2017年2月9日木曜日

ヌンチャクでのセルフビレイ

2月6日(月)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性NMさん、八戸の男性TSさん。
<ポカポカ>

ヌンチャクでセルフビレイを取る機会は、多いと思います。

一方で、ちょっと緩めたら外れてしまうことがあるので、これは嫌いだという意見もあります。
⇒ヌンチャク2本で交互、または環付き、というのを必須にすべき。という理屈。

実際、マルチのビレイ点作業では、通常は環付きですよね。
<青森より暖かいでしょうか>

では、実際どんな場面でヌンチャクセルフが便利なんでしょうか?
<本日、背中の使い方がチョット分かったらしい>

①テンション中に、クライマーがセルフを取ってくれると、ビレイヤーが楽になる。

この状況だと、普通はセルフにテンション掛けっぱなしだから、問題ないでしょうか?
あるいは、十分高さがあるルートならば、万が一セルフが外れても、一本下のボルト(カム)でビレイヤーが止めてくれるでしょう。
(ただ、実際には手を離して休む人もいますが、これはどう思うでしょうか?グリグリなら許容?仮固定してほしい?軽くで良いからちゃんと持っていてほしい?などなど)

ちなみに、たまに見かける
‟クライマーがムーヴ探りなどで、ちょっとセルフを緩めているタイミングで、よりにもよってビレイヤーがロープから手を離していた。”
という状況は、いかにも怖いと思います。

ここまで考えた上で、それでもヌンチャクセルフは便利だと思うし、一般化している方法だと思います。
<懸垂下降の練習>

②結び替え、トップロープ回収などの、短時間かつ定形的なロープワークを行う場合

これも、余ったヌンチャクで済ませられれば、PASやスリングなどをセルフ専用に用意する必要がなくなり、腰回りがすっきりします。

ただ、
「エイトノットを解くときに手間取ったりや、若干のイレギュラーが生じたら、うっかり緩めちゃうんじゃ?」
という指摘もあります。

‟ヌンチャク1本でも気を付けてテンション掛けっぱなしならO.K.、ヌンチャク2本で交互なら御安心”
というのが私のスタンスです。
<結び替えの練習>

他にも、マルチなどでヌンチャクセルフをありにしている人も居ます。
個人的には、テラスだとセルフを緩めて行動したいので、すごく嫌な感じがしますが。

「あの人は、こんなケースでもヌンチャクセルフを許容して使っていた。それは、アリなんだろうか?ちょっと危ないんだろうか?」
みたいな例は挙げれば色々あるとは思うのですが、それは現場じゃないと話がややこしいので、割愛。
<ゼルダ>

まぁ、ヌンチャクセルフを完全禁止というのは不便なので、現実的にはリスクを理解したうえで限定的に活用することになるでしょうね。

ご利用は計画的に。
<行け!>

具体的な講習内容
・足を押す方向、膝を伸ばしきらないメリット、ホールドの方向を意識すること
・終了点作業練習
・実践本気トライ
TSさん:フック船長(5.10a) オンサイト
NMさん:ゼルダ(5.11a) R.P.本日2トライ目、通算3便。

書き忘れていましたが、今回でNMさんは岩場リード講習を卒業といたしました。
引き続き、クラックリード講習でよろしくお願いします。
<登れましたー>

<梅まつり>

膝イタ

2月4日(土)は、スキー練習にて、白馬乗鞍へ。
翌日のバックカントリーの前のりも兼ねて、ゲレンデ練習。

が、ここで膝を痛めてしまいました。
あまり心配させても申し訳ないので、最初に現状報告。

①補助なしで、自力歩行可能。
(2月6日の湯河原での講習は、アプローチを倍の時間掛けて歩かせてもらうことをお願いして、実施。2月7日の城ヶ崎は、転石歩きがあるため中止。)
②放っておけば、痛くはない。膝を深く曲げる、キョン気味の力を加える、などは出来ないので、スタスタは歩けない。
③病院には行ったが、MRIの予約、診断まで終わるのは、来週水曜。自分の予測では、ちょうどその頃に、講習レベル(岩場なら5.6~5.10a)なら普通に見本で登れるようになるかな?
④昨日の2月8日から、ランナウトにて片足オートビレイで登るのを再開。5.8、5.9なら、左足を壁にぶつけることもないので、家で安静にしているよりは健康的な印象。病院でもらった装具を付けているので、どうしても目立ってしまう・・・。

経過を見て、講習中止せざるを得ない場合は連絡いたします。
このペースなら、今週末も多少制限つきながら実施、来週からは普通にできそうな気がしますが。

以下、怪我に関する自己分析。
・午後3時前。やや疲れているが、まだボロボロでもない。
・3月の陽気で、一日晴れ。雪は、とても重い。
・非圧雪の緩斜面。中斜面から緩斜面に移った直後。緩斜面で減速するつもりが、思ったより滑れるラインが細くて直滑降気味のラインになってしまい、若干の制御不能状態。とはいえ、圧雪面で出しているスピードよりは遅いし、10mほど緩斜面を滑れば広い緩斜面に出るので、それほど焦らずにいたところ、板が雪に引っかかって転倒。両足とも板は外れたが、左膝を捻ったようで、痛みあり。
・しばらく休んで、自力下山(圧雪面の緩斜面なら、片足っぽく滑走可だった)。足を引きずるようにして、宿へ。翌日の予定はキャンセルさせてもらい、1日安静。

反省点としては
・やや疲れているときは、トレーニングメニューを工夫しよう。スキーは、とっさに防衛本能で身体を守るような力が大事なので、クライミング以上に疲れた時のインターバルトレーニングっぽいのは危ない。この状況だと、圧雪面中心の練習に切り替えるべきだったかと。
・雪が重い状況で、緩斜面が危ないってことが、頭から抜けていた。この日は、翌日に備えて中斜面の非圧雪を中心に練習していたので、緩斜面で油断したという心理状態もあったと思う。
・このときは圧雪面を滑るつもりでリフトを降りたのに、隣に非圧雪があったから、何気なしに取り付いてしまった。クライミングだったら、ややリスクあるルートに取り付くのに、フワッとした取り付き方をすべきではない。一度、心を落ち着けてと講習生に注意して止まないのに・・・。
・この日は、午前中からしてチョット危なっかしい転倒が多かった。もしかしたら、奥利根でしか滑ってないから、他は苦手?そして、危なっかしい転倒が多い人は、やっぱり近い将来怪我をする。これも、クライミングで身に染みているはずなのに・・・。

御迷惑、影響ある人もいるかと、思います。
不徳のいたすところです。申し訳ありません。

2017年2月3日金曜日

わずかな誤解

2月1日(水)は、リード2回目。
女性HSKさん、女性TGさん。

逆クリップ、Zクリップ、手繰り落ち、ロープを足に絡ませる。
リードでやってはいけない、教科書的な内容だと思います。
大抵の入門書で、お馴染みじゃないかと。

本日に限らず、講習生の間違い回答まとめです。

①逆クリップ
「ゲートの向きを進行方向と逆向きに向けるべきで、その逆だと良くない。」(これは、岩場でヌンチャクを自分でセットするときの1つのセオリーではある。)
という話だと考えているパターン。
⇒ジムだと、そもそもヌンチャクの向きは選べない。

「逆クリップしてしまったら、次のクリップを掛けるまで慎重に登る。」と思っている人が多いが、これはなるべくやらない方が良いです。
逆クリップしたら、その場で直すか、直す余裕が無ければ完登を諦める方が普通だと思います。特に、垂直前後の壁だと、外れるリスクは大きめかと。

②Zクリップ
逆クリップと、名前を混同している人が多い。

Zクリップで落ちると、ロングフォールになることが盲点になっている人が多い。ロープの流れが悪くなることは、すぐに全員理解できるのだが。

Zクリップの直し方で、「さらに上の1クリップを掛ければ、安全になるから、とりあえずそこまで慎重に登って。」という解法を言う人が、ときどき居る。先ほどの、逆クリップのまま進むのと同じで、リスク高め。

Zクリップの直し方に、上のクリップを外して再度クリップする方法と、下のクリップを外す方法の2種類があることに気づかない人が多い。(片方の直し方だけ思いつく人が多い。)

③手繰り落ち
「やってはいけないとは言うものの、本気トライだったら止むをえないんじゃないか?」
という意見も多い。
⇒墜落距離が増えることだけなら、たしかに大丈夫なケースもある。あとは、カラビナに指を挟まない自信とか、もろもろ考え抜かれているなら、自己責任でリスクは取っても良いかもしれない。ただ、普通のロングフォールより、だいぶ怖いし、リスクもありますよ。

④ロープを足に絡ませる
本人は絡ませていないつもりでも、実は絡んでいるケースが多い。

興味深いのは、当塾講習生の8割くらいは既に自分でリードしている人が確認のために来ていること。それでも、このなかで2つや3つは誤解している人が多いです。

本って、初心者ほど字面だけを追ってしまうんですかねー。
入門書を1冊読むこと自体が、情報過多なんでしょう。

2017年2月2日木曜日

バックカントリーデビュー

1月31日(火)は、1人でバックカントリーデビューしてみました。
バックカントリーと言っても、谷川岳の西黒尾根の下部で20分ほど下降しただけです。

その顛末。
<出発時>

今シーズン、山で滑る気は無かったのですが、ひょんなことから今週末に友人ガイドのツアーに混ぜていただくことに。
スキーシールなどは、レンタル予定です。

その前に、自力で最低1回は行っておきたいところです。
山用ブーツも、ビンディングも無いので、とりあえずゲレンデ靴とゲレンデ板で行けるところ。
とはいえ、いきなりリフトアクセスの沢とかは、危なさそう。

自分が起こしそうな遭難としては。
①地形図で「斜度緩そう」と思っていたけど、意外とバッチリ30度越えの雪崩斜面。
②滑れない状況に陥って、登り返し。
<黒ワカン>

という訳で、手持ちの登山靴とワカンでアプローチして、下山時にゲレンデ靴とスキーに履き替えましょう。

で、当初予定は講習で行き慣れた天神尾根。
ところが、強風と雪でロープウェイは動かず。
<斜度25~30度。ワカンで膝ラッセル。疎林帯?>

悩んだ挙句、西黒尾根を途中まで登ることに。

しかし、最初からワカンでも膝ラッセル。
スキー板を担ぐのも初めてで、そもそも付け方がイマイチなのに、強風に煽られ気味。

なんか、テント泊装備でラッセルするぐらい疲れますね。
<敗退決定?>

1時間半ほど歩いて、尾根上の鉄塔。
いよいよ股ラッセルとなり、雪はほとんど止んだものの、風は冷たい。

これ以上がんばると山スキー嫌いになりそうなのと、スキー靴履き替え時の凍傷リスクを考えて、早めの敗退決定。(本当は、もっと登ってから降りる予定だった。)
30分ほど頑張って、靴履き替えなどの装備チェンジ。

あとは、20分ほどで転びながら昼前下山。

色々と発見があったので、もう1回戦行くか迷いましたが、やっぱり次回はスキーシールだなと思い直して奥利根スノーパークに転戦したのでした。
<鉄塔まで、どのラインを降りるか悩む私。ちなみに、右は広いけど雪庇あり。>

自分メモ
①色々と、耳年増になっていたことが実感できた。
・スキー板を担ぐのは大変。(想像通り)
・ヘルメットは、クライミング用じゃなくてスキー用が便利そう。(想像以上に良かった)
・木を避けるのが大変。(想像以上)
・ザックの重みが大変。(想像よりはマシ)
・山は、ゲレンデの非圧雪面よりも地形が豊富で、ライン取りが難しい。(これが、樹林帯の滑りを楽しむ上では核心か?)
・「リフトアクセスの沢で、携帯が通じなくて、板が壊れたら死にそうだな。」っていう予想に、さらに実感が籠った。
・斜度計って、便利。
・滑ると、斜度とか細かい地形に敏感になるから、雪崩の勉強にもなる。(想像以上)
・スキーシールを購入したいモチベーションが上がった。
・「ゲレンデで滑れても、山で最初から滑れる人は見たことがない。」という友人の話。(想像通り。1ターンすら危うい私。)

②予想外の発見があった。
・ゲレンデの非圧雪面には無い雪質があるので、滑り始めるときに自分の動きが予想できない。しまり雪とか。
・今のレベルだと、ちょっとでも地形が複雑だと、ターンは不可能。もしくは1ターン毎に止まる。その際、横滑りと、やや斜め後ろに滑る技が、大きな助けになる。そして、横滑りは新雪でも、深くなければ案外できる(笑)。
・現状のレベルだと、ライン取りが重要。選択肢は、ターンに挑戦するか、横滑りか、後ろ滑りか、くらいしか選択肢は無い。しかも、2ターン滑れることは稀なので、1ターン毎に再度オブザベ。しかし、パズル的で楽しい!
・ちょっとした平坦地を板で歩くのが、猛烈に下手。ゲレンデの整地以上に、技術の差が出る気がした。

③ゲレンデに移動後の心情変化。
最初は、「ゲレンデって、楽だな!」。
次は、「こんなの山では違うんだよなー。」。
3番目に、「山の想定練習がしたい!」。
4番目に、「でも、今回山で重要だと感じたのは、ライン取りのオブザベと、ゲレンデにほとんど出てこない雪質だから、やっぱりゲレンデはゲレンデっぽく練習すべきかな。」。これって、クライミングで言えば、本チャンとジムの関係と似てる。
最後に、数時間でゲレンデに身体が馴染んできて、ゲレンデ練習が楽しくなって終了。

これが、今週末に役立つかは微妙ですが、めちゃくちゃ勉強になった1日でした。
案の定、山では全然滑れないけど、判断することは多くて楽しいですね。

2017年2月1日水曜日

回収するまでが本気トライ

予約受付開始は、2月3日(金)の午前0時です。

1月28日(土)、29日(日)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
1日目は、NSさん夫妻、女性IUさん、男性EMさん。
2日目は、女性MMさん、男性KYさん。
ここ最近、講習じゃなくても本気トライが出来るようになってきたというNSさん夫妻。
(現状だと、5.10a~5.10bくらいが、頑張ってオンサイト~数トライでのレッドポイント、くらい。)

卒業当初は、ほぼ確実に登れそうな5.9以下だけを登っていたそうです。
講習だと本気トライが出来るけど、自分で行くと・・・。

2日目のMMさんも
「私も、最近までそうでしたー。」
と共感しておりました。
理由は、人それぞれ。

「本当は嫌なんだけど、講習メニューに組み込まれているから、泣く泣くやってた。」
という人もいますが。

大抵の人は、
・講習中という、なんとなくの安心感。
・最悪、ヌンチャク回収だけはしてもらえるという安心感。
などを口にします。
これを、いつまでも引きずると、自分より強い人と行ったときしか本気トライが出来なくなります。

特に、ヌンチャク回収は、現実問題としてジムよりは厄介です。
オンサイトトライして、登れなければハングドッグ。
それでもトップアウト出来なければ、ヌンチャク回収の方法を考えます。

まだ早い時間なら、もう1トライしたら解決するかもしれません。
隣に、比較的易しいルートがあって、そちらから回収できるかもしれません。
裏から回り込んで、懸垂回収できるかもしれません。

頭を使って、工夫を凝らして、それでもダメならカラビナを1枚捨てることも。
(クラックの場合、カム残置は嫌なので、エイドを駆使することが多い。)
リードする意義を、リード中の判断力に見出すか、自分で道を切り拓くことに見出すか。

ショートルートだと、前者の方がしっくり来ます。
バリエーションルートを考えると、後者の方がしっくり来ます。

将来的に、マルチ以上のことをやりたいのなら、本気トライも他人に尻拭いさせたくないものですねー。
実体験として、そういう経験が多い講習生は、マルチ講習でも精神的にタフに見えるし、教えやすいです。

今回話に挙がった3人は、まさに、そこを乗り越えつつあるところです。
ガンバ!!!
実践本気トライ
IUさん:鬼ころし(5.7) 再登
MMさん:樹氷(5.8) フラッシュ
KYさん:初孫(5.5) オンサイト

2017年1月30日月曜日

3月の予約受付

お待たせいたしました。
2月3日(金)の午前0時より、3月分の予約受付を開始いたします。

3月の講習場所の確認です。
①岩場リード
湯河原or天王岩

②クラックリード
城ヶ崎

③マルチピッチ
越沢バットレス

④アイスクライミング
八ヶ岳(オススメは、3月前半。後半だと、エリアが限られるかも。)

その他、雪上訓練、地図読みなどは、普段通りです。
何か質問などありましたら、早めに連絡いただけると幸いです。
土日の枠は、重複して予約が入ることもありますので。

スタティック

1月27日(金)は、リード3回目。
女性MMさん、久々の女性IEさん。
IEさんが、反動を付けて登ることが多かったので、
「クリップ態勢と同じ安定を保って、次の手を出すムーヴをやってみましょうか。」
という練習をば。

つまりは、完璧なスタティックをやってみましょう、という意図。

すると、
「今までと、足の位置が違う!」
「意外と、楽になる場面も多い!」
「そう言えば、オンサイトのときは怖いから、自然とやっているかも。」
「これを意識したら、登り方がちょっと変わるかも。」
と嬉しそうでした。

反動が、ダメって訳じゃないですよ。
それが有効な場面は、とても多いです。
意識して使い分けることが、大事ですね。

さて、IEさんは今回でジムリード講習を卒業といたしました。
もし良かったら、ムーヴ講習や岩場リード講習にもいらしてくださいませ。