6月17日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性IUさん、男性NSさんのペア。
<1P目のフォロー>
最近のブログで、複数支点で構成する場合のリスク分散についても書きました。
カム、ナッツ、ハーケン、細い立木、などなどでの話です。
今回は、十分に太い立木があって、それでも初心者を惑わせるケースについて。
さて、毎度のアナログ図で失礼します。
図1が、マルチピッチの入門書とかに書いてある状態。
1P目と2P目の間に、程よいテラスがあり、そこでビレイ点も運良く構成できるというパターンです。
図2が、1P目と2P目の間に緩傾斜があり、そこに複数の立木があるパターン。
Aをビレイ点とすれば、フォローのビレイをするときには姿が見えて安心です。
Cをビレイ点とすれば、2P目のリードのビレイで良い位置に立つことが出来ます。
他の選択肢として、Aをビレイ点としておき、何らかの方法でCにビレイ点を移して2P目をスタートすることもあるでしょう。
ただ、何らかの方法が、案外巧い方法が見つからず、手数が多くなるかリスクを取るかになりがちです。
また、Cをビレイ点にしておいて、セルフビレイをAあたりまで延長してフォローのビレイを行い、終わったらセルフを短くするという方法もあります。
図3は、大きなテラスはあるんだけど、立木がテラスの落ち口にあるパターン。
フォローのビレイは落ち口付近で行い、リードのビレイに移る前にテラスに移るのが吉かもしれません。その際、念の為に立木からセルフは取っておくと安心です。
図4は、2P目に2ラインの可能性があるパターン。どちらもプロテクションが取りやすいクラックなら、どちらの取り付きでもカムでビレイ点を作ることが出来ます。
ただ、Aラインを登るなら、その真下付近でビレイした方が良いなどの事情が発生するので、どちらでビレイ点を作るか迷うところです。
<ワイド好きになってきたIUさんによる、2P目リード>
小川山、瑞牆だと図2、図3のようなケースが多い印象です。
三ツ峠の残置無視だと、図4が多い印象です。
<3P目に挑むパイセン>
①そもそもの支点の信頼度
②フォローのビレイのしやすさ
③リードのビレイのしやすさ
④足場の安定(精神的、体力的な負担の軽減につながる)
⑤ビレイ点作成に掛かる時間
などを総合的に判断して決める必要があります。
講習生を見ている印象だと、焦りがちな人は④とか⑤にフォーカスするイメージがあります。
その都度ごとに最適解も異なりますし、人によって意見が別れる場面もあるでしょう。
それでも、原則論は皆同じ。
ムーヴを考えるのと同じようなもんで、考える時間が必要です
<4P目をルートファインディング>
<初めてのカムビレイ点>
<4P目のフォロー>
<景色も上々>
<5P目のクラック>
<ウィニングロード>
<ここでトップアウト!>
<懸垂下降で、どハマリ中>
<余った時間で、クラックを少々オンサイトトライ>
<ハンドクラック>