6月11日(日)、12日(月)は、瑞牆のマルチ。
またまた高柳先生と。
同じルートを何度もトライすると、自然とムーヴが決まってきます。
「あそこは、右手で取らないと後々の都合が悪くって。」
「あそこは、右足か左足か迷うけど、右足で踏んどいた方が後々の都合が良くって。」
といった具合に、やるべき手順と足順が決まって来るからです。
ムーヴの中でも、この順序立てのことをシークエンスと呼んだりします。
これが完全に固まると、身体が流れるように動き始めて、「ムーヴが自動化される」といった状態になります。
ムーヴが決まると、迷いが無くなってR.P.には有利。
さらに自動化されると、核心部以外は舞いでも踊っているかのようなスムーズさが出て来て、相当な省エネです。
かなり有効なR.P.タクティクスです。
(個人的には、完全自動化までやるのはオーバーグレードと感じますが。)
しかし、ルートによっては、ムーヴが固めにくいものもあります。
例えば、核心部のやり方が複数通りある、という状態。
毎回、違うやり方になってしまうのも迷いが生じるので、意図的に「Aパターンで行くぞ。」と決め打ちするというのもアリです。
でもでも、花崗岩の70°くらいのスラブっぽいフェースだと、さらにムーヴを固めるのが困難な気がします。
ほんの僅かなバランスの差で、予定したホールド(といってもスラブみたいなバランスホールド)まで手が届かないんですが、その15cm手前には別のホールドが!!!
「おー、これで立ち込めるかも!でも、さっきとバランスが違うから、次のムーヴもさっきのヤツが使えない(涙)。いや、でも頑張って即興の組み立てだ!気持ちを強く持て、自分。」
といった状況が、頻繁に出て来ます。
この状況を、友人クライマーが
「アドリブになっちゃう。」
と言っておりました。
R.P.において、アドリブは避けたいものです。
さて、長い解説を終えて、本日の私の感想。
「花崗岩のスラブ状フェースは、アドリブを楽しむぐらいの気持ちがないとやってられないな。」
具体的に登ったルート
・1日目
1~3P目までは、ユマーリングにて割愛。
4P目(5.12a、スラブ状フェース):本日2トライ目でR.P.。通算2日目。
5P目(5.12b、スラブ状フェース):1トライして、一応ムーヴは出来たが、アドリブになりそう。
・2日目
1~4P目までは、ユマーリングにて割愛。
5P目(5.12b、スラブ状フェース):本日2トライ目にて、R.P.。やはり、アドリブっぽい。
6P目(5.13a、スラブ状フェース):1トライして、ムーヴ出来ず。
ほとんど全ピッチが、スラブ状フェースなんですね。
さすがに、ちょっと慣れました。
ここまで来たら、各ピッチR.P.だけでも達成したいです。極地法な上に、高柳先生のフィックス頼みという、マルチとしては究極に情けない姿ですが(笑)。
もはや、マルチというよりも、単純にアプローチが面倒極まるショートルートをトライしている感覚ですよ。