2020年5月2日土曜日

我々の立ち位置

行動制限の緩和についても、議論が表面化してきました。
経済と医療の要求が真っ二つに割れる、というのが代表例として。

GWの登山自粛が叫ばれ、逆風も今がピークになるかと予想しています。
一例として、ヤマケイオンラインの記事。(5月2日付け。4月24日の対談から。)

このピークを越えた後の道筋を、落ち着いて考えるタイミングではないかと思います。

前提は、2点。
・行動制限の緩和を伴いながら、コロナ時代が2年~5年続く。
・私の場合、不要不急の登山やクライミングをする情勢にならなければ仕事が発生しない仕組みなので、ひとまず登山やクライミングをする一人として考える。

まず、緊急事態宣言下で不要不急の外出自粛が求められる現状で、登山業界の立ち位置を下図のようにイメージしています。
私のイメージなので、少し説明すると。

・衣食住、医療に関わる仕事は、リスクは高いけど、やらざるを得ない。
・自宅待機は、ノーリスクに近い。エッセンシャルワーカーほどではない仕事でも、テレワーク可能なら問題なし。
・パチンコ業界、夜の接客は、このイメージ図で最悪の立ち位置なので、批判対象になりやすい。(社会的イメージに引っ張られて批判に加担していると、クライミングジムや一部の登山ジャンルも相当悪い立ち位置なので、明日は我が身と思った方が良さそう。)
・隔日勤務などの対応が出来る仕事で、インフラなどに直結しない仕事は、このイメージ図の丁度真ん中くらい。

で、登山やクライミングなどのアウトドアが、なかなか微妙な立ち位置です。
①不要不急という意味では、ぐうの音も出ないポジションです。
②山小屋での3密、公共交通機関での移動、県外ナンバーの車への警戒心、事故時に普段以上の迷惑が掛かる点、などを考慮すると、「大自然の中ではローリスクだ!」とは断言できません。

ただ、②については、登山ジャンル、山行形態を十分に考え抜けば、リスクが下がるものもありそうです。
極端な例ですが、県内でマイカー移動・半日程度のハイキング・少人数・メジャールートを避ける、などの方法が考えられます。(週末の高尾山、繁忙期の山小屋、少人数でも挑戦的な山行、などは残念ながら対極になります。)

それでも、リスクが0にはなりません。
批判的な見方として、「少人数でも、市中感染率が高い間は十分に危ない。」、「ハイキングでも事故はありうる。」、「無症状感染者が山行中に発症する確率が分からないと、危ない。」、「医療キャパが無い状態では、低リスクでも我慢すべき。」などがあります。
そのため、現状ではイメージ図の左上の方であったとしても、相当に肩身が狭いはずです。これが、今後の展開でどこまで許容されるべきか、という問いです。

では、1人の登山者・クライマーとして、今後どのタイミングで再開すれば良いのでしょうか?
いくつかの考え方を例示します。

①世間の論調、登山業界の権威者の発言に身をゆだね、「山に行って良い。」と言われるのを待つ。(先導する側の気持ちに立つと、相当難しそうですが。)

②緊急事態宣言や各都道府県知事の要請、発言などから、経済活動と医療キャパのバランス取りの様子を見て、タイミングを伺う。

③ある程度はリスク考慮するが、周りは気にせず行きたい山に行く。

たぶん、これを読んでくださる方の多くが、
「③をするほど勝手にも生きられないけど、完全に①っていうのも違和感がある。かといって、②を自力で判断するって難しすぎじゃない?」
という感覚ではないかと思います。
※クライミング業界に関しては、③は相当リスキー。もともと、アクセス問題がくすぶっているので。アクセス問題が無さそうなエリアは、どこ?

②について、考えると。
・医療キャパの見える化は、まだ難しそう
ベット数のみなら、見られる
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/medical/

・市中感染率も不明
各所で、推定データを測る試み中?

・無症状から重症に移行する確率も不明
「じゃぁ、どうするのか?」という答えは、私も持ち合わせていません。他力本願ですが、緊急事態宣言の解除とかいう、行政の判断に合わせる形でやらざるを得ないのかもしれません。今後も情報を追いつつ、自分なりの判断基準を決めることになりそうです。

また、実際に行った場合の具体的な感染対策も、あらかじめ考えておく必要があります。
①少人数なら、濃厚接触でも許容する戦略。(クライミングでは、現実的な気がする。)
②5人で行くけど、マスク、手洗い、消毒などを徹底する戦略。
③屋内で食事するけど、喚起を徹底し、おしゃべり禁止の戦略。

まとめると、ごく普通の意見になるかもしれません。
「色々と対策を考えれば、部分的にアウトドア活動は出来るはず。批判があろうが、最後は我が道を行くべし。とはいえ、今はまだタイミングとして早そう。」
という感じです。

さてさて、ようやく腹が座って来ましたね。
とりあえず、自粛を頑張りましょう。