8月17日(土)、18日(日)は、小川山にてマルチピッチリード講習。
常連のYZ夫妻。
マルチピッチでは、ビレイの際にセルフビレイを取るのが普通です。が、1P目の取り付きでは、セルフビレイを取らないこともあります。
なんでか?
<初日は、南稜神奈川>
それは、取り付きでは滑落の心配がないことがあるからです。
セルフビレイを取らなければ、それだけ時間も短縮できますし、ジムのような理想的なビレイも出来ます。
なので、小川山や三ツ峠のように、下地がしっかりした場所では、セルフビレイを取らずにリードのビレイを行えます。
<気合の入った、最高の表情>
が、杓子定規に考えるのも良くないです。
例えば、
安定したテラスでも、ちょっと下が切り立った崖、ってこともあります。
リードがノープロテクションでフォールしたら、ビレイヤーを巻き込んでしまうでしょう。
そういうときは、ビレイヤーだけでもリスクを減らすために、セルフは取っておく方が無難です。
・応用編
登り始めてすぐに確実なプロテクションが取れるなら、ビレイヤーを巻き込むケースは考えなくてもO.K.。
<不慣れなチムニーを抜けて、体はボロボロ>
他にも、リードに対してビレイヤーの体重が軽いときは、ビレイヤーが浮き上がるのを防ぐ意味でセルフビレイを取るのも有効。
<肩まで抜けた時点で、夕方に>
で、壁の中にいるときは、常にビレイされている状態です。
(セルフ → パートナーからのビレイ → セルフ → パートナーからのビレイ)
<お得意のポーズ>
でも、途中に歩きっぽいセクションが出てきたら、ロープを解いたり、セルフを取らなかったりするのもアリです。
この辺は、本人の感覚次第。
<奥様は、自称“晴れ女”>
が、しかし!
本人は恐くないんだけど、セルフを取った方が良いと思う場面もあります。
例えば、
懸垂下降のセット中
ロープを下に投げ下ろす(or自然に落ちる)ときに、ロープに足を絡ませてしまって滑落する事故例があるんです。
だから、下の写真みたいに安定した足場で、御安心な立ち木から懸垂する場面であっても、原則はセルフを取った方が良いと思います。
<ちょっと慣れて来ました>
同じような例は、色々あると思います。
「広いテラスであっても、下が崖って場合・・・
ロープ操作をするときは原則的にセルフを取った方が無難」
だと思います。
<2日目は、無事に完登!>
YZ夫妻も、まだ
「今、セルフビレイを取らないと、どんなリスクがあるか?」
ということが、整理されていないようでした。
単純に、足場が悪ければ取るだけじゃなく、ロープに引きずり下ろされるケースまで考慮してセルフを取るか考えると良いですね。
具体的な講習
1日目:
・カムなどの複数支点によるビレイポイントの作り方
・ピナクルを利用したビレイポイントの作り方
・南稜神奈川ルートを、肩までで時間切れ
2日目:
・春の戻り雪、の近くを残置無視でラインを引く
(無事に完登!)
個別のアドバイスは、書ききれないので割愛。
YZ旦那様は、一応は卒業レベル。
でも、奥様と一緒にマルチに行く前提で考えて、もう数回は受講した方が良さそうです。