2013年2月12日火曜日

安全のための講習も、リスクはある

2月8日(金)は、湯河原幕岩にて岩場リード講習。
常連女性の方。
この日は、途中まで順調そのもの。

最近、ブランク明けからようやく復調してきた様子。
終了点作業も復習して来ているし、リード練習も5.8くらいならスイスイ。

岩場用のロープも購入して来て、順調に岩場リード講習の前半メニューをこなします。
が、残念ながら最後に怪我をしてしまいました。

結論から言えば、手繰り落ちと同じです。
クリップしてあるヌンチャクを掛け替えようとして、ボルトから外した瞬間、足がスリップしたのです。
運よく、そこは手繰り落ちでもグランドしない高さでしたが、途中の棚に足を付いたような形になり、ひどめの捻挫。

しばらくは、山もクライミングもお休みです。
私も、講習中の怪我であることに、責任の一端を感じます。

本来、リードを教える当塾では、お客様に担っていただく危機管理は、他のガイド登山の数倍になるでしょう。

その一方で、私がもっと良いリスク回避が出来たのでは?という思いは拭えません。

登る前の声掛け、リスクの説明、課題の選択(難易度を下げるなど)、ヌンチャクを掛け替える際に質問された「この方法もありですか?」に対する瞬時の応答、などにも反省点はあります。
また、対応も

・通常5分で下れるハイキングコース
・怪我をした直後から、とりあえず肩を借りずに歩くことは出来ることなどから、捻挫or軽めのヒビである可能性大
・足首以外に大きな怪我の兆候なし

と言ったことから、空身での自力歩行下山をしてもらいました。

ただ、結果的には結構ひどい捻挫だったようなので、もっともっと大事を取る選択肢もあった、とも考えられます。
リスクは、絶対に無くなりません。
が、もっともっとリード講習をするリスクを減らしたいです。

そのために、一番手っ取り早いのは、
“卒業するまでに回数が掛かるのを覚悟で、与えるリード課題の難易度で、達成できるギリギリライン狙いの頻度を減らす”

ってことなんですよね。

とはいえ、ギリギリ達成できるくらいの課題は、本当に充実するし、経験値も倍増。

特に、本日の彼女は、割と調子が良かった。
それだけに、小さな成果を出して帰りたいのは、私も彼女と同じ気持ち。
そして、実際に怪我をした5.10aは、こちらの予想以上に余裕でオンサイト出来そうな雰囲気ではあった。

リードのリスクは避けられません。
が、リスクを下げるために受ける講習が、そこそこにハイリスクなんじゃ話になりませんよね。

どうしたものでしょうか。

<本日最後の、アブラカタブラ(5.10a)>
具体的な講習内容
・ウィップフラッシュ現象
・ボルトの種類
・クライムダウンして、敗退する練習
・落ちる練習
・終了点作業(結び替え、懸垂下降、立木のみの場合)
・実践リードトライ(5.8を2本、5.9、5.10a)

まずは、早めの復帰をお待ちしております。