2012年7月13日金曜日

富士山期間に関して、お知らせ

お知らせです。

①講習予約
8月31日までは、12月分までとさせて頂きます。
9月1日から、来年1月以降の予約を受付させていただきます。
自分の予定を組むためと、予約が先行しすぎないようにという配慮です。

また、秋に9日間ほどのファーストエイドの研修を受講する予定ですが、その日程が未だに発表されておりません。
その期間に講習が当たってしまった方は、日程変更orキャンセルとなってしまいますので、御承知ください。
例年の傾向からすると、11月12日~21日のあたりとなりますが、確定的なことはお知らせできません。


②メール
富士山期間中も、メールは受信できます。
ただ、携帯で見る可能性が高いこと、下山しても睡眠不足が予想されることなどから、山から降りていても返信が滞る可能性があります。

返信が1週間遅れ、という可能性もありますが、余裕があるときに返信しますので、気にせずメールをして頂いて構いません。



③ブログ
昨年も、途中で断念しました。
忙しすぎたら、富士山ガイドの分は無理かもしれません。


今期は、富士山期間中に休みがあっても、講習は行わずに自分の休みに当てる予定です。
色々と御迷惑をお掛けしますが、御理解していただければ幸いです。

意外なつまづき、というのは珍しくもない話

7月12日(木)の2コマ目は、常連女性MJさん、WNさんのペア。
ムーヴ講習3回コースの最終回です。
WNさん、前回に続いてダイアゴナルで大混乱!


最初は、

「保持している手の下に、対角線の足を持ってくる」
ということが、その場になると分からなくなるのだろう、と思っておりました

っていうのも、それで混乱するのは決して珍しくはないからです。

でも!
実は違ったんです。

ダイアゴナルが
「次のホールドを取りに行くための技だ」
という前提が、理解できていなかったんです。

「じゃあ、何のためのムーヴだと思っていたんですか?」
という疑問は残りましたが、そうだとすれば混乱するのも納得。

ダイアゴナルでバランスが取れることは理解出来ても、何のための練習なのかが理解できていなかったんです。

これは、結構レアケースかもしれません。
が、何度も話に出てくる通り、「意外なつまづき」っていうのが本当に多い。


こうやって、日々、僕もお客様が誤解しやすいポイントを蓄積していく訳です。
具体的な講習内容
・これまでのフォームについて
MJさんは、指の脱力がテーマ
WNさんは、腰を壁に近付けることがテーマ

・引きつけよりも捻りを優先する
・バックステップ
(キョン気味なのも含めて)

・正対
(ハイステップ、カエル足、などの典型的な例も含めて)


2人とも、かなり登りが変わってきました。
特に、MJさんのダイアゴナルは、「カッコいい」レベルです。

あとは、それを無意識化するところまで反復練習お願いいたします。

マンツーマンor誰かと一緒に受講?

7月12日(木)の1コマ目は、常連女性SMさん、新規の男性ISさんのペア。
実は、今回は私のオススメで御一緒されることをオススメしました。
 
マンツーマン、2人以上で受講。
比較してみると・・・

●マンツーマン

①登る本数が多い
(基礎体力作り、フォーム矯正には向いている)

②アドバイスを受ける量も多い

③慣れて来るとと本人と講師だけ、という気楽さがある


●2人以上で受講する利点

①長期的に見ると、気合が保ちやすい
(近いレベルの方が居るライバル心、自分が相手に迷惑を掛けたくない、という意味も含めて)

②ビレイの練習、リードの練習などは、ペアでやって、私がアドバイスした方が実践的
(初心者同士の方が、小さいトラブルもよく起こるので)

③自分と同じようなところで苦戦する仲間を見ることができる。
その際に、記憶が整理され、精神的にも「自分だけがダメじゃない」と楽になる
(ダイアゴナルなどの個別ムーヴの練習など、特に)

④特に友人同士で受講すれば、復習もしやすい

⑤友人以外とセットアップされた際は、近いレベルの仲間が増える可能性もある

⑥講習料金が割安
こうして書き出して見ると、受験勉強の
「家庭教師or塾」の構図と同じですね。

普段のクライミングを学校とすると、丁度ピッタリ。

個人的には、塾派です。
もちろん、人によって合う合わないはあるでしょうから、ご自由にどうぞ。


具体的な講習内容
・フォームチェック
SMさんは、フワッとホールディングする感覚
ISさんは、ネコ足、肩の脱力

・クリップ練習(SMさん)
・エイトノットの結び方(ISさん)
・疑似リード(SMさん)

アドバイスで分かる、ムーヴの理屈への慣れ具合

7月11日(水)の2コマ目は、常連女性TZさん。
ムーヴ講習もレベル2です。
ムーヴの理屈というのは、慣れが必要です。
それは、仲間内でアドバイスしあっている様子を見ても明らかです。


例えば、素人さん同士なら

「足を丁寧に置かなきゃ!」
「フリをもっと使って!」
「力を抜いて!」

とかいう漠然としたアドバイスになります。

初級者同士なら

「そこは、踏み替えの方が良いよ。」
「そこは、マッチより飛ばしの方が良いよ。」

といった個別のアドバイス。

中級者同士なら

「そこは、アウトエッジにした方が、捻りがきかせやすいんじゃない?」
「そこは、インエッジにした方が、腰が壁に近づくんじゃない?」
「そこでヒールすると、そこは楽だけど、解除するときに振られそうだよね。」

といった理由までハッキリした、提案が出せるようになります。
でも、これってアドバイスを聞く側にも慣れが必要です。
今のTZさんは、自分がアドバイスをするなら初級者バージョン、中級者っぽいアドバイスも何とか聞く耳を持てる、というくらいの慣れ具合。

中級者のアドバイスを聞ける前提として

①クライミングのムーヴは
「脱力、捻り、振られが少ない、とかが大事な要素だけど、どれかを捨てて他のを優先しなきゃいけないことも多い」
ってことが、経験的にも分かって来ている

②インエッジ、アウトエッジ、ヒール、等をしたときの自分の動きが、大体イメージできる


それだけ、クライミングに慣れてきたということですね。



具体的な講習内容
・腰を壁に近づけること
とりあえず、意識すれば十分なレベル。
あとは、無意識&滑らかを目指して反復練習を行って下さい。


・落ちる練習
墜落距離が、かなりの精度で読めるようになってきました。
ビレイヤーの弛ませ具合が重要なこと、手繰り落ちが危険なこと、などもようやく実感出来てきた様子。


・ステミングの練習
(普通のプッシュ、足を揃える方法、逆手のプッシュ)


・実践、本気トライ
垂壁の5.10bをR.P.出来ました!

足置きは、足先だけ意識してもダメな場合がある

7月11日(水)の1コマ目は、常連女性KKさん、KDさんのペア。
ネコ足を講習しても、それが実践しにくい場合があります。
ハングした壁や、ホールドが悪い場合などには、僕もそうなることもあります。

これは、足の置き方の問題ではありません。
力が無いと、ネコ足が実践できない、という話。

要するに、姿勢を保つための体幹が弱いと、そうなりがちな訳です。

ただ、講習生の場合は、垂直以下でガバガバのルートで練習しているので、体幹が弱いというのは考えにくい。
ほとんど気持ち1つの問題で、

「体がぐらついているうちは、手を出すな!」
「安定させてから、手を出して!」

その際に、肩や指は脱力しても、姿勢を保つための体幹は脱力しない方が良い、という訳です。


これ、9割までの講習生の方は、垂直以下の壁なら自然と出来てしまうことです。
が、ここがネックになっている人が何人も(!)居ることが、最近になって分かって来ました。
具体的な講習内容
・フォームチェック
KKさんは、安定してから手を出すこと。
KDさんは、指の脱力。

・ダイアゴナルの復習(これは、ほぼ完璧なレベル)
・バックステップの復習(まずは、混乱を解消した程度。コツについては、次回。)

・実践、本気トライ
垂壁の5.10aを、2人とも再登!
前回よりは、何となくムーヴっぽく形になって来ました。


ムーヴとか戦略は、何がネックになっているのかを見出すのが私の仕事の大きな部分を占めております。

2012年7月12日木曜日

公募ならではの多様なニーズ

7月9日(月)は、小川山にてクラック講習。
常連女性ODさん、先週から引き続きの女性UYさん、男性IKさん。
今回は、ODさんの予約から始まった公募企画。

UYさん、IKさんは、そこに参加してきた訳です。 
ODさんは、秋のガイド山行でのヨセミテ行きを目指し、冬から数えて4日目のクラック体験講習。

最初の2日間では、ハンドジャムやフットジャムを学び、今ではトップロープなら5.9くらいは登れます。
また、ムーヴではジムの5.10aがようやく確実なレベルですが、フォームは大変に美しく、まだまだ伸びしろは感じます。
そして、当初はムーヴだけが講習目的でしたが、最近はジムならリードもこなし、ロープも畳めるようになり、トップロープの回収も練習中。

まだまだ基本はガイド登山者ですが、だいぶ考えて行動できるようになって来ましたね。
とりあえず、ヨセミテ前では今回が最終の講習会。
あらゆる意味で、最終回に相応しい成長を感じることが出来ました。

秋には、5.11aを目指すという目標を掲げて再度講習をスタートする心積りだそうです!
お待ちしておりますよ。

前回から参加のリアル初心者UYさん。

先週のブログで説明した通り!
頑張っております。

先週の湯川が悔しかったのか、早速ジムにも行ってみたそうで。

そして、今週は先週よりも確実に成長しておりました。
ビレイの安心感は、ODさんにも成長を認められておりましたね。


次回は、11月末という予約となりました。
また、お会いいたしましょう。 
栃木からお越しのIKさん。
カムを購入しての参戦です。

まずは、先週がハンドジャムなどの体験講習。
今週の後半は、カムセット練習。

順調に行けば、あと2日間程度のクラック講習で、自立予定です。
ただ、次回までだいぶ間が空いちゃいそうですね~。

少し、日数も余分に掛かるかもしれません。

僕が富士山に行くというのもありますが。
なんとか頑張って参加して欲しいところです。
具体的な講習内容
お姫様岩
“ネイキッドクラック”(体感で、ワイドの5.8)、カミイルート(レイバック?、5.10b)

・カウテールの作り方、セルフビレイの取り方
・フィストを潰した形のハンドジャム(横ハンド?)
・クラックのサイズと、そのサイズごとのジャミング
・オフィズスで有効なムーヴ練習(ヒール&トウ、ニーロック、アームバー、アームロック)
・カムセットの基本
・疑似リード(ODさん、IKさん)
・トップロープのビレイ練習(UYさん)
富士山あけどころか、3ヶ月くらい会いそうもない人もおりますね。

ではでは、またお会いいたしましょう!

2012年7月11日水曜日

「自力で登った感」と富士山ガイド

7月7日(土)、8日(日)は、シーズン1発目の富士山ガイド。
とはいえ、今回はガイド相互の研修を兼ねてサブガイドとして後ろを歩く感じ。
普段の講習では、「自力で登った感」を大切にしてほしいと訴え続ける私です。
でも、富士山ガイドでは、その真逆のこともしております。

つまり、なんでもアリアリでも、とりあえず登頂して頂きたい!

たとえば、

・お客様が数名なら、全員分ザックを持ってあげてでも
・水、食料は、途中の小屋で買っていただき
・小屋もフル活用して
・天気予報、判断などは全てガイド任せで、お客様を自分の休憩だけに集中してもらい
・忘れ物をした人用の予備装備を少々用意し
・最悪、下山で脚力が厳しい状態なら、肩などを貸して補助するのまで計算に入れて
・持ってきた酸素缶もフル活用して

それでも登頂を目指します。
それは、彼らにとって、富士山は初めての登山だからです。

初めての登山で敗退するよりも、登頂という御褒美があった方が、登山が好きになる可能性は高いでしょう。

そして、周りには普通に自力で登っている方々が沢山おります。
そういう方を見て、

「次回は、下山で肩を貸してもらいたくは無いな。」
なんて思ってもらえれば、十分です!

しかも、それって大して言葉にしなくても、大部分の人が自然と感じるようです。
まずは、いい思い出を作っていただくこと。
次に、なんとなく「自力で登った感」の大元となる気持ちを抱いていただくこと。

それが、富士山ガイドでの目標です。
ただ、今回のツアーは悪天&大渋滞で、9合目にて敗退。

なんとか、「また来よう」という気持ちになって頂ければ嬉しいのですが。

ちなみに、今回のお客様は、メチャクチャ強かったです。
ガイドツアーとは言え、補助なんて全く要らない人たちです。

2012年7月5日木曜日

名も無きムーヴ小技集

7月5日(水)の2コマ目は、女性AIさんのムーヴ講習。
本日は、久々に凹角のステミングについて講習しました。

基本は、
・右足を上げたいときは、右壁をプッシュ。左足のときは、左壁。

と、ここまで理解できたら、少々パズル的なプッシュを講習。

①右足で左壁をプッシュして、左足をフリーにする方法。(左手が離せることも多い)

②窮屈なプッシュなどの場面では、逆手のプッシュを使う方法。

どちらも、名前が付いていないのが残念ですが、初心者がハマりがちな手順です。

他にも、名前が付いていない小技って、ものすごく沢山ありますよね。
そういう小技を全て教えるのは、講習の本意ではないでしょう。
このくらいは、仲間内でセッションしていても、アドバイスし合えるはず。

が、「リーチが無いから」、「力がないから」と思って諦めている人に、光明を見せるという意味では、小技を習得していただくことも重要だと思っております。
具体的な講習内容
・壁に腰を近づける(復習)
・ダイアゴナル(復習)
・フラッギング
(フラッギングしてからスタティックに、下足を踏みきり足にして、フラッギングしてから振り子ムーヴで、の3種類)

・手足限定課題にチャレンジ
(垂壁の5.10a、敗退)

・ステミングでのプッシュ練習

さあて、次回は夏明けでしょうか?
今の動きなら、夏のうちに5.10aくらいはオンサイトできるようになっていても不思議はないんですよ!

練習の負荷を上げて、次のレベルを目指す!

7月4日(水)の1コマ目は、常連女性KKさん、KDさんのペア。
2人は、垂壁の5.6ならスイスイ。
最近では、薄被りの5.8もスイスイ登れるようになってきました。

当塾の講習会では、省エネ技術を講習しがてら、その人の基礎体力を向上させるような反復練習を行っております。

例えば、レストを意識しながら5.6を5回~10回と登ったり、ネコ足を意識しながら5回~10回と登ったり。
こうすることで、50回~100回も5.6を登ることを飽きにくくする、という狙い。

これにより、省エネ技術を身につけつつ、クライミング基礎体力を付けて行けます。
で、KKさんとKDさんは、垂壁の5.6に関しては、もはや100回くらい登らないと筋トレにならないレベルにまで省エネ技術&基礎体力が進歩しました。

今後は、薄被りの5.8を自主練習に取り入れて頂ければと思います。
薄被りならば、10~20回登るだけでも、十分に疲れることが出来ると思いますよ。

具体的な講習内容
・薄被りの5.8を3回登る
(大して疲れなかった様子!)

・ダイアゴナルの復習
(足位置、フロントエッジ、腰を壁に近づける姿勢)

・リードで本気トライ
2人とも、薄被りの5.8、垂壁の5.10aを完登!
だいぶ力が付いてきたように思いますね。

省エネ技術の弱点を把握

7月3日(火)の2コマ目は、女性MJさん、WNさんのペア。
ムーヴ講習3回コースの第2回です。
経過としては、以下のようになります。

<フォームについて>

①ネコ足
MJさん:余裕のあるルートなら、ほぼ完璧に癖付いている。上達と共に、限界グレード付近でも出来るようになっていくでしょう。

WNさん:余裕のあるグレードでも、少し雑に置く癖がある。

②肩の脱力
MJさん:余裕のあるルートなら、ほぼ完璧に癖付いている。ただし、少し肘を曲げて引き付けてレストする癖がある。(肩は脱力しているが、上腕二頭筋は盛り上がっている状態。)

WNさん:余裕のあるルートなら、9割以上のムーヴで脱力出来るようになってきた。

③指の脱力
MJさん:余裕のあるルートでも、ときどき握り込んでしまう癖がある。ただし、自分で気付ける。

WNさん:余裕のあるルートなら、ほぼ大丈夫そう。

④腰を壁に近づける
MJさん:意識すれば出来るようになった、というレベル。要練習。

WNさん:意識すれば出来るようになった、というレベル。要練習。

⑤引き付けよりも捻りを優先する
次回講習予定

<個別の超基本ムーヴについて>

①ダイアゴナル
MJさん:コツも含めて、ほぼ完璧。ただし、さらに練習して混乱しないようにした方が良い。

WNさん:再び混乱気味。
「保持している手の真下付近に、対角線の足を置き、立ち上がる」
ということを思い出して復習されたし。

②バックステップ
次回講習予定

③正対
次回講習予定
具体的な講習内容
・上記の通り

この3回シリーズで、全てを改善するのは不可能です。
ただ、ここで自分の癖を把握できれば、今後の練習に繋がりますね。

アッと言う間には、上手くなれない

7月3日(火)の1コマ目は、常連女性SMさん。
SMさんは、「なんでこんなに上手くならないのかしら?」
と常々おっしゃっております。

特に、このブログを読んで、
「アッという間に上手くなられる方が多いんですね」

と感嘆の声を上げられます。

これに対して、私が言えることは常に2つだけ。

①以前より、講習に通い始めた時に比べたら、格段に上手くなっております!

※本日は、オートビレイ垂壁の5.8をスイスイと登れるまでになりました。
次の目標は、オートビレイで薄被り面の5.8をと登れるようになること!
(現時点でも、必死になれば登れそう)

初めて講習に来た日は、スラブの5.5だって必死だったじゃあないですか。

②本当に上達速度を求めるならば、週2回のクライミングは必須です。

身体を壊さないことに重きを置くにしても、30分、1時間だけのウォームアップ的なクライミングジム通いが、今のSMさんには重要です。
講習で学んだテクニックを忘れない意味でも、筋肉に本当に軽い負荷を与え続ける意味でも。

そして、半年、1年して、身体がトレーニングに耐えられるようになってきたら、いよいよ2日間はちゃんと登ってください。
具体的な講習内容
・フォーム5項目の総チェック
・トップロープのビレイ練習
・捨て身のデッドポイントは、なるべく避けるべし
・オートビレイ垂壁の5.8にトライ
(スイスイと完登)

・ロープの畳み方
(現段階としては、O.K.なレベルに)

・クリップの練習
(まだまだ頭は大混乱。要練習。)

クリップは、初日に大混乱した方も、大抵2日目には他の講習生と同じレベルに手先が動いたりするもの。
そして、3日目には大体出来るようになります。

その際に、「あれっ!?意外と出来る?」と、本人も驚くのを何度も見てきました。

一度グチャグチャになった脳内記憶が、整理されるんでしょうね。

初心者のうちにクラックから始める

7月2日(月)は、湯川にてクラック講習。
常連女性ODさんの公募により、新規の女性UYさん、同じく新規の男性IKさんが参加。
実は、UYさんは
・クライミングジムに行ったのも2回だけ
・岩場でクライミングシューズを履いたのも、何年か前に2回だけ体験講習的な物を受けただけ
・当然、クライミングシューズは新品。
・ハーネス、チョークバッグは私の物をレンタル。

というほどの初心者っぷりです。

これで、クラック?
と思うかもしれません。

しかし、これはこれで良い経験です。
クライミングテクニックが全く無い状態で、最初に学ぶのがジャミング!

まるで、クライミングジムやスポーツルートが無かった頃のクライマーのようです。
ただ、それで完登の喜びを期待できるのは、5.7まで!
5.8以上しかない、ここ湯川ではUYさんも完登は出来ません。

「かなり厳しいとは思いますが、それでも参加したければO.K.です。」
と私が言っても参加した方。

1トライ毎に、確実に上達しておりました。
なかなか良い根性で、来週も参加してくださるとのこと。

しかも、登る合間はエイトノットやビレイの仕方を練習。
よく頑張りましたね。
具体的な講習内容
・テーピングの仕方
・ハンドジャムの練習(順手、逆手)
・フットジャムの練習
・フィンガージャムの練習(順手、逆手)
・フィストジャム(順手、逆手)

その他、出てきたムーヴを解説
・バック&フット
・ヒール&トウ
・ステミング


今回は、クラック講習の基本編。
カムを購入してきたIKさんは、来週の第2回からが本番ですね。
ODさんは、上記の基本ジャミングについては、かなり慣れて来た様子です。

ちなみに、クライミング経験自体が浅い人がクラックを始めるなら、
・夏は三ッ峠で、マルチピッチ体験を兼ねて
・冬は城ヶ崎で、5.6のクラックからスタート

と言った流れがオススメです。
ジムで5.10cくらいが登れれば、いきなりクラックの5.8でも、アドバイスすれば何とかなるという印象です。

富士山ガイドの新人研修

6月30日(土)、7月1日(日)は、富士山ガイドの新人研修にて富士山へ。
この研修では、新人さんに富士山ガイドとはどんなものなのかを叩き込む場です。

「ツアー数十名のお客様に対して、登山の注意点を話す」
という1点ですら、ガイドの実力差が出ます。

上手く要点を伝えられれば、お客様はベテラン登山者のように振る舞い、自分の体力を最大限に活かして登頂&下山を果たします。
逆に、要領を得なければ、休憩中に飲み物・食べ物を補給してくれるお客様は半分しかいないぐらいもの。

そしてそれは、

・防寒着を調整するタイミング
・休憩中に腰を掛けること
・雨具を着るタイミング

など、全てに当てはまります。

そして、トラブル対応。

講師が、傷病者役、ちょっと強情なお客様役に扮して、新人ガイドを困らせます。
トラブルシューティングは、慣れもあるので、完璧は求めません。

富士山に限らず、「ガイドとは、どんな仕事なのか?」を理解する上で、トラブル対応は良い機会です。
もう一つ言えば、富士山ガイドは富士山のスペシャリスト。

最低でも、ツアー運行に必要な登山道の把握。
欲を言えば、混んでいるトイレや、渋滞の避け方も把握し、さらには観光案内だって存分に出来るくらいを望まれます。

そういう意味でも、新人さんに富士吉田の登山道を詳細に下見していただくことが重要なのです。

さて、今年は何人の新人が生き残るでしょうか?
ここ数年は6~7割のイメージなので、なんとか8割以上が富士山ガイドになっていただくことを願っております。

富士山ガイドは、山岳ガイドとは全く違う色合いです。
が、接客やガイドとしてのプロ意識を学ぶ上では、この上ない環境だと思います。
山岳ガイドになりたい若者がいたら、間違いなく富士山ガイドでの修行をオススメしますね。