10月28日(火)~31日(金)は、三宅島にクラックツアー。
IT部長こと、えのきど先生と。
三宅島には、クラックが豊富にあります。これまで登られているだけでも、50本ほど。
しかも、それが3つのエリアに集中しております。
その横並びっぷりは、湯川か、城ヶ崎のファミリー、大きめのエリアは十一面岩末端壁のようです。
<ビードロ模様>
今回の10月末は、暑過ぎて日陰を探すレベルでした。
真冬は波が高いらしいので、11月や3月~4月が良さそうです。
岩質も、ちょうど城ヶ崎と同じ。
驚くほどクラックが横並びなので、プロテクションの良さそうなラインを選んで取り付くことも出来ます。
<偶然に遭遇した、富士山仲間のM本さん夫妻>
今回は、新規開拓を含めて27本(?)のクラックを登りました。
(半分以上は、10m前後の短いルートでした。)
それらのクラックでは、ジャミングだけでなく、ニーロックなどのワイド系の足技まで楽しませてくれます。
<ルートが長いPO壁>
5.9以下は、かなり少なめ。
ただ、5.10bくらいでも、プロテクションの良いルートも多いです。
なので、5.10bくらいが限界グレードでも、チャレンジできる岩場だと思います。
もちろん、ファミリーや湯川の5.10台を全てR.P.しているくらいなら、余裕を持ってルートを選べるでしょう。
ルートは、短いエリアだと7m~13mくらい。
長いエリアで、20m~30mくらい。
短いエリアが、ファミリー。
長いエリアが、末端壁。
というくらいの充実度です。
また、今回開拓した新鼻(にっぱな)は、終了点用のボルトを打っておりません。
トップアウトできるからなんですが、抜けると、そこは溶岩台地・・・。
頑張って下降用の分散支点を作って、下降。
それを、あとから裏から歩いて支点回収。
ということを繰り返しました。
このエリアは、5.10台前半が中心ですが、ファミリーや湯川なんかとは違う緊張感があります。
立木が無い分、ミズガキよりも厳しく、手間が掛かると感じました。
そういう意味では、中級者以上のエリアかもしれません。
私が初登したルートも7本(?)あるんですが、これを読んでる講習生には、近寄りがたいエリアかなと思います(涙)。
マルチピッチリード講習を卒業してから、最低1年くらいは自力練習してからが良いぐらいかな~。
なんせ、終了点すら無いから、グレード見ないでオンサイトしたら、初登と全く同じ条件という意味では面白いです。
<積木くずし(5.10a)>
まぁ、今回開拓のエリア以外は、終了点にボルトがあります。
なんで、湯川くらいの5.10台、5.11台が充実したエリアへの修業の旅、と割り切っても楽しいでしょう。
また、三宅島の開拓自体が2009年から始まって、そこから島民の方々がクライミングに興味を持ってくれて、いまや三宅島フリークライミングクラブという活動まであるそうです。
「これが、三宅島に人を呼び込むきっかけに」
という思いまである活動です。
菊池さん、山野井さん、といった有名どころの開拓も宣伝効果はあるようでした。
が、IT部長がシステマチックに支えているのも、HPだけではありません。
三宅島に人を呼びたい心は、写真の被写体になる様子にまで伺えました。
<「人が写ってた方が、良い写真になるでしょ」とまで言ってくれる、IT部長>
私の主観なので、悪しからず。
宿は、夕飯が大変美味しかったです。
私以外の3名がそう言っていたので、間違いないと思います。
薄木荘というところが、岩場から近くて、クライマーにも慣れていて、オススメです。
スーパーはありますが、“すあま”や団子の類は売っておりませんでした。
景色は、城ヶ崎とそっくりです。
また、その場にいた他のメンバーは、「ロケーション最高!」と、私がミズガキで喜ぶように嬉しそうでした。
温泉、アクセスなどに関しては、三宅島フリークライミングクラブのサイトが親切極まります。
<イルカと泳げると噂に聞く、御蔵島が見える>
<プリクリップみたいに見えますが、届く範囲にプロテクションを決めて、シットダウンっぽいハング越えを楽しむという遊び>
私には島旅の良さはよく分かりませんが、クラックだけでも十分に面白いので、一度行ってみる価値があると思いますよ。
なんせ、東京からは実は近いのです。
<ハング越えの後は、普通のクラック>
しかも、クライマーが来て喜ばれる島。
そんなの、日本には他に無いかもしれませんね。
<5.10aくらいながら、美しい上部>
<帰る間際まで、とても協力的な部長>