2017年6月13日火曜日

エイドでカム抜け

6月10日(土)は、クラックリード講習にて、湯川。
NS夫妻、男性STさん、女性IUさん。
<アップ中>

本日の本気トライ中、静荷重でカムが抜ける、というのがありました。

ルート後半部分で数回テンションしてもムーヴがこなせず、エイドでそこを割愛する、という場面です。
<先日掃除したラインも使ってみる>

この手のエイドだと、50cm間隔くらいにカムを決めて行きますし、静荷重の連続で進んで行けますから安心感もあります。

で、そんな折にカム抜け。
幸い、1つ手前のカムは決まっており、小さなフォールでビックリした程度。
<無名フィンガー>

本人としては、やはりビックリした様子。
そして、「勉強になった」と、しきりに言っておりました。

私がトップロープでカムチェックに向かうと、フリーで突破した下部よりも、カム抜け以降の上部セクションの方がバチ効きでした。
やはり、慎重さが増したのでしょう。
<じっくり学ぶNS夫妻>

バチ効きに出来るということは、カムセット技術自体はそれなりの力があると思います。

それなのに、エイド中にじっくりカムを決めるという場面で、何故にカムの効きを甘くしてしまったのでしょうか。
(このルートは、カムセット体勢は難しめながら、テンション中ならば十分にカムが効くと思います。)
<フォールの瞬間>

やはり、安心感でしょうか。
終了点作業とかマルチピッチで、立てる足場がある方が、かえってセルフビレイが適当になりがちなのと同じでしょうか。

あるいは、妥協したカムセットでも、“静荷重なら抜けないだろう”という気持ちがあるのかもしれません。
<疑似リード>

三ツ峠やら越沢あたりでも、
「静荷重なら大丈夫だよ。」
「なるべく、そうっとね。」
と言って怪しげな支点(浅打ちのリングボルト、など)を“慎重に”使う人達を見かけます。

クラックでも、甘効きのカムにテンションして、やっぱり抜けて下のカムで止まったという経験は、かなりの人が積んでいると思います。
こういった経験を積んだ、とある卒業生が残した言葉。
「そっとテンションは、万能ではない。」

覚えやすいですね。
<旦那様も疑似リード>

・実践本気トライ
IUさん:無名フィンガー(5.10a?) 2トライして、1テンションまで持ち込む。
STさん:大和屋(5.8) R.P.。過去に、疑似リードなどに使っている。
    草餅(5.8) R.P.。過去に、疑似リードしている。

さて、IUさんとSTさんは、今回でクラックリード講習を卒業といたしました。
STさんは、ハングドッグするほどのルートはやりませんでしたが、今日の登りを見た感じでは自力で出来そうな見込みだと思いました。
<STさんは、だいぶ落ち着いて来ました>