2023年11月9日木曜日

因縁の「延長サブウェイ」

ここ1年で、最大の成果は「延長サブウェイ」(1級)を登れたことです。
小川山にあるボルダーで、割と人気課題です。
<矢立岩の桂くん>

どういう課題かというと、「サブウェイ」(3級)というトラバース課題があって、それのスタートに4手ほどのSDパートを加えたものです。

4手の追加で、3級が1級に上がる訳なので、その強度が押し測れるかと思います。
この手の課題が登れないこと自体は日常茶飯事なのですが、これは過去に3回登れかけているのにフォールしたことが私の心残りです。

1回目は、10数年前にエクセレントパワーをR.P.する目標を掲げて、5月〜10月のほぼ全週末を花崗岩ボルダーに費やしたというトレーニング年です。
そして、10月後半からエクセレントパワーを再開して、無事にR.P.。

このとき、登れた課題も色々あったのですが、1級はほとんど全滅。
ただ、延長サブウェイはスタートの4手が奇跡的に1回だけ繋がり、サブウェイでフォールしました。

で、このまま冬山シーズンに突入してしまい、なんとなく忘れていた課題でした。
で、昨シーズンに当時の宿題の中で、最も可能性がありそうな2つ「三日月ハング」(1級)、と「延長サブウェイ」の2つをトライ。

三日月ハングは1日で登れたものの、延長サブウェイはまたも惜しいトライを1回、その後はスタート部分が全くできなくなるという惨状でした。
むしろ、寒くなってきて、岩が暖かかった「フィロソフィー」(初段)にターゲットを変えて、何日か打ち込んで登れたという状況。

今シーズンも、延長サブウェイに行ってみてスタートが出来なくなっていて悲しむ日もあり。
まぁ、この日は少し疲れていたのもあり、自分の問題点確認のための1日だったと割り切りました。
<矢立岩で、2人で2日間トライしたハンドクラック。どうにか2人ともR.P.。桂くん調べでは、5.11dらしい。>

延長サブウェイで、僕が問題となったのは、以下の3点。

①サブウェイ(3級)が、かなり苦手。
トラバース課題でリードっぽいと思いきや、僕には非常にレストしづらい。
また、スタンスの暗記が非常にややこしく、何かの帰りにトレーニングで登ろうとしても、普通にフォールする。
そして、それが気を重くする。
体感は、5.12a。

→完登した日は、あらかじめ何度かリハーサルして暗記し直し。

②初手の強度に耐えられていない。
いわゆる、被った壁の外傾スタンスを踏み、遠いホールドを取る動き。
懸垂やキャンパの力なのか、外傾スタンスを押しながら身体を上げる力なのか、この能力はほとんど成長を感じない。

→この能力をジムでトレーニング。ある程度の成果は感じた。

③初手の後、次のムーヴに入るまでのホールディングの修正が繊細すぎて、確率勝負に感じる。
「親指は、どこの結晶に当てて・・・」みたいなのが多すぎるのに、修正そのものもデッド気味で行うので、余裕が無い。

→暗記はもちろんだが、結局は初手の余裕具合が、この確率を向上させる。完登した日は、そんなに余裕は生み出せなかったけれど、確率勝負で幸運が訪れて2手目以降につながった。
<サブウェイ(3級)>

まぁしかし、10年数前と比べて、ごく僅かでも成長していることを喜ぶべきか、あまりに僅かであることを悲しむべきか(笑)。

ただ、「次回までに、ジムで〇〇をトレーニングしよう。」と思ったことは、割と的を得ることが多くなり、しかも数週間後まで継続できて、どうにか成果に漕ぎつけられる、ということが増えたのは嬉しいことです。
クライマーとしては弱いままですが、人間的には少し改善されたような感覚です。
クライミングの1つの要素に、「次回までに何をトレーニングしてくるか、どう修正するかを考え尽くす時間」というのがあると思います。

山歩きのように、「歩いていれば目標を達成できる」というジャンルから入った僕にとって、達成率の低いこの項目は、とても苦手とするところです。
でも、これをたまにしか取り組まないから一生底辺なんだよなぁ、とも感じる訳です。
<延長サブウェイのスタート>

まぁ、クライミングと登山の他の要素も好きなので、色々やりたいですよね。