2010年12月31日金曜日

ジムクライマーと岩場




12月29日(水)、30日(木)も、しつこく城ヶ崎。
 
今回は、同じジム仲間の3名と、いつものハードレッドポインターの方と行ってきました。
 
さて、ジム仲間といっても、実は岩場でのロープクライミングはほとんど経験ない人も居ました。
ただ、ジムでのクライミングは僕よりも強いので、岩場でも結構なグレードにトライできます。
つまり、スポーツルートの岩場で強くなりたかったら、トレーニングのほとんどはジムで良いってことを実証する彼らです。
 
しかし、単純なクライミング能力の高い彼らにも、弱点はあります。
 
極端な例に思えるでしょうが・・・、
ジムでは5.12をオンサイトするような19歳の青年も、ヌンチャクの向きも知らなかったり、懸垂下降や終了点作業も皆無に近い知識。
ボルトの種類、カムの存在なんて、知るよしもありません。
 
こういうことには、あまり興味も無さそうだったし、僕も講習仕事ではなかったので、説明はちょいちょい程度にしておきました。
ただ、こういう例は少なくないようなので、色々な弊害もありそうですね。
 
例えば、今回の城ヶ崎は、実はクライミングエリアに行くにも帰るにもロープを使う、敷居の高いエリアです。
行きは、懸垂下降一発ですが、帰りの登り返しは手際の悪い人は渋滞の原因となって大迷惑です。
実際、帰りの登り返しで、暗い中での1時間~2時間の待ちはちょくちょくなんですよ!
 
城ヶ崎は、ルート自体も中級向けが多く、普通にクライミングを長く練習してきた人にとっては、このくらいのロープワークは日常的で問題もありません。
でも、ジムで強い人がいきなり来たら大変ですよね。
 
他にも、一般的に、ジムクライマーはトレーニング意識が高くて、岩場叩き上げの人は「そのままの岩を登る」みたいな意識が高かったり、クライミングの歴史に詳しかったりと、色々な違いはあります。
もちろん、それ自体は、どっちが良いとかはありません。
ただ、ジム中心の人は、岩場クライマーから見て非常識になることもあるので、一定の配慮はした方が良いでしょうね。
 
例えば、岩場に行くときには詳しい人から話を聞いたり、当塾の講習会を受けるなり、して欲しいです。
そして、城ヶ崎みたいな岩場は熟練者と来るか、あるいは熟練してから来るか、がベストです。
 
ちなみに、今回の城ヶ崎でクライミング講習会やってたインストラクターが、帰りの登り返しで手際が悪すぎて渋滞の原因になってました。
 
インストラクターは、ジムクライマーには熟練者に見える訳ですから、さすがに不味いっすよね~。
 
具体的に登ったルート
1日目
・風に吹かれて(5.11a) アップ
 
・チリコンカーン(5.12b)1便目
核心ムーブ出来ず、敗退
 
・チシャ猫(5.10d)
あまりに順番待ちが長いので、再アップ
 
・2便目 ムーブは全解決
 
・人生楽ありゃ苦もあるさ(5.8、クラック) 再アップ
 
・3便目 2テン
 
あまりにも渋滞が激しいので、海賊フック(5.10b)をヘッデンで登って、ザックを荷揚げして帰りました。
 
2日目
・ピーターパン(5.10b) アップ
 
・風に吹かれて(5.11a) アップ
 
・チリコンカーン 1便目
残念ながら、湿気っている。1テン
 
・2便目
前日の疲れか、核心前で完全レスト不可。ダメ
 
・3便目
2便目と同じ。ダメ
 
写真の1枚目の彼は、ジム中心ながらも岩場経験も結構ある後輩君。
彼は、さすがの登りで僕の最終目標の「シンデレラボーイ」をあと一歩に持ち込んでおりました。
矛盾するようですが、ジムは大切ですね(笑)。
 
そして、なんだかんだ、ジム友達が岩場も好きになってくれる姿は、単純に嬉しいものです。
富士山のお客様に山を始めて欲しいと思う気持ちと同じです。

2010年12月27日月曜日

アイスクライミング





































12月26日(日)は、北八ヶ岳の某アイスエリア。
先週に続き、牛社長の付き人として参りました。

アイスクライミングは、その名の通り氷を登ります。
ピッケルの形を変形させたアイスアックスを両手に1本ずつ、両足にはアイゼンを付けて、手足の代わりにします。

さて、一般の方には訳の分からないアイスクライミングですが、実は岩登りに比べたら易しいです。
例えば・・・
壁の中に氷が張ったら、岩を登るより簡単なので、氷めがけてまっしぐら。
他にも、沢登りの滝が凍ったら、滝そのものを直登して、冬の沢登りも出来ます。

ちなみに、フリークライミング同様に、近場の有名な氷瀑をゲレンデ的に登ったりもします。
近年では、ジムみたいな人工氷瀑まであるのです。

まぁ、スポーツクライミングに比べたら、危険を判断する機会満載の分野です。
そういう意味では、岩登りよりも敷居は高いです。

今日は、そんなアイスクライミングの原点回帰。
人気の少ない滝を見てきました。

が、まだ不完全な氷で水がジャージャー。
見学だけして帰りました。
ただ、一応アックスくらいは振って帰りたいという御要望があり、側壁の簡単な滝(4級マイナスくらい?)を登って来ました。

結果としては、またもや3時間ほどの高難度ハイキング?
僕自身、久々に冬装備を出してきたら、装備不備だらけ。
自分の仕事前に装備チェックをしておけて、良かったです。

2010年12月25日土曜日

ボルダー力不足







12月24日(金)は、またまた遊びで城ヶ崎。

しかし、微妙な風邪気味。
動き始めると、なんだか動くごとに苦しい。

終了点からの「テンション」コールも辛い。
こりゃダメだと思いつつ、本気ルートに一応トライ。
体調のせいもあるが、やっぱりのボルダー力不足で突破ならず。
"サザンクロス"は、ムーヴが出来ないので一度封印しようと思います。
他のをやってから、再トライします。

具体的なルート
・ピーターパン(5.10b)
アップ

・風に吹かれて(5.11a)
アップ

・サザンクロス(5.12b)1便目
1本目後のムーヴに進歩なし

・2便目
3本目後のムーヴ練習に切り替え。
初日に出来たムーヴすら出来なくなっている・・・
封印決定

・人生落ありゃ苦もあるさ(5.8、クラック)
もはや完全に心折れ、体を大切にモード。エンジョイクライミングして帰らせて下さい。

・イントロダクション(5.9、クラック)
引き続き、エンジョイクライミング。
クラックは、こうゆう気分のとき良いですね。

写真の黄色フリースのパートナーには、封印の二文字はありません。
根性!根性!ド根性!のレッドポインターです。

湯河原幕岩、クライミング講習

12月23日(木)の祝日は、湯河原幕岩にて岩場講習。

今回は、何年も前からの知り合い男性IさんとSさん。

Iさんは、1年ぶりのクライミング。
Sさんは、リードやムーヴアドバイスを中心に、自分の山岳会では得られないものを、といった要望。

一回で全部、って訳にはいきません。
まずは、疑似リードを中心に講習を行いました。

空いている代わりに、なかなかグレードが厳しいエリアなんで、お客様もクライミング内容そのものでは大苦戦。
そんな中で、色々と刺激は得られたでしょうか?

なかなか忙しい2人なので、まずはクライミングを着実に継続することが核心かもしれません。

具体的な講習内容
・ボルトの種類とチェック方法
・自作の簡易デイジーを使ったセルフビレイ
・ヌンチャクを掛ける向き(ウィップフラッシュ現象)
・終了点の仕組み(流動分散、固定分散、独立分散)
・ムーヴに関して、その場その場でのアドバイス

頻度の問題もあって伸び悩む彼ら。
上手くなるキッカケになりたいものです。

2010年12月21日火曜日

レッドポイント戦略

12月21日(火)は、またもや城ヶ崎で遊びクライミング。

今回も、レッドポイント目指して1つのルートを練習練習。

さて、R.P.(レッドポイント)は、いくら無制限リハーサルありと言っても、練習過程には一応のセオリーはあります。

まず、全ムーヴの解決。
次に、楽なムーヴを研究したり、手順を覚えたり、小休憩場所を研究したり。
さらに、少しでも力を抜けるように、体のちょっとした動きを工夫。
最後に、トライ。

普通、累計7日間くらいトライしてダメなら、別のルートに目標を変えます。
理由は、あまりに繰り返してトライすると、進歩する要素が減ってきて、トレーニング効率が悪いからです。

ただし、日数オーバーの例外はあります。

例えば・・・
「やればやるほどミスが発見できて、進歩がある!」
「自信を付けるために最高グレードなどにチャレンジで、ちょっと延長戦!」
「そのルートをトライすること自体が、生き甲斐!?」
なんて場合です。

さあて、何日トライするか、封印になってしまうのか?

まだ、ムーヴも全解決出来ていないので不安です。
が、今日は少し希望の光が見えました。

具体的なルート
・海賊フック(5.10b)
ウォームアップ

・風に吹かれて(5.11a)
ウォームアップの筈が、1テン

・サザンクロス(5.12b)1便目
1本目直後のムーヴ探り、進歩なし

・2便目
1本目直後のムーヴ探り、懸案の1手を何回か止める

・3便目
1本目直後のムーヴ探り、もはやヨレヨレ。
最後に、前回の最高到達点まで練習に登ろうと思ったが、ヨレて不可能。
クライムダウン回収。

今回、1本目直後を8手のボルダーとして分解してみました。
最初の4手、懸案の1手、最後の3手、という3分割では出来ています。
少しは可能性が見えて、良かったです。

力を抜く

12月20日(月)の夜は、Tウォール江戸川橋にてジム講習。
本日は、常連のYさんとTさん。

クライミングでは、「力を抜け!」とよく言われます。
が、どこの力を抜くべきか分からず、アドバイスにならない場合もあります。

スポーツクライミングの場合、1番最初に疲れて落ちる原因になるのは腕、もっと言えば指や手のひらです。
つまり、そこの力を温存するのが、最優先というわけです。

今回は、指に力を込める持ち方(カチ持ち)と、指を引っ掛けるようにする持ち方(オープンハンド)とを練習しました。

要するに、「温存する余裕がある場所なら、オープンハンドを積極的に使う」って練習です。

彼らのグレード(5.10aくらい)では、まだ手掛かりは相当しっかりしています。
しかし、それでもガッチリ握るか、手の皮を引っ掛けるように持つかで、前腕の筋肉ムキムキ度合いが後ろから見て明らかに変わるんですよね。

これは、自分で意識するのが結構難しい技術です。
今日一日で習得とは言いませんが、まずはキッカケになればと思います。

具体的な講習内容
・レストの種類の復習
・カチ持ちとオープンハンド
・一撃出来る程度のリードで実践練習

ところで、Yさんはリードのビレイが、いつの間にか上手くなってました。
そういうことも大切ですよね。

2010年12月20日月曜日

大沢崩れ見学











12月19日(日)は、富士山へ。
 
今回は、ちょっと変わった依頼で、運送会社の社長(通称:牛社長)に付き合うのみ。
 
ガイドでも、講習でもないように感じますが、以前、相当お世話になっていた人なので、何なりとお申し付け下さい(笑)。
つまりは、ボッカ・ビレイ・リードなど、その場で言われた作業を何でもする、山バージョンの付き人ですね。
 
当日の車を降りるまで、行き先は二転三転。
朝10時過ぎに、富士山吉田口のスバルラインを車で走っている状況でした。
 
最終的には、御中道と言われる富士山中腹を巡る道を、途中まで歩いてきました。
大沢崩れという崩落地の横断が難しいので、今回もそこを見に行ったのみ。
一周することはしませんでした。
 
往復3時間くらい、アイゼンを使うか微妙くらいの樹林帯ハイク。
装備は、先日買った新品冬靴と、アイスアックスだったりしましたが・・・。
まだ富士山も、雪が少ないですね。
 
具体的なコース
・富士スバルライン御庭駐車場 ~(右回り)~ 大沢崩れ ~(往路を戻る)~ 駐車場
大沢崩れを見に行けたのは、来年の富士山での話のネタとしても収穫でした。

2010年12月19日日曜日

城ヶ崎、とりあえず撃沈




12月18日(土)は、相当久しぶりに遊びで岩場クライミング。
城ヶ崎に参りました。
 
僕が最終的に登りたいのは、“シンデレラボーイ”というルートです。
ちなみに、このルートは、2つのルートを繋げて、「連続して登る難しさ」を加えたものです。
 
登るスタイルは、レッドポイント(R.P.)という、無限回リハーサルありの、最終的な完登です。
無限回、って言っても通常は、ある程度で引き際はあります。
「まだ実力不足」という判断もあるので。
 
どんな風に2ルートを繋げるのかは、図を描かないと説明しづらいので、興味のある方はルート集を見てください。
さて、もともとの2つのルートというのは、“サザンクロス”と“チリコンカーン”という名前が、それぞれについています。
 
上級者の方は、“シンデレラボーイ”をいきなりトライすることもあります。
しかし、僕のようなギリギリのレベルだと、2つのルートを解決してから“シンデレラボーイ”に取り付くのが普通です。
 
という訳で、今日は“サザンクロス”にトライ。
しかし、見事に撃退されました。
うーむ。この最初のルート自体に何日掛かるのでしょう?
とりあえず、また近いうちに行くとします。
 
具体的なルート
・ピーターパン(5.10b)アップ
・サザンクロス(5.12b)1便目
 1本目後、ムーブ解決出来ず
・2便目
 1本目直後の一連のムーブを前後半に分解し、2本目直前のムーブだけ解決。
 以降、3本目直後の噂の一手までは解決するも、4本目には辿り着けず。
・3便目
 1本目直後のムーブだけ徹底的に探る。
 ちょっとだけ可能性は見えたが・・・、まぁ繋げにくいムーブですね。
 早くも疲れてムリ。
・4便目
 ヨレヨレなので、トレーニング的に割り切って。
 案の定ダメダメ。
 3本目に残置してある敗退ビナで回収。
  
  
出だしのムーブが出来ないと、ガックリ来ますね。
パートナーは、それこそ“無限回トライ”でR.P.を狙う覚悟のクライマーなんで、激励されております。
まだ、もう少し粘ってみます。

一件前の文章について

文章表現が悪かったようなんで、お詫びです。

下記の内容は、「誰々がちょっとなぁ・・・」みたいな話ではなく、「僕はどうすりゃいいんだろう?とりあえず、考えながら色々試してみます。」という話です。

僕の考えもハッキリしてないので、読んだ方の混乱を招いたようです。

2010年12月16日木曜日

講習or徒弟制度?

僕の所属するチーム84の忘年会がありました。

最近、84では初心者的な新人比率が増えまくっております。

同人には、新人教育義務はないので、基本的には放っておかれます。

彼らの言葉を借りると、「会費も義務も無いし、良い人たちだから、とりあえず集会に参加し続けるところだけでも。」といった所です。
実際、色々なジャンルの登山・クライミングを実施する人を受け入れる84は、居心地も悪くないと思います。

新人教育義務がないとは言っても、気に入った新人は、タイミングが合えば連れて行きます。
が、人数が増えてきたり、完全な初心者が入ってきたりすると、さすがに面倒を見るのも難しいです。

最近では、石田登山塾にお客様として参加してでも、という人もおります。

でも、仲間からお金取って講習するのは、色々微妙な気がします。
同人は、単なるパートナー集めの場なのか、それとも無償の義理人情の山仲間なのか?

どうしたら良いんだろう?

ところで・・・
石田登山塾では、他会の講習や訓練、新人教育を請け負ったりしています。
それも、この同人流行りの時代の流れでしょう。

しかし、全部外注してたら、山岳会の上下の繋がりも薄くなり、いつかツケを払うことになると予想しています。

つまり、プロの講習会は大変効果的ですが、山岳会の徒弟制度を完全に埋めることは出来ないと思うわけです。

話を戻すと、今回は84の人にあまりに強く頼まれたので、石田登山塾として講習を実施してみようと思います。

話が長くなりました。僕も、僕がどうすべきか分かりません。
これから、山業界の在り方が変わっていくのかもしれませんねぇ。

2010年12月13日月曜日

富士山ガイド、リーダー会

12月11日(土)、12日(日)は、富士吉田市にてリーダー会。

リーダー会というのは、僕の所属する富士山ガイドの運営会議です。

リーダー1名が10名ほどのガイドを呼び出し、50名全員で議論したら収拾がつかないよう細かいことを決めます。

例えば、僕は今回ベテラン向けの定期更新試験を担当しています。
方向性とか、大まかなことは、全体で意見統一してあります。

リーダー会では、その試験中の給与とか、例外規定とか、不合格した場合の解雇手続きとかを話し合います。
まぁ、来月に全体会議がありますので、最終決定はそこで。

しかし、2日間、事務作業と文書校正、細かい点の話し合い、というのは案外ツラいです。

富士山ガイドは、単なる季節労働を越えてますねぇ。
ただ、夏の熱い気持ちは、さすがに今は持続してませんけど(笑)。
また来年、熱くなるでしょう。

2010年12月11日土曜日

冬靴&冬山の講習(雪上訓練など)

冬山用の登山靴を、新調しました。

「なんで去年アラスカに行くときに買わなかったのに、今頃買うんだ!」
という突っ込みが聞こえてきそうです。

はい。その通りなんですね。
その節は御迷惑お掛けしました。

ただ、今年も雪訓などの仕事で入門雪山に行く以上、結局以前のヘタレた靴は凍傷が治った足指が不安で不安で・・・。

実際、凍傷後の最初のシーズンは、特に再発しやすいそうです。

そこで、結局はバリバリに暖かい2重靴を買いました。
これで一安心。

実は、日本にある、僕に合うビックサイズの冬靴自体が、2重靴しか無かったという理由もあり。

具体的には、ボリエールのG1ライト。
しかも、日本のカタログ最大サイズのUK11.5。

日本に仕入れている冬靴で、僕のデカ足に合う数少ないモデルです。

さて、最後に宣伝。
雪上訓練(アイゼン・ピッケル、雪を利用したビレイの基本、など)、アイスクライミング基本講習、行えます。
本格的な雪山を始める前に、是非とも安全管理技術の確認を!

雪山は、クライミングのロープワーク同様、最初が肝心。
「講習じゃなきゃダメ!」なんて言いませんが、しっかりした経験者に着くのは最低条件だと思います。

2010年12月10日金曜日

オンサイト

先ほど、ジムにてちょびっとだけ成果がありました。

オンサイト(初見一撃、O.S.)でのジム最高グレードを更新しました。

具体的なグレードは、5.12a。
ジムのグレードは、岩場のように年月をかけて改訂されることもなく、実は結構適当です(笑)。
ただ、このルートは、「グレードの割には易しい」という物言いがあまり付いていないので、ちょっと嬉しいです。

ちなみに、オンサイトがクライミングで尊重される理由は、僕の理解では2つです。

1つ目は、フリークライミングの元となる考え方で、「自力で登った感」の強いスタイルだからでしょう。
つまり、一回リハーサルするのが、ちょっと反則っぽい、という感覚です。
この「自力で登った感」は、クラックとか登山のときに強く感じることが多いですが、スポーツクライミングで感じることも度々あります。

もう1つは、スポーツ的に心技体が調和した総合的な実力が出せて楽しい、という点です。
スポーツクライミングのコンペで、初見一撃の能力で勝負を決するのも、この影響でしょうね。

ちなみに、対極にあるスタイルが、レッドポイント(R.P.)と言って、リハーサル無限回にオーケーという方法です。
まぁ、これはこれで面白いし、色々と練習にもなるので、僕もよくやります。

具体的に登ったのは、マサオ製作の水色バツ。
ちなみに、先日の自作5.12bも、一応完登しておきました。

2010年12月8日水曜日

リンクフリー

石田登山塾のホームページ、このブログ(石田登山塾日誌)は、リンクフリーです!
これを見ている皆様、どうぞ載せて下さい。
ということを宣言すると共に、既にリンクを貼ってくださっている方々などのリンクを右に載せました。

ホームページの方にも、リンク集を各サイトの説明付きで載せる予定ですので、よろしくお願いいたします。
特に、ガイドなんかは、そのガイドの得意分野とか説明して紹介した方が丁寧ですしね。

メカ音痴の私ですが、また一歩、現代社会を追いかけて行こうと思います。
日に日に離されている気はしますが。

ムーヴ講習(レスト編)

12月7日(火)の夜は、ランナウトにてジム講習。
今回は、常連の女性Tさん。

クライミングでは、登っている最中に腕を休める動作(レスト)が重要です。
ホールドを掴むのも、腕を上げているのも、腕の血流を止めるばかり。
登りながらイチイチ腕を下ろしたり、一瞬でも腕を振ったりする動作は、体力温存の常套手段です。

さて、今回はそのレストの方法について講習しました。

しっかり両手をチョークアップする方法から、一瞬だけ腕を振るテクニックまで。

面白いくらいに身に付いたので、かなり持久力がアップしたように思います。

具体的な講習内容
・超基本ムーヴの復習
・落ちる練習、止める練習(前回よりも恐怖は減り)
・レストの種類ごとのコツ(長期レスト、中期レスト、短期レスト)
・リードの本気トライ(5.10aを2本完登、5.10cは敗退)

根気強く続けてきた甲斐がありましたねぇ。
5.10aは、リードの最高グレード更新だそうです。

2010年12月6日月曜日

クライミング講習、というか強化合宿?
















12月4日(土)、5日(日)は、湯河原幕岩にてリード講習。
今回は、30代の男性3名グループ。
前回、ジムでの講習は快速そのもの。
今回は、岩場でのリードについて学びます。

やる気あるチームで、早朝からヘッドライト下山までの2日間。
初心者に一番効果のある練習方法は、質より量です。
岩場では「最初入り、最後上がりの鉄則」を守る初級者は、強くなりますよね。

ハードにやった甲斐あって、今回だけで岩場に自分たちで行ける自信も付いた様子です。
どの内容の講習も、1回で習得していくので、2ヶ月に1回でも近い将来卒業しちゃいますね。

これまで、ロープワークらしいことはほとんど知らない方々でしたが、今回で基本的なシステムも理解できたみたいです。
相当ミッチリ教え込んだので、マルチピッチや沢なんかでも役に立つはずです。

技術書も、もう一度読み直してもらいたいものです。

次回は、いよいよクラック講習でしょうか?
クラックには、相当な興味を抱いているチームなので、きっとまた充実の講習になるでしょう。

具体的な講習内容
<初日>某不人気エリアにて
・セルフビレイの取り方(足場の悪いエリアなので)
・疑似リードの中で、落ちたら危険な場所のこなし方(クライムダウンできる範囲のムーブで)、ウィップフラッシュ現象、クリップの体勢について
・ボルトの種類やサビ具合などを見るポイント
・終了点の基本的な仕組み
 (独立した複数支点、流動分散、固定分散、細引き、チェーン)
・本気トライ(たまたま、丁度良い難しさだった)
<2日目>桃源郷の右隣の5.6からゼルダの岩にかけて
・スリングの収納方法
・結び替え(なぜか、お客様のモチベーション大!!)
・懸垂下降
・終了点が無くて、立ち木を使う場合
・終了点を自前の捨て縄で補強する方法
・終了点でよく見かける、一般的なロープの結び方集
・本気トライで実践
・ムーブがこなせない場合のトップアウトの小技集(たまたま、そうせざるを得ず!!)
・ヌンチャクの回収方法、懸垂下降中の仮固定
こうして見返しても、ロープワークをほとんど知らない人に、よくもまあ教えまくったものだと思います。
復習がてら、岩場リード&ムーブ講習というのも1つの手かもしれません。

2010年12月3日金曜日

また1人

友人が山で亡くなりました。
詳細は知りませんが、周囲への影響を考えると知っていてもブログでは語れないでしょう。

強いクライマーで、いい人だっただけに、残念です。

ちなみに・・・
大きな事故の場合、詳細が正式に発表されるとは限りません。
新聞記事の数十行までは公表されても、あとは噂に聞く程度ということは多いです。

理由としては、事故者本人が恥と感じて語りたがらなかったり、本人が亡くなって周りが語りたがらなかったり。
同じ山の会ならともかく、普通のクライミング友達でも聞きづらいことすらあります。

山での事故は、完全な不可抗力であることの方が少なく、多少はミスが絡んでいます。

ただ、僕の実体験とか諸先輩の事故例を見ても、ミスもあり得て当たり前。
小さなミスで責任追求してたら山なんか行けないし、それも受け入れて登るんですよね。

だからこそ、ミスの確率を下げる意味で、事故例は知識として知っておきたいものです。
先ほどの理由で、身近な人の「ヒヤリハッと」体験が聞けないなら、『生と死の分岐点』という本を読んどくのがオススメです。
ドイツ山岳会がまとめた、ありがたい本です。

とはいえ、恐がってるときに読むと、ますますビビる内容なんですよね。
事故事例集から教訓を学ぶ本って。

フリーファンの『安全ブック』はフリークライミングのみですが、もう少し軽い感じで読みやすい事故事例集です。

2010年12月2日木曜日

ルート作り

今週平日は、ランナウト通い。
実は、城ヶ崎に行く予定が諸事情で中止になってしまったので、時間に余裕がありました。

そんなわけで、自分の練習以外にも、人工壁ルートを作りました。

最近は、ちょっとだけ上達を実感してきて、自分なりにムズカシ目のものを作りやすいです。

今回のは、自分の一撃出来るグレードより高いということもあり、2時間くらいかけて作りました。
(僕は遅い方ですが、初心者的なグレードなら、さすがに30分前後で作れたりします)

割りと面白いと思うので、興味のある方は是非とも。

2010年11月29日月曜日

湯河原幕岩でクライミング

11月27日(土)、28日(日)は遊びで湯河原幕岩。

といっても、来週末の湯河原でのリード講習に備えて、下見という面もあり。

初日は、空いている易しいエリアを求めて偵察。
超入門ルートから7本を試登しつつ、エリア巡り。
なんとか見つけることが出来ました。

条件は
・超入門の5.9くらい
・ボルト間隔もまずまず
・ボルトそのものの安全性もまずまず
・付近にちょっとだけ難しいルートもある
・同じルートで繰り返し練習出来るくらいガラガラの空き具合

といった条件で、探すので、アプローチの近さ、ルートの面白さ、足場の良さは二の次です。

2日目は、自分のクライミング。

「今日は人気ルートで、空いたところを適当に登ってトレーニング」なんて思っていたら、人気ルートで空いているのは難しいのばかり。
全ての初級ルートが順番待ちなのを見て、モチベーションは地の底へ。
(5.7から5.11前半まで、ほとんどロープスダレ)

またもや不人気エリアを求めて徘徊しました。
ウォームアップは、錆びたボルトの短いルートを数本。

そんな徘徊中、まぁまぁ面白いルートを最後に発見。
とにもかくにもオンサイト出来たのは良かったです。

夕方は、ルートの順番待ちに嫌気が差して、ボルダーを楽しみました。

具体的なルート
初日
某不人気エリア5.9から5.10bまでを7本O.S.

2日目
・ピーターパンロック(短く、ボルトは錆び錆び、ハンガー交換はされている)
ピノキオ(5.10a)、シンドバッド(5.10b)、ピーターパン(5.10d)

・サンバリー
マザースカイ(5.11b)O.S.、ルート名不明(限定がよく解らず、グレードは不明)

・豆粒岩ボルダー
8級から4級までを適当に何本も


湯河原の人気エリアの混み具合は、尋常じゃないですね。
順番待ちに関するマナーでも、問題ある人が多い様子です。
僕の友人クライマーからも、あちこち嘆きとイライラの言葉が聞こえてきました。

初心者エリアは、いろんな意味で大変ですね。
場所取り合戦&ルート譲りませんよオーラ、などなど。

2010年11月27日土曜日

リード講習(落ちる練習)

11月26日(金)の夜は、ランナウトにてリード講習。
本日は、常連のYさんとTさん。

いよいよリード講習のクライマックス、落ちる練習とビレイで止める練習に入りました。
「ついにここまで来たか」と、少し感慨もあります。

落ちるのを嫌がる初級者は多いですが、落ち慣れは素晴らしいことです。

・ギリギリまで頑張れるようになって、フリークライミング上達速度アップ
・落ちるくらいまで頑張ることで、スポートクライミングのスポーツらしい楽しさアップ
・小さなフォールを繰り返す中で、正しいビレイなどを実感
・どんなときに落ちそうなのか正確に把握出来るようになり、アルパインなどで落ちちゃいけないときも、安全性アップ

とはいえ、恐いんですよね。
「良薬口に苦し」。落ちまくるしかありませんね。

こういうことは、コーチ役が居ると、頑張れる面もあります(笑)。

2人とも、着実に着実に成長を遂げています。

具体的な講習内容
・超基本ムーヴの復習
・落ちる練習(軽い振られ落ち、最終ピンが足下までは頑張って!)
・リードのビレイ(繰り出しのコツ、体で流す)

2010年11月25日木曜日

山岳ガイドになるには?




11月25日(木)は、山道具屋デナリの店番にまたも狩り出されました。
本格的に人手不足なので、アルバイトに興味のある方は!

さて、またもや新しいガイド志望の方に会いました。
魅力ある仕事に見えるのか、それとも簡単そうに見えるのか、ガイド志望の方はとても多いです。

僕はインストラクターだと自負しており、ガイドらしいガイドとは違います。
が、富士山ではガイドもしておりますし、山岳ガイド資格試験の経験者としても、毎回相談に乗ったりしております。


というわけで、この機会にガイドの能力を紹介してみましょう。
もしかすると、ガイドになりたい人なんかもこのブログを見るかも?

では、ガイドに必要な能力って何なのでしょうか?
主なものを挙げると
・安全管理能力
登山経験から来る判断力と緊張感、登山技術、体力、プロとしてお客様のリスクを最小限に抑えようとする努力、など。

・登頂させる能力
無理して登らせるのは問題だが、お客様は基本的に「登りに」来ている。
登りながら教えたり、モチベーションを高めたり、楽に登らせるよう努力したりできる。

・説明能力
マンツーマンならば、極端な口べたは困る程度。
ただ、富士山ガイドは、初心者40人をまとめるために、この能力が大事。

・接客能力
お客様の「登ろう」、「上手くなろう」というモチベーションに寄り添えれば、感情移入して仕事も出来る。
あとは、若干の丁寧さ。
ガイドに、ホテルマンのようなサービスを求めるお客様は、ほとんど居ないので。

その他
☆僕のような育てて自立を促す仕事だと、教える能力は特に大切。
☆盛り上げトーク、山の歴史、植生などに長けていると、ガイド登山そのものを楽しませることが出来る。

あとは、それぞれの仕事ごとに重点が違うのだと思います。

ただ、安全管理能力の大前提には、普通の登山者としての高いレベルが求められます。

じゃあ、ガイドになろうと思ったら、最低限の登山経験はどのくらいでしょうか?
里山ハイキングとアルパインクライミングを同じには語れないので、参考まで。
僕の受験してきた、日本山岳ガイド協会の“山岳”という資格(簡単なクライミング、雪山までガイド可能)に関して。

クライマーとして
・冬壁3本(八ヶ岳は仕事で使うようなレベルだからダメ)

登山者として
・3000m級の山で、1週間の冬山縦走

クライミング講習会などを開くことも考えると
・クライミング各種の中級レベルのたしなみ
  (スポーツルート5.12aのR.P.、クラック5.11aのR.P.、アイスクライミングのリード5級)

あくまで、僕がガイド修行してきたなかで感じた最低限度です。
とはいえ、特別高いレベルとは思いませんし、「これ以下は、さすがにちょっと」とも感じます。
ガイドも、お客さんよりもちょっと経験あるくらいじゃ、安全管理のプロとしてはダメですからね。

もっと詳しいことに興味がある人は、直接メールください。
登山経験の次に、具体的なガイド修行方法や、僕よりはるかに優秀なガイドを紹介もしますよ。

84(はちよん)の集会

11月24日(水)の夜は、僕の所属する山岳同人チーム84の集会でした。

僕も久々に参加したんですが、最近は見学者がちょくちょく来るみたいです。
今回も、そんな方々に僕らの会の説明をする必要あり。

同人は、山岳会のような縛りがないので、皆がバラバラというのは否めません。

新人に一通り説明しながら、自分自身がどんな同人を望んでいるのか自問自答です。

まぁ、僕自身がこの 冬はフリークライミング中心なので、山の会としての危機感も沸かないんですが。
何だか他人事で。

ところで・・・、
昨日から禁酒を始めました。
期限は、今季のフリークライミングで成果を出すまで、です。

今はフリークライミングを楽しんではいます。
が、皆が山に行く話を聞いていると、さすがに羨ましくなりますね。

2010年11月21日日曜日

山岳会の救助訓練

11月20日(土)、21日(日)は立川山岳会のザイル祭(要するに、1年で最大の宴会)にお邪魔して来ました。

これに参加したのは、単純に昔から縁のある山岳会という理由だけではありません。

この山岳会、宴会の翌朝は、奥多摩の河原で救助訓練をするのが恒例です。
実は今回、この救助訓練の講師役として雇っていただきました。

大宴会の翌日という悪条件ながら、まずまず充実した訓練が出来たと思います。

さらに言うと、この会の救助訓練には、以前にも一参加者として参加したことがあります。
そのときから比べて、年々少しずつ進歩してますね。

具体的な訓練内容
・背負い搬送の実戦練習(ザック+ハーネス、ザック+ストックなどで、登山道歩き)
・担架搬送の実戦練習(ザック担架で登山道)
・ATCタイプのビレイ器具での仮固定
・懸垂下降のバックアップの取り方(各種)
・自己脱出の効率的な方法

救助技術は大切ですが、そうそう身に付くものではありません。
毎年恒例の救助訓練というのは、良い方法ですね。

来年、少しでもレベルアップした訓練になっていけば嬉しいことです。

2010年11月20日土曜日

スリップストリーム・ウィルダネスファーストエイド

11月15日(月)から19日(金)にかけて、富山県の立山にて野外救急法(WFA:ウィルダネスファーストエイド)の講習を受けてきました。

講習主催は、スリップストリームというカナダの野外救急法に関する会社。
今、日本に野外救急法を広めようとしている団体です。

さて、内容に関して。
例えば、大きな墜落や落石の後、怪我人を動かして良いものか悩んだことはないでしょうか?
とりあえず大丈夫そうな雰囲気だからと動かしちゃった経験や、逆に大事を取って救助を呼んだ経験は、僕にもあります。

動かしてはいけない例というのは、骨盤骨折や脊椎損傷の疑いがある場合ですね。


実際の講習内容
・そんな場合のちゃんとした固定法
・「軽傷で固定しなくて良い」、「固定して、自力下山でオーケー」と判断するためのチェック項目
・バイタルサイン(脈拍、呼吸数、瞳孔の開き具合、など)、痛みの箇所、などの傷病事故記録の取り方
・その他、代表的な怪我、病気について

・実践形式のトレーニング


昨年が、日本での初開催だそうで、正直イマイチな面も多々ありました。
が、今年は劇的に改善されており、来年は相当オススメの講習になるかと思います。
講師は激アツ、スリップストリームは超が付く本気です。

僕も、来年も是非復習に参加したいです。

さて、ここまで読んで興味を持たれた方向けに、僕が感じたことを情報として載せます。

とりあえず現在は、インストラクター、ガイドなどの野外活動のプロ向けの講習の感は強いです。

理由は、
・料金が6万円以上(今の円高で)
・裁判対策的な色合いがある
・平日5日間連続の合宿形式がメイン
・かなり実体験が無いと、知識量に押されがち
・日本の実情にマッチした内容になるのは、将来的な目標
などなど

あと1つ。受けることを検討する方に言えるのは、

・野外救急法で言う"野外"は、夏山登山道(岩場はほとんど無し)、数時間程度の雪山ハイキング、フリークライミングのゲレンデ、くらいのイメージです。
そもそも、雪山の稜線での「本当なら固定すべきだけど、このままにしてたら死ぬかもしれない」といった状況で、リスクを天秤に掛ける判断材料は、あまり期待しない方が良いです。

基本的に、固定が必要ならちゃんと固定して担架で運ぶことを学びます。
ファーストエイドの王道、つまり"タテマエ"を学ぶ場なのです。

今回のメンバーは、富士山ガイドの仲間たち、僕がガイド試験を受けた仲間、その試験官を務めるような大物ガイドの面々、山スキーガイドの面々など。

ただ、安全意識の特に高い一般のクライマーや登山者も受けに来てはいました。
では、興味のある一般の方へ。
まず消防署などで、町の救命救急法を受講して、さらに入門書で勉強して、簡単な固定法も練習して。
それから受講を考えると良いと思いますよ。あまりにも内容が濃いので、消化不良も請け合いなので。
入門書には、ヤマケイの『登山医学入門』(ヤマケイテクニカルブックスシリーズ)がオススメです。

2010年11月14日日曜日

守りの技術

今夜出発で、月から金まで富山県の立山駅周辺で、野外救急法に関する講習を受けてきます。

昨年受けた、WFA(ウィルダネスファーストエイド)です。
初受講した翌年の聴講は無料という話なので、復習のチャンスでしょう。

とはいえ・・・
内容の厳しさは程々ながら、スケジュール詰め詰め、居場所まで缶詰めの5日間なので、若干憂鬱です。

守りの技術(ファーストエイド、ロープレスキュー、などなど)って、習得にモチベーションが湧きにくく、義務感に近いものがありますからね。

帰宅は、1番早くて土曜の朝です。

VAC(バーチ)

11月13日(土)は、夕方からクライミングジム「バーチ」で自分の練習。

普段の僕は、仕事以外の自分の練習も、西国分寺のランナウト一辺倒です。
が、たまには他のジムに行くと、マンネリ化してた自分に刺激になって良いです。

さて、今日は大の苦手ムーヴ「ダブルダイノ」(両手での飛び付き)を練習しました。
というのも、それが苦手な僕でも練習出来るようなホールドが、偶然にもバーチにたくさんあったのです。
そこで、手を変え品を変え、自分を飽きさせないようにしながら練習してみました。

苦手な動きが、自分の限界グレード付近で出てくると、どうして良いのか見当も付かず。手も足も出ないものです。

苦手克服のため、初心者的な基礎練習も、時には意外と効果があると思います。
ジムでのムーヴ講習を、自分の苦手に当てはめた気分ですね。

写真は、バーチ全景、ダブルダイノでホールドを掴んだ瞬間。

2010年11月13日土曜日

来シーズンの富士山に向けて

11月12日(金)は、富士吉田市にて富士山ガイドの集まり。

富士吉田口のガイドというのは、吉田口登山道にある山小屋のどれかに所属しています。(おそらく、全員)
そして、各小屋ごとに新人募集や解雇などの決定も行っています。

さらに、それらのガイドが富士吉田市にガイド登録しているという仕組みになります。

さて、今回は富士吉田市にガイド登録している者同士の代表者会議みたいなものです。
平たく言えば、各小屋のガイドから数名ずつ集っての会議となります。

富士山ガイドは、夏の季節労働とは言いながらも、様々な協力ありきで進んでいる現場です。

ちょっと大変ですが、僕にとっては石田登山塾へのモチベーション再燃と、短期集中労働で経済的余裕を頂けた職場です。
来シーズンの富士山も、早くも少し楽しみです。

2010年11月11日木曜日

理詰めは混乱の元や否か?

11月10日(水)の夜は、ランナウトにてジム講習。
今回は、常連のTさん。
本日は、ムーヴの復習8割、リード講習2割で行いました。

クライミングのムーヴを教える難しさの1つに、
「ある程度本能的に体が動き、理詰めが苦手な人に説明すると、逆に混乱することがある」
という点があります。

Tさんの場合、半ば本能的に色々な動きが使い分けられていて、割りと上手く登れていました。
が、もう少し細かくアドバイスするためには、自分の苦手を把握してもらうとグッドです。

そのためには、ある程度ムーヴの名前などを覚えて、動きを分類して自覚してもらうのが良いと、僕は思います。

ただ、どうしても理詰めになるので、中途半端に教えても単なるお節介。
混乱させるだけです。

そして今日、「根気よく続けたTさんの頭が整理されてきた」と、会話の節々で感じられました。

あとは、コツコツです。
おそらく、Tさんにとっての大きな壁は越えかけていますよ。

具体的な講習内容
・超基本ムーヴの復習
(特に、ダイアゴナルの足位置に関して詳しく)
・リードのロープワーク確認
・落ちる練習(事始め程度)

リードの形は概ね出来てました。
あとは落ちたり止めたりして、リアリティーを持ってリード出来るようにしていくことですね。

2010年11月9日火曜日

十一面岩のベルジュエール










11月6日(土)、7日(日)はミズガキ山の周辺で遊びクライミング。
今回の主目的は、後輩“リッキー”がどうしても達成したい目標に付き合うこと。
それは、ミズガキ山の頂上から程近い十一面岩という岩峰にある、フリークライミングのマルチピッチ「ベルジュエール」というルートを登ることです。
しかも、全行程通して一度も落ちることなく、まさしくフリーで登ることが目標です。
さらに言うと、クライミングの完登の中で、最も価値も達成感もあると言われるオンサイト(初見・1撃)で全行程を登ることが目的であります。
これは、僕も以前に登ったことのあるやり方で、最高の爽快感が味わえます。
登山やクライミングは、やり方に拘ると同じルートでも更なる達成感に到達できます。
その達成感を知ってしまうと、とりあえず「何でもアリ」でルートを登ることを「勿体ない!」と感じてしまうのです。
さて、今回の結果は残念ながら、リッキーが2ピッチ目でフォールしてしまいました。
ただ、そこでロープにぶら下がった後に、再度そのピッチを完登しました。
他のピッチは、全て初見1撃で完登です。
つまり、「下から頂上まで一度も落ちずに」という当初目的はダメでしたが、全行程をコマ切れでは完登した、ということです。
それでも達成感は大したもので、彼もたったの1フォールを悔やみつつも、大いに満足した様子でした。
ちなみに、僕は荷揚げ要員でひたすら寒いので、ほぼずっとダウンを着込んでおります。
2日目は、前日のフル行動ヘッデン下山が響いて、軽いクライミングでした。
ただ、僕は気になっていたワイドクラックを吼えながらも登れて、量は少ないながらも大満足しました。
具体的なルート
1日目:
ベルジュエール(リードは全てリッキー)
1ピッチ目:5.11bのスポートルート
2ピッチ目:5.9のスラブ(1フォール後、R.P.)
以降10ピッチまで、5.10前半のクラック数本と、5.8のチムニーなどが続く。
2日目:
スコール(十一面岩正面壁)
2ピッチ目が、写真のワイドクラック。
このピッチを僕がO.S.。
ただし、そこから上のピッチには行かずに下山。
ベルジュエールは、フェース・スラブ・クラック・チムニーまで全ての要素が出てきます。
中級クライマーの皆様は、「何でもアリ」でベルジュエールを登るのを思いとどまって、本気でオンサイト狙うと楽しいですよ。
実際、日本にこういうマルチピッチは少ないですし、勿体ないんじゃないでしょうか?
10ピッチ、1度も落ちないという緊張感と達成感は、格別ですよ。

2010年11月8日月曜日

日帰りで雲取山







11月5日(金)は、雲取山で登山講習。
今回のお客様Oさんは、富士山ガイドのお客様だった方で、徐々に成長して来たのです。

さて、すでにOさんは自力で低山ハイクを楽しめるようになっており、雲取山だって頑張れば自分で行けるかもしれません。
しかし、雲取山の日帰りは、下山でヘッドライトになる可能性もある長丁場です。
(参考タイム、9~10時間くらい)

まして、これからは冬のような寒さ。
やっぱり最初は不安でしょうから、僕の方から雲取山での講習を勧めたのです。
雲取山に日帰りで行けるくらいの体力&山慣れがあれば、もっと他の登山も楽しめるはずですね!

さて、登りは予想以上にハイペースで歩くことができ、昼過ぎには山頂到着。
Oさん苦手の下山も、今回は良いペースで進み、明るいうちに下山することが出来ました。

雲取山は、僕自身も大好きな山です。
日帰りハイキングとは思えないような、景色の良い尾根歩き。
高校時代に危なっかしい目に遭いながらも何度も登ったトレーニング。
初めての山中泊の思い出。

初心者の頃に何度も登っただけに、思い出深いものがありますね。
色々な要素を混ぜ合わせて、僕にとっては「また来たい」と思わせる山です。
今回のお客様も、秘かに「日帰りで雲取山」を目標にしていたのだと伺いました。

快晴の中で順調そのもの、本当に良い登山でした。

具体的なコース
鴨沢バス停 ~ ブナ坂 ~ 雲取山 ~ 富田新道 ~ 日原林道 ~ 東日原バス停

プラスアルファ的な講習内容
・読図講習の復習

次回は、いよいよ寝袋を用意して、泊りがけの講習ですね。

2010年11月5日金曜日

三ツ峠、プロテクション講習

写真は、岩用の支点(プロテクション)になる道具の代表選手、カムです。

11月3日(水)は、三ツ峠にてマルチピッチ講習。

今回は、前回にクラック講習を受講下さった女性Tさん、女性の山スキーヤーNさん。
2人とも、マルチピッチ経験はあるものの、プロテクション技術は皆無に近いです。
ある意味、日本のアルパイン業界を象徴するような成長をしてきた初級者ですね。
実際、僕も始めた頃は、そんな習い方もしましたから、気持ちは分かります。
でも、バリエーションルートにチャレンジするなら、自分で支点作れなきゃ嘘でしょう。


2人それぞれ、「クラックを始めたい」、「アルパインクライミング技術を体系的に習いたい」(聞くだけでも熱い申し出!)と、石田登山塾への切っ掛けは違います。

それなら、簡単な(Ⅴ級、5.6未満)クラックマルチとして、三ツ峠がオススメでしょう。
まずはカム・ナッツを使ってのクライミングでフォローして頂き、実体験が第一。
さらに、取り付きでハーケン打ちの練習まで欲張りました。

より効率的なロープワークのコツまで突っ込みたい気持ちもありましたが、あまりに詰め込むと混乱の元ですからね。

次回は、クラック講習を受けていただきたいものです。そして、再度マルチピッチ講習をば!

具体的な講習内容
(リードは全て講師)
まずは、弱点ラインで頂上にトップアウト。歩いて戻る。

次に、少しだけギアを落としにくい方法等を教えて、別ラインから3ピッチ登る。懸垂下降で降りる。
カム・ナッツの効かせ、ハーケンの打ち方、回収方法を講習&練習。

再び、別ラインから2ピッチだけ登り、懸垂下降。

最後に、残置支点の強度について多少の説明。

元気な方々で、大学山岳部に負けないような充実の1日になりました。

2010年11月3日水曜日

楽に登る

11月2日(火)の昼間は、ジム講習。
本日も、常連のYさん。

今日で、また一歩楽に登るコツを理解してくれた様子です。僕から見ても、日に日に滑らかになっていて、嬉しい限りです。

さて、具体的な今日の内容としては、ムーヴとムーヴの繋ぎ目の足の移動について。

クライミングのムーヴの種類は、沢山あります。
例えば、ある一手について考えても、複数のムーヴが同じくらい楽になることもあります。
その場合、どれが正解か(厳密にどれが1番楽か)に固執するのは、経験上あまり意味がないです。
それよりも、「一手前のムーヴから足の移動が少ない」とか、「一手先のムーヴへの足の移動が楽」などを考えてムーヴを選ぶ方が、大事になります。

逆に言うと、「一手一手は楽なムーヴなんだけど、毎回体勢作りに苦労して辛いのは、無駄」ということです。

すでに出来る人にしか理解できない文章になっていると思いますが・・・。
まぁ、これが大変感覚的で伝えづらいんです。
しかし、ある程度ムーヴを覚えたときにタイミングよく言うと、皆さん意外なほどスッと出来るようになってしまいます。

教える側から見ると、明確な言語化できないことが心配です。
が、それよりも、感覚的な表現に本人の経験値が追い付くのを待った方が、良い場面なんでしょうね。

今日は、彼にとっては、そんな日だったんだと思います。