11月9日(日)は、マルチピッチリード講習にて、越沢バットレス。
女性ARさん、補習にて男性HYさん。
<オブザベタイム>
ただ、そのトラブルそのものよりも、その起こり方や対処方法が気にかかりました。
で、それを指摘しました。
かなり専門的な内容になりますが、例によって分かる方だけでも・・・。
<立ち姿は、ベテランっぽい>
懸垂開始する上で、同ルート下降を選択。
1P目は、どこでピッチを切るべきか、記憶はあやふやな状態。
懸垂開始すると、ものの10mで見えなくなる上に、声も届きにくい状況。
こんなケースで、ARさんがトップで懸垂下降するのは、初体験。
が、ほとんど打ち合わせらしい打ち合わせもせずに、スタート。
<必死で、1P目を突破>
ピッチを切る場所は、問題無くみつかった。
が、そこで次なるトラブル発生。(ケース2)
声は届かず、姿も見えず。
上のHYさんは、
「なんで、こんなに時間が掛かっているんだろう。」
と不安が募るばかり。
<フォローのARさんは、意外と余裕>
“初心者がトラブルを起こしやすい状況、トラブルになったら話し合いも出来ない状況”
っていう認識自体が、なかった。
そして、そのことは下山してからも、反省として浮かび上がらなかった。
<狭いテラスでの作業>
ルベルソを付けている環付きカラビナが、安全環の締まり過ぎ状態になってしまい、開かなくなった。
<スラブっぽいピッチ>
10分くらい開けようと頑張るのを、HYさんを上で待たせたまま、何度も繰り返す。
私から、
「そういうことって、ありますよ。家に帰って、クレ556でも使わないと、開けられないですよ。」
とアドバイスしても、
「私は、まだムンターヒッチとか知らないから、ルベルソが無いと降りられなくて死んじゃう。」
と頭は真っ白。
そんな中、
“もう1つ別の環付きを使えば、ルベルソは引き続き使える”
という小技に偶然気づき、事なきを得た。
<高所作業でも、笑顔>
下山してからも、「ムンターを覚えよう。」という反省だけが焦点化。
ただ、それだとルベルソを落としたときにムンターを忘れていたら、ゲレンデマルチですら死んでしまいます。
開けられないなら開けられないなりに、ムンターを知らないなら知らないなりに、降りる方法を考えた方が良かった。
例えば、
・HYさんに降りて来てもらって、ムンターを教えてもらう。
・ロワーダウンで、1ピッチ分だけ降ろしてもらう。
といった具合に、持っている技術の組み合わせでも、活路はあった。
発想としては
「開けられない、ムンター知らない。」
という状況に、諦めをつけて
「とりあえず、今を何とかできないか?」
という切り替えが欲しいです。
<本気の顔>
懸垂中に、ロープが木に激しく絡む。
結果:
試行錯誤の末、5分くらいで解消。
<浮石を抱いた顔>
本人に反省を尋ねてみたら、
「上手く、はずせました!」
と嬉しそう。
まぁ、それはそれで良かったんですけど(笑)。
解決できたトラブルは、それで終了ではなく、次回からトラブルが起こりにくいように考えた方がプラスになります。
具体的には、壁からロープを遠くに投げ過ぎて、壁から離れた木に引っかかったことに気づけるとベストでした。
<クライマーらしい顔>
ケース1
・未知の場面に突っ込むときは、トラブル想定したり、話し合ったりする時間を大切に
ケース2
・個別のトラブルが根本解決できないなら、それはそれとして、無事に降りるための戦略に集中
ケース3
・上手く解決できたトラブルも、時間ロスにはなっているので、次回以降の予防策を考える
<完登!>
でも、登山やクライミングだと、趣味だし、初心者な訳です。
なかなか、こんなに厳密には考えないですよね。
<懸垂下降>
「ARさんが、ちょっと心配になるくらい、リスクに対して楽観主義」
ってことの、解決の糸口になるかもなぁ、と思いました。
<壁から離れた木に、ロープが絡んだ場面>
・プロテクション
・ライン取り
・ランナウトした状況でのムーヴの安定感
どれも良いレベルです。
そして、完登したライン取りも、ほんとうに綺麗。
「もしも、初登だったら?」
という命名の問いに対しては、
“素敵な滑り台”
ということで2人の意見が、まとまりました。
ちなみに、NMさんが春に、ほぼ同ラインを完登した際は、
“意外とホールドはあります”
という命名でした!
ちなみにちなみに、ONさんの
“スカイステップ”
とは違うラインです。