2020年3月7日土曜日

リード&ビレイ技術、ジムでの本気トライの相関関係

連投につき、3月9日(月)の21時から、4月分の予約受付開始であることを載せておきます。

2月28日(金)は、リード講習にて、女性MHさん。
3月1日(日)は、リード講習にて、男性STさん、男性HTさん。2人は、これにてジムリード講習を卒業といたしました。
3月6日(金)は、ムーヴLv.0にて、男性KMさん、新規女性KIさん。

またしても、今回の講習とは直接関係ない話です。
先日、リード初心者のジム常連さんから、
「あの人の(リード&ビレイ技術の)レベルは、どんなものですか?」
という質問を受けました。

とても良い観点だと思う一方で、回答には窮してしまい、
「僕の中には、このぐらいというのはあるけど、それを伝えるのは難しいです。」
としか言えませんでした。

当然ながら、ここで「最高R.P.グレードは、5.11a」とか、「オートビレイでの最高完登グレードは、5.11c」とか言っても、ナンセンスです。
5.11aが登れても、リード&ビレイ技術が怪しいというパターンについて考えてみます。

例1
ビレイがイマイチでも、普段から落ちずにテンションコールをする人のビレイだけをしていたら、危機感は沸かないでしょう。

例2
次の1手(or次のクリップまでの一連のムーヴ)で落ちた場合の
・墜落距離計算
・ロープと身体の位置関係
・受け身の取りやすさ
などが曖昧であっても、普段から落ちずにテンションコールしているなら、危機感は沸かないでしょう。

ここで、ジムでの本気トライの質を、3ランクに分けてみます。

Aランク:1トライ目(O.S.トライなど)でも安全なフォールを意識できる。ほとんどの場合、テンションでのギブアップしない。

Bランク:2トライ目(R.P.トライなど)以降なら安全なフォールを意識できる。O.S.トライではギブアップしがちだが、R.P.トライではギブアップは少ない。

Cランク:ほとんどの場合、ギブアップでトライをやめるため、滅多に落ちない。まれに、不意落ちする。

(具体的な常連さんの顔や、講習生の顔を思い浮かべると、B+とか、C+とかも設けたくなりますね(笑)。)

先の例1,2は、「Cランクの人は、リード&ビレイ技術も検証する機会がない。」という意味です。
1トライ目を重視してランク分けしたのは、フォールに対する予測能力の差を区別したためです。Bランクは、落ちどころとクリップホールドを知っていている状況でのみ、頑張れるという意味。

リード&ビレイの安全管理能力は、上記のランクと相関が強い、というのが私の経験則です。

ただ、ちょっと例外があります。
・本人はCランクでも、Aランクの人をビレイすることが度々ある場合は、ビレイ中の予測能力が長けてくることもある。
・「生まれながらに、落ちるのが怖くないのか?」と、思うぐらいフォールできる人もいる。この場合、後天的に身に付けた計算づくのフォールではないので、ときどき反転したり、クリップ忘れ(or遅れ)したりしている。この人は、Aランクとみなして良いのか?

ランク分けはしたものの、
「あの人は、~~に関しては気を遣っているけど、××に関しては全然気にしてない。」
などの個別具体的な評価も合わせてしているような気もしますね。

経験は長いのにBランクだという人は、
「自分がAランクになれないのは、フォールの予測能力に問題があるのかも?そして、それはビレイ技術向上にも繋がるはず。」
という具合に考えていただければ幸いです。