2017年6月22日木曜日

折れた心

6月18日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性Sさん。
<立木での懸垂下降練習>

本日の本気トライ、かわいい女(5.8)にて。

前回、ロープが足に絡まって怖い思いをしながら完登したという経緯もあり、今回で気持ち良く再登していただきたいところ。
1トライ目:
ボルト1本目までが遠いため、ルートファインディングをミス。行きつ戻りつして、ようやくクリップ。
その後、第一核心のラインが分からなくなり、3ライン試すも、どれも怖くて仕方ないと感じる。
クライムダウンして、ボルト1本目下のテラスに戻るも、頭はパニック気味。
トップロープ状態、テラスにて大休憩可能、という条件ながら、「降りても良いですか?」という願い。

私が
「もう1トライするんでも良いし、このルートは隣の5.7からでも回収できるから、ヌンチャク残置でも大丈夫ですよ。」
と答えると

「隣のルートから回収します。(もう、このルートは嫌です?)」
と言って、下降。
その後、10分くらいの沈黙。
マンツーマンなので、こういった時間はツライものがあります。

すると、気持ちが回復したSさん。
「やっぱり、もう1回やって良いですか?」

2トライ目:
1本目までのルートファインディングは問題なく、第一核心もラインを決めて突破。
途中の完全レストできるテラスでも、落ち着いております。

しかし、第二核心でフォール。
うーん、良いトライでした。
その後、私が1回登って見せてから、
「もう1トライしますか?夕方だから止めても良いですよ。オンサイトトライは自分でやった訳だし、ヌンチャクプリセットでトライしても良いですよ。」
と尋ねると

「マスターで登って、気持ち良く終わらせます!」
との発言。
そして、見事に3トライ目で再登を果たしたのでした。

Sさんの場合、トップロープ状態でも、大テラスでも、テンションでも折れた心は回復しにくい様子でした。
しかし、地面に降りると心は回復し、「そんなに、根性ある人でしたっけ!?」と私を驚かせます。

ゆくゆくは登りながらとか、テンション中でも心が回復できると良いですね。そうじゃないと、オンサイトトライとかハングドッグで苦労するのは目に見えておりますので。 

さて、本日でSさんは、岩場リード講習を卒業といたしました。
これまでは、自分より経験のある人と岩場に行くことが多かったし、ある程度は頼って登っていたとも思います。ここからが正念場ですねー。