9月11日(木)、12日(金)は、湯川にてクラックリード講習。
1日目は、男性Sさん、男性IKさん。
2日目は、男性IKさんが引き続き、関西某大学山岳部の学生IDくん。
全てのリード講習は、以前に比べて卒業基準を上げています。例えば、クラックリード講習に関して言えば、
2年前は、プロテクションの少し難しい5.8以上をリード出来たら、というのが基準でした。
要するに、カムセット技術だけが卒業基準みたいなもんでした。
でも、これだと実際には、自分でクラックに行ってもリード出来ない人が、沢山いることが分かりました。
具体的には、卒業課題になりそうなクラックを、何度も登ってしまうため、カム戦略を記憶してしまうパターンです。
これだと、実際には岩場に行っても
・オンサイトトライ
・リードで、カムにテンション掛け掛けムーヴ探り
ということが、恐ろしくて出来ないみたいです。
それだと、トップロープでムーヴとプロテクション戦略を記憶してからリードするというスタイルのみになってしまいます。
で、そうなると
「プロテクション戦略を、考えながら登る」
という練習になりません。
いつもの話ですけど、安全を考えながら登るのが楽しいし、マルチや登山で役立つ技術だと思うのです。
で、卒業要件は説明困難な訳です。
同じルートをリードしても、
「ほとんど疑似リードしたことを忘れてて、頑張って考えながら登れてるな。」
というときは、卒業にしたりします。
逆に、かなり完璧に近いR.P.でも、
「覚えちゃってるから、他のルートに応用は出来ないだろうなー。」
と、感じたら卒業は先送りです。
リスク判断が得意な人の場合・・・
卒業課題が、結構ダメダメなリードでも、
・前回からの改善具合
・本人の反省点が実践的
ということを勘案して
「次回は、きっと自分で行ってもオンサイトトライを頑張れそうだな。」
という見込みで、卒業にしちゃったりしています。
実際、この1日目で、IKさんは卒業としました。
ま、実際にはリードしたルートは、疑似リード済みなので記憶も少々ありそう。
で、
「たぶん、次回から出来るでしょう。」
という見込み合格。
で、翌日は補習で、無名フィンガー(5.10aくらい?)のオンサイトトライ。
オンサイトは逃しましたが、テンション掛け掛けトップアウトする中に、本人なりのリスク判断がありました。
その判断、私から見て、おおよそ間違っていないという感じ。
私としても
「あー良かった。前日の見込み合格判定が間違ってなくて。」
と胸をなでおろす感覚。
結局、
「この人なら、何が危ないか、何を練習すべきかイメージ出来てて、大丈夫そうだなー。」
っていう、私の感覚からは抜けきれません(笑)。
でも、そう思いながらも説明せずにはいられません。
だって、卒業は講習生の目標になっている状態ですからね。
とりあえず、今回はIKさんのクラックリード卒業、おめでとうございます!