3月10日(土)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性YDさん、NSさん夫妻。
本気トライにおいて、登れなかったら如何にしてギアを回収するか、という問題が付きまといます。ジムなら、そもそもヌンチャクが常備なので、そのまま敗退可能です。
ボルトルートだと、ちょっと複雑です。
とはいえ、現実問題としてマスタースタイルが重視されていない相場を鑑みると、大抵の場合はヌンチャクを残してロワーダウンできます。それで、他の人の迷惑にはならないからです。
あとは、隣のルートから回収できることも多く、裏から回って懸垂下降で回収できることもあります。敗退ビナ、という最後の手段もあります。
夏の気温が高い時期は、夕方遅くに本気トライを出す人も多いと思います。その場合は、回収可能かどうかよく考えないと、ドハマリすることもあります。
一方で、クラックはどうでしょうか。
カムセットまで含めてのリード、というのが一般的なので、本日中に再トライするにしてもカムは回収して降りたいところです。
そこで、クラックが綺麗に繋がっている場合は、エイドで核心部を割愛するという手段もあります。
アブミを使ったエイドクライミングというより、もっと原始的な方法で十分なことが多いです。
最終カムにテンション、届く範囲にカムセット、セルフビレイをセットしてロープを緩めてもらう、先ほどセットしたカムにクリップ。
この方法は、ジムで言うなら他のホールドを持って次のクリップを先に掛けてしまうようなものです。これに加えて、ロープを掴んで上がることで、前進することも出来ます。
これをどこまで積極的に使うか、潔しとするかは達成感や練習方法の問題になってくると思います。
ただ、実際問題これが全く出来ないと、あまりに不便です。個人的なイメージだと、一撃率50%未満のルートに取り付くには、最低限のたしなみです。
<久々のクラック講習だが、案外覚えているYDさん>
本気トライでハングドッグになった場合に教えることが多いのですが、混乱が予想される人にはあらかじめ練習してもらったりします。
ところで、城ヶ崎は終了点が立木のことが多くて、懸垂下降でのカム回収になることが多いです。
その上、本日はカムスタックしたために、私が交代して、登り返し(ロープ登高)も使ったりしました。
クラッククライミングは、ジャミングとかプロテクション戦略とかが、大きな楽しみだと思います。
でも、作業クライミングが上達していくことも、私はちょっとした喜びに感じています。
(大概、カムスタックしたりして精神的にツライ作業になることが多いのが玉にキズ・・・)
<オバステ正宗を一撃できたNS夫妻>