2020年12月8日火曜日

カリキュラムという壮大な旅

11月14日(土)は、マルチピッチリード講習にて、越沢。
男性MKさん、女性FSさん。

11月15日(日)は、ムーヴLv.0。
女性YOさん、復習参加の女性KIさん。
YOさんは、これにてジムリードに進んでO.K.といたしました。
<オブザベ>

最近よく言われるのが、「石田さんの講習は、種明かしまでの旅が長い。」ということです
<懸垂下降>

なぜ、ムーヴLv.0で足置きやらレスト態勢をしつこくやるのか、リード講習で落ちる練習や墜落距離の計算をやるのか。

さらに、戻れる範囲で登ること、3点支持、スタティックムーヴなどをしつこく練習するのか。

ボルトの種類を知ったり、クラックでプロテクションの信頼度ごとの判断基準の考え方を討議したり、地味なロープワークを基礎練習したりするのか。

ほとんどの初心者〜初級者がトップロープで難しめのルートを練習したがる中、「オブザベからのO.S.トライ→ハングドッグでのR.P.」といった原始的な方法を推奨するのか。
<攻撃的なラインを登るMKさん>

それぞれ、ムーヴLv.0、ジムリード、岩場リード、クラックリードの各講習の中でも、その重要性は説明します。
例えば、ジムでリードするだけでも、レスト技術の重要性は理解できる部分もあるでしょう。しかし、岩場リード、クラックリードと進むに従い、レストの重要性の理解は深まります。

そして、それらが講習生にとって繋がって見えてくるのは、マルチピッチリード講習だそうです。
<暖かいところで一息付きながらビレイ>

「初登者の目線に立ってラインを読み、敗退シナリオを考えながらロープを伸ばして行く。」
たったそれだけのことですが、このためには様々な技術が要求されます。
<垂壁でも、冷静さを保たねば岩場では危ない>

これについては、色々と思うところもあります。

「マルチ体験講習を早めにオススメして、その一部だけでも感じてもらうことを推奨するのはどうか?」
という意見もあります。
これは、結構オススメです。「ジムリード講習卒業」という参加条件の緩さは、この考えから来ています。

僕自身を振り返っても、岩場リード講習なのにマルチを見据えた心構えの話をし過ぎて、あまり納得を得られない説明になってしまったことも多いです。
<登竜門的なクラック>

まぁ、カリキュラムって何でもそうなんでしょうけどね。

「何で勉強するの?」
という生徒に、小中高から大学へと続くカリキュラムの仕組み、社会に出てから体系的に物事を学ぶ難しさ(即物的なハウツーは、ほとんどの人も学ぶのに抵抗は無い。)を説明するなんてことは誰もしないでしょう。

ただ、その生徒に何か大まかな流れを感じてもらうような回答をすることは、大切だと思います。しかも、その生徒の知識・技術・経験・心構えなどによって、選ぶべき言葉も変わってくるので、僕にとっても良い刺激です。
<フォローのビレイ>

短い人でも数年を要する旅になりますが、楽しんでいただければと思います。
<安定して登る練習の始まり>

<「最近、4→3練習の意味がわかってきた。」というカメチヨ>