2016年11月8日火曜日

それぞれが描くクライマー像

11月6日(日)は、岩場リード講習にて、天王岩。
男性STさん、女性WMさん、女性MMさん、女性TMさん。
<ムーヴ練習>

私が考える“自立したクライマー”ってのは、スポーツ系の初心者からするとハードルが高いようです。

例えば、終了点。
ボルトルートでは、残置ビナでクリップするだけでロワーダウン出来ることが多いです。
が、結び替えか、まれに懸垂下降のこともあります。

そのエリアに詳しい人に連れて行ってもらえば、事前に
「ここは結び替えだよ。大丈夫?できる?」
と聞いてもらえるでしょう。

ただ、自分と同レベルの経験値の人と、オンサイトで取り付くためには、
「今回は、終了点見えないからなぁ。一応、懸垂下降のセットも持っていくかぁ。」
といった判断が必要になります。
(特に、クラックエリアでは懸垂下降のパターンも多い。)

当塾では、ここまで求めることにしています。
<クラックジョイ>

他の例だと、リード技術そのもの。
ボルト間隔が遠いルートや、クリップが厳しいルートもあります。
こういうリスク対処は、山屋とかトラッド系の領分みたいで、避けたがるのも無理ないと思います。

やはり、連れて行ってもらえば、
「このルートは、ちょっとクリップ遠いから、長ヌンチャク掛けておこうか?このルートより、あっちのルートの方が、同じグレードでも登りやすいよ。何なら、トップロープ掛けてあげようか?」
といった助け舟が期待できます。

しかし、当塾は同レベルの人と岩場に行けることを目標にしているので、易しいセクションでは落ちないように登る技術も求めます。
ついでに、実力以上のルートに取り付いたとしても安全に敗退できるように、というところまで求めます。
<「レストが苦手なのを克服したい」>

これって、育った畑によるところも大きいですよね。

同じ初心者でも、
“どうせやるなら、それ位の意識でやりたいよね”っていう人、
“石田さんの言うことは、厳しすぎる”っていう人がいます。

スタンスの違いでしょうか。
<大盛況>

ちなみに、必ずマスタースタイルで取り付くべき、とかそういう話ではありません。

人気エリアでは「ヌンチャク掛かっててラッキー。」と思ったって良いんですけど、「ヌンチャク掛かってなきゃ、初見ルートなんて嫌だ!」ってならないよう自制するのが自立したクライマーでしょ。

という、私の考えです。
<懸垂下降の練習>

こういう話になると、
「例えば、自力でマルチに行くんだったら、そんなの当たり前に出来なきゃいけなくって。だから、そいういうのも避けてちゃ良くないと思うんです。」
って言いたくなるものです。

ただ、これは私が岩場リード講習、クラックリード講習、マルチピッチリード講習、っていう順序でカリキュラムを組んでますからねー。
マルチを想像しなさい、というのもチョット無理があります。

どこまでマルチの話を出すかは、いつも頭を悩ませながらです。
<涅槃の風>

具体的な講習内容
・ムーヴ講習
・トップロープで、レストなどの練習(MMさん、TMさん)
・リードで落ちる練習
・終了点作業練習、実際に立木での懸垂下降も(STさん、WNさん)
・実践本気トライ
STさん:クラックジョイ(5.9) オンサイト、涅槃の風(5.10b) テンション掛けてムーヴ解決
WNさん:蝉時雨(5.10b) 2トライして、ムーヴ解決
MMさん:クラックジョイ(5.9) オンサイト

さて、WNさんは今回で岩場リード講習を卒業といたしました。
彼女も、このハードルが厳しいと感じる1人でしたが、よく我慢してくださいました。ありがとうございます。