2011年11月25日金曜日

スリップストリーム、ウィルダネスファーストエイド(2011、アドバンスコース)

11月15日(火)~23日(水)で、富山県の立山で、野外救急法の講習を受けて来ました。

この講習を受けるのは3年目になります。
どんな講習かは、昨年詳しく書きましたので、まずはそちらを。
さて、今年はとりわけ長かったです。
というのも、昨年までは5日間(50時間)コースだったのに対し、今年は“アドバンスコース”と銘打った9日間(90時間)コース。
とはいえ、5日分は重複しているので、復習です。

しかも、この会社(スリップストリーム)の方針で、復習コースは初年度のみ無料。
アドバンスコースを受ける際も、5日間コースの復習に参加するのは無料。

まだまだアウトドアのプロ向けの感は否めませんが、内容的には超オススメ。
以下は、内容。

まず、ファーストエイドで問題なのは診断です。
我々は、医療には詳しくありません。
しかも、野外ではレントゲン、聴診器、などの機材は一切ありません。

そんな中で、問診、触診、それから患部を見る程度で怪我の具合を大雑把に判断します。

例えば
・下山で足首をやってしまったのなら、骨折か、軽い捻挫で痛そうなだけか?
・大滑落や落石に当たった場合に、脊椎損傷か、動かしても平気な状態か?
・全身を打って痛みで悶絶している場合などに、骨折で固定が必要な場所はあるか、打撲か?

確定的な診断は出来ませんが、山での応急的な診断はありがたいことです。
なんせ、「怪我をして自力歩行or自力搬送できる状態で、なんでもかんでもヘリコプター要請!」
というのは現実的ではありません。

むしろ、「動かして大丈夫かなあ・・・」と不安を感じつつ、自力下山した経験は僕にもあります。
そこに対して、応急的な診断は大きな目安になります。


つまり、この講習では単なる応急処置ではなく、事故発生から診断~下山の計画~応急手当、という一連の流れを練習します。 
この練習方法は、傷病者役と救助者役の2人組で本格的(?)に演技を混じえて行います。
この方法を、シナリオトレーニングというそうですが、実は結構楽しいです。

例えば、以下の流れは推理ゲームっぽい。
・事故発生状況&本人が訴える症状から、懸念される大きな傷病を頭に幾つか思い浮かべる。
・問診、触診の中で、可能性を排除していく。
・緊急性が高い傷病の可能性が高ければ救助要請、ほとんど可能性がなければ登山続行or自力下山の選択。

これに、リアリティを出すための演出や演技が加わり、救助者役を悩ませます。
練習ながら、相当アドレナリンが出ますね。

さて、50時間では事故(怪我)が中心。
90時間では、体調不良(病気)を加えて練習します。
最後の数日は、ひたすらシナリオトレーニングを繰り返し、頭を整理していきます。

まだまだ自信はありませんが、単なる机上学習よりは遥かに勉強になります。
自力練習が難しい内容だけに、来年も参加したいと思っています。