2014年11月20日木曜日

人間は考える葦である

11月20日(木)は、マルチピッチ体験にて越沢バットレス。
女性NSさん、女性Hさん。
<あまりに寒いので、前半のロープワークは駅前にて>

今日、話していて分かったことが・・・。

NSさんは、考えて解決するのが、本当に好きそうです。

戦略好きの面々は無論として、見た目におっとりしたNSさんも、やっぱりそうなんですね~。
<紅葉>

行きの車の中で話したのは、ジムのムーヴ。

登っている最中からして、仲間から
「ああしたら?こうしたら?」

と言われ続けてしまうそうです。

「自分で考えたいから、ちょっと静かにして。」

と言ったら、悲しそうな顔をされてしまったので、それ以上は言うのをやめてしまったという人の良さ(笑)。
<最近、かなり講習でお世話になっている越沢>

過去に他で受けた岩場講習も、難しいルートをムーヴを指示されて登るもの。

このときは、登れて褒められても、全く嬉しくなくて、もはや帰りたかったそうです。

おまけに、
「そのホールドを使ったら、グレード落ちるよ。」

なんて言われて、一応なるべく使わないんだけれど、全然意味が分からなかったとか。
<残念ながら、後半は小雨>

で、本日。

「ロープワークも、自分で作業してる感が楽しかった。難しすぎたら、嫌になっちゃうんだろうけど。」

「どこを登るかも、どのホールドを使うかも、どれでも良いよって言われて最初混乱した。けど、見つけながら登るのが楽しかった。」

「1P目は、あんまり考えなくても良いホールドが出て来ちゃうので、気づいたら着いちゃう感じ。印象に残らなかった。」

といった、感想の数々。

まだ、経験が浅いこともあって、自分の達成感を表すクライミング用語に置き替えないのが初々しいですね。

でも、言いたいことは、よく分かりましたよ。
その感想なら、石田登山塾のレールは、本当にピッタリだと思います。
<2人とも、オールフリーで完登!>

帰り道で
「ジムリードの次にマルチ体験にしたのは、もともとマルチをやりたかったからですか?」

と伺ったら、

「HPを見ていたら、岩場で体験講習があるのはマルチだけだったから、最初にこれかと思いました。
次が岩場リードなのかなぁ、と。」

という思い込みだったと発覚!

レールそのものは、あんまり理解していないんですね(笑)。

でも、岩場の楽しみ方が分かって、マルチも気に入ったみたいで、何よりでしたよ。

壁から上半身を離す

11月19日(水)は、1コマ目でムーヴLv.0。
新規の女性OGさん。

2コマ目で、ムーヴLv.1。
女性WNさん、男性SRさんという、マルチピッチリード講習中の2人。
<まだ、1人でジムに行くことに抵抗があるとのこと>

スローパーを下に引くとき(フィンガージャムを下に引くとき、の方が馴染みがある?)、
壁にピッタリと上半身を付けてしまうと、下に引くための力が入れられないものです。

本日は、これが1つのテーマだったんですが、文章でこれ以上突っ込むとドツボにはまりそうです。
<下半身はスタンスに乗れているが、上半身は壁から離している>

ただ、壁から上半身を離すと、他にもメリットがあります。

例えば
①クリップしやすい
ヌンチャクに正対すると、とてもやりやすくなる。

②オブザベーションしやすい
よく見える

③足の移動がしやすい
懐が大きい
ただ、上半身も壁に付けると、その分だけスタンスに体重が乗ります。

だから、無意味って訳じゃなく、そうした方が良い場合もあると思います。

でも、下の写真はどうでしょう?
<申し訳ありませんが、失敗例がここに!>

上半身が壁に付いた結果、

・肘は上がって、ホールディングしにくそう
・レストしているけれど、先のホールドのオブザベ、スタンスの確認もしにくそう
・この態勢で行ったクリップも、苦しそうだった
・このあと、このまま足上げをして、苦しそうだった

という3重苦、4重苦。

難しいんですけど、壁に近付きゃ良いってもんでもないんですねー。
<見事に5.10cを完登して、内容もナイスでした!>

具体的な講習内容
1コマ目:
・ダブルチェック
・トップロープの弛ませ具合
・1手1手レストしながら登る練習
・オートビレイの使い方
・徐々に難しいルートにチャレンジ

2コマ目:
・足の馴染ませ方を洗練
・ホールディングの馴染ませ方を洗練
・肘をホールドの向きに合わせること
・壁から上半身を離すメリット
・実践本気トライ
SRさん:5.10cのオンサイトトライで、あと2手でフォール
WNさん:同じく5.10cを、見事R.P.!

・リードのビレイの弛ませ具合
・クリップで目一杯たぐるときの、ビレイの繰り出し
・骨盤を離しても、体幹は入れられること

マルチピッチリード講習で、若干のクライミング能力不足を感じての2人。
今後も、ときどき受けて、日ごろのジム練習の刺激にしてくださいませ!

2014年11月19日水曜日

リードする度に、学ぶことがある

11月16日(日)は、マルチピッチリード講習にて、三ツ峠。
男性IKさん、男性SRさん。
<オブザベ>

2人とも、当塾以外ではマルチピッチはフォロー程度の経験です。

なので、今回でマルチピッチのリードは2日目。
<テーピング>

従来的な山岳会方式なら、このくらいの経験なら、ひたすらフォローで本チャンに連れまわされる時期です。

で、先輩が
「このピッチなら、登りも簡単だし、ビレイ点作りも分かりやすいし、時間掛かっても下山できそうだし。」

と判断したピッチで、

「リードしてみる?」

と言われてトライします。
<1P目から、渾身のリード>

で、勘の良い人なら、先輩が判断してくれている意を汲んで、

「今度からは、自分でライン取り、ビレイ点の見込み、時間配分も計算しないとな。」

と考えて、色々な判断を頑張るようになります。
<今回の花形ピッチとなった、2P目を行くIKさん>

ですが、三ツ峠や越沢みたいな、初級者向けのマルチエリアに行くと、

「やっぱ、そうやって成長できる人は、一部なのかも・・・。」
と思わされます。
<青ロープが、テラスに引っかかっちゃったけれど、もう直せない>

反省の仕方を間違うと、

「時間が掛かり過ぎたから、次回から、もっと急いで登らないと。」
とか

「次回は、核心部もリードしたいんで、ジムでどのくらいのグレード登れたら良いんだろう?」

という感想になります。

これはこれで、将来的な目標ではあるんですが。
<一直線の場合は、ヌンチャクで延長しても、ほとんど意味がない>

せっかくリードしたんだから、

「本来は、もっと色々な先読みとか、リスク想定とかをしながら登んなきゃダメだったんだよな。」
「でも、今回は登ることにイッパイイッパイだったのは、仕方なかった。次回、気をつけよう。」

といった、具体的な反省があるとベストです。

プロテクション戦略でも、ビレイ点でも、ロープの流れでも、ギアを落としそうになったことでも、何でも構いません。
<ビレイ点作りも、渾身>

“急ぐ”とか、“最高グレードを上げる”とか・・・

確かに大きなテーマなんですけど、大きすぎちゃって反省としては具体的じゃないんですよ。
<意外と本気トライになった、3P目>

せっかく岩場に来て、しかも、マルチのリード経験を積んでいるのです。

そこでは、

「もっと、こうすれば良かった!」
と、毎回毎回痛感して欲しいのです。
<フォローで、1テンを喫する直前のIKさん>

だから、本当は経験が浅いうちから、先輩の監督下でオンサイトリード経験を積むのが一番だと思います。

そうすると、最初の数回は、1日に数ピッチしか進めなかったりもします。

けれど、毎ピッチが濃い反省の連続です。
これって、結構良い練習方法だと思うんですよねー。
<やっぱり、ビレイも渾身>

で、マルチピッチリード講習を卒業していった方々を見る限り、卒業後はスピードも徐々に上がっているようです。
だから、講習で急かす意味は、やっぱり無いのかなと。
<トップアウト間近>

この講習の難点は、ゆっくり過ぎて迷惑になりがちなこと。
その分、岩場選びは難しいです。

最近は、ミズガキの人の少ないエリアを探訪したり。

今回も、11月なら土日でも空いてると見込んで、三ツ峠。
その分、やっぱり寒かったです。

<三ツ峠らしい高度感>

でも、初心者ながらにオンサイトで登ったマルチ経験は、将来的にも大きなプラスになると思います。

私も、その直観を信じて、待って待って待ちまくりますよ。
<富士山を望む>

さて、本気ピッチをオンサイトを含むマルチは、2人とも初体験。

登れなくても良い経験とはいえ、やっぱりトップアウトできて何よりでした!
<岩場終了!>

今回のブログ本文は、「各ピッチが大事。」みたいな内容でした。

けれど、マルチは高度感や達成感も、醍醐味ですからねー。

なんせ、楽しくないと頑張り続けられないでしょ。
<三ツ峠の山頂にて>

2014年11月15日土曜日

遠方から、ようこそ

11月14日(土)は、ジムリード講習6時間コース。

名古屋からいらした、SY夫妻。
なんと、今井くんが店長していたズットンでクライミングを始めたそうで、今井くんとも面識あり。
<遠方から来るだけあって、聞き上手、慎重、予習熱心、と3拍子そろっていました。>

当塾では、土日は、岩場や山での講習が主体です。

土日は、講習生の都合もつきやすく、ジムにするのはチョット勿体ないですよね。

ただ、遠方の方は、土日じゃないとジム講習が受けられないというケースが多いです。
先日の三重の方もそうですが、ときどきあることです。
<普段ボルダラーだけあって、登りは上手い>

そういう場合は、

・遠方から来ていただく時間
・私が土日を拘束されること

の両方を考慮して、6時間コースで受付しております。

今は、ガイドは多いけど、インストラクターは少ない時代。
今後しばらくは、稀にありそうですねー。


具体的な講習内容

リード講習1回目、2回目に相当。
ムーヴ講習も、ちょっとだけ混ぜて。

・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・1手1手レストする練習
・トップロープのビレイを総点検
・エイトノット
・ATCを落とさない方法
・クリップ練習
・疑似リードの中で、ビレイの弛ませ方
・リードでやってはいけない事例集
・墜落距離の計算と落ちる練習

次回は、平日で6時間講習になっております。
奥様が少し怖がりみたいなので、3時間だけでは卒業が厳しそうに見えたので、ちょうど良かったかも?

ふとした思いつき

11月14日(金)は、夕方がムーヴLv.0。
男性EDさん、女性Hさん。

夜が、リード1回目。
男性NZさん、男性ITさん、男性EDさん、男性SKさん、女性KMさん。

実は、私がメール処理を誤って、定員オーバー。
謝罪の意味で、割引にしてやりました。
リード講習1回目では、クリップ練習を行います。

そこでは、
「ゆっくりで、確実な動きを!」
「そうやって、よどみなくやった方が、将来的に洗練されて素早くなる。」

ということを、体得する最初のチャンスだとも思っています。

なんせ、クリップは多少荒くても、途中で詰まっても、強引に押しこむことが出来るのです。
ただ、地上練習からして強引だと、クライミング中は手こずること多数。
それに対して、これまでは
“クリップのコツを1つ1つ解説と、講習生も意識しなければならないことが増えて、段々とゆっくりやるようになる”

というのを利用しつつ、

「そうそう、ゆっくりで良いんですよ。」
「いま、ちょっと急ぎ過ぎです。」

と、コメントする方式。

で、本日の終了間際に、ふと思いついたのが、

“私自身が、めちゃくちゃスローでクリップ動作をやってみせる”

こうすると、スピードやパワーじゃなくて、動きが大事なことがイメージしやすそうでした。

こういう思いつきも、教え方のノウハウとして蓄積されている気がします。
メモはとってませんが、自分なりには大切にしている表現集です。

具体的な講習内容
1コマ目:
・ネコ足
・足は、押したり引いたり出来る
・ガバは、ぶら下がるだけでなく、外にも寄りかかれる
・肘を伸ばそうとするあまり、大回りになり過ぎて不自然になる


2コマ目:
・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・トップロープのビレイ総点検
・1手1手レストする練習
・エイトノットの作り方
・ATCを落とさない方法
・クリップ練習

2014年11月14日金曜日

チェック方法の確立

11月13日(木)は、マルチピッチ体験講習にて、越沢バットレス。
宇都宮の男性IKさん、女性Hさんの2名で。
<たまには、違う場面でスタート>

マルチピッチ中、エイトノットをハーネスから解くという場面がときどきあります。

たとえば、
・3人で登っていて、リードを交代する
・リード&フォローから、懸垂下降に移る
・ロープが激しく絡んでしまって、末端を通して解きたい

という状況など。
<アルパインクイックドローの作り方を、動画で>

ここは、少し緊張する一瞬です。

どんなリスクを想定しているか、想像できるでしょうか?
<午後からポカポカ陽気>

①セルフビレイ
メインロープでセルフビレイを取っていると、エイトノットを外した瞬間にノービレイになってしまいます。

しかも、その瞬間、無意識にロープに集中しているので、かなり危険な状態です。
②ロープの落とし止め
自分のエイトノットが、ロープの落とし止めになっていることがあります。

ロープが体から離れるということは、ロープの束を落としたときに、ロープとサヨナラする可能性があります。
<毎回、カムを抜いては決め直すIKさん>

ということを踏まえて、私はエイトノットを解くときは、

・自分のセルフビレイが、他で(スリングなどで)確保されているか?

・ロープの落とし止めとして、どこかにロープが結ばれているか?
パートナーが、ロープの反対末端をエイトノットで結んでいるなら、それで十分なバックアップになることも多い。

というチェックを行うことにしています。
<そこまで余裕のないHさん>

ロープワークの安全管理って、この手の思考回路を繰り返しているようです。

つまり
1.リスクの想定
(事故例を知っていると、なお良い)

2.現実的リスクと恐怖心を、同時に軽減するためのチェック方法の確立

3.それの習慣化
<ラスト10m>

登る前のダブルチェックにしても、懸垂下降の前のチェックにしても、何でも本質は同じだよなぁと。

で、事故例を多く知るごと、自分がヒヤリハットを体験するごと、さらに項目が追加されていきます。

こうして、もともと怖がりな性格の人は、10年くらいマルチピッチをやる中で、かなり細かい人間になっていきます。

このプロセスの繰り返し、教えるようになって、本当によく分かった気がします。
この最初の数年の部分を、方向修正したりしながら助けるのも、我々の仕事なんだろうなと思います。
<2人とも、オールフリーで完登できました!>

具体的な講習内容
・オブザベーション練習
・スリングの収納方法
・アルパインクイックドローの作り方
・ギアラックの整理方法
・コールあり、コールなしの流れ
・1ピッチだけを、リード&フォローから懸垂下降する流れの練習
・マルチピッチで、1ラインをトップアウト

2014年11月12日水曜日

「月影の騎士」、「黄昏の舞姫」

11月10日(月)、11日(火)は、自分のクライミングにて湯川。
今井くんと。
<掃除開始>

100岩場の湯川のページ、こんなルートが存在することは知っているでしょうか?

・月影の騎士(5.10c)
・黄昏の舞姫(5.10b)

そこには、△の印が付けられ、「再掃除が必要」という意味だと注釈されています。
<「月影の騎士」の終了点>

はからずも、この2本のルートを掃除して、再生してきました。

湯川の人気ルートが一段落付いたという方、小川山が雨転戦のときにでも登ってみる価値はあると思いますよ。
<掃除慣れした今井先生>

さて、私達も最初はミズガキ予定。
雲行きやら前日の濡れが怪しいので、湯川へ転戦。

そこで、今井先生から
「この辺には講習に使えそうなハンドクラックが埋まってて、この辺には5.11になる可能性があるクラックが埋まってて。」

と、レクチャーを受ける。
<3時間経過>

で、講習向きっぽいやつは、悪くは無い。
ただ、内容も見栄えも、掃除してもデゲンナーには及ばなさそう、という結論に至って、掃除は見送り。

難しくなりそうな2ラインを、掃除に取り掛かります。
私も、登りながらナッツキーで土をほじったりするのは、しょっちゅうです。
ある程度は汚くても、オンサイトクライミングは楽しいので。

が、上から回り込んで、懸垂下降しながら本格的な掃除は初体験。

ナッツキー、ハンマーを腰に下げるのは当然。
今井先生から、ブラシの大中小の3個セット、ユマール、グリグリを借りて、レッツスタート。
<2日目は、ラプター(5.8)でウォームアップ>

クラックから生えている細い木を叩き落とし、苔や土をブラシで落とし、クラックに詰まった泥を掘ります。

で、格闘すること6時間。

2本とも、登れるレベルにはなりました。
ただ、この時点でヘッデンだったので、登るのは翌日に持ち越し。
<黄昏の舞姫>

2日目は、ルートの完成として、まずはリードでの完登です。

2人とも、既成ルートだなんて気づいていなかったので、掃除した本人が初登するっていうマナーを守って、帰りの車で名前やらグレードやらを相談。
<月影の騎士>

ところが、掃除したクラックの位置を再確認するべく、トポを開いたら、なんと既成ルートだと発覚。

まぁ、個人的に初登じゃないのは全然構わないんです。
完全に、初登気分で楽しめたので。

むしろ、トポに載っている分だけ、こうやってブログで場所を説明するの楽になったというメリットも。
<今井先生でも、プロテクションは多めになるシンラック>

一応、それぞれのルート状況をお知らせします。

・月影の騎士(5.10c) 掃除:今井先生 体感グレード5.11b シンクラック主体
・黄昏の舞姫(5.10b) 掃除:私 体感グレード5.10c シンハンド~フィンガー主体

月影の騎士は、フラッシュさせてもらいましたが、相当渾身のクライミングでした。
黄昏の舞姫は、掃除初心者の私の仕事なんで、まだ結構土っぽいです。

あとは、一雨降って砂が落ちるとか、再登者が沢山出るとかで、段々マシになると思います。
<フラッシュトライながら、渾身の私>

特に、月影の騎士は、初級者エリアの湯川にあっては、難しめの1本だと感じます。
カムやナッツも、前進用のものばかりを活用しますので、ビビりの私なんぞ固め取りの連続。

テレポーテーションやサイコキネシスじゃ物足りないくらいの方に、オススメです。

十一面末端壁のつもりが、転戦してきちゃったときなんか、良いと思いますよ。
<20mというスケールも、湯川にしては長い方>