2014年12月19日金曜日

変わること、変わらないこと

12月18日(木)は、ムーヴ講習Lv.1。
男性FKさん、男性NMさん、男性SIさんの3名にて。
講習する中で、教え方は日々マイナーチェンジしていると何度も書いております。
その反面、講習生に求めているゴール地点は、3年前と比べて、ほとんど変化を感じません。

例えば、自立した登山者・クライマー。
これは、私が10年くらい山をやった経験上、この要素が一番楽しいと感じたから。
たぶん、これが変わることは一生ないと思います。

他にも、フリークライミングを(低グレードでも良いから)ちゃんと取り組んでから、マルチピッチを始めた方が良いという講習枠組み。
つまり、ジムリード、岩場リード、クラックリード、マルチピッチリードの順序。
これも、自分がそうじゃない順序で学んできた経験から、反面教師的に考えた方法なので、今後も変えないでしょう。

他にも、
・安全だと判断しているなら、落ちるまで頑張れ!
・危ないと思ったら、敗退出来る方法を残しておく。(特に、マルチピッチ以降で)
・ロープワークは、スピードだけじゃなく、洗練が大事
・ムーヴは、グレードだけじゃなく、安定感が大事(特に、岩場において)

などなど

意外と変わらないものです。
さて、以前から講習を受けている人にだけ分かる、マイナーチェンジの例。

以前:
・ネコ足
足音を立てないこと。
足が正確に置けていること、足の移動の際に体がコントロールされていることの証明。
省エネが上手い人は、余裕があるムーヴでは、ほとんどネコ足。

これを、講習初期の段階で説明。

現在:
①足をスタンスに馴染ませること
踵を少し回す感覚で、グリグリと微調整

②足がスタンスに着く瞬間に、気持ち減速すると、馴染ませるための微調整が少なく済むこと

※①と②を合わせると、結果的にネコ足に近付く。

③足音を立てないように意識すると、易しいグレードでも練習しやすいことを伝えることもある。

①~③は、同じ日に一気に教えることは、滅多にない。

もちろん、以前の方式で理解した人も多かったんですが、現在の方が理解する割合が上がりました。
そして、②に失敗して足音が立った場合も、①だけでも頑張ればリカバリーできることが分かりやすくなったように思います。


ネコ足を教えなくなった訳では、ありません(笑)。
要素を分解して、講習することにしたのです。


具体的な講習内容
・片手主体のバランスで安定させてから、手を出す
・片手バランスで足を動かすと、振られることが多い(FKさん)
・足を馴染ませる
・手を馴染ませる
・ラップ持ち(FKさん)
・肘をホールドの向きに曲げると、引きやすい
・トップロープのビレイを洗練(NMさん、SIさん)

・実践本気トライ
FKさん:5.10bをO.S.
NMさん:5.9をO.S.
この中で、より省エネなムーヴ、ビレイの洗練について指摘。