2018年12月30日日曜日

カムの効きは、よく分からない

12月29日(土)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性HNさん、男性SIさん、女性Mさん、女性ISさん。
カムの効きにも色々あります。

実戦的に、皆が言葉にするものをランク付けしてみます。

①バチ効き
(墜落率の大きなフォールでも大丈夫。出だし落ち、など。)

②バチ効き
(墜落率0.3ぐらいのフォールでも大丈夫。)

③ちょっと落ちるぐらいなら平気
(トップロープ状態なら、落ちられる。)

④静荷重ならギリギリ行ける
(テンションなど。)

⑤手で引くぐらいなら大丈夫
(テスティングなど。)
まず、①と②はカムは十分に効いている前提です。
カムのサイズが極小だったりすると①はそもそも得られないんじゃないか、とか言う話だと思います。

次に、③~⑤は具体的に、どういう状態なんでしょうか?
上の図で、左上がパラレルな面にセットしたもの。
説明書通りのものです。
これなら、よほど岩がツルツルで無い限り、①または②の効きです。

右上は、スプーンカット状の凹部にセットしたもの。
これも、①または②の効きだと思います。

左下は、凸部にセットしたもの。
右面の凸部がどの程度の荷重で欠けるかに、信頼度が依存します。
③~⑤のどれになるかは、岩次第です。

右下は、フレアした面にセットしたもの。
カムの歯が岩を押すことで止まる、という仕組みが発揮されにくく、見た目にもギリギリの摩擦で止まっているように見えます。
③~⑤のどれになるか、案外②ぐらい行けちゃうのか。
それは、岩の表面の摩擦(濡れ具合も含む)、表面に砂や風化面の有無、などによって異なるでしょう。
今回は省きますが、カムの歯のうち1枚とか2枚が効いてない状態のときも似たような状況です。

③~⑤のどれなのか、はたまた案外②ぐらい行けちゃうものなのか、判断は微妙です。 
あともう一つ、カムセットした際にテスティングはしても良いし、することによって得られる情報もあります。
ただ、強度テストとしては「⑤以上です。」としか教えてくれません。

ちなみに、テンションして大丈夫だったとしても、「④以上です。」とだけ教えてくれます。

不安なカムは、落ちてみるまで止まるかどうか分からないというジレンマです。
「じゃぁ、何を信じれば良いんですか!?」
という突っ込みが聞こえて来そうです。

「(自分だって)教科書的にセットしたいけど、登りながらそんなに時間かけられないから、どこまで妥協してO.K.かを教えて欲しい。」
という趣旨の発言も、よく伺います。
正直、どこまで妥協してO.K.かなんて、よく分かりません。
神須の鼻みたいなエリアに行くと、嫌でも考えさせられますが、やっぱり分かりません。
考えまくっても結論が出ないので、虚しくなったりもします。

「(初心者が取り付くような)比較的プロテクションの良いルートであれば、大事なのは安心感あるセットが出来るまで粘ること。」
そういう考え方で、講習は行うことにしています。
実践本気トライ
Mさん:純(5.8) R.P.。
ISさん:純(5.8) フラッシュトライにて、テンション掛けつつトップアウト。
SIさん:初孫(5.5) O.S.。
HNさん:初孫(5.5) フラッシュ。