6月11日(土)は、私が所属している富士山ガイド組織の、新人向け講習会。
今回は、僕も新人向けの講習科目を1つ担当しました。
さて、私がやっている富士山ガイドの仕事をちょっと御紹介。
「はとバス」、「クラブツーリズム」、「読売旅行」、「阪急交通」などの旅行会社が、山小屋泊のバスツアーを企画します。
旅行会社が、その宿泊を山小屋に申し込むと、山小屋に所属する我々富士山ガイドが、5合目から山頂までのツアーガイドの仕事を割り振られる、という仕組みです。
そんなわけで、多いときは40人のバスツアーを率いてのガイディングになります。
これに関しての話は、また7月以降に仕事ごとに書いていくことにします。
さて、僕がお客様にしてきてもらいたい準備の話。
もっと言えば、「これならガイド付きツアーで登れます!」って参考基準を紹介します。
1、体力
富士登山は、高山病対策のために参考タイムよりゆっくり歩きます。
が、10時間以上歩くのも確かです。
・9割以上の登頂率を狙うなら
「参考タイム4時間以上の日帰り登山を、参考タイム程度のスピードで登れること」(本番並みの体力トレーニング)
(東京の方なら、高尾山から陣場山まで歩くのがオススメ)
・8割方登れることを望むなら
「2時間程度のハイキングを、力試しに歩いてくる」(本番の半分以下のトレーニング)
(東京周辺なら、高尾山をロープウェーを使わずに歩いてみましょう)
・5分5分でも勝負したいなら
「毎日1時間、犬の散歩代わりにウォーキング」
(全くトレーニングとしては足りませんが、死ぬ気で頑張れば登れたり登れなかったり)
2、装備
最低でも
・乾きやすい服装(防寒具も)
・雨具
(山用の、上下セパレートタイプのもの。最低価格1万円くらい。ビニール雨具は簡単に破れるので、役に立ちません。)
・ヘッドライト
(懐中電灯では、手が塞がって歩きにくい)
確実な登頂を目指すなら
・背負いやすいザック
・ミドルカットの登山靴
・ストック
3、個人での登頂を目指すなら
・高山病の知識
・もうワンランク上の体力
・レスキューシートなどの非常装備
・登山地図
があれば、かなり安心です。
ちなみに、酸素は登頂率にはあまり影響ありません。
以上が、参考基準です。
このブログを御覧の皆さんは、登山経験者でしょうから読む必要ないですね。
自分が行くというよりも、周りに登りたい素人さんが居たときのアドバイスに御利用ください。
富士山の人混みは、山としては特殊です。
しかし、山を始める切っ掛けになっている人も多いので、私としては面白いです。
今年も、富士山シーズンが近付いてきましたね。
緊張します。