2014年11月5日水曜日

弱点とポジティブに向き合える2人

11月3日(月)は、マルチピッチリード講習にて、越沢バットレス。
火の玉ボーイズの2人で、男性IKさん、男性FKさん。
<アニキ&組長>

マルチ講習は、煮え湯の連続です。

MJさんの卒業の回でも書きましたが、出来ない自分を痛感させられることが多い!

それを、どう克服していくかが、この講習のカギになっていると思います。
<まずは、ロープワーク講習>

で、今回がリード講習初回の2人。

まず、ロープワークそのものが、不得意気味。

マルチピッチ云々以前に、ロープを置いたら、そこで若干絡んじゃいます。
もちろん、システムの方も、かなりゆっくりと理解していく状態。

できれば、ロープワーク講習で補って行きたいし、本人も受ける気持ちはあるのですが、なかなかタイミングも合わず。
<ロープ操作に四苦八苦>

となると、本日もロープワーク中心にならざるを得ず。

まず、2時間ほど地上でロープワーク講習。

それから、1ピッチ目をリード&フォローして、懸垂下降、という流れを3セット。
毎回、オンサイトっぽいピッチをやってもらうこともあり、1セットあたり2時間くらい。
<リードでは、ロープが大屈曲してしまう経験が積めました>

つまり、これだけで8時間+休憩時間で、もう夕方でした。

1日目って、本当にたいしたことは出来ません。

3日目以降の人と1日目の人が組んだときは、3日目以降の人が大体のピッチをリードして、1日目の人が簡単なピッチを1つだけリードする程度だったり。

ほとんどは、リードのイメージトレーニングと、ロープワークのシステム理解に終始する訳です。
<とはいえ、アニキがリードしたのは、結構な難易度のピッチ>

ま、レアケースとして何人かに1人くらいは、これ以上の内容をやることもあります。

ただ、半分以上は、こんなものです。
<ここでもまた、システムとロープの絡みに四苦八苦>

ただ、初回は驚くほど遅くても、3回目くらいには大分早くなります。

どんなに遅くても、自分で一通りの流れを考えて実践することが、上達の早道です。
<予報より、かなり好転した3連休後半>

今回、IKさんは、昼2時の段階で
「まだ、ほとんど何もやってないのに、もうこの時間か!?」

と、本当に悔しそうな表情。

とはいえ、
「焦っても仕方ない。早く覚えれば良いってもんでもないですから。」
とは、IKさんが常々口にする言葉。

火の玉ボーイズ、実はクールです。
<登竜門的なピッチで、組長のオンサイトトライ>

一方のFKさんは、割と楽観的。

「正直、私は来春からマルチ講習を始めようと思っているので、今回は体験版みたいなものですから。」
「大体、自分が想像していた通り。案の定の出来ないことが露見して、それが確認できて良かったです。」
「マルチは、出来るようになってきたら、今までのクライミング分野の中で一番楽しそうではありますね。」

という、ポジティブな感想ばかり。

さすが、講習生最年長クラスながら、2年足らずでマルチピッチリード講習まで来ただけのことはあります!
<マルチっぽい雰囲気に、少し興奮気味でビレイするアニキ>

2人の反応、これって模範的な練習態度なんじゃないかと思います。

・ハイペースで成長しなくても、焦らないで1つ1つ潰して行く。
・出来ないことを受け入れつつも、ポジティブな気持ちで克服して行く。
<登竜門は、プロテクションも良好>

練習態度って、クライミングに限らない話ですけど、やっぱり重要ですね。

身体能力や知能指数よりも、取り組み方こそが1年後の講習進捗状況を決めているように思えてないないのですよ。
<懸垂下降も、ロープが絡むタイミング>

マルチピッチリード講習は、半年、1年に渡って続くこともあります。

火の玉のようでいて、着実な2人なら、必ずやモノに出来ると思います。
<ロープに振り回されながらも、得るものの多い1日>