12月23日(月、祝日)は、城ヶ崎にてクラックリード講習。
女性MJさん、男性STさん、男性FKさんに加えて、補習の女性TZさん。
リード中のプロテクション戦略として、講習生に話す最低基準。易しい階段状のルート:Ⅲ~Ⅳ級台
自分が「落ちるかも」と感じるムーヴで、落ちても死なない間隔。
できれば、そのムーヴの直前に決めて、落ちても怪我しないのが理想。
一定の難しさが続くルート:
いつスリップする可能性も捨てきれないので、グランドフォールしない間隔で。
で、「落ちそう」というムーヴでのカムの効きに関しては。
①“バチ効き”×1個
②“僅かに不安要素あり”×2個
を最低基準にしています。
が、実際に私がリードで落ちる際は、さらなる安全パイを取ることが多いです。
具体的には・・・
①五分五分で落ちるくらいのムーヴの前、もしも長居できるぐらいのレストポイントがあるなら、
「バチ効き×2個」
理由:その労力をかけても、パンプして完登を逃す可能性が低い。
②明確なレストポイントなく、一定の難しさが続くルートの場合。
「グランドフォール=死亡」って高さまで登ったら、1個が抜けても下のカムで止まってグランドフォールしない距離感を意識する。
理由:明確なレストポイントが無いので、ランナウトしないように登ったら、後半は自然とバックアップが出来るイメージ。
③「落ちそうもない」と感じる難しさでも、セットに時間が掛からない綺麗なクラックがあったら、保険として1個取る。
理由:たいした時間ロスにならず、精神的にも楽になる。
でも、
「落ちそうもない難易度の連続だから、頑張ってランナウト」
「落ちる可能性大のムーヴなんだけど、バチ効き1個に命を託すしかない」
という、最低基準ギリギリのクライミングもありえます。
個人的に思うのは、
「最低基準ギリギリで頑張るのは、常にじゃなくて良い」
ということ。
ギリギリは、1つのミスが命取りなので、効率は良くても精神的なプレッシャーも大きい。
だから、疲れないならバチ効き×2個でも良いし、易しい階段状のセクションでカムを決めても良いと思うんです。
トラッドのヒリヒリした緊張感も良いですが、バチ効き×2個ならボルトルートより安心なことも(笑)。
バックアップが取れるなら取る。
登山にも通じる考え方だと思います。
本日は、MJさん、STさんが無事に卒業です。
本人自身が、
「えっ、こんなんで良いんですか?」
と感じる程度のレベルですが(笑)。
「まだまだ失敗だらけだけど、一応は何が危険なのか把握できていて、一般のクラッククライマーと話が合う。」
という感じ。
でも、MJさんはパープルシャドウ(5.8)、STさんは純(5.8)をオンサイトしたんですから、大したものです。