2017年1月4日水曜日

大堂海岸よいところ(序盤戦)

12月23日(金)~1月4日(水)は、高知県の大堂海岸へのクライミングツアーに行ってきました。
国内ツアーとしては、過去最大の日数です。

ゴッド先生ことS本くんと、カメチヨ料理長と。
<モンキーエリア>

あまりに期間が長く、写真も多いので、3回に分けて。

僕自身、大堂海岸は2年前に1週間ほど来て以来の、2回目です。
クラックツアー自体は結構好きで、神津の鼻、三倉、名張、三宅島と行ったことがありますが、大堂は大好きな部類です。
<スーパークラック(5.9)をオンサイトするカメチヨ>

まず、岩が好きです。

入門のモンキーエリアは、5.8~5.10cくらいが主体で、関東クライマーにとっての湯川みたいな初級エリアです。
スパッと割れた、プロテクションの取りやすいクラックが多いのも、オンサイトトライのハードルを下げてくれます。

ズラッと横並びのルートで、初級者にとっても、中級者の足慣らしにも楽しめる感じです。
それこそ、5.9とか5.10aのオンサイトトライできるかどうかの人でも、十分楽しめるエリアです。

しかしながら、岩の美しさ、ジャミングの快適さは、ミズガキの末端壁クラスじゃないでしょうか?

単純に、「クライミングって、楽しいねー。」と笑顔になれると思います。
<モンキールーフ右(5.10a)、このあとロープスタックの悲劇が>

一方で、それ以外のエリアは、ちょっとアルパイン風味な総合力系。

例えば、70mの懸垂下降で取り付く、2~3Pのマルチ。(最果てエリア)
海沿いの岩壁そのものをクライミングするので、終了点から降りる以外にはアプローチ困難という訳ですね。

これは、トップアウト出来なかったら、ユマーリングでの登り返しになります。

最初は、「登るために、アプローチでわざわざ下るなんて、違和感あるなー。」と思う人も多いでしょう。
私も、未だに違和感ゼロではありません(笑)。

とはいえ、普段やっているマルチより、むしろ難しいです。
ちょっとした怪我でも、ユマーリング出来なくなって、救助要請になっちゃうかもしれません。

私は、ちょっと緊張感高めに感じて、9割オンサイトできるくらいのルートでも十分満足な気持ちになります。気分は、本チャンなので。
ただ、ゴッド先生は、こういうのは得意みたいで、平静そのもの。自信でしょうか?

マルチ初級者なカメチヨは、こういうエリアはおっかなビックリ。ちょいちょい危ないミスをしそうになっては、注意されるという繰り返しで、凹み気味。
本人が悪いと言うより、オーバーグレードなエリアに付き合わせた、我々が悪いんですが。
<ビッグウェーブ(5.10b/c)>

他にも、終了点までは歩いてアプローチして、カムで終了点を作って懸垂下降してテラスに降り立つエリアなんかもあります。(前傾壁エリア)

1ピッチのエリアなんで、普通に本気トライをするんですが、どうしても帰りのことを考えてしまいます。
「あんまりフラフラになるまで登ると、帰りのユマーリング&荷上げ、ロープワーク、アプローチとかでミスって死んじゃいそうだなぁ。」
などなど。

今回は、S本くんの高いモチベーションもあって、アプローチは行き帰り両方ヘッデン行動という日が何回もあって、さながらアルパインでした。
<ぐいの実(5.9)>

この手のエリア、私は、どうしても本気トライが“ついで”みたいになりがちです。

本チャンの途中で、意外なほどプロテクションの良く決まる綺麗なクラックが出て来たから、
「落ちそうだけど、1トライ頑張ってみちゃう?」
といった心境です。

初めて行くエリアだと1日1本気トライでも満足、行ったことがあるエリアなら普段通り数トライやろうかなって気分です。
<モンキーロード(5.10c/d)>

ちなみに、城ヶ崎や三宅島は、潮の影響でヌメる印象があるのですが、あまりヌメりません。
たぶん、目の粗い花崗岩でザラザラしているので、多少のヌメりでも問題なく登れるっていう話だと思います。

スラブっぽいボルトルートとか、高難度クラックとかなら別だと思うんですが、そういうルートは無いようです。(主要ルートは、5.11cまで。)
それだけに、きっと上級者の方には物足りないのでしょうが。

5.11前半のオンサイトトライで必死になる(場合によっては、レッドポイントに数日掛かることもある)、私やS本くんレベルだと、まだしばらく楽しめそうです。
<2日目は、懸垂下降でアプローチ>

あとは、花崗岩って明るいですね。

安山岩、凝灰岩に比べて、私は見た目にもモチベーションが沸きやすいです。
<懸垂下降のトラブルを満喫する料理長>

最後に、地産品が素晴らしいです。

食に拘る2人のお蔭で、魚、野菜を大量に使った食事で健康になることが出来ました。
山田鮮魚店が、クライマーの間ではオススメされているようで、我々も通いました。

レスト日に、道の駅に行くのも良かったです。
<本気トライ前>

という訳で、また宿題が残ったという部分もあるのですが、宿題が無くても行きたいぐらいのエリアだと感じています。

関東からは最果てのクライミングエリアという印象ですが、一見の価値はあると思いますよ。
<大ルーフ(5.11c)をトライするS本くん>

1日目:モンキーエリア
まずは、足慣らし。

・モンキールーフ右(5.10a) 再登。実にスパッと切れた、快適なクラック。
・モンキールーフ左(5.10a/b) 再登。下部を左フェースにあるクラックから登ってみた。このルート、やや辛く感じる。
・ビッグウェーブ(5.10b/c) フォローで再登。
・ハートブレイク(5.11a/b) この日、1回だけの本気トライ。
オンサイト。厳密には、その前にビッグウェーブから懸垂下降するときにクラックの草を軽く掃除がてらカムセットしやすそうなポイントを確認しちゃったので、フラッシュに近いかも。とはいえ、一部分クラックが途切れるために、ランナウトさせられて痺れるトライだった。一応、落ちても大丈夫なランナウトではある。

・岡山ルート(5.10c) 再登。サイコキネシスを登りやすくしたようなスパッとした割れ目。また登りたくなった。
・ムセイクラック(5.10a/b) 下部のみオンサイト。上部は、セイシクラックに合流。プロテクションが怖い系の5.10台に感じた。これは、初級者向けじゃないかな。
<トポに無いワイドをトライする、カメチヨ>

2日目:ハーバーエリアの大ルーフ周辺
・無名ルート(5.9) フラッシュ。やや怖し。このエリア、モンキーとは違って、グレードギリギリの人が取り付けない5.9とかが多い印象。

・大ルーフ(5.11c) 2トライして、ムーヴ解決。2年前のリベンジだが、登れそうな手応えまでは、届かず。
<弘法大師と亀、ゆかりの地>

レスト日:足摺岬

小雨が2日間も続いてしまったので、レストにも飽きて、半日ほど観光。
足摺岬は、弘法大師ゆかりの地だそうで。

岬から前方150mほどに離れた干潮時だけに出てくる岩に通うために、亀を呼んで乗ったという伝説があります。
<亀>

せっかくなので、弘法大師に「お亀さーん」と呼んで欲しくなりました。

詳しく知りたい方は、弘法大師と足摺岬で検索してみてくださいませ。
<カメラから逃げるゴッド>