2020年3月26日木曜日

易しいルートとの向き合い方

3月15日(日)は、クラックリード講習にて、城ケ崎。
女性YYさん、男性FMさん。
自分にとって、易しいルート(ほぼ一撃できるぐらい)に取り付く際、どんな心構えでスタートするでしょうか?
記録や達成感
A:「どんなルートも、オンサイトのチャンスは一生に一度きりだ!」
  「このグレードは、決して落ちるべきでは無い!」

B:「このルートを一撃したって、何の自慢にもならない。グレード更新とかも無い。」
  「グレード的にも、一撃を気にしなければ登れるのは間違いないっしょ。」

オブザベ
A:「多分大丈夫だけど、軽めにオブザベしておこう。」

B:「登りながら考えるんで良いか。」

ギア
A:「一応、何が必要か選別して、軽量化は心がけよう。」

B:「どうせ簡単だから、腰に付けているものを、わざわざ外すまでも無いっしょ。」
安全管理
A:「易しいところでこそ、事故は起こる。カムセットも慎重に。本気トライより、カムの数は減らすけど、その代わりランナウトするときは一層慎重に登ろう。本気トライほどは緊張しないのは否めないからこそ、リスク回避だけは本気で!」

B:「まぁ、こんぐらいのところで事故らないっしょ。」

ムーヴの意識
A:「なるべく力づくにならないように、練習のつもりで気を付けよう。きっと、何かしら勉強になるものもあるはずだ。」

B:「チャッチャと登れば、そんなに悪くないっしょ。」

終了点作業
A:「終了点は、きっとこうなっているから・・・。これとこれは持って行こう。」

B:「とりあえず、行ってから考えれば良いか。色々持って行こう。」
さて、Aの思考は、謙虚・慎重・勉強熱心・オンサイトを大切にする心、などなど申し分ありません。

しかし、Bの思考は、誰の心にも潜むものだと思います。
実際、本気トライほどの恐怖心、集中力が出ないことも否めないでしょうし、アップのつもりで気軽に低グレードを済ませてしまいたい気持ちも分かります。

でも、それって易しいルートを舐めているのかもしれません。
外の岩場、ましてクラックでは、それが事故に繋がる意識かもしれません。

大げさに言えば、それはクライミングそのものを舐めていることになり、事故リスクの増大のみならず、技術やメンタルの成長を妨げている可能性すらあると思うのです。

もっと言えば、「易しいルート」と書いた私自身が謙虚さに欠けた人間なんでしょうか?

どんなものでしょう。