2012年7月11日水曜日

「自力で登った感」と富士山ガイド

7月7日(土)、8日(日)は、シーズン1発目の富士山ガイド。
とはいえ、今回はガイド相互の研修を兼ねてサブガイドとして後ろを歩く感じ。
普段の講習では、「自力で登った感」を大切にしてほしいと訴え続ける私です。
でも、富士山ガイドでは、その真逆のこともしております。

つまり、なんでもアリアリでも、とりあえず登頂して頂きたい!

たとえば、

・お客様が数名なら、全員分ザックを持ってあげてでも
・水、食料は、途中の小屋で買っていただき
・小屋もフル活用して
・天気予報、判断などは全てガイド任せで、お客様を自分の休憩だけに集中してもらい
・忘れ物をした人用の予備装備を少々用意し
・最悪、下山で脚力が厳しい状態なら、肩などを貸して補助するのまで計算に入れて
・持ってきた酸素缶もフル活用して

それでも登頂を目指します。
それは、彼らにとって、富士山は初めての登山だからです。

初めての登山で敗退するよりも、登頂という御褒美があった方が、登山が好きになる可能性は高いでしょう。

そして、周りには普通に自力で登っている方々が沢山おります。
そういう方を見て、

「次回は、下山で肩を貸してもらいたくは無いな。」
なんて思ってもらえれば、十分です!

しかも、それって大して言葉にしなくても、大部分の人が自然と感じるようです。
まずは、いい思い出を作っていただくこと。
次に、なんとなく「自力で登った感」の大元となる気持ちを抱いていただくこと。

それが、富士山ガイドでの目標です。
ただ、今回のツアーは悪天&大渋滞で、9合目にて敗退。

なんとか、「また来よう」という気持ちになって頂ければ嬉しいのですが。

ちなみに、今回のお客様は、メチャクチャ強かったです。
ガイドツアーとは言え、補助なんて全く要らない人たちです。