2018年4月9日月曜日

整備された岩場

広島ツアーの後半戦は、三倉。
小川山、瑞牆のような花崗岩で、こちらは整備がキッチリ進んだエリア。
<ぬかよろこび(5.10a、スラブ系)で、どハマリする先生>

登山主体の活動後に、こういうゲレンデ的なエリアに来ると、色々と考えさせられます。

「やっぱ楽だなー。アプローチとか、下地とか、トポが存在することとか、岩が綺麗なこととか。」
「でも、だからこそクライミング頑張んなきゃなー。」
<ワッフル(5.10c、前傾ハンド)、落ちまくるカメチヨ>

で、クライミングを頑張ると、その厳しさを思い知らされます。

初級者あるあるとしては、
「久々にフォールするの、マジで怖いっす!」
「本チャンの歩きっぽい10mランナウトよりも、ボルトルートの難しい50cmランナウトの方が、ヤバイっす!」

実際には、本チャンの方が危険な訳ですが、フリークライミングを頑張るという現実が迫ってくる訳です。
<おじいさんのペタペタ(5.11c、スラブ)で、全く出来ない私>

とはいえ、その辺は何度も何度も経験してきているので、モードチェンジは慣れたもの。

カメチヨ先生など、自他ともに本気トライ依存症と認めるだけあって、初日からオンサイト最高グレード付近を攻めて、フォールしまくりです。
<ワッフルを攻め続ける先生>

一方、私は・・・。

5.10台を4本登った後、「頑張ろ!」と思って5.11cに取り付いたらムーヴも出来ず。
その後、「まだ諦めてはダメだ!何回かやれば、ムーヴ解決できることも。」と自分を鼓舞して翌日までトライを重ねるも、やっぱりダメ。

結局、ツアー中にこれ以上深追いすると、同じ箇所を酷使して痛めそうなので、封印に。
<Cフェースノーマル(5.10b)をO.S.するカメチヨ>

その後も、8割以上で登れそうなルートを、手堅く一撃していく流れ。

これはこれで練習になるのですが、せっかくのゲレンデで“サボリ罪悪感”も・・・。
だからと言って、日数が掛かりそうなR.P.レベルのルートに手をつけるのも、流儀じゃないので、適度な課題探しに苦心します。
<リービットイヤー(5.10b)をO.S.する先生>

で、偶然出会えたのが、新世界(5.11d、ボルトルート)。

見た目に、すごく怖そうだけれど、無理目でもない。
緊張しまくって、日暮れ前の本気トライです。
<ごくろうさん(5.10b)をO.S.する先生>

<しじゅうまえ(5.11a)の私>

<モルモットクラック(5.11a)を敗退するカメチヨ>

得意の行きつ戻りつで吠え、必死のレストで粘り、核心最後のムーヴでも吠え、といった奇跡の頑張りでオンサイト成功!
自分的には、年に数回程度あるかないかの最高のクライミングだったと思います。

いやー、これっす。

これをやんなきゃダメだ、と思ってたんですよ。
<新世界(5.11d)>


続く後半戦も、カメチヨ先生は激アツなトライを繰り返します。

ギリギリ一撃~数トライでR.P.ぐらいの課題が溢れるこの岩場は、彼女にとっては最高に適正な岩場なのでしょう。
<スーパーチムニー(5.10b)で敗退するカメチヨ>

<そして、バッタリ。その日の夕方で、R.P.する根性を見せた。>

一方、私は・・・。

やはり、5.10b~5.11bくらいまでの8割くらい一撃できそうなルートを中心に。
1本、5.12aにトライしてみるも、ムーヴも出来ずに封印再び(笑)。
<入門クラック(5.9)>

整備された岩場では、旬な課題との出会いも大切ですね。
今回、私には1~数本、カメチヨには10本(?)だったということで。

いや、でも流石にこれは私がサボっている証拠なんでしょうか?
<入門コーナー(5.9)>

<ダイアモンドクラック(5.11b)の私>

<への字ハング(5.10c)を2撃するカメチヨ>

具体的に登ったルート
ペースは、2日登って1日レスト。

1日目
・ぬかよろこび(5.10a、スラブ系) フラッシュ
・ワッフル(5.10c、前傾ハンド) O.S.。雑な登りになってしまい、1回リピート。
・花咲かじいさん(5.10c、フェース) O.S.
・むさし(5.10c) O.S.
・おじいさんのペタペタ(5.11c、スラブ) 2トライ、ハングドッグを重ねるも、ムーヴ出来ず

2日目
・ぬかよろこび(5.10a) 再登でアップ。何回か。
・おじいさんのペタペタ(5.11c) 1トライ、ハングドッグするも進捗なし。
・猫パンチ(5.10c、フェース) O.S.
・スウィング(5.11a、カンテ) R.P.3トライ。気合い不足の、しょーもないトライだったと、反省。
・Cフェース、ノーマル(5.10b、色々なサイズのクラック) フラッシュ
<ダブルクラック(5.10d)をフラッシュする先生>

3日目
・エレファントノーズ(5.10b、ハンド系) O.S.。実は、今回一番登りたかったルート。長くて、すごく良いラインでした。
・リービットイヤー(5.10b、ワイド系) フラッシュ
・ごくろうさん(5.10b、クラックと見せかけて最後のボルトセクションが悪い) フラッシュ
・しじゅうまえ(5.11a、ハンド系) O.S.
・新世界(5.11d、フェース) O.S.。死力を尽くしました!

4日目
・門前払(5.7、クラック) O.S.
・触角(5.10c、フェース) O.S.
・シェリー(5.10b、スラブ) O.S.
・つつじの咲く頃(5.9、クラック) O.S.
・みゆきのさしみ(5.10d) R.P.。出だしのボルダーセクションで、20回くらい落ちました。
・キントウン(5.11b、スラブ系) O.S.。これは、結構良い本気トライだった。
<スラブは、ことごとく敗退し続ける料理長>

5日目
・入門クラック(5.9) フラッシュ
・入門コーナー(5.9) O.S.
・ダイヤモンドクラック(5.11b、ハンド~フィスト) O.S.
・への字ハング(5.10c) フラッシュ
・シングルアゲイン(5.12a、フェース) ムーヴが出来ず、敗退。
・花まよい(5.11b、フェース) O.S.

6日目
・門前払(5.7) 再登。アップ
・ダブルクラック(5.10d、ハンド系) O.S.
・男はつらいよ(5.10a、クラックだけどボルトセクション核心?) O.S.
・さるがえし(5.10c、フェース) O.S.
・雨のあと(5.9、スラブ) フラッシュ

なんにせよ、呆れるほど登った広島ツアーでした。

ワイド天国ですが、クラックは若干余裕のあるトライが中心でした。
終わってみれば、一番良い本気トライが出来たのは、ボルトルート2本。
封印したのもボルトルート2本。

とはいえ、難しいクラックもまだまだある三倉。今回、そのエリアに行かなかっただけのこと。
好きなエリアなので、きっとまた行くと思います。