2016年11月29日火曜日

ハングドッグの誘惑

11月29日(火)は、自分のクライミングにて、太刀岡。
N田くんと。
<秋晴れ>

本日は、スーパーラット(5.12c)をやってみることに。
実は、3年前に今井先生とカリスマ(5.13a、スーパーラットと8割方共通ライン)を1日触っているので、大部分は触ったことがある状態。

そのときの印象からして、「3年経った今なら、スーパーラットはR.P.できるかな。」という目論見。
<日向でもダウン必須>

で、1トライ目をダメ元で本気トライするか、それとも最初っからハングドッグして省エネムーヴを探っちゃうか、迷います。

ザッと解説しますと。

ハングドッグとは、テンション掛けてぶら下がって、ムーヴやホールドを探ることです。
で、これに慣れると、落ちる前にテンションコールしまくりです。
すると、落ちると数メートル落ちるものが、テンションなら数十センチしか高度が下がらないため、ムーヴ探りの効率アップ!
さらに、粘る前にサッサとテンション掛けることで、細かく分割して練習することが出来ます。(パート練習、分解、バラし、などと呼びます。)
つまり、様々なムーヴを試す上では、省エネそのもの。
<お騒がせしました(5.11d/5.12a)>

メリットとしては、R.P.までの最短経路を突っ走れることです。
トップロープやプリクリ連発こそしていなければ、フォールを何度も経験することが出来る、という副次効果も期待できます。

デメリットとしては、1トライ目からこの戦略を使いたくなってしまうことです。
「ダメ元でも、1フォールするまではトライするくらいが、クライマーのあるべき姿なんじゃないのか?」
と、先輩方に問いかけられているような・・・。
<スーパーラット(5.12c)>

だから、この方法自体を潔しとしなかった歴史的な経緯もあるそうです。

落とし所として、
「1テン入るまでは、無理めだと思っても頑張る。以降は、ハングドッグのメリットを存分に活かす。」
というのが、よくあると思います。

「こりゃぁ、完全にバラすしか、自分レベルにはR.P.の道は無い・・・。」
と諦めたときは、意図的に1ピン目から最終ピンまで全てテンション。いわゆる各駅停車で、バラすこともありますけど。
ちょっと、罪の意識も感じつつ(笑)。

例によって、講習生向けというには専門的過ぎましたかね。
初心者は、オンサイトトライとハングドッグの両方を練習しましょう。ある程度出来れば、この辺の話もイメージ出来るかと思います。
<お騒がせしました、を完登するN田先生>

具体的に登ったルート
・チェリー・ブラッサム(5.10b) アップのつもりが、痛恨のフォール。ロープを抜いて再トライするも、またもテンション!さらに再トライして、どうにか再登。うーむ、5.10b侮るべからず。
・詫び状(5.10d) 再登。今度こそアップ。
・モダン30(5.10c/d) 再登?アップ

・スーパーラット(5.12c)
1トライ目:
せっかくなのでトライしてみるも、2~3ピン間で呆気なくフォール。以後、ハングドッグして、ムーヴの再解決。

2トライ目:
一応、繋げトライ。が、やっぱり4ピン手前で呆気なくフォール。以後、ハングドッグして、ムーヴを省エネ化。

3トライ目:
最終トライ。が、4ピン手前で呆気なくフォール。ただ、良い感触はあったので、そのまま降りて10分ほど休憩。

4トライ目:
泣きの最終トライ。4~5ピン間で、フォール。一応、1テン。