2018年6月18日月曜日

少しワイルドに

6月15日(金)は、雨天にてロープワーク講習。
男性TSさん。
クラックをやるようになると、終了点が立木という機会も増えます。

終了点も含めてナチュラルでという思想で、終了点用のボルトを打たないこともあります。
観光地だからボルトが打ちにくくって、ルート上も終了点もナチュラルだと、1番問題が起きにくいというケースもあります。

先日書いたように、ボルト無しでも登れるということは、そもそもルートになっていないラインを適当に登れるということでもあります。そういう場合も、立木は有難いものです。
また、クラックをやるようになると、ロワーダウンや懸垂下降中にカムを回収することになります。
懸垂下降中に両手を離して作業したいということだと、仮固定やバックアップも役立ちます。
過去の講習生が、
「ボルトだけやっているうちは、そこまでロープワークの重要性を感じないですよね。」
と言っていたこともあります。

確かに、終了点作業を練習しても、結び替えがちょくちょく出てくるぐらいで、懸垂下降も稀ですからね。

こうやって、徐々に整備された岩場から飛び出して行けるスキルを身につけて行くのは、楽しいことです。

2018年6月15日金曜日

教訓探しの旅

6月13日(木)は、リード3回目。
男性FMさん。
本日の本気トライ1本目は、オンサイトトライ。

オブザベ結果を尋ねると、ムーヴの話ではなく、クリップのタイミングの話だけが返って来ました。
「あそこのホールドは持てそうだから、それを左手で持っているときにクリップして・・・。」
なかなか慎重な性格で、素晴らしいですね。

実際にリードすると、オブザベよりも早いタイミングでクリップすることに。
どうにかクリップ出来ないかと、態勢を試行錯誤。ようやく安定できて、クリップ!

これを繰り返して、終了点数手前でフォール。
しばし休んで、2トライ目のレッドポイントトライ。

と、今度は全体的にクリップのタイミングは遅め。
クリップ忘れを私から指摘されることもあるほど、クリップが疎かに。

そして、R.P.。
<ちょっと前に作った5.11b>

さて、戦績という意味では完登です。
しかし、クリップ忘れを指摘されるというのは、ちょっと危なっかしいものです。
長い目で見れば、“危なっかしい完登”は“安全なフォール”に劣るとも言えます。

一体、これは何が原因なんでしょうか?
できるだけ、過ちは繰り返したくないものです。

さて、本日でFMさんはジムリード講習を卒業といたしました。
よろしければ、また岩場で宜しくお願いします。

2018年6月14日木曜日

下降を考えてトライする

6月12日(火)は、自分のクライミングにて、瑞牆。
K君と。
以前から、小面岩やバベルの塔に行く際に気にとめていたクラックを3本登って来ました。

うち1本は、瑞牆トポに載っていました。
あとの2本は、不明です。
<1本目にオンサイトトライするK君>

<出だしは、わりと良いサイズ>

<前夜は大雨ということもあって、下部はビショビショ>

<徐々に晴れて来た>

<2時間ハングドッグで、ようやくトップアウト>

<2人で登ったら、少しは綺麗になったかな?>

<2本目は、さすがに登られていそうな課題>

<下山後に、カフェ・オレ(5.9)だと知る。>

<こちらは、1時間半のハングドッグでムーヴ解決したK君>

その左に、フレアーチムニーを1本登って、本日終了でした。

さて、トポに載っていないNPラインを適当にオンサイトするという話になると、

「見た目で、おおよその難易度に検討が付くか?」
ということよりも

「終了点の保証が無いのに、下降はどうするの?」
といった質問をよく受けます。
私なりにパターンが幾つかあるので、列挙してみます。

図1は、ちょうど終了点に立木があるもの。
これは、普通のルートにも時々あるパターンなので、いつも通り懸垂下降で回収。
たまに、ロープ半分以上出てしまったりすると、パートナーにフォローで上がってもらって別ラインから懸垂下降することも。

図2は、終了点にしたい場所から少しトラバースした場所に立木があるもの。
トップロープにしてロワーダウンして、トップロープで回収便を出せばカムも回収できます。

図3は、クラックそのものがハングorトラバースしており、懸垂下降での回収が困難なタイプ。
これも、普通のルートにも時々あるパターン。
図2と同じ方法で対処することが多いです。あまりに流れが悪いときは、トップロープよりはリード&フォローの方がマシな時もあります。

図4は、終了点はカム残置で降りて、後ろから回り込んで終了点回収できるタイプ。
図5は、カムでピッチを切って、もう1ピッチ登れば立木に辿り着けるタイプ。

図6は、壁の途中でクラックが途切れてしまうタイプ。クライムダウンorエイドダウンの回収になります。

図7は、部分的にクラックが途切れるタイプ。登れてしまえば立木の懸垂でシンプルですが、途切れるセクションがランナウトするので、難しい場合は敗退です。

オブザベの段階で、ある程度は終了点の可能性を絞り込んでおいて、持っていくギアを決めます。

常々、私はこういうことを考えてオンサイトするのが好きみたいです。
特に、トポに載っていないorトポを見ないで取り付く場合は、先行きの不安感を解消する術を総動員しながらリードしていくのが最高ですね。

9割オンサイトできる難易度でも、十分にエキサイティングだと思うんですよね。
もちろん、やってみたら難しいこともあります。


具体的に登ったルート
・トポに無いワイド(小面岩に向かうフィックスロープの右脇にあるもの) フラッシュ たぶん5.10aぐらいだけど、濡れていて悪く感じた。乾いていたら、普通に良いルートになりうる。
・カフェ・オレ(5.9、レイバック系?) 明らかに登られてそうだったけど、とりあえずトポは開かずにトライ。体感は、5.10b。私がレイバックが苦手なのか、トポ無視の不安感で力んでいたのか、はたまたグレードが辛いのか。とはいえ、素晴らしく綺麗なクラック。
・トポに無いワイド(カフェ・オレの左面) O.S.。ヤブ漕ぎ主体・・・。体感5.10a。たぶん、半日以上は掃除しないと良いルートにはならない。そして、誰もやらないでしょう。

充実の1日でした。

2018年6月13日水曜日

ベータクライミングジム

6月11日(月)は、四ツ谷の近く、曙橋駅にあるベータクライミングジムに行ってきました。
えのきどさんがスタッフをしているので、ジムでのクラック講習を頼まれて。
ここのジムは、1階、2階は今どきのボルダージムです。
居心地も良く、1分前に自分が登っている姿を動画で見ることが出来ます。
フォームなど、自分の癖を知るには、有難い設備です。
で、3階が岩場対策エリアみたいになっています。

高さも見ての通り、ボルダーにしてはちょっと高いので、ロープを使うことになります。
リードの練習だけでなく、ちょっとしたテラスでロープワークの作業練習も出来ます。

高さが低いので、講習会用といった雰囲気でしょうか。
<トップロープ可>

今後、岩場の体験会などの講習も、少しずつ技術習得の方向性にシフトしていきたいんだそうです。
もしかしたら、何か請け負うことがあるかもしれませんね。

オーナーが山屋っぽいので、ボルダリングジムにしてはリードやらマルチに寄っているという感じです。
<岩場用のマットもある>

いつも思いますけど、木枠のハンドジャムって、岩場のハンドジャムより少し難しいですよね。
教えるのは、結構工夫が要るなぁと思います。

クラッカーの皆さま、機会があれば一度訪れてみては?

2018年6月10日日曜日

7月、8月の予約受付

6月12日(火)の夜22時より、7月と8月分の予約受付を開始いたします。

今年も、7月の後半は富士山ガイド中心の生活を送りますので、7月は土日が1回だけという状況になってしまいます。
ご迷惑おかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

8月は、クライミング系の講習だけでなく、沢登り講習にも良い季節ですよね。
もしよろしければ。

ライン外し疑惑

6月9日(土)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性FSさん、復習参加の男性MKさん。
リード中、頻繁に質問に上がる
「ここまで左に行っても、良いんですかね?」
というライン外し疑惑。

「限定とかは無い!」
「下から上までフリークライミングというルールさえ守れば、どう登っても完登だ!」
とか、カッコイイことを言っても、実際は「それは、さすがに左のルートなんじゃないの?」みたいな議論になってしまうのも人の世。
私の理解では、2つの要素があります。

①岩には、弱点(登りやすいライン)がある。
②ボルトには、設定者の意図(登らせたいライン)がある。

まず、下の図1はトポのイメージ図です。
×がボルト、点線が登るべきライン、××が終了点の2本のボルトを示しています。
<図1>

が、現実は複雑です。

下の図2が、講習生が悩む様子です。
まず、左右にも3~5mぐらいの距離感で、隣のルートが存在します。
次に、弱点ラインは複数存在します。
<図2>

図が下手でスミマセン・・・。

例えば、0-Aと0-Bというのは、1本目のボルトまでのラインが2種類あることを示しています。
でも、これはボルトは関係ないので、設定者の意図は無視できそうです。

ただ、1-Aは物言いが付くかもしれません。
ボルト位置からして、1-Bと1-Cのどちらかを選ぶように設定している気配を感じるからです。
また、確かに左のルートに迂回したような罪悪感を感じてしまうのも分かります。
危険度からすると、ややボルトからは離れますが、トップロープ状態ということもあって問題は無さそうです。

2-Aも、物言いが付くかもしれません。
隣のルートに迂回した訳ではありませんが、やはりボルト位置が2-Bと2-Cを想定しているような気配を感じるからです。
実際、2-Aのラインで登ると、ランナウトするので落ちたら危ないかもしれません。

3-Aも、物言いが付くかもしれません。
同じ議論の繰り返しですが、隣のルートへの迂回っぽく、ボルトからの離れ具合からの危険度という意味でも。
ボルト位置だけでは、3-Cだけを想定しているのか、3-Bと3-Cのどちらでも選べるようにしてあるのか、読み解くことは難しそうです。

4-Cも、物言いが付くかもしれません。
完全に隣のルートに合流して登っているので。
ただ、「ここは易しいからボルト打たなかった。」という意図が感じられるので、設定者の意図するラインは無視しても良さそうです。
さて、そこまで分かった上で。

「やっぱり、ラインは自由に選びたい!」
というなら、全部アリです。ただ、ボルトから離れてフォールするのは、あくまで自己責任でお願いします。

「設定者の想定ラインに、なるべく忠実に登りたい。」
というなら、1-Aはグレーゾーン、2-Aと3-Aは無し、というぐらいが妥当かなという私の見解です。
当然ながら、2-A、3-Aみたいな明らかな迂回ラインが易しいと、すごく迷わされます。

「そっちにボルト打てば、もっと良い(自然に導かれる)ルートだったのに!(難易度は落ちますが)」
とか、初登者非難をしてケンカになる、みたいなことは避けたいものです。

ただ、自然なラインは不快感が無いというのも、また真理だと思います。
そんな不快感について、一歩深く考えるという今回でした。

とはいえ、岩の弱点、ボルトの意図を読み解く習慣ってのは、ムダでもないなと思います。
少なくとも、オブザベ能力は上がりそうですよね。
実践本気トライ
MKさん:かわいい女(5.8) O.S.
     Song of Pine(5.8) フラッシュ
FSさん:Song of Pine(5.8) ハングドッグして、トップアウト

2018年6月8日金曜日

自分の日記(2週分)

3日分まとめて。

6月1日(金)は、えのきど先生に教わって、終了点用のケミカルアンカー設置。
高柳も一緒に。

湯川って、岩が柔らかいってのは重々承知していましたが、アンカー設置してみると不安感がさらに増大しますね。
大きめのカムの方が、信頼できそう。

とはいえ、終了テラスに立木が無いルートは、遠い立木から5m以上もロープで垂らして終了点にするというダサい感じだったので、止むなし。
まだ、一部に残っていますが。

翌日は、3人とも富士山ガイドの研修のため、東京へ。
<砂のエリア>

6月4日(月)は、カンマンボロン、with K君。

宿題になっている、岩の殿堂(5.12c)という予定でした。
が、先行パーティも居たし、夏日予報で午後には条件が悪くなる可能性が高そうなので、エリア移動。

残念ながら、私も疲労困憊だったので、少しホッとする部分もあり。
<ボロンボロンのオンサイト失敗するK君>

とりあえず、風のエリアで見た目に面白そうなワイドを見つけて、リード&フォローで挑むことに。
ワイドは、日陰というのもあります。

が、15mほど登ったところで、ボロボロに風化したセクションで敗退決定。
ちょうど、隣にボルトルートがあったので、そちらへトラバースしてボルトで下降。
<フォロー回収することになるK君>

グレードにすると5.9~5.10aだし、途中敗退もしているんですが、こういう訳分からないのが一番好きですね。
<ワイド>

暑い昼間は、昼寝。

夕方に、5.11dに本気トライ。
神須の鼻みたいな怖い系クラックで、吠えまくりになりました。
<快晴です>

<Celebrating Spring(5.10c)をテン山で抜けるK君>

6月5日(火)は、K君の希望により、まさかの湯川(笑)。

私としても、前日夕方のオンサイトトライで燃え尽きていましたし、湯川ならちょっと終了点を修正する作業もあるので付き合うことに。
<まさか、草餅のオンサイトトライをビレイすることに。無事成功>

どなたかが、月影の騎士の草刈りをしてくださった様子で、再びキレイになっていました。
再登はしなかったのですが。
<イエローフェスティバル(5.10c)を3撃するK君。まだ新しいので、ありがたや。>

具体的に登ったルート
6月4日(月)
・ボロンボロン(5.11c、ボルト) アップではあるんだけど、いつも通り最終ボルト後に必死になる。 
・無名のワイド(体感5.9~5.10a) 途中でボロボロになり、隣の5.12のボルトルートのボルトを借りて敗退。
・Departure(5.11a、ハンド~フィンガー) O.S.。ちょっと怖いけど、ムーヴは大分易しく感じた。
・岩燕三十郎(5.11d、NP&ボルト) O.S.。
15mぐらいの高さに、グージョンのボルトが2本。以後、終了点近くまでの7mぐらいは、風化したフィンガークラックでプロテクションが信用しにくい!最悪、そこのカムが4連続で抜けても、怪我はしないとは思う。が、先が見えにくい形状、風化したスタンスで不意落ちの可能性あり、という恐怖核心のルートに感じた。
終了点直下で、ようやくカムが決まったときには、本気で救われたような気持ちになった。
ムーヴだけなら少し易しいのかもしれないけれど、1時間半のトライで燃え尽きた。

湯川の2日間は、5.8~5.10を4本ぐらい登って、あとは作業という流れでした。

2018年6月7日木曜日

月曜日はジム?

6月3日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性ODさん。
帰り道の雑談で、岩場に行った翌日はなるべくジムに行くことにしている、という話を伺いました。

もちろん、疲れてはいるそうです。
が、「疲れているから軽めで。」とか言いつつ、案外調子が乗ってきて、成果が出ちゃうことが多いんだとか。
可能性として、幾つかあるだろうなと思いながら話を聞いてみます。

本人の感覚としては、
「岩場に比べて、ジムは考えなきゃいけない要素が少ないから、怖くない。」
(だから、思い切って行ける!)

ということだそうです。
<ウルトラセブン(5.7)をO.S.>

私も、久々にジムに行くと、本当に色々なことを感じます。

ODさんと同じく、スポーツっぽさに集中しやすい有り難みも感じます。
岩場で気を付けてきた足置きやホールディングが、活かされるような感覚もあります。
一方で、ジムで有利に働きやすいスピード感とか躍動感は忘れていたりもして、勘戻しの重要性を痛感することもあります。
<Song of Pine(5.8)は、2擊>

上達の過程や体調の変化によって、今の方法(岩場の翌日になるべくジム)が常に使えるとは言えません。
ただ、本人がメリットを十分に感じているのなら、多少イレギュラーなメニューもありですよね。

手繰り落ちの実験

5月31日(木)は、リード1回目、2回目。
男性FMさん。
あらゆる仕組みを覚えるに際して、実験ほど身にしみるものは、なかなかありません。

手繰り落ちは、ロープを手繰った分だけ余計にビレイヤーがロープを出しているはずなので、大きなフォールになります。

が、講習生と話をすると、
「2ピン目でやったら、さすがに危ないですかね。」
「1mぐらいは、余計に落ちますかね。」
とか、甘く見積もりまくり。

とはいえ、手繰り落ちは十分な高さがないと本当に危ないので、実験もなかなか出来ません。
そこで、本日はオートビレイを付けた状態で、手繰り落ちの実験をしてもらいました。

ビレイヤーは、フォール中にロープを引き戻すことはしません。
すると、ゆっくりオートビレイで降ろされ、最終的にはビレイでストップするという流れです。(場所によっては、グランドフォール。)

実験結果は書きません。
ただ、「今まで、あんまり分かってなかった!」ということが分かったようです。

これを繰り返して、実験と検証を癖づけていただければ何よりです。

2018年6月6日水曜日

99%登れそう

5月28日(月)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性IUさん、男性NSさん。
<ビレイ点の作成練習>

今回のリードで、「突っ込み過ぎました。」と深く反省していたNSさん。

具体的には、以下のような状況。
<1P目のIUさん>

リード開始後、最初に選んだのはチムニーのライン。
チムニーそのものは、問題ないのですが、抜け口のフェースでプロテクションが取れそうもありません。
考え抜いた結果、敗退決定。

もう1ラインの候補があるので、ここまでは問題なし。
チムニーは、ほとんどノープロテクションなので、クライムダウンはちょっと怖いけど、それなりに安定して降りられました。
<今回は、ロープの流れもほぼ完璧>

そして、第2候補のライン。

やや風化したクラックですが、それなりにプロテクションは取れたので、頑張って突破。
ただ、ちょっと落ちそうだったのに、固め取りをしていないこと、フォールしたらビレイヤーと1本目の間のロープ周辺に落ちそうで気がかりでした。
テラスが大きかったので、ビレイヤーは立ち位置を移動することも出来そうでした。

あとで聞いたら、ここは100%ではないけれど、たぶん登れると思ったそうです。
<フォロー中>

さて、その上でピッチを切れる立木もありましたが、目の前に綺麗なクラックが出現したので、そのまま繋げてリード続行。

すると、クラックが閉じた後にプロテクションが取れないマントルをこなして、「5.10aは、ありそう。」と感じたそうです。

あとで聞いたら、「行けるとは思ったけど、なんかダメでした。突っ込み過ぎました。」という感想。
<2P目の第1候補のチムニー>

実際、彼はスポートルートでは5.11後半もR.P.しており、5.10中盤くらいなら割とO.S.勝率も高いのでしょう。

だから、この講習でラインを選ぶぐらいのものならば、せいぜい5.8~5.10前半ぐらいで、見た目に「登れそう。」と思っても不思議はありません。
<第2候補のクラック。左トラバースのラインもあったが、ここから右上するラインを選んだため、フォールラインにロープが張られることになった。>

ただ、マルチピッチの場合、落ちる可能性が1%でもあれば、リードの戦略は大きく変わります。

個人的には、ほぼ0%ならば岩稜歩きのように、ときどきプロテクションを取れば良いと思っています。
1%でも落ちそうなら、クラックの本気トライに準じた戦略で考えるべきだと思います。もちろん、結果的には99%で登れるので、その安全マージンは活かされません。

ただ、その1%が事故になったら困る、という理屈です。
<反省した様子で、我々を迎え入れる>

具体的には、
・墜落距離の計算
・プロテクションの信頼度チェック
・固め取り
・ビレイヤーの位置
・ロープと身体の関係
などでリスク計算してから、99%出来そうなムーヴに取り組むという流れです。

ところで、常々感じているのですが、スポート中心の初中級者って、1%~10%程度の落ちる確率に鈍感な人が結構いると思います。(ジムクライマーも。)
核心部の落ちる確率が、そもそも50%とかのルートを中心に攻めているからでしょうか?
ちなみに、上級者は核心以外で落ちることも十分に警戒しているとは思いますので、この話には当てはまりません。コンペとか本気オンサイトトライとか、アプローチセクションで落ちたら悔しそうですしね。
あくまで、私の仮説ですが。

NPの場合、ほぼ0%と1%以上では、プロテクション戦略が全く違うので、たとえ初級者でも敏感になる気がします。
むしろ、10%落ちるのも90%落ちるのも、戦略に大きな違いは無いのかも!?(笑)

理想的には、1%の落ちる確率も敏感になりつつ、安全な環境では50%のチャレンジも出来るというクライマーになることなのでしょう。
<懸垂下降のライン取りも難しい>

マルチピッチ講習は、マルチピッチそのものを学ぶことが主題ですが、普段のクライミングにも活きそうなものですよね。

今回が、良い学びになることを願っております。