2018年11月8日木曜日

どうにか客観視したい

11月4日(日)は、マルチピッチリード講習にて、越沢バットレス。
男性NSさん、女性IUさん。
<オブザベ>

小ハングをフォローした私が、「あそこ脆くて嫌でしたよね。」みたいな話をすると、
「いや、そんなでも無かったですよ。いかにもグラグラして、今にも外れそうな岩では無かったから。」という返答。
<1P目>

なんだか、チョット違和感がある会話です。
<懸案の小ハング>

下山後に話したところ、
「小ハングにおいて、体重を預けざるを得ないホールドが1%でも欠けてフォールする可能性がある。」なら、私は“かなり脆い”と評価を下しているようだと分かりました。

一方で、
「いかにもグラグラと揺れる、周りの岩が崩れている、などのガレ場みたいな兆候が顕著である。」なら、“かなり脆い”と評価を下す講習生も多いようです。
多分、10%~50%で欠けるぐらいの岩が脆いということでしょう。

IUさんも、今回はそう判断した様子。
<小雨が降って来て、昼前に降りることに>

個人的な評価としては、この小ハングの乗っ越しには3手の不確実なホールドに体重を預けざるを得ません。
かつ、そのときのプロテクションが3つ固め取りされていたのですが、どれも確実なプロテクションとは言い難い印象でした。

「リードでフォールしたら、たとえ小さなフォールでも3本まとめて飛ぶ可能性が10%以上はあるんじゃないか。」
というのが、私のプロテクション評価でした。

ちなみに、この場面で3本吹っ飛ぶと、大怪我のリスクは大です。
<しかし、昼には晴れて来たため、再度登り始めます>

という訳で、私の3手におけるリスク評価としては、

“数%のホールド欠損フォール”ד10%のプロテクション崩壊”דカムが3本抜けたら、ほぼ確実な大怪我”
だと感じました。

あくまで感覚的ですが・・・
0.3%ぐらい大怪我リスクのある場面。
その中には、打ちどころによっては死亡リスクもある。

0.3%は、受け入れがたい高確率・・・。
<クラック>

こういうのって、感覚を無理やり数値化しているので、見せかけの客観視に過ぎません。
どこまで意味があるのか疑問になることも多いです。

でも、長くクライミングを続ける上では、この辺の感覚を研ぎ澄ますことも大事だと思います。

それで、ヤバいと思ったら
・ライン変更
・敗退
・ホールドの引く方向の調整で、岩が欠ける確率を下げるムーヴ模索
・プロテクションの調整
など、あらゆる手段を講じて欲しいものです。
<2P目>

この手のクライミングは危ないものですが、出来れば交通事故ぐらいのリスクまで下げて続けて行きたいものですね。
<フォロー中>

<3P目>

話は変わりますが、本日は小雨が早い時間にパラついて一度は撤収モードでしたが、午後からはバッチリ登れました。

むしろ、2人にとっては初めてのオールフリー完登で、良い経験となりました。
ダメだったことの反省も大事ですが、完登という成果も、やはり良い経験ですよねー。
特に、2P目、3P目のそれぞれのリードは、見事なプロテクションワークでした。
<ザックが重い>

<オールフリーにて、無事完登!>