい、といったパターンを頭に入れていく
③オブザベ通りの足位置だったか、ある程度のズレはあっても想定範囲内だったか、見当ハズレだったか、の検証を怠らない

といった、ことを繰り返し行うことが有効だと思います。
ちなみに、その意味では目検討で課題を作り、それを自分で登るという遊びは、①~③を省くことが出来ないという意味で、良いトレーニングになります。

ジムにある既存課題を登るんだと、①~③をサボることが出来てしまうので。
(本来は、それでもやった方が良いのだけど、人間はそういう生き物なのでやらないことが多い。)

マルチピッチリード講習で岩を自由に登るのと同様、ジムでも自由度が高い方がよく考えるのだと思います。

2019年10月18日金曜日

怖さは感情

10月14日(月、祝)は、リード1回目。
女性NSさん、男性KBさん、復習参加の男性EDさん、復習参加の女性Hさん。

10月16日(水)は、ムーヴLv.0。
新規女性NDさん、新規女性NGさん、男性MSさん。
今回、トップロープでの落ちる練習を行いました。
リードの落ちる練習ほどではありませんが、割と嫌がる人が多いです。

さて、落ちる練習が嫌だという理由にも、色々あると思います。
・落ちる態勢~受け身の流れを考えても、よく分からない。
・落ちる距離が想像できない。
・フワッという浮遊感が好きになれない。
一方で、落ちる練習は嫌だけど、実際のクライミング中に急に落ちるのは怖くないという人もいます。

本人曰く
・落ちたらどうなるかを考える暇が無いから。
・まさか落ちると思っていないときに、落ちるから。(チャレンジ落ちではなく、不意落ちだから。)
・上記2点を合わせて、気づいたらロープにぶら下がっているような感じだから。
「怖がりな人が、意外と事故率が高い。」という法則は、こういうレベルから始まっております。
そして、私の周りでも実際それで事故ったと思う例は、数知れません。

「程よく怖がる。」というのは、言うほど簡単ではありません。怖さは感情であり、リスクに比例するとは限らないので。
これを解消するために、どんな風に考え、どんな練習をするべきか?

それは、その人に性格や経験によるかもしれませんね。

2019年10月16日水曜日

偵察

10月15日(火)に、越沢バットレスと天王岩に偵察。
台風19号の影響で、中央道や20号が通行止めとなり、小川山への日帰りが難しくなったことと、奥多摩周辺への影響の不安から。

ただ、夕方暗くなってからの偵察のため、もともと知っている道以外の迂回路は十分に観察できていない。

①越沢バットレス
アプローチ敗退。

追記。越沢バットレスキャンプ場からの入山自粛のご案内が流れているので、そちらの情報を使用してください。

・上流回り(バットレスキャンプ場経由)
バットレスキャンプ場までの登山道が荒れてしまって、通行困難。沢登りの高巻きぐらいの覚悟で行けば通過はできるが、何カ所も壊れているので、途中で引き返すことにした。
荒れた部分が、まだ水分を多量に含んでグズグズなので、いまが一番酷く感じるのかも。

・下流回り(ガーデンキャンプ場経由)
ガーデンキャンプ場までは、問題なし。そこからの沢沿いの登山道が、荒れている。鎖場も、2年前よりもさらに怪しい感じになっている。年々荒れて来ていて、今回の台風の影響なのかは不明だが、細い木橋の手すりが無くなっており、リスクが大きいと感じたので引き返した。
この道は、ガーデンキャンプ場の方が整備してくださっているらしいが。

別アプローチから行くか、沢登り並みに気合を入れてアプローチするか、仮補修として勝手にフィックスを張るかすれば行けるとは思うが、止めた方が良いでしょう。

②天王岩
十里木の駐車場、岩場へのアプローチ、ともに問題なし。

あとは、電話確認したら三ツ峠は大丈夫なようです。
湯河原も、人づてに影響なしだとか。

とりあえず、天気も含めて、今週の行き先を検討中です。

2019年10月12日土曜日

避難日記

思っていた以上に台風の影響は強く、避難所に泊まりに来ました。
自宅が避難指示が出ている地域に入り、近所の浅川が危険氾濫水位を越えて、いよいよリスクを感じたもので。

避難所の体育館は、思った以上に快適です。
トイレも並ばず、お湯も無料、自販機も健在。銀マと毛布も貸し出してくれて、椅子とテーブルも沢山あります。
とはいえ、一晩限りだからそう思うんでしょうが。
とりあえず、来るべき南海トラフに向けての予行演習と思っておきますか。

人生初の避難所泊ですが、知り合いから借りた『太陽のかけら』という谷口けいさんのことを書いた本を読み終えました。
山も災害も、やたらと死生観を突き付けられますね。そこは、宗教観とかも関わるので、あまり主張もしがたい分野ですが。
とりあえず、もうちょっと良い人間になりたいものだ、というぐらいが私の感想文です。

ではでは、皆さん今夜を無事に乗り切りましょう。

追記。
意外と早く雨が止んだので、しばし様子を見てから0時前に帰宅しました。
雨が止んでからの河川氾濫リスクは、我が家の位置からすると、大きくは無さそうなので。

2019年10月9日水曜日

2つの効率

明日、10月10日(木)の夜21時より、11月分の予約受付を開始です。
上書きしてしまうので、一応載せておきます。

10月6日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
男性NSさん、女性STさん、女性KBさん、復習参加の女性ISさん。
上達効率とR.P.効率は、相反するときがあります。

例えば、O.S.トライするつもりが、他パーティがそのルートをトライし始めたとします。
ここで、「O.S.とか、拘ってないから見まーす。」という人は、割と多いと思います。むしろ、初級レベルだと圧倒的多数派?

ここでの、見るor見ないについて、細かく考えてみます。
見るメリット:
①O.S.を諦めている場合、O.S.に達成感を見いだせない場合、O.S.を喜んでも周りの仲間から賞賛を得られない場合、などにおいては、O.S.、フラッシュ、R.P.の区別は無い。事前に情報収集をすることは、効率を上げる戦略になる。
②1トライ目の恐怖心が軽減される。
③オブザベを割愛できる。(見れば、さすがにイメージ出来ることが多い)
④他人の動きから、何かの勉強になる場合がある。

見ないメリット
①O.S.の可能性がある。
②1トライ目の恐怖心を利用して、安全管理について様々なことに思いを巡らす。
③オブザベを、出来ないなりに必死に行う。
④動きを自分で考えることで、勉強になる場合がある。
<激熱の賞賛を受けたISさん>

次に、これを効率という観点でまとめます。

①:R.P.効率という意味では、見た方が良い。ただし、O.S.の可能性は無くなる。

②、③:R.P.効率という意味では、見た方が良い。ただし、見ないことによって、緊張感を成長促進エネルギーに変えられる。(上達効率とR.P.効率が、相反する。)

④:見た方が勉強になる場合、見ない方が勉強になる場合、どちらもあるので評価が難しい。(どちらに上達効率の分があるかは、状況による。)
僕自身、見ないで済む状況でも、ボンヤリ見たこともあります。

でも、今後は控えた方が良いなと思っています。
ビレイでパートナーを見るしかない場合、上級者を観察する場合は、④を探すつもりで見ようと思います。

R.P.効率のためにボンヤリと眺め、上達効率が下がるという現象は、もう味わいたくないものです。
<徐々に、慎重な登りになってきたKBさん>

ところで、R.P.効率を重視することは、あながち悪いこととも言えません。
ハングドッグが許容されてきた歴史、とかもありますし。

それに、トポのルートを、塗り絵のように完登チェックしていく喜びは良いものです。周りを見れば、初中級ぐらいのクライマーにとっては主たる楽しみかとも思えます(笑)。
ジム、スポート、クラック、マルチ、入門バリエーション、なんでもそうです。
僕も、今はジムでそれをやっています(笑)。

ただ、そちらの効率偏重は経験上ダメだと思います。
「もう、やるの無いー。(登れそうなのは終わっちゃったー。)」と早期に言い出す人になってしまいます。
なぜなら、色々R.P.した割には上達していないから。

当然ですが、講習では上達効率を重視しています。
まぁ、それがどこまで上手くいっているかどうかは、その時々だと思うので、日々反省です。
<予習がすごかったNSさん>

実践本気トライ
ISさん:かわいい女(5.8) 再登
NSさん:かわいい女(5.8) フラッシュ
STさん:かわいい女(5.8) フラッシュ

2019年10月8日火曜日

11月の予約受付

すっかり遅くなりました。
明後日の10月10日(木)の夜21時より、11月分の予約受付を開始いたします。

岩場リード講習は、天王岩or湯河原を予定しております。
クラックリード講習は、湯川を予定しております。
マルチピッチ講習は、越沢or三ツ峠or二子山を予定しております。

さてさて、どうぞよろしくお願いします。

2019年10月7日月曜日

考えてみよう

10月1日(火)は、リード3回目で、女性TNさん、復習参加の女性HMさん。
これにて、TNさんは卒業といたしました。

10月4日(金)は、ムーヴLv.0で、男性STさん、男性HTさん。
2人とも、ジムリードに進んでO.K.としました。

10月5日(土)は、ムーヴLv.0で、新規女性HNさん、復習参加の男性EDさん。
HNさんは、ジムリードに進んでO.K.としました。
リード3回目に、以下のようなルールで落ちる練習を行ってみました。
次のクリップが出来る態勢で、クリップはせず、手繰り落ちもせず、普通にフォールしてみましょう。

この方法だと、通常のジムで起こりうる最大距離のフォールになるはずです。
すると、HMさんは左図のような形で落ちる練習を行いました。
いわゆる、最終クリップ(のカラビナ)が膝くらい。

そして、私から「次のクリップに進んで、同じ練習をしましょう。」と指示すると、実際に次のクリップを行ったのは右図のような形でした。
いわゆる、最終クリップが足首くらい。

・参考情報
HMさんは落ちることに対して大変な苦手意識があり、膝でのフォール練習でもそれなりに頑張ってくださっています。
これに対して、私は大変に違和感がありました。

「膝で落ちるのが精一杯なのに、実際のジムリードでは足首まで行くのか?」
「それは、落ちなさそうだという読みだからアリなのか?」
だとすれば
「ウォームアップルートなどで、全ガバで怖くなければ上記ランナウトはアリか?」
という疑問にも繋がります。

これについて、クライミング界の共通見解みたいなものは無いと思います。
しかし、気になりますよね。

皆さん、どう思いますか?
こういうことを真剣に考えるぐらいじゃないと、リスク管理能力は身に付かず、むしろ感覚が錆びて行き、いつか足元をすくわれます。
ところで、僕自身は先週からようやくジムのリードに復帰。
暑いので、数か月ほどはボルダーしてました。

春ぐらいから行っているランナウトの全R.P.目標ですが、2ルートほど困難な5.12bがあり、楽しくも気が重い状況です・・・。

とりあえず、現状。

メイン左面:
・2本(5.12b)が大問題。うち1本は既に4日間トライ中、ワンテンを抜け出せるかは怪しい。もう1本は見るからに5.12bじゃない最難課題(笑)、絶望的に見える・・・。
・O.S.圏内のものが7本ぐらい。
・O.S.は相当難しそうだがR.P.ならどうにかなりそうなものが1本(5.12a)。
・1セクションだけ解決していないが、レストポイントが豊富なのでR.P.は出来そうな予感のルートが1本(5.12a)。

メイン右面:全コンプリート。ただし、2週間後にホールド替え。

その他のラインセット壁:全コンプリート。(最近は、5.11b~cぐらいまでしか無いので、O.S.失敗してもR.P.は出来ることが殆ど。)ただし、明日から93°壁がホールド替え完了して、イチから再スタート。

あとは、同じように頑張りたいのがボルダールームの赤テープ。
2階が、あと2本。
1階が、あと3本。
ただし、そのうち2本ほど、絶望的にも見えている現状・・・。

こんなにジムに邁進するのも久々なので、しばし頑張りたいです。

2019年10月2日水曜日

コラボ企画で岩場基礎トレ

9月29日(日)は、林智加子ガイド企画の岩場基礎トレ、小川山にて。
林智加子ガイドの屋号は、ソレイユ。
<ルート名のない岩にて、何度も上り下り>

登山者向けの岩場歩き講習。
巷では、よく聞きますし、需要も大きいと思います。
一方で、「そんなことやるぐらいなら、クライミングやった方が良いよ。」と思っているクライマーも多いでしょう。

私の体感では、クライミング技術のうち、1~2割が岩場歩きに直結します。

(「どの1~2割か?」、私なりに色々と考えがあります。
岩場で見かける他のガイドとは、全く違う教え方をしていると思いますが、到底書ききれないのでスルーします。)
だから、普段からクライミングを練習している人であれば、知らず知らずのうちに岩場歩きも進歩していきます。
そして、登山道で周りの足取りに不安定さを感じ、「もっとクライミングやれば良いのに。」と思うことも多いものです。
しかしながら、クライミングに興味が薄い登山者からすると、これは厳しい現実です。
クライミングを練習しても、その一部しか岩場歩きに返ってこないのですから。

意を決してジムに一度行っても、色々な理由でクライミングを敬遠する登山者を、これまでも数えきれないほど皆見てきていると思います。
<今回は、登山靴>

となると、ここで講師に求められるものは何なのでしょうか?

①岩場歩きに直結する部分を抽出して、かみ砕いて説明すること
②クライミングに興味を持ってもらうこと
<安定感を求めるために、真剣に考える様子>

2つとも壮大な方向性なので、その僅かな部分だけでも進歩してもらえたならと思って、本日のイメトレをして来ました。
ところで、やっぱりチカさんは、自分のお客様に対して、素晴らしく手厚いですねー。
事前メールのやり取り、この講習の意義説明、そして岩場ではコーヒーも差し入れしちゃうという心遣い。
リスク管理における頭の中のクリアさ、アナウンスの上手さ、毅然とした態度には、富士山仲間の中でも定評があって、周知のことですが。

流石でございます。
<ちょっとずつ、ロワーダウンにも慣れてきた。岩場歩きには使わないけれど。>