2014年12月26日金曜日

トライ毎のインターバル

12月25日(水)は、ムーヴLv.0。
女性OGさん。
クライミング初心者で、一度落ちたら、すぐ再開してトライする人を見かけます。
ボルダーであれ、ロープでテンションが掛かったのであれ。

これだと、疲れているので、また失敗することが多いです。

じゃぁ、どのくらい休むのが良いんでしょうか?
一概に、時間で伝えることは出来ないので、イメージをお伝えします。


①ムーヴに必要なパワーが、回復したと感じること

1トライ目よりも5トライ目の方が、そのムーヴにも慣れて来るので、成功できる確率は上がります。
だから、1トライ目より5トライ目の方が、筋力面では疲れているはずなのに、成功することも多いものです。

とはいえ、1トライ目で100%の力が出せるとしたら、2トライ目で90%、3トライ目で80%、・・・って流れだと、さすがに5トライ目は絶望的です。
ボルダリングにせよ、リードのハングドッグにせよ、まるで意味のないトライになります。

イメージは、1トライ目で100%、2トライ目で98%、3トライ目も97%、・・・ってのが理想的です。

で、例えば10トライしてもダメなら、大休憩or諦めて別の課題、という流れです。


②瞬発力or持久力

出来ない1手を練習するのなら、1トライ毎に30分休むのはバカバカしいです。
逆に、10mのルートで途中で疲れて落ちるのなら、落ちてから1分後に再スタートしても、回復しておらずに落ちるでしょう。

このときに参考になるのは、筋トレ等のインターバルです。

50mダッシュなら、短時間のレストでも、次のタイムは意外と落ちないでしょう。
でも、1500m走で1分のレストで再開したら、実質的には3000m走みたいになっちゃいます。

このあたりの時間の目安は、クライミングの入門書を参考にしながら、体感で微調整してください。


③改善点を考えること

実質3手だけの核心部なのに、失敗したら1分(時間は課題にもよる)とか休むってのは、最初は苦痛だと思います。
私も、初心者の頃はそうでした。

だって、落ちた瞬間はヘロヘロじゃない!
だから、ついつい休まずに再開してしまうのです。

慣れた人は、この1分で
「今のは、なんで失敗したんだろー。」
「次は、こうやってみようかなぁ。」

と、考えています。

あまりに思い浮かばなければ、周りのクライマーにムーヴを尋ねることもしばしば。


要するに、クライミングのインターバルは、

“フルパワーに再充電しながら、改善点を考える時間に充てる”
というのが基本だと思います。


ちなみに、トレーニング方法として有名な“インターバルトレーニング”ってのも、

これらの原則は踏まえた上で、ギリギリ短いインターバル時間を意識して効率的な筋トレを行う、というイメージです。


頑張って書いてはみましたが、結構やっている人にしか伝わらない内容という気もしてきました・・・。

2014年12月25日木曜日

岩場へのアプローチ

12月24日(水)は、湯河原にて岩場リード講習。
女性NSさん、女性Hさん。
岩場では、アプローチを講習生にルートファインディングしてもらうことが多いです。
(特に、小川山が勉強になります。)

なぜなら、岩場へ辿り着くのは、意外と難しいのです。
でも、それがクライミングの中にも、登山の要素があるようで、ちょっと面白いと思います。
湯河原の場合は、駐車場から岩場が見えております。

さらに、岩場の直下までは、ハイキングコースが続いています。

ですから、
「あの辺が、前回も講習した桃源郷です。そこを目指してください。」

とだけNSさんに指示。
ですが、岩場を通り過ぎて行こうとしました。

そこで、湯河原に初めて来たHさんが気づいて、
「そこにある岩場も、一応チェックして行きませんか?」

との一言。
結果は、そこの岩場の下まで行ってみたら、NSさんの記憶とも一致。

「ここです!ここです!」
ということで、到着しました。
教訓としては、

①岩場があったら、一応これかどうかチェックしておく。
もしも、違ったとしても、それがトポに載っている岩場であれば、あとどのくらいの距離かを予想できる。
他にも、

②分からなくなったら、分かるところまで戻って確認。分かるところが無ければ、スタートまで戻っても良い。

これは、登山で道に迷ったときと同じノウハウですね。
今回の場合は、スタート地点で岩場が見えておりますので、スタートまで戻れば確実でした。
ちょっと、納得いかなかったNSさん。

「復習のために、1人で駐車場のトイレに行ってきます。」
と言って、ちゃんと岩場に戻って来られました!

「エライ!」
と、私も思ってしまった瞬間。

というのも、NSさんは登山をやっていません。
だから、この必要性も実感しにくいかと思っていたので。


湯河原の桃源郷は近いので、慣れた人にとっては、

「こんなところ、迷いようが無い。」
なんて、思うでしょう。

だけど、もしかしたら場所を覚えてしまっただけで、岩場を探すノウハウは、まだまだ甘いかもしれませんよー。

アプローチ10分のエリアは迷わなくても、小川山やミズガキでは迷っていたりしませんか?
(実際、かなり難しいエリアも多い。)

このノウハウは、私も毎年のように成長を感じます。
地形とか岩の特徴を、言語化する能力が上がってきているのかな?

そんな訳で、アプローチ記録のために写真とかを撮るのは、どうも好きになれません。
そんなことしたら、山の力がない状態で、山奥の岩場に入ろうとしちゃうんじゃないかと。

まずは近場で迷いながら、岩探しの能力を上げて行きましょう!


具体的な講習内容
・ムーヴ講習(手を馴染ませる、スタンスを押す力、股関節を曲げるメリット)
・落ちる練習、止める練習
・終了点作業練習(結び替えの実践編)
・ボルトの種類
・実践本気トライ
NSさん:フック船長(5.10a)をフラッシュ
Hさん:ルート名なし(体感5.7)をオンサイト

デジャヴの先へ

二子山の記事で、うっかり書き忘れ!
「ルート名を、付けるとしたら?」
という問いに対しては、

“デジャヴの先へ”

ちなみに、デジャヴというのは・・・

壁の弱点を突くあまり、壁の側面にあるヤブっぽいところを登ってしまうと、
「あれ、何このデジャヴ感?」
「デジャヴルートですね。」

という気分になってくるものです。
<小川山の某岩場における、デジャヴルート>

今回も、一部にデジャヴルートを用いたライン取りとなっておりますが、後半は良いピッチの連続でした。
中央稜のオリジナルラインより、面白いピッチもあったと思います。

ちなみに、IKさん、SRさんペアも中央稜の近くを登ったのですが、それとも全ピッチ異なります。

中央稜を登ったことのある皆さんも、まだまだあの壁には登るラインが隠れておりますねー。

バックアッププラン


12月23日(火)は、二子山にてマルチピッチリード講習。
女性WNさん、補習の女性MJさんのペア。
<パートナーシップが確立されてきた2人>

今回、2人が敗退リミットと決めていた時間は15時でした。

「その時点で、頂上がすぐ近くであれば、完登を優先。」
というオプション付きで。
<1ピッチ目>

その根拠としては、

①日没16時半ごろ、17時過ぎには暗い。
②同ルート下降になった場合、懸垂下降に不慣れな分、2時間は見ておきたい。
③山頂から取り付きまでは登山道があり、それを利用できる。
<日向に仕切り直した1P目>

一方の不安要素としては、

①アプローチの様子からして、山頂からの登山道には雪が残っている可能性大。
②12月という時期的に、暗くなって寒くなると、歩行・懸垂下降ともに思ったように進まない可能性大。
<オブザベ中>

と、この辺までは共通理解です。

で、実際に
「頂上まで、あと1or2ピッチじゃないかな?」
「ここまでに比べたら傾斜も落ちて来て、登れないピッチも出てこなさそう。」

ってところで、14時50分。

予想通り、判断に迷う場面到来です。
<2P目>

ここで、2人とも

「まぁ、行きますよね。とりあえず、この次のピッチだけでも。」
というだけの会話を済ませ、出発!

で、大方の予想通り、このピッチを終えて16時。
さらに頂上は近そうな雰囲気を漂わせ、

「まぁ、行きますよね。とりあえず。」
という程度の話し合いで、ゴーアップ。
<2P目>

結果的に、17時に頂上に到着。

ヘッ電での登山道下降も、雪の状態が想定範囲内だったため、無事に取り付きに戻って来られました。
<一旦、ロープをしまって、岩稜歩き>

ただ、このプランって、相当リスキーなものです。

せめて、15時の時点で、
「このまま突っ込んで、もし頂上が思いのほか遠かったら?」
「頂上まで登ったけれど、登山道の雪が軽アイゼン必須のレベルだったら?」

といった話し合いをすべきだったと思います。
<オブザベ中>

そこで、

①ヘッ電での同ルート下降になったとしても、「この支点を懸垂に使えば大丈夫」ってことを記憶しておけば、99%以上生きては帰れる。

②登山道に予想以上に雪が多くても、多少の悪さなら、懸垂下降で悪場を越えてしまおう。それなら、99%登山道で強行下山できる。

といったバックアップのプランを、用意しておくべきだったと。

今回に関しては、
①は、2人とも連続懸垂下降に自信がなくて、ボンヤリした予想。
②はWNさんだけが思いついていて、MJさんと共有しておらず。
<クライミング再開して、3P目>

本当なら・・・

今ぐらいのプランニングじゃぁ、日没ギリギリまで頂上を目指すなんてクライミングは、やっちゃダメ!

これじゃぁ、3~4回に1回くらいの確率で、ビバークになっちゃいますねー。
で、帰りの車の中、それについて会話していたら・・・。

2人の中で、無言のうちに共有されていた、バックアッププランがあったそうです。
<15時過ぎの綺麗なクラック>

そのプランは、、

本当だったら、15時に帰るべき。
で、色々心配なのは、ボンヤリは分かっている。

ただ、最悪暗くて降りられないときは、石田さんの手を借りるのも止む無し。
もちろん、暗くなっても、なるべく自分たちで降りられるようには頑張るけれど。

っていうか、そうやってでも完登はさせて頂きたい。

そして、このプランを石田さんの前で話しあったら、

「そりゃ、反則でしょう。」
って、下山決定になっちゃうかもしれないので、ここは無言で・・・。
<後ろの山は、北面なので雪が>

それを聞いて、「なるほどー!」と思いました。

講習だからこそ、普段よりギリギリまで頑張るというのは、よくあることです。

でも、それをバックアッププランとして考えて、しかもそれは伏せておくことを無言のうちにパートナーと共有!
<4P目のフォロー>

これは、講習でしか使えませんが、良い経験の積み方ではあったと思います。

まぁ、直接言ってもらっても良いんですけどね。
<5P目>

で、この件だけ見ると、結構不安な感じですが・・・

WNさんは、今回でマルチピッチリード講習を卒業といたしました!

その他もろもろ、

・リード中の判断
・ロープワークの混乱具合
・ちょっとしたリスク回避
・パートナーとの話し合い

などの総合評価で。
<日没です>

今シーズンは、もうマルチピッチは厳しい季節ですね。

また春から、二子山、三ツ峠あたりから、トレーニングを積んでくださいませ!
<なんとか明るいうちに>

ちなみに、今回はトポ無視だったため、二子山中央稜とは、大半を別ラインでトップアウトしました。
春にでも、改めてオンサイトトライできますねー。
<完登!で、これから懸案の下山!>

2014年12月22日月曜日

1日の組み立て

12月21日(日)は、城ヶ崎にてクラックリード講習。

女性MTさん、男性OGさんのペア。
男性ITさん、男性ONさん。

本題とは逸れますが、本日は山の知り合いを増やす会です!
まだ、参加可能なので、連絡お待ちしております。
<ジャミングでの引き付け練習>

クライミング講習で、多くの方が充実してくださる配分ってのが、あるように思います。

①地道な基礎練習:2~3時間

②新しい知識習得:3時間

③本気トライなどのクライミング自体を楽しむこと:2時間

ってのが、経験上は良さそうです。

だから、私もこれを目指して1日を組み立てます。
<ちょっとしたチムニー練習>

①で、基礎力向上のため。
計算ドリルみたいな感じです。

岩場リードなら、ムーヴ練習。
クラックの場合は、ジャミング練習。
<カムで落ちる練習>

②では、いわゆる本に載っているけど、習わないと勘違いしやすい内容。

岩場リード:
リードの注意点、落ちる練習、終了点の仕組み、など。

クラックリード:
カムセット練習、ギアのラッキング、プロテクション戦略、など。
<地上でのカムセット練習>

そして、①と②を踏まえて、本気トライ。

落ちる練習をしてからなら、結構頑張れます。

しかも、本気トライをするほどに、①と②の重要性も分かって来るので、学習意欲も上がる印象。
<無名の5.4くらいの2本なので、いつも空いている>

ただ、その人の進捗状況、性格、岩場のコンディションなどで、その割合は変わってきます。

だいたい、①と②の割合を高めざるを得ません。

例)
不意落ちしそうなムーヴ能力だと、本気トライより、ムーヴ講習をしたくなる。
落ちるのが極度に怖い人だと、落ちる練習をマイルドなパターンから、徐々にやっておきたい。
<ITさんも、ついにカム購入>

そうなると、クライミングを楽しむ1日としては物足りなくなると思います。

それが分かっているだけに、不完全燃焼の講習生を見ると申し訳なくも感じます。
それが原因で、次回は参加しないかもしれませんしね(笑)。
<鬼ころし>

今回も、前夜に講習順序をイメージしている段階からして、①と②を重点的にやりたい気持ちがウズウズ。

その分、不完全燃焼にしてしまうドキドキも感じながら。

満足度、講習したい内容。
これは、必ずしも一致しないので、サジ加減には毎回悩みますね。
考えた結果が上手くいくと、私も嬉しくなります。
<だいぶ安定してきたMTさん>

で、本日に限った結果。

ITさん、ONさん:
本気トライなし。
ただし、カムセットを覚えたり、カムで落ちる練習をしたことで、結構満足してもらえた様子。

MTさん:
鬼ころし(5.7)をオンサイト。
現状のクライミング能力で、渾身の1本!
夕方4時前のトライでしたが、やって良かった。

OGさん:
鬼ころし(5.7)をフラッシュ。
余裕のクライミングでした。
彼の場合は、もう少し難しくないと、本当の実力が見られないでしょうね。
<性格が表れる、プロテクション戦略>

満足度と講習内容が、両方充実した会心の1日は、毎回って訳にはいきませんねー。
止むをえない部分と、私の技量不足の部分は、どっちもありそうですが。

MTさんだけは、会心に近かったかな?
他の3人は、次回に期待してお待ちくださいませ。

具体的な講習内容
・ハンドジャム練習(ボトミング、脱力、ゆっくり馴染ませる、肘の向き)
・引き付け練習
・トップロープでのムーヴ練習(足置き、ジャミング、バック&フット、など)
・地上でのカムセット練習
・カムで落ちる練習
・実践本気トライ(MTさん、OGさんが、鬼ころし)

アルパインリード講習前に、アイスを必修にしている理由

12月20日(土)は、八ヶ岳の南沢小滝にて、アイスクライミング講習。
女性ARさん、男性HYさん。
<朝から、良い天気>

昨シーズンに設定してから、まだ誰も受講していないアルパインリード講習。
参加条件が厳しすぎて、現状の講習生のレベルには、まだ合わないんです(笑)。

その参加条件の1つに、
・南沢大滝もしくはそれ以上のアイスクライミングを、ノーテンションでリードしたことがある

というものがあります。
<雪化粧>

バリエーションの中には、アイスなんぞ出てこないルートもあるのに、なぜ?
という問いも多いので、それに答えます。

まず、これまでに阿弥陀北稜でリード講習を3回、赤岳天狗尾根で体験講習みたいなものを2回、実施したことがあります。

そのときの経験から、色々思うところあっての結果です。
<コントが絶えないアプローチ>

①アックスの振り方、アイゼンの蹴り込みは、雪でも重要

今更ですけど、バリエーションでは易しいセクションでのランナウト、ノーロープが日常茶飯事です。
それに対応するには、“安定したムーヴ”の一言。

バーチカルっぽいアイスを登るムーヴは、急な雪壁、草付きをノーロープで登る力と近いと感じます。
バーチカルアイスでは、ムーヴがパンプを抑えます。
バリエーションでは、ムーヴが死亡リスクを抑えます。
<早めに到着して、貸切>

②装備の取り回し

例えば、アックス収納。
肩に掛けるのか、腰に下げるのか、ザックにしまうのか?

あるいは、流れ止め。
流れ止めを付けることによるリスク(アックスが自分に飛んでくる、など)。

それから、普通のカラビナ、スリング、ロープを、手袋で操作すること。
<取り付きにて、アイスボルダー>

③アックスを使ったムーヴ能力

対角線バランス、レスト。
<午前中は、他に1パーティのみ>

④フリークライミング的な感覚

冬は、アイゼン・アックスを使っている時点で、フリークライミングではないと言われます。

とはいえ、ノーテンションで登れたら嬉しいし、レストしながら次のムーヴを考えているときは、楽しさもあります。
その辺の感覚は、やってみないと分かりません。
<ウルトラ防衛隊>

で、こういったことを、バリエーションの最中に教えるのは相当無理があります。

寒いことが多いうえ、時間的にも余裕がありません。
地道な基礎練習を固めてから、入門ルートでリードを教えるのが、当塾流儀なので。

アイスクライミングエリアの取り付きで、高さ1mくらいのボルダー練習しながら、
「あーでもない、こーでもない。」

とディスカッションするのが、一番良いと思います。

で、昼前からは実践編でトップロープ練習。
<フォームは、まずまず>

もう1つは、装備です。

これまで、冬山歩きしかしてこなかった人にとって、クライミングの装備をそろえるのは大変です。
手袋、ヘルメット、アックス、アイゼン、などなど。

さらに、それらの購入に関しての質問メールも、当然ながら膨大になります。

そうなると、やっぱ
「最初は間違った装備で来ちゃっても何とかなる、アイスゲレンデで教えさせてください!」
「最悪、アックスくらいなら忘れても貸せますし!」

という安心感も大切です。
<トップロープで、本気トライ>

最初はアイスゲレンデで、冬のクライミングに入門した方が、講習しやすいということですね。

そして、バリエーションも少し難易度が上がれば、
アイスクライミングの技術そのものも重要になってきます。

そういう意味でも、絶対に無駄にはならないので、頑張ってみてください!
<初回から、かなり上手かったHYさん>

具体的な講習内容
・安定した態勢でないと、アックスは上手く振れない
・靴ひもを締め直して、踵が浮かないようにすると、スタンスが少しガバ足になる感覚が得られる
・レスト
・何度も蹴り込んで、良いスタンスを作っても良い
・踵を下げると、ふくらはぎのレストになる
・体幹を意識して対角線バランスを作ると、アックスが振りやすい
・不安定な一手のまま進むと、負のスパイラルに陥りやすい
・アックスを振るときに、脱力しておいてインパクトの瞬間に握ると、安定しやすい
・凹みを狙うと、アックスが引っかかりやすい
・スクリュー回収練習
・アックスを肩に掛けておくこと

などなど
<「出来ました!」>

アイスクライミングも、1回では到底教え切れないコツが沢山です。
何回か講習する中で、まずはアイスに慣れて欲しいですね。

そして、アイスのリード、そしてバリエーションに挑戦して欲しいところです。
<午後は、低気圧が迫っているというのに、大混雑>

2014年12月19日金曜日

山の知り合いを増やす会

週明けの12月22日(月)に、定例の山の知り合いを増やす会を、新宿にて行います。

ジムリード講習や岩場リード講習ぐらいでも、練習相手が増えるのは、とても楽しいことです。

将来的に、マルチやバリエーションなんかに行くようになると、出会ってその場で「行きましょう!」とはなりにくいもの。
人間としての相性、安全意識の共有とか、いろいろありますよね。

早め早めで、知り合いの輪を広げてくださいませ。

参加希望者は、私までメールお願いします。

集合、お店に関しては、こちらです。
http://ishidajuku.web.fc2.com/gathering.html

変わること、変わらないこと

12月18日(木)は、ムーヴ講習Lv.1。
男性FKさん、男性NMさん、男性SIさんの3名にて。
講習する中で、教え方は日々マイナーチェンジしていると何度も書いております。
その反面、講習生に求めているゴール地点は、3年前と比べて、ほとんど変化を感じません。

例えば、自立した登山者・クライマー。
これは、私が10年くらい山をやった経験上、この要素が一番楽しいと感じたから。
たぶん、これが変わることは一生ないと思います。

他にも、フリークライミングを(低グレードでも良いから)ちゃんと取り組んでから、マルチピッチを始めた方が良いという講習枠組み。
つまり、ジムリード、岩場リード、クラックリード、マルチピッチリードの順序。
これも、自分がそうじゃない順序で学んできた経験から、反面教師的に考えた方法なので、今後も変えないでしょう。

他にも、
・安全だと判断しているなら、落ちるまで頑張れ!
・危ないと思ったら、敗退出来る方法を残しておく。(特に、マルチピッチ以降で)
・ロープワークは、スピードだけじゃなく、洗練が大事
・ムーヴは、グレードだけじゃなく、安定感が大事(特に、岩場において)

などなど

意外と変わらないものです。
さて、以前から講習を受けている人にだけ分かる、マイナーチェンジの例。

以前:
・ネコ足
足音を立てないこと。
足が正確に置けていること、足の移動の際に体がコントロールされていることの証明。
省エネが上手い人は、余裕があるムーヴでは、ほとんどネコ足。

これを、講習初期の段階で説明。

現在:
①足をスタンスに馴染ませること
踵を少し回す感覚で、グリグリと微調整

②足がスタンスに着く瞬間に、気持ち減速すると、馴染ませるための微調整が少なく済むこと

※①と②を合わせると、結果的にネコ足に近付く。

③足音を立てないように意識すると、易しいグレードでも練習しやすいことを伝えることもある。

①~③は、同じ日に一気に教えることは、滅多にない。

もちろん、以前の方式で理解した人も多かったんですが、現在の方が理解する割合が上がりました。
そして、②に失敗して足音が立った場合も、①だけでも頑張ればリカバリーできることが分かりやすくなったように思います。


ネコ足を教えなくなった訳では、ありません(笑)。
要素を分解して、講習することにしたのです。


具体的な講習内容
・片手主体のバランスで安定させてから、手を出す
・片手バランスで足を動かすと、振られることが多い(FKさん)
・足を馴染ませる
・手を馴染ませる
・ラップ持ち(FKさん)
・肘をホールドの向きに曲げると、引きやすい
・トップロープのビレイを洗練(NMさん、SIさん)

・実践本気トライ
FKさん:5.10bをO.S.
NMさん:5.9をO.S.
この中で、より省エネなムーヴ、ビレイの洗練について指摘。