2017年1月7日土曜日

迷える私

大堂ツアーの終盤戦。
1日レストを挟んで、1月1日~3日。
<アプローチ中に見る、初日の出>

成果とは言えないのですが、印象深いトライがありました。
イースター(5.10d)のオンサイトです。

5.10dにしては悪いかも、という評判も知っていたので、用心して本気トライとして取り組むことに。
<これまた、トポには無いライン。登られているらしい。>

すると、やっぱり悪い!

「ムーヴもプロテクションも、予想と結構違うじゃん!」
「核心入っちゃったから、今更レストしにくいし、戻りにくいわ!もう、強引にパワームーヴで押しきっちゃうか!?」
「いや、でもそれだと次のプロテクションが・・・。」
「あ、予想外のレストポイント来た!考える時間は、辛うじて稼げるかも! 」
「そうか!こんな手もあるか!?」
「お、出来た!我ながら、よく思いついた!エライ!」

と、脳内劇場がスゴイことになります。
<前傾壁エリアの全景>

逡巡って、本当に楽しいなぁと思います。
そして、その逡巡を越えて、どうにか自分なりのムーヴや安全策なりを見出したときの達成感。

完登という御褒美がもらえると、自分自身の登りがドラマチックにさえ感じます。
<たしかに前傾してます>

もちろん、逡巡は一般的には時間ロス。

最高グレード付近のレッドポイントでは、極力排除するのが普通だとも思います。
オンサイトトライであっても、あくまで逡巡はオブザベ時間とか、レストポイントで済ませる方向で、核心部で逡巡するようでは、自分のフィジカルを活かすことは出来ません。

パンプ2で周りを見ていると、リードでテンポ良く登ることを推奨している人も多いですしね。
<これまた、適当なラインを>

実際、私もオンサイト最高グレード付近(5.11後半)を登れるときは、大抵レストポイントでの核心ムーヴ読みがバッチリ当たったときです。
そうじゃなきゃ、自分の限界ムーヴをこなせないです。

でも、5.10dでも突っ込んでみるまでホールドが予測できないルート、ってのは十分面白いですね!
R.P.じゃぁ、絶対レストしないような微妙な態勢で、どうにか頭を捻る・・・。
<ルート名なし(5.11b)>

あまりの達成感に、ロワーダウン後は周りの皆さんに、当時の自分の心境を語ってまわりたくなりました。
実際は、次のビレイなどの都合で、手早く片づけて準備する必要があったのですが・・・。

その日の風呂でも、テントでも翌朝も、当時の心境を思い出してはニヤリと笑いたくなります。
<易しい方の5.10dで、ハングドッグ中のカメチヨ>

でも、人間って忘れっぽいもので、2日後には気持ちは半減。
4日後の今は、「たしか、そんな心境だったはず。」という気持ちで書いているのです。
<2日目は、帰れずエリアへ>

この気持ちを味わうために、また逡巡しに行きますか。

自分のフィジカルの限界よりは簡単なんだけど、ムーヴが読みにくいとか、ホールドやプロテクションが行くまで分からないタイプが、この手の達成感が強いようです。
どこにでも、ありそうですね(笑)。
<熱風セレナーデを2P繋げて(5.10a)>

具体的に登ったルート
1日目:前傾壁エリア
・トポに無い5.10aぐらいのライン フラッシュ
・ルート名なし(5.11b/c) オンサイト
・ルート名なし(5.11b) オンサイト。これも、実は読みを外しまくって、「もうダメだ!いや、まだ何とかなるかも!」みたいな葛藤がすごい感じでした(笑)。
・ルート名なし(5.10dの易しい方) フォロー
<オールマイティ1P目(5.8)>

2日目:帰れずエリア
・熱風セレナーデ(5.10a、2P繋げて) フラッシュ。これ、辛くないっすか?
・オールマイティ(5.9、2P繋げて) フラッシュ
・イースター(5.10d、2P繋げて) オンサイト。自分の中では、最高の頑張り。

3日目:帰れずエリア
・イースター1P目(5.8) アップ
・モンゴサンタマリア1P目(5.11b/c) 2トライにて、R.P.。前日、何人ものトライを見ていたので、2トライとは言っても、5トライくらいしたような知り尽くし具合だった。
・南風(5.7) フォロー
<モンゴサンタマリア1P目(5.11b/c)を登ったS本先生>

私は全く生活力のない人間で、ツアーでは役立たずですが、お2人の力でどうにか大堂海岸に行くことが出来ました。
料理がほとんど出来ないとか、車のナビが苦手とか、下調べが嫌いとか。

そういう意味では、未だに自分自身が自立したクライマーではないのだと、常々心を突き刺すものがありますねー。
まぁ、ちょっとずつマシになりましょう。死ぬまでに、ちょっとマシになりましょう。

弘法大師さまと亀さま、ありがとうございます。
<アプローチは朝焼け>

<モンゴサンタマリアをトライする私>

<イースターをフラッシュする、S本先生>

<30mのチムニーを体験する、カメチヨ>

<お昼寝>

<今日は、明るいうちに上がります>