11月3日(木、祝)は、岩場リード講習にて、天王岩。
さすがに、暖かいです!
女性NMさん、男性SKさん。
ごくたまにですが、「リードしなきゃ上手くなんないよ。」と言って初心者さんにハッパを掛けているジムの常連さんを見かけます。“初心者にリードを勧めるリスク”という問題はさておき、この話って皆さんどう思いますか?
一般論としては、
「ムーヴ練習は、墜落のプレッシャーが無いトップロープこそが、練習効果が高い。」
といった話があるだけに、不思議な感じです。
でも、経験的には、1つの真理を突いていると思います。
本日の講習生から出た意見としては、
「リードの方が余計な保持力とかを使うから、筋トレ的に良い、とか?」
ってな回答。
これは、たぶん本質じゃないと私は思います。
参考意見として、アイスクライミングの本なんかには、
「アイスボルダーやトップロープは、リラックスした状態でムーヴを学ぶのに良い。」
と言いつつ
「リードしないと雑になりやすいから、リードした方が良い。」
とも書いてあります。
アイスほどじゃないにしろ、リードだと色々慎重になる、ってのがプラスに働くのはあるでしょうね。
(初級編は、ここまで。)
中級編として、リードの本気トライは、それ自体が素晴らしいトレーニングだという話もあります。
まずは、よく言うのは集中力の違いです。
リード中は、オブザベ、レスト、ムーヴ、全てに真剣です。
練習は、量より質。1日で10本のトップロープより、3本の本気トライ、という話です。
次に、リード技術への慣れ、という話。
クリップのみならず、墜落距離の計算、落ちる態勢が上手くなることで、今すぐにグレードが伸びなくっても、数年後にはリード中にムーヴに集中できるような余裕が出てくる、という話。
初心者には気の遠くなる話ですが、3年先を見据えて練習するのは良いことです。
これだけでしょうか?
もっと、他にもあるかもしれません。
最近、僕自身もリード技術の伸びしろを感じているので、ちょっと気になっていた話題でした。
個人的には、
「一見すると恐怖とかでムーヴに集中できないように見えるけど、頭フル回転させているのが、長い目では良いんだろうな。」
と暫定結論にしています。
一応、誤解を恐れてマニアックな補足です(笑)。
①トップロープの優れた点を、全否定する気は無いです。ショートルートの場合、リードって基本的には達成感を得るためのスタイルだと思うのですが、練習方法としても結構イイ奴なんですよ、という話。
②毎回オンサイトとかレッドポイントが掛かっているくらいのルート(つまり数トライで登れるくらいの、手頃な難易度)も、本気トライの肥やしとして素晴らしいんじゃないでしょうか?
ただ、10便以上も掛けてレッドポイントするのは、それはそれで別の練習にはなっているし、達成感は凄まじいので、否定はしません。(30便とかになると、達成感はすごいけど、クライミング全般の練習としては相当疑問だなと、自分の経験的には思います。)
さてさて、本日の講習生との会話から出た内容だったのに、後半で一気に中級者向けになってしまいました。
本日の2人だけをターゲットに話すなら、
「リードだと慎重で丁寧に登るから、練習にも良いんですよ。将来、マルチとかにも活きますよ。」
だけで十分だった気もしますが・・・。