2020年5月5日火曜日

我々の立ち位置②

前の記事で、そろそろ何が出来るか考えるタイミングではないかと書きました。

富士山ガイドで先輩だった廣田さんも、はからずも似た主張だったので、参考として載せておきます。
廣田さんのブログ(5月4日) いつ登山を再開できるのか? -自立した登山者としての思考ー

・海外では、段階的に登山が許容され始めていること
・オピニオンリーダーに流されることの問題点
 (しかも、その主張はGWに登山者を増やさないために、正しさよりも緊急性優先である可能性もありそうなので、鵜呑みにしてはならないこと。)
・山小屋が長期休業を決めるのは経営判断も含めてのことなので、一般登山者とは違うこと
・今後の登山者は、リスクマネジメントを一層考えるべきこと
・「迷惑になってはいけない。」という思想が強すぎることの危険性
など。
情感あふれる文章で、きっと何か心に響くものがあるかと思います。

さて、ここから本題。
私が現状で考えていることです。

①今後、里山ハイキングの時代が来るかもしれない。
最近、近所の河原でも、川遊びをする人が増えてきました(笑)。
ランニングや自転車にハマらなかった人が、段々と自然志向になってきたのかなと思っています。
特定警戒都道府県でも公園の開放を検討するなど、「低リスクではあるものの、社会的に優先度が高くはない活動に対して、少し目を向ける時期になってきた。」と私は感じています。

ハイキングも色々ですが、
・県内
・頑張り過ぎない行程
・アプローチにおける感染リスクを減らす方法が何かしら取れること(混んだ電車を避けられる、など)
・メジャールートの回避
・少人数
などをクリアすれば、かなり低リスクな活動だと思います。

それでも、道迷いリスク、装備不慮のリスク、天候リスク、などは残ります。
今より少し医療が落ち着いたとしても、救助要請した場合の精神的・社会的リスクは今までの10倍くらいに感じることでしょう。もしかしたら、救助が出ないこともあるかもしれません。
一定のスキルがあっても怖いし、これを機に山を始めたいと思った人などにはハードルが
高すぎます。
ただ、そういう不安解消のためにアドバイスや支援を行うことは、私の得意とする分野でもあります。

つまり、
「身近で気軽に行けそうな山において、真剣にリスク管理する。」
という登り方に、面白みを見出してみるのはどうでしょう?
それ自体も当分は楽しめますし、岩場クライミングや本格的な登山を再開したときに、役立つこともあるはずです。

私自身、日々の状況を見ながら行動基準を探っているところで、「何月何日から講習を再開します。」とは断言できません。
しかし、もし興味がある方がいらっしゃいましたら、今からメールなどでのお問い合わせを受付したいと考えております。(通常は、予約する日がだいたい決まった状態でメールいただく方が多かったです。)

理由として、
・コロナ対策の考え方のすり合わせなど、試行錯誤を伴うこと
・再開してから募集するスタイルは、お互いにメリットが少なさそうなこと
の2点が挙げられます。

これまでの講習内容がそのまま使えるポイントとして、以下をイメージしています。
●山が初めてに近い方向け。
・持ち物相談
・休憩の仕方
・歩き方の工夫
・ペース配分
・エスケープルートの設定
・入下山連絡の仕組み
などの基本から。

●経験者だけど、この機会にリスク低減を目指したい方向け。
・地形図の読み方
・地形把握のポイント
・リスク想定(どこで~~が起こったら、といったシュミレーションを会話すること自体が、講習内容になるかも)

もし、興味がありましたら、ご連絡ください。
最近、お陰様でzoomを使えるようになったので、オンラインで話すことも出来ます。

②岩場でのクライミングは、まだ兆しを感じない。
今のムードを続けていると、地元の方にとっても観光業が呼び込めずに困ってしまうので、流れは必ず良くなるはずです。
個人的な予想ですが、経済活動としてのジムの方が早く再開するんじゃないでしょうか?

救いは、「ほとんどの岩場クライマーは、登山orインドアのどちらか一方は大好きだ。」ということかと思っています。
出口がいつかは見えないですが、出口の形はおぼろげに見えて来たように思う私です。