2014年11月26日水曜日

危うい場面3つ

11月24日(月)は、マルチピッチリード講習にて、越沢バットレス。
女性ARさん、男性HYさんの2名。
本日は、私も含めて3人ともに危うい場面がありました。

マルチピッチをやらない人には、とても分かりにくい内容ですが・・・。

時系列順に。

①ARさん
リード中に、テスティングで、カムが抜けるという場面。

このとき、ノーハンドで立てるくらいのスタンスだったこともあり、もう一方の手でホールドを持っていなかった。

カムが抜けた瞬間、身体が一瞬はがされそうになる。

もしも、落ちていたら大怪我する可能性90%くらい。
背景:

ARさんは、ハーケンの回収などでも、同様にはがされそうになる場面が多い。
回収の場面はフォローなので、大きな問題にはならないが。

この手のパターンに、気を付けましょう。
<快適なピッチ>

②HYさん
リード中に、ランナウトした状態で、クライムダウンできない(無理にすると、落ちそうな)状況に追い込まれてしまった。

そこから3メートル先の立木まで、思い切ってランナウトして突破。
Ⅴ級(5.8)程度とは言え、かなり冷や冷や。

落ちていたら、大怪我する可能性大。
背景:

普段は、ちょっとしたランナウトも恐れるHYさん。

ただ、今回は心理的に突っ込みたくなる要素があった。

・ここ3回ほどの越沢通いで、
「突っ込むと、意外とホールドが出てきたり、意外とカムが効いたりすることが多い。」

ということに慣れていた。

・また、懸垂下降中にラインを確認していたことで、
「簡単そう。」

というイメージ先行になっていた。
<核心部は、ARさんが突破>

③私
連続懸垂下降の最中、立木でセルフビレイを取る場面。

トップで降りたHYさんが掛けたスリングに、自分のセルフを取るというだけのシーンで、通し間違い


もし、そのまま気づかずに、HYさんがセルフを外していたら、私は地上15mからグランドフォールしていた。
たぶん、死んでいたミス。

セルフビレイを掛けた1分後くらいに、自分で気づき、すぐに修正。
<「悪いじゃないですかー!?」>

背景:

ちょうどその場面で、他にもチェックしたいことが複数あった。

立木の強度、HYさんのセルフビレイの取り方、連続懸垂下降の効率化する手順、など。

一番ミスが少なそう自分のセルフビレイに関して、チェックがおろそかになった。
<「そお?」>

どのミスも、やってはいけないのは当然分かっています。

でも、ふとした隙にミスは訪れます。

特に、私のセルフビレイの取り違いは、重大なヒヤリハット。

HYさんなど、
「石田さんのお蔭で、もの凄い勉強になりました。」

という感想(笑)。
<1本目のトップアウト>

この3つのミスから、どうやって反省すべきか?

いくつかの反省方法が浮かびますので、皆さんも考えてみてください。
<懸案のテスティング場面>

さて、本日のクライミングに話を戻すと。

2人で協力して、見事に1ラインをオンサイト!

「もしも、ルート名を付けるとしたら?」
という問いには

“小悪魔チムニー”

ということに。
<複雑な表情>

時間に余裕があったので、途中まで懸垂下降して、別ラインを2ピッチ登ることに。

そこで、1ピッチ目のARさん、2ピッチ目のHYさんで、上記の事件が・・・。

2ピッチ目は、オンサイトだったため、

もしもルート名を付けるとしたら
“恐怖の滑り台”

という回答でした。
<恐怖の滑り台>

ARさん、HYさんは、だいぶ越沢に詳しくなりましたねー。 
<「なんで、こんな悪いとこ行くのー!?」>

<「生きてて良かった。」>