2014年3月24日月曜日

ルートファインディング練習

3月23日(日)は、越沢にてマルチピッチ体験。

2週間後、マルチリード講習を控えた男性STさん。
(初のマルチピッチ)

2年前にマルチ体験を受けて、それからの成長を感じたいという女性ARさん。
(マルチピッチ2回目)
<マルチピッチ初めてながら、落ち着き払ったSTさん>

マルチピッチ体験と一口に言っても、参加者のレベルによって、講習内容は全く違います。

参加条件ギリギリの、
「ジムのリード&ビレイが出来る」

という人であれば、90%はガイド山行です。

セルフビレイの取り方、今後の流れくらいを説明して、あとは頑張って登るのみ。
<城ヶ崎で、懸垂下降には慣れてきたARさん>

今回は、クラックリード講習を卒業して、マルチピッチリード講習を念頭に受講するパターン。

その場合は、私がやっているリードの作業を理解してもらうのが、主目的。
<ルートファインディング練習中>

とりわけ重要なのが、ビレイ点ごとに

「ここから、どこを登ったら良いと思いますか?」

と、ルートファインディングすることです。
<2年前に苦労したピッチを、楽しむレベルで抜けられたARさん>

マルチピッチ講習は、残置無視で行いますので、

「どこに、プロテクションが効くのか?」
「行ってみて、ダメだったらどうする? → 別ラインに移動できるか?、敗退出来るか?」

といった予想を立ててもらいます。
<余裕のSTさん>

で、そのラインが無茶ぶりじゃなければ、私もなるべくそこをリードします。

(越沢バットレス、三ツ峠などは、残置無視でも数多くのラインが取れるので、講習生によって考えるラインが異なります。)

で、そこをフォローしてみることが、本人にとっての答え合わせになるのです。
<ビレイポイントでも、笑顔>

これって、雪山、地図読みなんかでは、教え方の常套手段です。

でも、マルチピッチだと、やっているパーティを見かけません。

「リーダーも緊張して、ついつい急いで登りがち。」
「残置を使っていると、そもそもルートファインディング練習に適さない。」

ってのが、理由だろうなぁ・・・と。
<最終ピッチ>

でも、この教え方、個人的にはメチャクチャ効果を実感します。

フォローでも、主体性が出て、恐怖心も軽減します。
<カム回収が出来ず、STさんがロワーダウンで応援回収する場面>

唯一の問題は、他の残置使用パーティーが2時間で抜けるルート。

それを、ちゃんと教えながら登ると、4時間近く掛かること・・・。
<無事に回収成功>

でも、そのゆっくりで、半年、1年先の2人が飛躍的に成長していると思うんです。
<アニメのキャラでも行ける?>

「ゆっくり考えた方が、飛躍しやすい。」

不思議な感じですが、世の中一般でもそうらしいですね。