11月5日(土)は、またもや自分のクライミングにて不動沢。
今回は、K島嬢と。
さて、今回は100mクラスの壁の途中にあるクラックが目当て。私自身は、最上部10mくらいのルート。
パートナーは、中間部にある30mくらいのルート。
ザックを壁の下に置いて、マルチピッチの準備で1日を岩の中で過ごします。
まずは、1ピッチ目の落ちたら死んでしまうスラブを越え、パートナー目当てのクラックへ。
これを無事に完登し、私は荷物を持って後続。
そこからは、歩ける程度のヤブ。
が、目当てのクラックは探せど探せど見つからず。
1時間くらいウロウロして、やっと20mくらい上に発見!
そこで1ピッチ簡単な岩を登って、ルートの下へ。
このルートこそ、私がO.S.(初見・一撃)したい大魔神(5.10b、O.W.)というクラック。
しかし、噂以上に短い!
実質7mか?
ちょっとモチベーション落ち気味。
でもまあ、一応は目標達成!
結構危うかったけど、短いので体力には余裕もあり。
こんなエリアにまで付き合ってくれたパートナーに感謝しつつ、せっかくなのでこのルートで何回か練習して帰ることに。
が、ここからがハプニングの連続。
専門用語連発で参りますので、楽しみたい方のみどうぞ。
まず、このルートの取り付きには台があり、それに乗ってスタートすると楽。
が、これは岩から離れているので、“台は無し”という限定を掛けるとスタートがオーバーハングしたO.W.(オフィズス)になる!
(後半部分も、薄く被っているが)
さて、被ったワイドが難しいのは周知(?)のことですが、練習の良い機会です。
さらに、「台使ったら5.10b無いよ」なんて言われても嫌ということで、リードでトライ。
しかし、1トライ目は1.5m、2トライ目は2mで体力尽きてフォール。
ほとんどボルダーですな。
しかし、このときビレイポイントにしていたキャメ6番がロープに当たってズレる!
焦って、カムをセットし直そうとするも、身体もフラフラ、頭も酸欠気味で朦朧としており、タイトセットしてしまう!
「やべっ」とは思いつつ、自分では正常なつもりでガチャガチャ動かしてしまい、挙げ句はハンマーで回収しようと叩いてしまう。
これで、いよいよカムはスタックし、回収のための時間が始まる。
そして、自分もクラクラしていたことに気付く・・・。
ワイドでのカム回収は、片手しか手が入りません。
しかも、ハングしていると全ての作業は疲れます。
パートナーと交替しながら1時間半に及ぶ回収作業。
2人ともワイドの疲労激しく、待ち時間はテラスで昼寝です。
いよいよ、最後はカムの一部を破損しながら回収完了。
このとき、時間は4時半。
以後は、暗い上、下降自体に本気モードだったため、写真も無し。
さて、このとき問題が3つ。
・大魔神には終了点が無かったので、カムで仮の終了点を作ってある。最後に、リード&フォローで回収するつもりだったが、今から大魔神を登るのはツラ過ぎる。
・あと20分くらいで暗くなるが、ここはちょっとした壁の中。下降するのも結構大変。
・小雨が降り始めているが、カッパは持ち上げていない。
どれも、想定の範囲内ですが、全部重なるとツライ!
とりあえず、大魔神ではないラインから終了点までリード&フォロー。
そこで、カムを回収した時点でヘッデン行動。
その周辺には全く下降支点になりそうなものは無かったので、ルーファイしながらさらに岩稜を進む。が、岩が濡れてしまい、かなり苦戦。
もはや、カムを決めたら即A0しながら登る有り様・・・。
スピード命です(笑)。
そこで、大木に辿り着き、やっと懸垂下降開始。
上部壁と下部壁の中間のヤブに降り立つが、下部壁を同ルート下降するのは面倒だと分かっていた。
あとは、歩きと懸垂を交えて行けそうなルンゼを下降すると、無事に取り付きに辿り着く。
取り付きで、ザックと再会してカッパの有り難みを味わう。
最後は、懸垂下降1回と登山道歩き30分で、車まで戻る。(19時30分)
車に戻った時間はそれほど遅くありませんが、真っ暗で小雨でと、久々にドハマりしました。
でも、正直言って、この手の緊張感は楽しいものですね。
ミズガキは単なるショートルートではなく、マルチピッチ的なことも合わせて楽しめるところが魅力です。
久々に、ロープワークの段取り、ルートファインディング、スピードを真剣に考えての下降。
冬山前に、丁度良い練習になったでしょうか?
具体的に登ったルート
<不動沢の不動岩>
1P目(石田リード):5.8くらいはありそうなバランシースラブ。
リードでの墜落は、死亡の可能性大。フォローでも、死亡を含めた大怪我の可能性がある。40分くらいかけて、行きつ戻りつしながらリード。
2P目(K島リード):牛乳瓶クラック(5.10c、ハンド&フィスト、一部O.W.)30mもある、素晴らしく綺麗な有名ルート。R.P.
ここで、ヤブ混じりの緩傾斜帯に出る。
ロープを出したり、しまったりしつつ、上部壁の色々なクラック見学。
1時間くらいで、目当てのクラック発見。
・大魔神ルート(5.10b、O.W.):O.S.ただし、後の台は使用。
その後、限定して遊ぼうとするも、敗退。
そこからの脱出行。
おそらく、天国への階段というマルチルートの最上部2ピッチ分くらいを登ったことになるのだと思う。
色々あった一日でしたが、それでもなお、被ったワイドの難しさが印象に残りました。