3月16日(日)は、岩場リード講習にて湯河原。
ジムのリード講習から受けている、女性MTさん、男性OGさんのペア。
同じく、女性SGさん。
補習で参加の、女性TZさん。
<梅の宴>
岩場のボルト間隔は、ジムよりも遠いです。
「ここで落ちたら」と思うようなランナウトも、日常茶飯事。
「なんで、そんなに遠いんだ?もっと、沢山打てば良いのに。」
という初心者のために、理由を説明します。
(2年前くらいにも、同内容を書きましたが)
<安定感を得るため、午前中はムーヴ講習>
「なるべく、自然のままの岩を登りたい。」
っていう思想があります。
フリークライミングが、
「ロープは安全確保の手段で、ロープを掴んで登るのはダメ」
というのも、その一例。
同じ流れで、
「なるべく、ボルトは打ちたくない」
というのが、ミニマムボルトという考え方です。
出来ることなら、未踏の岩峰を登るが如く、ボルトのない壁で遊べたら冒険的で楽しい!
っていう話。
(関東近郊だと、ミズガキ、小川山がこの考え方が特に強い印象。)
<アブラカダブラ(5.10a)、TZさん>
だから、なるべく少ない本数だけボルトを打つのは容認しましょう、という話。
で、この
“なるべく少ない本数”
っていうのが、初心者泣かせです。
<リード講習中>
ちなみに、
「裏から回って立木でトップロープを張れば、ボルト打たないで済むじゃん!」
という意見は、ごもっとも!
でも、クライミング業界では、リードこそが完登と認められています。
ボルトを打ってでも、
「下から登る!」
っていう冒険性を優先した、その結果です。
<ジムでは、イレブン様のMTさんも、安定感はまだ無い>
5.9のルートなら、5.6くらいのセクションは、ボルトが無かったり。
5.11aのルートなら、5.9くらいのセクションは、ボルトが無かったり。
当時の人は、もともとアルパインクライマーだったということもあって、
「落ちない安定度」
ということに対する拘りも、今よりも強かったんだと伝え聞きます。
だから、スラブなんかは核心部にしかボルトが無い!
なんていう、鉄の意思を感じるルートもあります。
<ジムでトゥエルブ様のOGさんは、さすがに半日で安定してきました>
だから、ミニマムボルトは初心者泣かせ!
私自身も、
「このボルト間隔でトライできないような下手なヤツは、このルートはまだ早い!」
と、手厳しく追い返されることはあります。
<トウェルブ様でも、5.10aのO.S.で嬉しそう!>
でも、これこそが
「安定感のあるクライミング」
を習得するチャンスかと思います。
特に、当塾講習生はマルチピッチやアルパインを目指している方が、大部分。
だったら、安定感のあるクライミングは、必修科目です。
安定度が上がっていく、という上達を感じながら、クライミング文化を味わってみましょう。
具体的な講習内容
・ネコ足(足指をズラして、微調整)
・指の脱力(ホールドに、肉を引っ掛ける感覚)
・一手一手、安定させる意識
・ヌンチャクの向き(ウィップフラッシュ現象)
・簡単なルートでリード練習
・リードで、落ちる練習
・実践本気トライ
OGさん:アブラカダブラ(5.10a)をO.S.、フック船長(5.10a)をフラッシュ
SGさん:アブラカダブラ(5.10a)をフラッシュ
TZさん:アブラカダブラ(5.10a)をR.P.、フック船長(5.10a)をR.P.
<ジムでも5.10aのSGさんも、5.10aをフラッシュ!これは、凄いこと>
という人は、習った方が早いと思いますよ。