2014年1月27日月曜日

山はツラいもんですが・・・、ツラすぎました

1月25日(土)、26日(日)は、雪上訓練Lv.3にて八ヶ岳の県界尾根。
男性HYさん、男性NMさんのコンビ。

<就寝前のビーコン操作練習>
尊敬する先輩ガイドが、素人さんをガイドしているとき、

「ガイドさん、キツイいですけど。」
みたいなことを言われ、

「山は、ツラいもんや。」

と答えたそうです。

<暗いうちから、出発>
講習が多い私の生活だと、登山技術やクライミング技術の奥深さに目がいきます。

が、実際の登山では、90%は歩いています。

もちろん、ベテランと初心者では、歩く効率だけでも全然違います。
でも、コツを意識している時間も、たぶん半分以下。

ほとんどの時間は・・・

「あとどれくらいで着くかなー。」
と、早く終えたい気持ちでイッパイ!

<初日は、快晴!>
さらに、冬山は寒い!

歩けば暖かいにせよ、休憩は寒い。

<雪が少ない>
そして、荷物は重い!

テント、寝袋、ロープで、ザックはパンパンです。

<赤岳への道のり>
HYさんも、
「達成感は一瞬だけで、あとの99%はツラいだけじゃないですか!?」

ってな感じで、冬山否定モードになってしまいました。

<中盤以降は、ワカンで膝下くらいのラッセルが続く>
たしかに、今回は最高にツラかったんです。

ギリギリ登頂できそうだったので、撤退開始時刻を本人達の好きにする形で延長・・・。

樹林帯はヘッデンでも下山できるということで、14時に赤岳頂上!

<赤岳を臨むHYさん>
そして、テント場に戻った頃には、すでに真っ暗18時。

そこから撤収作業で、さらに2時間ほど下山。

車道に到着は、21時。

<初日、頑張ってアタック掛けてみたが、大天狗までで撤退>
特に、HYさんは低体温症の前兆状態にまで。

本当に体温が下がった訳ではなく、食欲は減退、防寒具を着込んでも薄ら寒い感じ。

<今回、最高に快適なテント場>
さらに、下山後しばらくは、緊張の糸が切れたこともあり、車の中でも

「寒い、寒い、体が暖まらない。」
といった具合。

<2日目のアタック。森林限界を越えて、ハーネス装着!>
代謝が落ちてしまい、エネルギーが作れない状態なんでしょう。

私も、山行3日目以降は、ラッセルしていても、あまり体が暖まらなかったりします。
(そういうときは、ラッセルスピードも遅い)

<核心部を抜け、再びラッセル>
もっと言うと、

疲れた山行の翌日、東京が寒くない日でも、冬山並に寒いと感じたりします。

<雪庇に気を付けながら、稜線を歩く>
それの最悪が、疲労凍死だと思います。

HYさんの状態は、私の普段疲れた日と、疲労凍死の中間ぐらいだったかもしれません。

<涙の赤岳山頂>
正直言って、ここまで追い込んだのはやり過ぎ。
私の判断ミスです。

振り返ると、

・ルート設定
県界尾根は2人にとっては、本気トライ

・天候
2日目が、かなり怪しい状況だったので、テント設営場所が低くなってしまった
(結果的には、2日目も景色が見えないだけで、小雪程度だった)

<下山中は、晴れてきた>
・戦略
2日目の可能性が低いということで、初日に行けるところまでアタック。
これが、完全に無駄打ちになって、体力を大幅ロス。

・敗退判断
下山後のHYさんの疲弊っぷりからすると、せいぜいヘッデン1~2時間程度で降りられる時間に、敗退すべきだった。

<核心部は、懸垂下降で通過>
この講習は、

「ルートを私が設定して、あとは本人達が行動判断。
私が手出し、口出しに入ることもある。」

というものです。

・ルート設定
・撤退判断
・手出しを最小限に留めること

全てにおいて、攻めすぎだったなと反省しております。

<わずか1%の、楽しい場面の1つ>
まずは、もう少し易しいルートから始めるべきでしたね。

真教寺尾根でも、宝剣岳の縦走でも、

・ロープを出すか迷う程度の縦走路
・歩行距離が、もう少し短い

という条件のルートは、もっとありました。

<ロープを畳み、ワカンに履き替えて、樹林帯の下山開始>
反省点ばかりですが、ギリギリの山行になってしまっただけに経験値は膨大に積めたと思います。

HYさん、NMさんも

あと10日~20日も雪山経験を詰めば、
今現在が初級者だけに相当に伸びると思っています。

そしたら、このぐらいのルートは、きっと本気トライではなくなるハズ!

とりあえず、1週間ぐらい休養してから、懲りずに行きましょう。