2014年9月19日金曜日

挫折者が少し減った、湯川

9月13日(土)、14日(日)は、引き続き湯川にてクラックリード講習。

1日目は、男性ONさん、新規男性STさん。
2日目は、女性MTさん、男性OGさんのペアと、新規女性SDさん。
<ジャミングの仕組みを理解しよう>

湯川でのクラックリード講習は、ちょっと厳しいです。

講習で使う5.8は一本しか無く、あとは5.9以上。

そして、カムセットもやや難しいものが多く、さらにルートも10m以上あるものが多いです。
<デゲンナーの裏にある、今井くんが掃除したクラック>

対して、城ヶ崎フナムシロックは、5.7以下のルートだけでも3本。

ルートの長さも、10m位のものばかり。

昨年まで、湯川での講習に挫折感を覚えて、城ヶ崎シーズンを待つ人も多かったです。
<個人で来ていてARさんが、台湾坊主をフラッシュ成功するところ>

ただ、今年は(私の知る限り)挫折者は居ないみたいです。

たぶん、理由は

①このブログや、卒業生からの情報で、湯川に来る人は覚悟を決めている
②ボルダー練習、地上でのカムセット練習などに、講習の半日を掛けることにした
(湯川のルートが長いため、講習生のクライミング体力消費が激しい・・・)
<で、それを見守るMJさん、NMさん、KSさん>

あとは、私の日数感覚でしょうか。

「今日のうちに、このぐらい出来て欲しいな。」
という思いは、なるべく頑張って捨てることにしました。

「前回より、伸びていれば良し」
と思っていれば、気長でいられます。
<デゲンナーをトップロープで完登!>

とはいえ、講習は有料なので、
「何日ぐらいでは、卒業したい・・・」

と、講習生の方から思うもの。
<同じくデゲンナー完登を、小躍りするほど喜ぶONさん>

でも、全く教え惜しみする気はありません。

ただ、焦って覚えよう&教えようとすると、かえって時間が掛かるみたいなんです。

「1日に、これ以上教えない方が、かえって定着しそうだな。」
という判断も、同じ話ですね。
「気長にやる」というのは、お互いにとってストレスもあると思います。

でも、やっぱり効果があるなぁと感じています。
具体的な講習内容
1日目
・テーピングの巻き方(STさん)
・ハンドジャムの練習
・フィンガージャムの練習
・ジャミングの圧力を抜かないように引き付けるムーヴ練習
・地上でのカムセット練習
・トップロープでの本気トライ

2日目
・テーピングの巻き方(SDさん)
・ハンドジャムの練習
・ジャミングの圧力を抜かないように引き付けるムーヴ練習
・地上でのカムセット練習
・疑似リード(各自1本)
・実践リード(OGさんのみ、デゲンナーR.P.)
<地上でのカムセット練習>

<デゲンナーをR.P.した、OGさん>

2014年9月16日火曜日

卒業要件は説明困難、パート2

9月11日(木)、12日(金)は、湯川にてクラックリード講習。

1日目は、男性Sさん、男性IKさん。
2日目は、男性IKさんが引き続き、関西某大学山岳部の学生IDくん。
全てのリード講習は、以前に比べて卒業基準を上げています。

例えば、クラックリード講習に関して言えば、

2年前は、プロテクションの少し難しい5.8以上をリード出来たら、というのが基準でした。

要するに、カムセット技術だけが卒業基準みたいなもんでした。
でも、これだと実際には、自分でクラックに行ってもリード出来ない人が、沢山いることが分かりました。

具体的には、卒業課題になりそうなクラックを、何度も登ってしまうため、カム戦略を記憶してしまうパターンです。

これだと、実際には岩場に行っても
・オンサイトトライ
・リードで、カムにテンション掛け掛けムーヴ探り

ということが、恐ろしくて出来ないみたいです。
それだと、トップロープでムーヴとプロテクション戦略を記憶してからリードするというスタイルのみになってしまいます。

で、そうなると
「プロテクション戦略を、考えながら登る」

という練習になりません。
いつもの話ですけど、安全を考えながら登るのが楽しいし、マルチや登山で役立つ技術だと思うのです。
で、卒業要件は説明困難な訳です。

同じルートをリードしても、
「ほとんど疑似リードしたことを忘れてて、頑張って考えながら登れてるな。」

というときは、卒業にしたりします。
逆に、かなり完璧に近いR.P.でも、

「覚えちゃってるから、他のルートに応用は出来ないだろうなー。」

と、感じたら卒業は先送りです。
リスク判断が得意な人の場合・・・

卒業課題が、結構ダメダメなリードでも、
・前回からの改善具合
・本人の反省点が実践的

ということを勘案して

「次回は、きっと自分で行ってもオンサイトトライを頑張れそうだな。」
という見込みで、卒業にしちゃったりしています。
実際、この1日目で、IKさんは卒業としました。
ま、実際にはリードしたルートは、疑似リード済みなので記憶も少々ありそう。

で、
「たぶん、次回から出来るでしょう。」
という見込み合格。
で、翌日は補習で、無名フィンガー(5.10aくらい?)のオンサイトトライ。

オンサイトは逃しましたが、テンション掛け掛けトップアウトする中に、本人なりのリスク判断がありました。
その判断、私から見て、おおよそ間違っていないという感じ。

私としても
「あー良かった。前日の見込み合格判定が間違ってなくて。」

と胸をなでおろす感覚。
結局、
「この人なら、何が危ないか、何を練習すべきかイメージ出来てて、大丈夫そうだなー。」

っていう、私の感覚からは抜けきれません(笑)。

でも、そう思いながらも説明せずにはいられません。
だって、卒業は講習生の目標になっている状態ですからね。
とりあえず、今回はIKさんのクラックリード卒業、おめでとうございます!

2014年9月15日月曜日

ひょんなことから、ワイドトレーニング

9月10日(水)は、まりさんとミズガキ。
例によって、適当に目星を付けた岩を登ろうの日。
が、しかし。

目星を付けていた岩塔を1P登ったところで、まりさんの肩痛が再発。
幸いなのか残念なのか、1Pだけで登れる岩塔だったので、降りてから様子見。
<隣には、先々週に登った岩塔が見える>

で、別ラインから、もう一度同じ岩塔へ。
今度は、まりさんリード。

しかし、やはり調子は悪そうです。
<フォローする、まりさん>

そこで、まだ午前中なので、近場のエリアに案内してもらいました。
<気持ちよく、頂上へ>

で、これがまたワイド天国。

まりさんは、ビレイヤーに徹するというので、片っぱしからトライします。
<2ライン目でも、同じ頂上へ>

まず、まりさんが気になりつつも、怖くて取り付かないというルーフワイドへ。

見た目に、傾斜が殺せそうです。
最悪、カム残置すれば敗退出来そうだったので、オンサイトトライしてみることに。

もしかすると、初登かも。
かぶってるし、コケだらけだし、濡れてるし(笑)。
<ルーフは、ちょっとカッコイイ>

が、ルーフ以前に、出だしのオフィズスが濡れてて5.10bくらいに感じます!

「ビショビショじゃーん。」
と、毒づきながらも、バカっぽさを楽しむ自分。
<地味ながら、本気>

で、後半のルーフは、予想通り傾斜を殺せて5.9?
ここは、乾いてます!
<後半戦>

ただ、抜け口も垂直の草付きみたいなのが出てきたり、さながら一ノ倉沢。
ヘルメットなして、ホールドにしている立木がすっぽ抜けたら、頭打って即死・・・、みたいなシナリオが何度も脳裏をよぎります。

30mの冒険ながら、最後まで充実でした。
<やはり、傾斜を殺せました>

あとは、まりさんオススメのワイド。

5.10aのオフウィズス、5.10aのフィスト~オフウィズスと登って、すでに限界近い感じ。

ダメ押しで、体感5.10c(?)のスクイーズチムニーをトップロープ課題として、テンション掛け掛けトレーニング。

もうヘロヘロで、1トライごとに終了点で懸垂下降する前に休憩が必要です。
最後は、立っているのもツライほど。

まりさんから
「これも、お口直しに良いハンドの5.10aだよ。」

なんて言われて、振り絞り便。

「え、やっぱ悪いじゃん!こんにゃろー!」

と思って、オンサイトして降りると

「これ、5.10aにしては悪くない?」
との言葉・・・。

未発表エリアだから、グレードなんてどうでも良いんですけどね!


マルチで遊ぶつもりが、7本も登って本気トレーニングになった1日でした。

2014年9月9日火曜日

今週末のお知らせ

①土日のクラックリード講習、両日とも空きがあります。
しかも、最近には珍しく、予報が良さそうです。

スケジュールをチェックしていない方のために、お知らせしておきます。


②月曜の祝日、遠方(三重県)の方からのリクエストにより、ジムでのムーヴ講習を行います。
通常、土日はクライミングや登山などにしており、ジム講習を受け付けていないので。

「有給を取らないと、当塾のムーヴ講習が受けられない。」
と思っている方、もしよろしければ御参加ください。

2014年9月8日月曜日

安定して登って欲しい

9月7日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性MJさん、女性ARさんのペア。
<取り付きにて>

講習で、
「出来るようになった!」

と思いたいものですが、

「自分って、こういうことが出来ないのか・・・。」

と思い知らされることも多いですよね。
<1P目は、まだ岩が濡れている>

先日、
「マルチピッチ講習を数回受ければ、自分の苦手が露わになる」
みたいなことを書きました(笑)。

で、苦手が1個、2個のうちは可愛いもの。

講習を受けるたびに、

「あー、これも出来ないのか!」

と思って来ると、自信喪失しかねません。
MJさんは

・前回の下降シナリオ
・前々回の時間管理
・それ以前にはロープワークの混乱多数

と、あまたの苦手分野を露わにしながら、頑張っております。
<ハンギング気味のビレイポイント>

で、今回ようやく少し安定的に、マルチピッチがこなせたように思えました。

・リードに関しても、敗退シナリオがある
・時間に関しても、リミット意識がある
・下降プランに関しても、第2案、第3案が考えられる余裕がある
・岩場全体の概念と現在位置が、イメージできてきている
・ロープワークも、次にやるべきことが見えてきている
<サル達の到着を待つ、ARさん>

本人的にも、ようやっとパニック的な気持ちなく、登れるようになったんじゃないかと思います。

「大抵の小さなトラブルは、本人の想定範囲内」
という状態になったので。
<稜線>

今回は、安心して見ていられたのですが、念のために卒業にはしませんでした。

理由は
①先週トライしたルートの後半部分だったので、オンサイト判断が少ない

②判断の話し合いは、ARさんの判断スピードが早いため、かなり引っ張られ気味

③そもそも、朝まで雨だったので、かなり易しいピッチのルートを私が選択
(歩き、みたいなピッチが半分くらい)

といったところ。
<プロテクションの効かないスラブ>

次回、少し難しいピッチを含むオンサイトルートで、今回くらいの戦略ができればO.K.だと感じました。

次回以降、意外な弱点が露わにならなければ!
ですけど(笑)。
<開ききったカムで、ハンギングビレイをしていて、びっくり>

話を戻しますと。

初のマルチピッチは、高度感と高揚感で、大興奮することでしょう。
山岳会の先輩に連れて行ったもらったりすると、最初はそれが一番だと思います。

でも、リード講習を卒業する頃には
「よし、ここは戦略通り!」

という精神的な余裕も持って、楽しんでもらいたいです。
<終了直下>

今回、少し余裕を持って登ることが出来て、本当に良かったですね。
<頂上に立てると、気持ちも違う!>

ARさんは、戦略的な判断は得意みたいですね。
ちょっと、楽観的すぎな気もしますが(笑)。

あとは、バッチリのカムが取れなかった場合にも、楽観的な気がします。

足場がちょっと良い時に、懸垂下降の手を離してしまうのも、楽観的なんでしょうか?

うーん、もしかして何でも楽観主義者?

でも、マルチピッチでは、シビアなリスク判断を心がけて欲しいです。
<気合いの入った懸垂下降>

ところで、

マルチピッチに関しては、MJさん、WNさん、ARさんと、だいぶ横並びですね。
それぞれ、得意苦手に差はあるものの。

ARさんが、1ヶ月前の講習から劇的に成長していたのは、ウラ塾のお陰でしょう。

2014年9月7日日曜日

クラックムーヴ講習は、過去すべてワイド講習

9月6日(土)は、クラックムーヴ講習にて、湯川。
なぜか、またまたワイド講習。

女性KKさん、男性YDさんのペア。
加えて、女性ARさん。
<バック&フットの練習>

クラックムーヴ講習は、もともとは、ちょっと難しいクラックを扱うために設定しました。

参加条件に、
「5.9以上のオンサイトorフラッシュを3本」
としているのも、

・プロテクション技術、リード技術は、最低限は持っている
・クラックリード講習では、5.9以下が密集しているエリアしか行けないので、それ以外のエリアに行く実力がある

という前提。
<オフウィズス練習で、燃え尽きた>

そこで、フィンガー、シンハンド、オフウィズス、チムニーなどを、申し込み者のオファーに応じて講習できるという見込み。

ところが・・・

実際には、今のところ
「ワイドクラックを教えて欲しい」

というオファーしか、来たことがありません(笑)。
<最後に、リードトライ>

きっと、ワイドが一番
「訳が分からない!」

と思うんでしょう。

他のサイズは

・フィンガー
フェース能力でも、ある程度ごまかせる
ロープワーク講習のオマケで、少しずつコツを伝えるチャンスがある

・シンハンド
ハンドが上達すれば、ある程度は出来るようになる

・フィスト
ハンドの延長で、最初から多少は出来る

って訳で
「すぐに講習受ける必要は、感じないのかな?」
と予想しています。

あと、
「マルチピッチ、ミズガキでは、ワイドが頻繁に出てくるから。」
ってことだろうと思っています。
<ムーヴが丁寧な、魔女さん>

たしかに、ワイドはコツを覚えていくのが、自力では難しい分野だと思います。

僕も、1ヶ月ヨセミテに行ったとき、長門さんと毎日ワイドの5.8、5.9とかのオンサイトでウォームアップしたのが、基礎を培ったなぁと。
長門さんが、ワイドも上手いので、ワイドムーヴについて毎日のように会話しました。

そこで、経験者のイメージを聞きながら、毎日ムーヴを修正していくだけでも全然違うと思うんですよね。

結局、そのツアーでは、ワイドは5.10aまでしかR.P.できませんでしたので、グレードはちょっとしか伸びませんでした(笑)。
でも、仕組みが分かっただけで、その後の練習も、楽しさが違うと思うんですよね。

何度も言いますが、ワイドは嫌いになる可能性があるので、早めに講習を受けるのも良いと思いますよ。



具体的な講習内容
・バック&フットの注意点あれこれ
(スタンスを積極的に利用、足を滑らせない努力)

・オフィズスムーヴの仕組み
(ニーロック、ヒール&トウ、アームロックとガストンで体を壁から離す工夫)

・オフウィズスサイズのカム(5番、6番)を使う注意点
(クラックの奥に決めるメリットとリスク、カムをずらすメリットとリスク)

2014年9月5日金曜日

やる気の初心者は、日本に溢れている

9月5日(金)は、リード3回目。
クライミング歴3ヶ月の男性SGさん。
<なんと、本日で5.9、5.10a、5.10b、5.10cとオンサイト。さすが、元野球部?>

昨夜0時は、10月分の予約受付開始でした。

で、今回は過去最高の混雑で、かなりの方を断ってしまいました。

これに関して、私が思うこと。

たぶん、この登山業界には、

「自立したクライマーになりたい。」
「安全な技術を身につけたい。」
「クライミングの幅を広げたい。」

と思う人が、あふれています。
<もちろん、ジムリード講習は卒業です>

ただ、現状では、それに対応するインストラクターが、圧倒的に不足していると思います。

というか、最近までは
フリークライミングと登山を別々の講習で学ぶしか、方法がなかったと思います。

フリークライミングは、ジムからクラックのリードまでを教えてくれるインストラクターに学ぶ。
登山は、雪山テント泊のプランニングから見てくれるガイドに学ぶ。

っていう。
で、最後のマルチシステムは、文部省の登山研修会にでも参加するぐらい?

というのも、アルパインガイドって教えるのが好きじゃない人が多いです(笑)。
で、山岳会の教え好きの先輩にも、当然「アタリ、ハズレ」があるでしょう。

まぁ、石田登山塾も、商売度外視じゃないと出来ないような仕事です。
でも、業界的には、もっとインストラクターが増えても良いように思います。



今、商売度外視の価格設定にして開業しちゃったインストラクターに、長門敬明さんがいますね(笑)。
トップレベルのアルパインクライマーなのに!
http://nagatoclimbingschool.web.fc2.com/index.html

もちろん、今井健司くんも。
普段から、一緒に登るときは講習時の教え方やリスク管理について、相談に乗ってもらってます。
彼の性格なら、将来的には僕より上のインストラクターになることでしょう。
http://www.kenshi-imai.com/


ちゃんとした基礎技術と考え方を持った初級者が、業界に増えたら良いな、と夢見る私です。