9月28日(日)は、マルチピッチ体験にて越沢バットレス。
男性SRさん、男性IKさんの2名。
マルチピッチは、場数が大事だと言われます。分かりやすい例として、
①ロープワークの手際
②トラブル対処の経験
③判断の経験
といった能力は、回数で伸びていきます。
ただ、講習をしていて、
マルチピッチ経験が0~数回ぐらいの人が、教えやすいのも確かです。
で、案外そういう人が、飲み込みが早いことも多いです。
逆に言えば、場数をこなす弊害ってやつです。
例えば、
・「スピード、スピード!」と先輩に言われすぎて、考えなしに手を動かす悪い癖が付いた。
というと、これを講習で直す必要が出て来ます。
他にも、
・先輩に色々なルートに連れて行ってもらったために、自分がオンサイトできる入門ルートが無くなってしまった
というパターンもあります。
オンサイトトライは、リスク判断しながら登っていく、貴重なものです。
しかも、当塾は、クライミング能力的には初級者レベルでもマルチを教えています。
(ジムで5.10台の人も多い。5.12aを登る人など、むしろ希少。)
そうなると、講習や卒業後に、自力で行くような入門ルートが無い!
という困った事態にも、なりかねません。
不思議な話なんですが、
「マルチを本当に覚えたかったら、リードを覚えられる実力が付くまで、なるべくマルチには行かない。」
という成長方法です。
これは、山の業界全体では、一般的じゃないでしょう。
でも、個人的には結構良いと思うんですよ。
0回は、ちょっと欲求不満になっちゃうので、なるべく少な目ぐらいで良いんです。
だからこそ、マルチピッチリード講習の参加条件が、クラックのオンサイト経験な訳です。
「あのルートは、昔トップロープで触っちゃったから、オンサイトじゃないんだよなー。」
なんて話は、よく聞きます。
とはいえ、ショートルートは世の中には、けっこう沢山あります。
(特に、ボルトルートは。)
沢も、雪山も同じなんで、連れて行ってもらうのも良いと思います。
ただ、クライミングの入門マルチが、日本には少ないので、連れて行ってもらうかどうかは要検討だと思うんですよ。
ちなみに、SRさんは体験講習2回目。
で、そんな考えで、講習出来るオンサイトルートを減らさないために、前回と全く同じルートで講習を行ったのでした。
「ちょっと刺激が弱いかな?」と心配しましたが、
システムや判断などが、前回よりもスッと飲み込めたみたいで、十分に満足していただけました。
登りも、前回よりは安定してきて、私のセットしたカムも見られたようです。
次回から、いよいよリード講習ですねー。
具体的な講習内容
・ギアの収納
・コールあり、なしの流れ
・1ピッチでのリード&フォロー、懸垂下降の流れを2回練習
・3ピッチで、実際にトップアウト
・1ピッチ目だけを、SRさんリード、IKさんリードで、1回ずつリード&フォロー練習