2018年4月6日金曜日

宮島フリークライミング

予告編に続き、広島遠征の本編です。
前半戦は、こちら。
<ロープウェイ>

昨年に清盛クラック(5.11c)に敗退した折に、周りの岩が多いことが気になる私。
ここで、清盛に通って強くなるクライマーも多いのでしょうけれど、私はどうやら根っこが違うようです。
(もちろん、清盛も再訪する心づもりではおりますが。)
<ヤブの中に、ときどき垣間見える明るい岩>

初日は、雨予報ですっかり諦めておりました。
到着早々に、夕方から広島のジムでボルダーして、レストを決め込んでいると何と朝から晴れ!

少しノンビリ、日帰り偵察をしてみることに。
岩場が多い稜線までは比較的楽にアプローチできます。
<初日の獲物!>

とりあえず、ヤブこぎ。
地形図上の岩場マークには、やはり上質の花崗岩が!

クラック以上に、フェースやスラブの方が美しいという感じの岩質でした。

ただ、今回はボルトを使わず、掃除もほとんど不要で登れるものだけを登るというコンセプト。
カムが効かない岩は、そもそも登れません。

フリークライミングの開拓という見方も出来るでしょうけど、沢登りの滝登りとか、アルパインっぽい遊びという見方も出来るでしょう。
とりあえず、2本のワイドクラックがあったので、リード&フォローで登ります。
<そのうち1本。グッドウッド(5.8)、カメチヨがオンサイト初登?>

ヤブこぎで右往左往は疲れますが、自分で見つけたラインが掘り出し物だったときは、楽しいものです。
ちなみに、もう1本はハッピーエンド(5.9)で、私がリード。
<結局、ヘッデン下山になってしまい、夜遅く帰ることに。>

「この遊び方は、山中での滞在時間が必要だ!」
という、料理長の主張により、2泊分のビバーク装備を持って、再入山。

またしても、ゆっくり出発。
80リットルザックでウロウロするのは、かなり心苦しいです。
<ロープウェイ降り場より、縦走路>

<弥山の山頂付近>

とりあえず、1番の岩の宝庫でありそうな、弥山山頂のあたり。
<ボルダー天国ですが、ダメでしょうね>

色々と気になるラインはありましたが、結局は少し外れたところにあるハンドクラックボルダーを1本登るだけで辞めておきました。

まぁ、これは誰か登ってそうですね。
<ハンドクラック>

ゆっくり縦走を進めて、駒ケ林の南面。
岩屋大師の程近くに、ちょっとしたクラックを発見。
<登山道脇>

カメチヨがオンサイトトライするも、1テン。
私がフラッシュで初登して、降りながら掃除を30分ほど。
ヘッデンで、カメチヨもR.P.しておりました。

岩屋大師(5.10b?)。
<こんな感じ>

<身長160cm以下の人なら、一瞬だけルーフワイドが体験できる?>

ビバーク明けの3日目。
メイン壁の駒ケ林北壁は、午後の日が当たる時間帯にアタックすることにして、午前中は前峠の方面にある岩場マークを偵察。
<駒ケ林北壁をオブザベ>

<前峠の近くの岩場>

前峠の近くでも、4本ほど登れそうなラインを見つけたので、それは最終日に遊ぶ方向で。

午後からの駒ケ林北壁は、クラシックルートもある様子。
いわゆる、本チャン全盛時代のもので、グレードは5.8ぐらいで残置ハーケンとかで登っているラインなのかなと予想されます。

という訳で、そのラインは気にせず、残置無視・トポ無視でレッツO.S.トライ。
<駒ケ林北壁の1P目>

思っていた以上に、クラックは豊富。

そして、案外傾斜が強いです。
風化してカムセットはシビアですが、本チャン系の壁としては快適な部類です。
<2P目>

どうやら、事前に思い描いていた以上にクラシックルートがある様子。
ただ、一番の弱点ラインはヤブこぎ気味、その他のラインは人工登攀のボルトラダーといった様子。

現代的な目線では、興味が沸かないものばかりでしょうか。
今回我々が辿ったラインは、4P目でクラックが途切れて敗退したものの、かなり美しいラインでした。
(敗退用に残したカムは、裏から回って回収できました。)

そこまでのグレードは、ワイド系の5.10前半といったところで、グレードとは無関係に充実の内容です。
クラックが途切れたセクションにボルトを数本打てば、現代的なマルチとして再生出来そうな予感がします。
おそらく、そのセクションはフェース系の5.11aぐらいになるでしょうか。

(まぁ、厳しい人ならノンボルトでしょうけど・・・。)

いい目標が出来ました。
<4日目>

最終日は、前日に偵察した前峠周辺。
どれも、30分程度の掃除をしつつ、オンサイト初登していくという遊び方で。

とりあえず、1本目。
<たまご返し(5.10a)、カメチヨ初登>

2本目、3本目。
<ティラノサウルス(5.9)、カメチヨ。左のフィンガーは、くたびれもうけ(5.10c)、石田>

<ティラノサウルスの上部>

そして、4本目。
<裏番長(5.10a)、石田>

<6番サイズ>

これは、1ピッチのルートとしては、最大の掘り出し物でした。
アプローチさえ近ければ、人気ルートになるに違いないです。
<フラッシュするカメチヨ>

<「超楽しいー!」>

とりあえず、私は駒ケ林北壁に目標が出来たので、再訪する予定です。

今回遊んだような10m~20m程度の岩は、まだ多くありますから、本気で開拓するもよし、僕らのように探検的に遊ぶもよし、といったエリアです。
<下山は、重い>
整備された岩場っぽく成果を問われれば、実に大したことはありません。

4日間で。
5.8~5.10cまでのショートルート、7本。
駒ケ林北壁は、途中敗退。

しかも、アルパインかと問われれば、自然環境は夏の小川山に近いところです。

ヤブこぎで、全身切り傷だらけ。
久々の山っぽい生活で、全身ボロボロ。

それでも、「楽しそうだね!」と言ってくれる方には、是非ともオススメしたい遊びです。
ノウハウ自体は、マルチピッチリード講習とほとんど同じですから、卒業生なら誰でも出来るはず?
<厳島神社>